ナチスドイツというのが、いかに未だにヨーロッパ諸国で禁忌であり、あちらで忌み嫌われているか、を日本に置き換えて考えた場合「原爆」に相当する、と考えればよいらしい。
たとえば日本ではいまだに「原爆(核兵器)が日本国内で爆発させる」、ということをエンターテイメントの映画の中で表現しにくい。あるとしたら世界観を割り切ったSFか、歴史的な「原爆の悲劇」を描いた作品だけ。原爆(核兵器)を使った脅迫は描けるけど、実際には爆発を止める、というストーリーでぎりぎり回避されたり。
しかし、たとえばハリウッド映画だとゾンビに埋め尽くされた町に核を落とすとか、ゲームでもCOD という超メジャータイトルでテロリストが核を爆発させる、というシーンがある。(ハリウッド映画「トゥルーライズ」ではテロリストが核を爆破させ、そこから退避した主人公とヒロインが核の光を背景にキスシーンしたり(もちろんその後も生きてます))
これらは被爆国である日本ではまず考えられない。というか、おそらく猛烈な抗議を受けると思う。
しかし、マンガ「ヘルシング」に代表されるように、ナチスドイツの様式美をキャラ個性として描く作品は日本のPOPカルチャーには結構ある。しかし、ヨーロッパでは上の原爆に匹敵するとんでもない行為。なにしろポケモンの卍マークがナチスのカギ十字に似ている、という理由でデザイン変更になったほど。
今回の麻生さんの発言は様々な受け取り方があると思うが、たとえば日本で「原爆のおかげで戦争がはやく終わった」と発言したらどうなったか?本人にはそういう意識はなかったんだと思うけど、ヨーロッパでは「仮にも副首相がたとえ話に使った時点でOUT」というもの、そのぐらい深い傷であるということでしょう。
そういう禁忌は世界中にあります。
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