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カテゴリ:酒
麻井宇介さんが指摘されているように、昭和20年代はカストリ、バクダンといった危なっかしいアルコールが出回り、昭和30年代は焼酎や合成清酒、イミテーションウイスキーが幅をきかせ、昭和40年代は作法(マナー)がもてはやされ、モーレツ社員やノンポリ学生が、飲む酒のランクをあげる(2級から1級へ)意識や、時代の空気があり昭和50年代は、純やいいちこの乙類焼酎の出現、サワー、びん生、生樽、ワインブームで、昭和60年から平成に向かっては、ドライビール、自販機、缶ビール、居酒屋ブームにつながっていく。 現在のハイボールも強力な宣伝効果によるブームを巻き起こしている。 美味しんぼ70巻(ビック・コミックス)の「スコッチウイスキーの真価」を読んで、日本のウイスキーや、いままでの酒税法を知り、一定の制約の中で、ウイスキー風味の酒を製造してきた歴史を知った。だから、現在のハイボールに対して、昭和の香りとその頃の合成手法と、広告宣伝のうまさに乗せられて、酒文化が進むことに流されたくない感覚が混ざってあり、お店で進んでは注文していない。 ←美味しんぼ〔小学館文庫〕 48(小学館文庫だと48巻に収録されている)イギリス人の感覚とすれば、折角、年月を掛けて作られた黄金の液体が、水や氷や炭酸で割られるのに違和感を感じて、やはり、ハイボールは飲まない傾向だろう。そんな、炭酸で割られるための黄金の液体は、簡単に製造できそうな軽いイメージを感じてしまう。 立ち飲みさくらで飲むお湯割りはビックマンである。チューハイよりお湯割りを飲むのは、年をとって体を冷やしたくないのと、鹿児島の友人が夏でも白波のお湯割りを飲んでいたからかもしれない。(もしかしたら、彼が好きだったのは、お湯割りではなく、割り水してくろじょか-黒茶家、黒千代香-で燗した酒かもしれない。割り水して飲むのみ方も、口当たりのまろやかさとか、飲酒制限されたお父さんの苦肉の策とか諸説あり、どうなっているのか、今後の宿題。) 宣伝広告と売り上げ戦略とブーム作りと飲酒文化は切っても切れない関係にあるので、ハイボール愛飲人口が増えるのもしかたがない。 ぼくの好きなスコッチはティーチャーズ・ハイランド・クリーム(TEACHER'S HIGHLAND CREAM)である。 なぜ好きかというと、思い出があるから。 どっちにしろ、だんだん年をとってくると、酒の楽しみ方も、日常と非日常を使い分けて世界の酒を飲むようにしている。吉田茂や田中角栄のようにオールド・パー(OLD PARR)を愛飲できる経済状況ではない。 中国の酒も日本に入らないので、今後、新しい動きがおきるとおもしろいのだが、世界の酒飲みである阿川弘之さんは、ちゃんと軍隊で中国の酒に詳しくなって帰国している。 書きたかったことは、東京で何も考えないで住んでいると、近所で買える同じ酒ばかり飲んでしまうので、視点を変えて、違う酒をいろいろさがして飲むと、脳トレにも体にもいい効果がある。酒におぼれず気分転換効果を楽しめる。 日本各地や世界を知るきっかけになる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.05.12 05:58:47
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