４月17日。

奇しくも，キリスト教（プロテスタント）でいうところの，師匠の「召天記念日」。

師匠の塾の片付けのお手伝いに伺った。

いや，お手伝いという表現は適切ではない。
不要になった備品のうち，私の塾で使えそうなものをいただきに行ったという方が実態。

主を失った師匠の塾を訪れるのは２回目。
これが最後だ。

先に奥様がいらっしゃっていて，仕分けをされていた。


驚いたのは，師匠の「用意周到さ」。
同じもの（マウスとか，穴開けパンチとか）が何個も出てくる。

とにかく，予備を用意しておかないと気が済まない性分だったのだろう。


驚きを通り越して，呆れてしまったのは，膨大な数の製本テープの山。
あちこちからストックが出現し，段ボール１箱を優に超える。

「一生掛かっても使い切れない」と言っても大袈裟ではない。
結局，全部いただいて帰ることに。
皺なく貼れるように，頑張って練習しなければ…。


師匠がPC関係でお世話になっていた「おやっさん」がお見えになると聞いていたので，会のHPサーバーでお世話になっているＫ氏にもご同行を願っていた。

DVD教材の焼き増し等，専門家同士でお話を進めていただき，具体化の目処が立ちそうだ。


主に，大量のコピー用紙と予備のプリンタインクをいただいた。
いずれも，書店様納品用のテキストには欠かせないので有難い。


ホワイトボードもいただきたかったのだが，現有の黒板との入れ替え処分に難があり断念。



ポツリと残されているのは，恐らく，師匠最後の直筆。

極度の体調不良の中，精一杯のパワーを絞り出して解説されていたのかと思うと，言葉が見つからない。


できることなら，何か「形見」の品を…と考えていたのだが，生憎，塾に残された殆どの物品が事務用品と機械類だ。

ふと本棚に目を向けると，古ぼけた英英辞典が。

「これが，師匠の英語学習の原動力になった，あの英英辞典か…」

ずいぶん前にお話を伺っていたのだが，こんなところに眠っていたとは…。

早速，奥様に師匠のお宝である旨をお伝えしたら，「それなら，KAZU先生に差し上げた方が主人も喜ぶと思います」とのお言葉が。

形見として，有難く頂戴することに。
古い，ボロボロの辞書だが，セロテープで丁寧に補修したあとがあちこちに。
よほど大切に使われていたのだろう。

未だにそのまま大事にとってある。
ページを繰る勇気は…
ない。

開くと自分の中で，何かが崩れ落ちそうな気がして…。