10年ほど前、アニメやマンガなどの設定を研究批評する「○○研究読本」というのが流行した時期がありました。最初はサザエさんが火付け役になって、ドラえもん、ガンダム、巨人の星、キン肉マンなど。
例えば地上何十メートルの巨大ロボットの頭部にコックピットがあって、あんな無茶な動きをしたらパイロットは肉塊になるとか、主人公がとったあの行動は道路交通法第何条に抵触し、○○万円以下の罰金だとか・・・
で、当時、私も最初はゲラゲラ笑いながら読んでいたんです。が・・・
途中ですごく嫌な気持ちになったというか・・・それは、読後にそういう見方で原典を見るようになってしまい、純粋に楽しめないというか、以前のように作品にのめりこめなくなった、というか・・・知れば知るほど粗が目立つようになり、ちっとも楽しくない。
結局気がついたのは「突っ込みのためのリアルを架空世界の面白さに持ち込んでも、結局原典が面白くなる訳じゃない、むしろ無粋で余計な知識だ」ってことです。
アニメキャラの重力を無視した絶妙な動きにハラハラしたり、物理的矛盾をパワーと情熱で押し切る熱い演出を素直に受け止められる方が、絶対に作品を楽しめる。そう思いました。
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