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佐遊李葉  -さゆりば-

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2015年12月07日
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カテゴリ:羅刹
 頼通は冷や汗の滲(にじ)む額を押さえながら言った。

「どうしたら、道雅をあの屋敷からおびき出せるだろう。手の者の話では、祈祷を施し出家までしたのが功を奏したのか、道雅はかなり持ち直してきたようだ。今は外出できぬほどの病状ではないと思う。私が使者を遣わして、どこかへ呼び出すこともできるが……果たして素直に出てくるものか」

「それはなぜ?」

「私は今まで散々道雅に脅しをかけてきた。ちょっとでも妙な真似をしたら命はないとな。道雅には例の風雅の宴の一件がある。おそらく、世間の噂から、私がそれを知っていることにも、薄々感づいているだろう。私から呼び出しがあれば、その件を追及されると思うに違いない。そうすれば、また病いと称して屋敷のうちに引き篭もってしまう」

「関白様の御威光をもってしても無理ですか」

「道雅もひとかどの貴族だ。それに人柄から言っても、簡単に私へ頭を下げるような男ではない。無理強いすればするほど頑固になって、手におえなくなるだろう。そうなったら、もはや夜討ちでもかけて、強引に屋敷から引きずり出すしかない。しかも、道雅は用心のために侍どもを屋敷内に大勢飼っているから、少々の人数では無理だ。だが、私が数多の兵を動かしたりすれば、都中が大騒ぎになる。それだけは、何としても避けたいのだ」

「できるかぎり、隠密裏(おんみつり)にことを進めたいと」

「そういうことだ。それに、師実が怨霊に祟(たた)られて死にかかっているなど、できるだけ他の人間には知られたくない。そんなことがわかれば、あの教通らをどれほど喜ばせることになるか。これに乗じてよからぬことを画策するかもしれぬ。何か、世人にも知られぬようにこっそりと、道雅を屋敷からおびき出す手立てはないものか」

「あることは……あります」

 能季は口から搾(しぼ)り出すように、小さな声で呟(つぶや)いた。


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最終更新日  2015年12月07日 12時26分17秒
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