値下げという「麻薬」を断つ勇気
当たり前といえば当たり前ですが、革命的な技術が開発されない限り「安い」という歪は必ずその商品に関わるものにダメージとして跳ね返ります。給与の削減であったり、原価を安く買い叩いたり。
そして消費者はその安い事の犠牲には無頓着で。他社が価格を下げると同業者の相場を「ぼっている」と糾弾する。「薄利多売で大もうけしてるんだろ」
以前も書きましたマンガ「ミスター味っ子2」において、お客さんに安さと品質の良さでアピールする大手チェーンレストランの話。最初は主人公も感銘を受けるのですが、実は安い価格を維持するため農家へ対する価格ダンピングが発生。その農家の娘さんは金銭的理由で進学を諦めざるをえない状況に。彼女は言うのです。
「社長はみんなが幸せになるレストラン、って言うけど・・・そのみんなの中に私たち農家は入っていないのね・・・」
このお話の結末はぜひ皆さんで読んでいただきたいですが。
価格が下がった消費者の利益、というのは本当に一次的なもので。むしろそれによるダメージはジワジワとその消費者にも効いてくる。だから今、自分の給料が何年働いてもなかなか上がらない理由は、労働の価格が下がっているということでもあるんですよね。