ダニ対策――ほこりを掃除、湿気に注意(安心の住まい図)
2006/04/29, 日経プラスワン 掃除をすると、鼻水が出て止まらなくなる。刺されると非常にかゆい。暖かくなると、こうしたダニに悩まされることが多い。 嫌われもののダニは成長すると足が八本になる。昆虫は六本。だから、ダニは昆虫ではない。家の中には、人を刺すツメダニなどもいるが、近ごろ問題なのは、チリダニ科のコナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニ。目で見ることは難しく、体長は0.2~0.3mm程度。今、これらのダニが住宅で過半を占めている。 この死骸や排出物が、アレルギーのもと「アレルゲン」となる。だからダニを薬剤で殺しただけでは、アレルゲンはなくならない。ほこりを掃除などでこまめに除去することが大切だ。 ダニは畳、カーペット、布団、ソファなど至る所にいる。ソファに1,000匹、布団に10,000匹といえば驚くかもしれないが、一平方メートル当たりのダニ数が100匹以下になればほとんどアレルギーの原因にはならない。最近は、ネット通販でダニのアレルゲン量が1回1500円程度で測れる簡易センサーが売られている。アレルギーの原因を徹底調査!ダニアレルゲン簡易テストキット10回分心配な人は買って測定してみてもよい。 床をカーペットからフローリングにするとダニを減らす効果があるといわれている。これはフローリングそのものの効果だけではない。実はフローリングにすることで、ほこりが見えやすくなり、こまめに掃除をするようになる効果の方が大きいのだ。薬剤を多量に使って無理にゼロにしようとすると逆に人間に薬剤の影響が出るので要注意だ。 ダニが快適な温湿度は、室温20~30度、相対湿度60~80%。人間の体から出るフケやアカ、カビなどが餌となる。暖かくなってダニにとって適温になっていくが、今の時期はまだ湿度は低い。ダニが盛んに産卵を始める前に室内を十分開放して乾かすことによってダニ対策ができる。 ダニとカビはお互い助け合って生きている。冬の間の結露で湿った家具の後ろの壁などを乾燥させ、カビが生えにくくすれば、ダニ対策にもなる。スギ花粉もほとんどなくなったので布団などを天日干ししよう。(早稲田大学教授田辺 新一)