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風子の575 あるがままに

風子の575 あるがままに

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2021.06.11
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カテゴリ:文人趣味
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くちなしにこういんのときさまをみる  風子​           

朝早く咲いて夕べにはもう萎れている
くちなしの花
甘い香と白い花が魅惑的だが
一日花で哀れをさそう
遠い日の苦い思い出が
胸をよぎる

♪「くちなしの花」は
およそ50年前に
渡哲也が歌ってヒットした
昭和歌謡の代表作だ
この歌の経緯を作曲者の遠藤実が語る

レコードを出したポリドールの
山口ディレクターは
当時戦没学徒の遺稿に関わり
ある飛行士の死地に赴く前に
愛する女性に残した五行詩に感動
これをイメージした歌を企画する

作詞は白木かおるだが
できたその歌詞に
明日は死地に赴くという
不可避の運命を背負った青年の
痛切な思いを感じさせるフレーズは全くなかった

遠藤実は歌詞を目にし
苦労させた自分の妻への思いを重ねて
涙したというから
戦没学徒の心情に涙したのではない

意図の違う歌は
ディレクターの狙いとは
全く無縁の歌になったわけである
反戦とまでいわないでも
不条理な別れを強いられた男の
惜別の情が見えるフレーズがあっても
良かったのではないか

ともかく歌謡としてはいいに違いなく
大ヒットしたわけだが
このような
エピソードを知ると
複雑な気分になるのは
戦争を知る者だからか…

因みにきっかけとなった戦没学徒の遺稿
五行詩「くちなしの花」を
載せておきます

 「俺の言葉に泣いた奴が一人
   俺を恨んでいる奴が一人
   それでも本当に俺を忘れないでいてくれる奴が一人
   俺が死んだらくちなしの花を飾ってくれる奴が一人
   みんな併せてたった一人……」

このエピソードについては
「二木紘三のうた物語・くちなしの花」より
引用させて頂きました





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最終更新日  2021.06.12 12:38:43
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