|
カテゴリ: ピアノ練習あれこれ
サイト巡りをしていたら冬には是非弾きたい・聴きたい曲の1曲として、シベリウスの「樅の木」があげられていた。シベリウスといったら、フィンランドを代表する作曲家。誕生日が1865年12月8日って、えっ?私と1日違い??と、勝手に親近感をもってしまったりもするのだが、交響詩「フィンランディア」あたりは耳にした人も少なくないのではないだろうか。どうしても交響曲や交響詩、協奏曲等のイメージが強いシベリウスであるが、実はピアノ曲も多数存在しているのだ。
私にとって、シベリウスのピアノ曲はほとんど未知な領域であり、一体どのような曲なのかすら知らないまま、ウン十年を過ごしてきた。が、たまたまネットで見かけた紹介記事に惹かれて、そのままフラフラッと楽器店に足を運んでしまったのである。 ■シベリウスの楽譜とCDを買ってみる 「樅の木」は、全音の「シベリウスピアノアルバム」に掲載されており、中級レベルで容易に弾けそうな譜面だ(全音でいう星3つレベル)。先日、日記でも話題になったレパートリーを増やすには、もってこいではなかろうか、そう思いながら、そのままレジへ。「おっと、CDも入手しておかないと」と、隣のCDコーナーに立ち寄ったのだが、シベリウスのピアノ曲を収録したCDがほとんど無いではないか。「も、もしかして、かなりマイナーなのだろうか・・・」 と、必死にCDの棚を目で追っていくと、ようやく2,3枚のCDを発見。実は、先程購入したシベリウスピアノアルバムの監修であり、ピアニストである舘野泉氏のCDを探していたのだが、店頭で見つけた彼のCDはシベリウスに特化したものではなく、フィンランドの作曲家全般の演奏CDであり、「あれー、ネットでの紹介CDとは違うなぁ」と棚に戻す。同じく日本人ピアニスト田部京子さんもシベリウスのCDを出しているはずなのに、これまた店頭には在庫無し。結局、その場でどうしても1枚は買って帰りたかったため、ヴィータサロが演奏したシベリウスピアノ小品集のCDを買ってみることにした。 家に帰るとすぐさまCDを聴き始めた私であったが、その途端にテレビでしか見たことがない北欧の深い冬空と雪の情景がぼんやりと浮かんできた。ところどころ、ドビュッシーを思わせる曲調ではあるものの、いや、ドビュッシーとはまた異なった、どことなく素朴さが残る旋律。それでいて、聴き慣れたクラシックではみられない不思議な響きを漂わせているのだ。 ■さて、かんじんの「樅の木」は・・・ クリスマスといえばやっぱり樅(もみ)の木、しかし、なにもシベリウスはクリスマスを想って「樅の木」を作曲したのではなく、フィンランドの象徴である樅の木を題材に作ったことをとりあえず最初に言っておこう。この「樅の木」は、ピアノのための5つの小品Op.75のなかの1曲であり、通称「樹の組曲」と言われているらしい(名付け親は、ピアニストの舘野泉氏) 樹の組曲は、ピヒラヤの花咲く時(Op.75-1)、孤独な松の木(Op.75-2)、はこやなぎ(Op.75-3)、白樺(Op.75-4)、そして、樅の木(Op.75-5)と、いずれも樹木を題材とした曲だ。 さて、「樅の木」は、流れるようなアルペジオに始まり、主題はLentoでじっくりと響きを楽しむ旋律。中間部のアルペジオはまるで樅の木の周囲を舞う風のような印象であり、再び主題に戻って終わり、といった、非常に短い曲。テクニック的には特に問題となる箇所はなく、ソナチネアルバムあたりを弾いている人ならば、容易に弾ける曲だが、あとはいかに曲に命を吹き込めるか、例えば、じっくり聴かせる部分の歌い方とアルペジオをいかに美しく響かせるか、あたりがポイントではないだろうか。 ■全音の楽譜シベリウスピアノアルバムを監修したピアニスト 舘野泉氏 今回購入した全音の楽譜を監修したのが、ピアニストである舘野泉氏。大学卒業後、フィンランドに拠点を移し、フィンランドの代表的なピアニストとして非常に長い間活躍している。日本にもファンが多く、なんと、ファンクラブまで存在するのだとか(す、すごい!!)。しかし、2001年、フィンランドのリサイタル中、ステージ上で倒れ、右半身不随といったピアニストとしては致命的といわれる症状に陥ってしまう。しかし、彼はその苦境に負けじと「左手のピアニスト」として復帰。現在、再び多くのステージをこなしている。 ・・・ということなのだが、ふと、自分に置き換えて考えてみた。もし、今、自分が倒れたら。もし、今、自分の手が動かなくなったら。舘野氏のように己の状況を冷静に受け止め、そして新たなる道へと進むことが出来るのだろうか・・・と。 おっと、気がつけばかなり長い日記になってしまった。ちなみに、シベリウスのピアノ楽譜はとにかく少ない。実は、シベリウスの「ソナチネ」の楽譜を探しているのだが、ご存じの人はいないだろうか。各所をあたってみたのだが、どうしても入手方法が見つからない。 ---------------------------------------------------- 本日のピアノ練習メモ(定例) ●ハノン #21-22,#29-30,#39,#40 #21-22(3-4-5指の訓練)を続けて繰り返し2回 #29-30を続けて繰り返し2回。 #39全長短調の4オクターブ音階をリズム変えて(ハノン教本によるリズムその3))2往復ずつ弾く #40半音階(オクターブと3度) ●クラーマー=ビューロー60練習 #01~#04 #01~02、おさらい #03、まとめ段階(テンポアップ開始) #04、つまずき度は随分減ってきたのでテンポ四分音符96で安定して弾けるように繰り返し練習。 ●バッハインヴェンション #01~#13 #01~#10はノーミスで弾ければ1回ずつ。ミスした場合は再復習。 #08、テンポ四分音符110で、左手もつれることなく弾けるように復習。 #11、OK、明日からノーミス1回コースへ。 #12、指の進行に慣れてきたため、強弱を考慮しながら曲を仕上げていく。 #13、上に同じく、指の進行に慣れてきたため、強弱に考慮しながら曲を仕上げていく。 ●ショパン エチュード Op.10 Op.10-12、第65小節から最終小節まで左手重点的に練習。特に、73~76小節の運指に戸惑ってしまうので、特に重点的に。 ---------------------------------------------------- 本日のピアノ練習メモ(期間限定?) ●シベリウス 「樅の木」 今日楽譜を買って早速着手。40小節からのアルペジオ部分を除けば非常に弾きやすい曲なので、1日である程度のところまでは仕上がった。あとは最終的にどう料理していくか・・・である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[ ピアノ練習あれこれ] カテゴリの最新記事
親しい友人がフィンランド住まいなので彼の地には特別に親近感があります。また舘野氏は昔から父もわたしも好きでした。倒れられてからの活動も応援しています。
フィンランドの作曲家は、シベリウス以外のかたがたのもとてもいいです。最初に手に取られたのは二枚組のもの?わたし持っていますがすご~くいいです。感激して自分のコンサートでいくつか弾いたこともあります。そっちを買われたらよかったのに…と日記を読みながら一瞬残念でした。 特にメリカントは本国でも大変愛されている作曲家だそうで、近年全音からも曲集がでています。ぜひ弾いてみてください。シベリウスよりも親しみやすいかも。KUULAの結婚行進曲も大好きです。 シベリウスのソナチネは残念ながら知りません。「樅の木」弾き深めていく楽しみがありますね! (Dec 17, 2004 11:25:42 AM)
lemidoriさん
お友達がフィンランドにいらっしゃるのですか。わぁ、私もシベリウスを聴いた途端、まだ見ぬフィンランドの土地に思いをはせてしまいました。しかし、行きたいと思っても飛行機恐怖症を克服しないと、ダメですよね(涙) >フィンランドの作曲家は、シベリウス以外のかたがたのもとてもいいです。最初に手に取られたのは二枚組のもの?わたし持っていますがすご~くいいです。 私が手にとったのは幸い?1枚ものでした。「フィンランド・ピアノ名曲集」だったかな、「樹の組曲」からは「樅の木」しか収録されていなかったので購入に至らなかったのですが、2枚組のCDとは ポニーキャニオンから出ている「フィンランド名曲コレクション」でしょうか。もし、これでしたら、某通販サイト(楽天には全然なくて・・・)で見つけたので買っちゃおうかな(^^;なんて思ってしまったのですが。 レビューをみても、シベリウスを買うつもりがこれを買ってホントに良かったうえに、メリカントが良かった旨、書かれていました。。。lemidoriさんもオススメということは、これはもう、メリカントにもハマりそうな予感です。 >シベリウスのソナチネは残念ながら知りません。「樅の木」弾き深めていく楽しみがありますね! 実は、クリスマス時期までに練習して、実家に帰った時に弾いてやろう・・・というひそかなたくらみがあったりします(^^; ソナチネは、、、やはりあまり知られていないのでしょうか。CDに入っていた即興曲にも心惹かれてマス。どうしてこんなに弾きたい曲が次から次へと現れてくれちゃうのでしょうか、と嬉しい悲鳴です。 (Dec 17, 2004 12:37:17 PM)
私も楽譜を買いました。
ただ、練習はしていません。 難易度よりも、難しそうだし、私のよく行くサイトの「ピアノの国」様の演奏みたいに弾くには、練習がかなり必要な感じがしました。 あのためみたいな部分が、なかなか・・・。 シベリウスは、その曲しか把握していません。 フィンランドの出身なんですね、ムーミント一緒で自然の風景が思い浮かびます。 (Dec 18, 2004 12:37:32 AM)
ふゆのほしさん
私が持っているのは、そのまさに「フィンランドピアノ名曲コレクション」です。お勧めです! >行きたいと思っても飛行機恐怖症を克服しないと、ダメですよね(涙) もうずーっと行きたいと願い続けていますが、なかなかチャンスが有りません。願い方が足りないのか…。 >メリカントにもハマりそうな予感です。 ハマりましょう!(^_^)楽譜も全音から出ています!ふふふ。 >実は、クリスマス時期までに練習して、実家に帰った時に弾いてやろう・・・というひそかなたくらみがあったりします(^^; をを。ピッタリですね。そういえば前述のコンサート、12月だったんでこの「樅の木」も弾いたんだった。なかなか好評でした。 >即興曲にも心惹かれてマス。 op5-5のアルペジオで降りてくる曲かな。「北欧の空気~」ってイメージの。ほんと世の中にはなんでこんなにたくさん「いい曲」があるのでしょうね。嬉しい悲鳴、同じく、です。 (Dec 18, 2004 11:03:20 AM)
ゆか(ゆかちん)さん
おっ、ゆかさんも楽譜をお持ちなのですね(^^) 今回、楽譜と一緒にCDも買ったのですが、確かにCDを前もってじっくり聴いておかないと、なかなか把握しきれない奥深い部分がありますね。樅の木の場合、技術面より表現面が要求される曲かなと感じてます。 私は、まだ見ぬ土地の一本の樅の木を頭に浮かべながら、割と自由に弾いちゃってマス。是非機会がありましたら、練習してみてくださいね。 >シベリウスは、その曲しか把握していません。 昨日から練習を始めたのですが、樹の組曲の1曲目(ピヒラヤの花咲く時)も前半はラヴェルっぽくて良い感じですよ。 >フィンランドの出身なんですね、ムーミント一緒で自然の風景が思い浮かびます。 ムーミンもフィンランドでしたよね、そういえば。 フィンランドにはムーミン谷博物館もあるみたいです。あの自然のなかでムーミンが生まれたんだなぁと思うと感慨深いですねぇ。 (Dec 19, 2004 12:12:10 AM)
lemidoriさん
>私が持っているのは、そのまさに「フィンランドピアノ名曲コレクション」です。お勧めです! やはりアレでしたか。早速ネットで注文しちゃいます(^^) これがきっかけでフィンランド音楽に魅了される日々がはじまりそう・・・ってもう、はじまってます。 メリカントもピアノアルバムという楽譜が出ているのですね。やはりシベリウス同様、国内ではあまり楽譜が出版されていないのでしょうか。 シベリウスも弾きたい曲がいくつも出てきているのに、楽譜を探すのに一苦労しそうです。どうして出版されないのでしょうね。 >をを。ピッタリですね。そういえば前述のコンサート、12月だったんでこの「樅の木」も弾いたんだった。なかなか好評でした。 まぁ、そうだったのですか*^^* 樅の木に限っては、割と多くの楽譜に掲載されているみたいで、この時期、樅の木を弾かれている人も多いかもしれませんね。 >op5-5のアルペジオで降りてくる曲かな。「北欧の空気~」ってイメージの。 そうそう、それです。冒頭聴いただけで、「うわっ、弾きたい!」と思わせてくれちゃった1曲です。幸い、「即興曲」は楽譜が出ているので、こちらも近々入手しようと思ってます。こうしてまた練習する曲が増えてしまいそう・・・(^^;; (Dec 19, 2004 12:24:08 AM)
ふゆのほしさん
フィンランドのピアノ曲ですが、わたしは10人の作曲家の代表曲が乗った楽譜を持っています。10年くらい前ヤマハの情報誌で紹介されていた楽譜を取り寄せました。 「FINLANDIA Finnish Piano Pieces」 FAZER F.M.07876-6 と楽譜の表紙には書いてあります。(値段は不明) シベリウスの即興曲も樅の木もメリカントのIdylleもValse Lenteもあります。 手軽に色々…という向きには最適かも (Dec 19, 2004 05:21:08 PM)
lemidoriさん
えっ、そんな心そそられる楽譜があるのですか。やはり輸入楽譜を入手する方が早道みたいですね。私もヤマハに問い合わせてみようかなと思います。注文したCDももうすぐ届くでしょうし、楽しみです!!!楽譜情報、本当にありがとうございます。 舘野さん話が出たついでなのですが、セヴラックというフランスの作曲家はご存じでしょうか。「ひまわりの海」というピアノ作品集のCDが気になっている(ジャケットだけ見て気になるとは、ちょっといい加減な私ですが)のですが、いかんせんセヴラック自身を全く知らないもので・・・ (Dec 20, 2004 10:40:25 AM)
ソナチネはブライトコップフウントヘルテル(ドイツ)が出ています。輸入楽譜を扱う店で入手できます。この曲はOp75に比べると左右の手の動きが複雑で、やや難曲です。私もこの「樹の組曲」は昔から大好きで、自己流の遅い演奏ながら昔から親しんでいます。
(Dec 20, 2009 10:08:02 PM)
Makotoさん
2004年の記事にコメントをつけて頂いてありがとうございます!!ちょうど冬の時期ゆえ、またまた樅の木をのんびりと弾く日々です。樹の組曲は本当に良いですよね。樅の木のほか、ピヒラヤの花咲く時もかなりのお気に入りなのですが、独特の進行がうまく馴染めておらず、いまだに納得のいく仕上がりになりません・・・もう何年越しでしょう(^^;;; ソナチネ、ブライトコップフウントヘルテルからでているのですね。実は以前、銀座の山野楽器を訪れた際に探してみたのですが、ソナチネが置いておらず、私ったら代わりに即興曲を買ってきてしまいました(^^;; (Dec 21, 2009 07:24:47 PM)
ソナチネは、確かベーレンライターから、出ているはずですよ。名曲です。
(Jan 20, 2022 05:44:03 PM)
|