|
カテゴリ:山梨
朝は、感覚が鋭くなる。
寝ている間に汗をかいて喉が渇いた体で飲む水の旨さは朝にしか味わえない。 起きて口にするコーヒーも、美味しいものだとその印象が深まる。 仕事で訪れた山梨で、バッカス甲府ゲストハウスに泊まる。 起きて、宿の近くの寺崎コーヒーへ向かう。 仕事前にコーヒーを飲みたい。 向かう平和通りや舞鶴通りでは、官庁街に出勤する人々とすれ違う。 雪予報の冬の朝は、特に冷え込みが始まる空気の中、モコモコのダウンを着込んだマフラー、マスク姿の方々が多い。 そんな中、久しぶりに訪れた寺崎コーヒーで、ハンドドリップのエチオピアを注文する。 寺崎さんとも久しぶりの再開である。 コーヒーメジャーで、きっちり15.5グラムに計られた豆がグラインドされる。 朝の空気にグラインドされたエチオピアの香りが微かに流れる。 密やかな香りで、鋭くはない。 蒸らしは30秒位で、抽出は、3分位だそうだ。短くはない。あえて、蒸らした後、2投以上でゆっくりとドリップされる。 コーヒーが出来上がる。 容器に入れられたコーヒーをカップに入れる。 2杯程、味わえる量のコーヒーが提供される。 1杯目は、温かいアロマを感じ、冷める2杯目では、コーヒーに現れる別の個性が楽しめる。 その置かれた容器のコーヒーから、華やいだフローラルと南国フルーツのアロマが、朝の空気にピンと立ち昇る。 カップに注ぎ、口にすると華やかな酸が拡がる。 口に含む快感とサラサラとした液体が流れる感覚が爽やかで気持ちいい。 そして、飲み込んだ後に、口にエチオピアの熱帯個性のアロマが拡がる。 嗅ぐ香りとは、別の個性が見え隠れしている。 パッションフルーツのような、と寺崎さんはおっしゃる。 そうでもあるしフルーツでもあり、花でもある。 寺崎さんの目指すコーヒーは、余韻だそうだ。 飲んだコーヒーの心地よさが感覚として口に残り、それがふとした瞬間にフラッシュバックする。 それに惹かれてまた、あのコーヒーが飲みたいなという感覚を大切にされている。 そんな、余韻のあるコーヒーを提供されている。 また、スッキリ感も求めている。爽やかに通過するアロマが際立つコーヒーである。 そのため、エチオピアのウォッシュドを多く使う。 コーヒー果肉の個性が染み込んではいない洗った豆から個性を引き出される。 それらの個性が、店に併設される焙煎機で、丁寧にローストされる。 香ばしさが発生するギリギリの手前で、豆のポテンシャルが引き出されている。 そうおっしゃる寺崎さんには、師匠となる方がいるそうだ。 求める理想があるから、日々変化をしていける。 コーヒー豆も農産物なので、毎年、変化する。 今回の朝の余韻も人生で一度きりかも知れない。 大切にしていきたい感覚である。 寺崎コーヒーで誰かと余韻を楽しみたい。 それは素敵な忘れられない思い出になる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2018.02.03 05:55:59
コメント(0) | コメントを書く
[山梨] カテゴリの最新記事
|