カテゴリ:映画・TV・演劇
白井晃が神奈川芸術劇場の芸術監督に就任してから第一作となる『夢の劇ードリーム・プレイ』を観た。この劇場が作り出すことの出来るサーカスステージのような舞台設定は、パフォーマンスを楽しむ観客の心を揺さぶる。舞台奥に構えるミュージシャンの奏でる音楽、舞台を縦横に飛び回るダンサーたちの踊り、単純化された現代美術のような大道具、これらがこの舞台の魅力を生み出す見所だ。
ストリンベリの戯曲自体がとりとめない不満の表出のようなところがあり、出演者も役柄作りには苦労するだろうが、主演の早見あかりは役柄も明解であり、よいパフォーマンスになっていた。 とりとめない不満の表出と書いたが、詩人の魂には凡庸で退屈な市民生活は耐えられないものだろうし、それは人生皆苦と看破した仏陀の発見に通じる。最後、大きなハスの花に引かれて天国に昇ってゆくという情景はまさにそれを示しているのだろう。 タイトルが『夢の劇』とあるように、何もかもが夢の中での出来事であるかのごとくで、それを味わうのがこの作品の興趣である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年04月21日 12時05分43秒
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