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名誉職という仕事(役割)があります。
これは「報酬には見合わないけど、それを行うことで周りの人からの感謝、あるいはその人にしかできないことをほぼ無償に近い善意で行う、もっといえば能力を社会貢献、ボランティアに近い形で提供する仕事」で。 わかりやすい身近な例だと、たとえば災害復興のお手伝いとか、炊き出しの世話なども含まれます。 で、そういうことをやっている人にとって一番の恥辱は「名誉を傷つけられること」。被災地で瓦礫の撤去作業を手伝っている人に対して、何もしていない外野の人間に「偽善者の自己満足」「どうせ火事場泥棒みたいなことしてるんだろ」「裏で利権や金を貰ってるんだろ?」「そんなことやってる暇があったら〇〇をやれよ」といった言われない屈辱。 今回の学術会議任命拒否問題で、首相は拒否理由に「既得権化し、人選に偏りがあると以前から問題視していた」「閉鎖的で既得権益のようになっている」と言っていた。ところが、実際に学術委員会に出される予算は年間10億円。で、その半分がなぜか事務方の給与になり、実際に100人以上いる委員には日当2万円程度。毎日じゃありません。これ会議に出た時にだけ支払われる、つまり、そのために資料を作ったりの時間(研究者にとって一番時間がかかる仕事)は入っていません。 ではなぜそれを行うのかというと、それが冒頭の「名誉職」だからであり。学者や研究者が自分の専門家としての立場で国に提言する。それこそ研究成果を社会貢献に生かしてもらおうという。にもかかわらず今回それを首相に「最大限の屈辱をされた」わけです。 今回6人の任命拒否に関して、唯一共通している部分があるとしたら「過去に政府に対して耳の痛い発言や歴史認識を研究結果としている人」であるという。しかも、この人事は最初は首相が「自ら判断した」と言っていたのが、最近では「自分はよく知らない人だけど下から上がってきたものを信用して~」と逃げに走ってきた。その状況の言い訳の一つが上の「既得権」とか「閉鎖的」といった名誉職の人間に対しての最大の屈辱言葉である。 首相は自らのことを「秋田の田舎から人脈も何もないところからのたたき上げ苦労人」とPRしてきた。が、最近の国会での答弁のうろたえっぷり、発言内容を野党議員に追及され小悪党のような哀れさを見ると「苦労した人間?だからなんだ?あんたが戦後初の任命拒否という前例にない行動をするのだから、納得のいく任命拒否した説明をしろよ」という話になる。 彼らの頭脳はこの国の宝。だからこそ、そんな人たちの名誉を自分の保身のために汚す輩は許さない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.11.07 22:07:49
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