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仕事を減らす努力、というものについて。
私のような仕事(ゲーム開発者であり、3Dアニメーター)だと、受けた仕事をそのままやるのと、どこを削ってどこに力を入れるか?を最初に計算するのとでは仕事量が全く違う。また、それを部下にあたる人に割り振りする立場になれば、その人たちの作業量にも影響してきまして。 で、まず自分の立場、決定権、裁量権をはっきりさせる。これはどこまで私の判断にゆだねられるか?という部分で。逆に言うと最初にここがはっきりしないと、いろんなところから、あとになって「これもやってくれ」「ここ、スケジュールをもっと短くして」「このモデル構造、変更したいからモーション作り直して」といったものを無限に受けなければならなくなる。 そして何より「クオリティーレベル」のコントロールができなくなる。以前にもお話した、指の一本一本の動きまでリテイクを出したディレクターだったが、ゲーム画面で見るとキャラそのものが小さくて、まして指の動きなど何も見えない。全くの徒労であったケースとか。 私はこういう反省から、作業を3段階にわける。まず、雑でポーズや雰囲気(停止した立ち姿勢や県を振り下ろす攻撃なら振り上げ、振り下ろした後、戻りだけのポーズのカタカタしたイメージだけでとりあえず1キャラ分に必要になる動きをすべて作成する(仮組み) 次にそれを実機で出してもらい、どんな風に見えるか?この方向性の動きでいいかを確認したあとにある程度作りこみ(といっても「おかしくないレベル」に作る(本作業)、そして、その本作業もスケジュール内で出来る作りこみレベルまででいったん終了。次のキャラの作成に入る。 で、全キャラの動きが出そろったら、残りの期間を「目立つところから順番に」ブラッシュアップ(仕上げ)する。 そして、先ほどの役割分担の話ですが「部下のスケジュール管理、クオリティー管理の役割をやる場合、個人の制作量は1/2以内に抑える」というやつで・・・これを失敗すると他の人1の仕事をやりつつ、管理の仕事まで手を付けなければいけないで地獄を見る(見た)。もし、そっちも同じようにやるように言われたら、「では、クオリティーに関しては一切私の裁量にしてください。他の人(クライアントも含む)からの後出し要求は、スケジュールや人材を増やさない限り一切お受けできません」になる。 結局、ある程度モノが完成してくると「ここ、もっとこうして」といった意見がどこからも出てくる。ひどい時には根本になるものの変更を簡単に言ってくる。 その場合の作業をできるかどうか(スケジュールに間に合うかどうか)を判断できる権限がないと、過労を抑える防波堤の役割も部下にしないといけない。基本は一日8時間、一週間5人月に祝日を加味したうえでできる計画を立てるのが仕事ですから。 昔、私もゲーム業界は泊りや深夜残業、休日出勤が当たり前だと勘違いしておりました。が、これはすでにマネージメントが失敗しているという証であり、法律的にも違法です。違法なことの片棒は担ぎたくない、何より自分がそれによってうつ病になり、前の会社で休職~退社を余儀なくされたので。 情熱、という名の違法残業を前提の仕事はしてはいけない。それが成功してしまうと、美談としてそれが当たり前になる。ブラック企業の完成です。 だからこそ、仕事を減らす努力をなるべくしようと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.01.04 07:57:23
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