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住宅ローン New! mamadocterさん

2007.10.09
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カテゴリ:白砂糖断ち
恵巳さんからのメールに「砂糖はセンタリングをぐらつかせる」と書いてあったことがあるんだけど、これこそが実は砂糖の、一番怖いところではないかと思っている。もう、実感ありありなのだ。私が長年悩んできたのは「センタリングできない」ということだった。

センタリング。うまく一言で言えないから、いろんな言葉で説明してみようと思う。自分の体の真ん中に、しっかり入っていること。一瞬一瞬、意識的であること。未来や過去に心を逃避させず、今ここで自分が一番気持ちよくなる選択をできる状態のこと。うーんこんな感じかなー。「上の空」の逆だね。

私はこれが、すごく苦手だった。子供の頃から常に空想の中に逃げ込んでいるような子だったけど、当時はまだそれが問題だなんて思っていなかった。10代になって過食嘔吐するようになると「私はいつも、特に過食している時、魂が体から抜け出したみたいにどっかに行っちゃってるな」と思っていた。でもまだそれを強く問題視はしなかった。

本当に「私ってどこかおかしい!?」と思ったのは、モモを妊娠した時。整体で「お腹の子に気持ちを集めることが大事」なんてよく言う。荷物を持たず、目的地も作らず、ただただお腹の子と一体になって景色を楽しみながら歩く、そういう散歩をするのが一番の胎教だって。ところが私、やってみようとしたら、散歩ができないの!散歩ができないって意味不明?でも本当なんだよ。目的地なしに歩こうとしても、退屈で退屈で気が狂いそうで、5分ともたない。お腹の子に気持ちを向けようとしても、5分ともたない。私はいつも頭の中の過去や未来の世界に逃げ込んでいて、今ここになんかちっともいられない、景色なんか味わって歩いたためしがなかったんだ・・・!かなり焦った。

時々、強烈な夕焼けだったり、ものすごく美しいお天気雨、信じられないぐらい青い海とか、明け方の濃い青の空、そんなものを見た時だけは、一瞬ハッとして「今ここ」に引き戻される。そうそう、あとヨガやってる時とかね。だけどそれ以外の、もう99.999999%ぐらいの時の私は、自分の体の中になんかいなかったのだ。自動操縦のロボット同然だった。

私は10代の頃から精神世界の本を読み漁っていたから、これがどういうことか、何となく分かった。既に「悟り」の境地に達した人が世界にはたくさんいて、そんな人が書いた本もたくさんあるわけだけど、どうも彼らが言うことを総合すると、悟りというのは「常にセンタリングできていること」のようなのだ。言い換えれば、悟っていない「いわゆる普通の人」は、程度の差はあれ、センタリングできていない時間が多々あるということ。でもね、私の場合かなり重症じゃないかと思った。お腹の子に意識を向けようとしても、散歩で景色を味わおうとしても、5分、いや3分もすれば息苦しくなってきて「えーとタバコタバコ」なんてカバンを漁っている。普通の人は、多分ここまでじゃないはず・・・。

もう意地になって、今ここにいる修行(?)をしようと思った。意識を「今」からそらさないように、体がお留守にならないように、心がどっかに飛んでいかないように。まあいわゆる瞑想だよね、これって。でも別に目をつぶって心を無にしようと試みたわけじゃない。生活の中で動きながら、それをやった。手を動かしている自分、足を踏み出している自分そのものであるように、常に自分であるように。時々ふっと飛んでいく心をエイヤッとつかまえながら、何とか1時間ぐらいは粘った。その間はタバコも吸いたいと思わなかった。いや、思った瞬間に「本当?」と自分の体に問いかけてみると「いやウソです」とのお返事でね、その繰り返し。でも1時間で限界だったね、くったくたに疲れた。今ここに居続けることが、こんなにも大変だなんて!10代の頃から何となく「今生で悟ってしまいたい」なんて思っていたのだけど、自分はかなり遠ーいところにいるらしい、ことだけはよく分かった。

まあ、そのモモ妊娠中にも「私ってヤバイかも・・・」とは思っていたけど、それでもまだまだ本当に困ってはいなかった。まだそこまで事態は悪化していなかったのだ。本当に困ったのは、眞手を産んでから。本当にあの産後は、悪夢のようだったなんて言葉じゃ足りないぐらい。

何しろ子供、特に赤ん坊なんてのは、常に「今ここ」にいる人たちだから、世話をする大人も「今ここ」にとどまっていないと、一緒にいるのがものすごく苦しくなってしまう。モモを育てていてもそれは思ったけれど、眞手を産んでからの私は本当に、どうにもこうにもセンタリングができなくなっていた。ほんの一瞬、ほんの一瞬「今ここ」に焦点を合わせることすら、できない。磁石の同じ極同士をくっつけようとしているみたいに、頑張っても頑張っても、するりするりと「今ここ」は逃げてしまって、もう本当に視力が弱くて字が読めないのと同じ、目を細めてもかっ開いても「今ここ」が見えないのだ!

ものすごく苦しかった。こんな抽象的な経験、分からない人には本当に分からないと思うけど、あれほど恐ろしいことがあるだろうかっていう地獄だった。全身で私を「今ここ」に引き戻そうとする子供たち、どんなに引っ張られても戻って来られない私。不安になった子供たちは泣いて喚いて注意を要求する。もっと見てあげたい、目をかっ開いて大好きな子供たちを見てあげたいのに、勝手に目玉が動いてしまうみたいに、ぜんぜん見えないんだから!

私はもうくたびれ果てて、廃人だった。子供のいなかった頃の私が何とか生き延びて来られたのは、逃げたければいつまでだって遠くに魂を飛ばしておける自由があったからだ。子供はそんなことを全く許してくれない。母ちゃんの心がそこにないことを誰よりも敏感に察知して不安になるのが子供だから。「育児は育自」よく言うのは、こういうことなんだと思う。それまで騙し騙し逃げながら生きてきた人間も、子供を産んだ以上、もうそんな生き方は一秒だってできなくなるんだから。逃げたい自分とそれを許さない子供、本当は逃げたくないのにそこにいることができない自分。両側からぐいぐい引っ張られ続けて、毎秒毎秒強烈な葛藤で、痩せ細り白髪は生え、見るからに廃人と化していった私・・・。

今思えば、眞手を産んでからの自分があんなに「センタリング不可能」になっていた理由がよく分かる。モモの妊娠中は過食が止まっていた時期だったから、私の砂糖摂取量はまあまあ人並み、もしくはそれ以下だったのだ。でもモモを産んで一ヶ月目、あまりの育児の大変さに過食が復活したあたりから、また砂糖中毒が始まっていた。そこからどんどん私を蝕んでいった砂糖、眞手を妊娠しながらモモを育てている期間も、着々と私の廃人化は進んでいた。そして迎えた出産・・・!

野口整体では「妊婦は何でも好きなものを食べるのが良いけど、白砂糖だけは例外」ってなことを言う。今になってそれは本当だ、とよく分かる。砂糖漬けの妊婦は、お腹の子に気持ちを向けることなんか、笑っちゃうぐらい全然できない。骨盤の弾力なんかシオシオ、頭はガッチガチだと思う。実際、砂糖中毒のどん底で迎えた2度目の出産は、待っても待っても全然陣痛が激しくならず、便意もないのに死に物狂いでうんこをひり出すような、全く後味の悪いものだった。生まれた眞手も、モモとは比べ物にならないような「上の空」の様相。確かにそこにいるのに、心がどこにあるのか分からない、目の輝きが弱い。見ていて不安になるような赤子だった。私はもうどうしていいか分からないぐらい頭の中が嵐の状態で、耳栓をして泣いている眞手を放置したまま市販の菓子をむさぼり食う毎日だった。とにかく、とにかく時間をちょうだい、私が自分の体の中にしっかり戻ってこられる時間をちょうだい、そう思うのだけど、どんなに子供を人に見ていてもらってしっかり休んでも、私の頭の中では思考の嵐がやむことはなく、体はお留守のまんまカチンカチンに干からびるばかりだった。

出産に失敗したな、ずっとそう思っていた。モモの育児が辛くて緊張状態で迎えた出産だったから、骨盤がうまく開かず、うまく閉じなかったんだ、だからこんなにおかしいんだ、と思った。あっちこっちの治療院に行って「仙骨と頭蓋骨がおかしい、出産以来おかしい」と訴えたけれど、全然良くなることはなく、一度なんか恐ろしく悪化して・・・。(もうこれは思い出したくないほどの恐怖だった)

あの恐ろしい全てが、まさか砂糖を抜いただけでスーッと抜けていくとはね~。もう一度言うが砂糖「だけ」が原因とは思わない、そもそも空想癖のあった子供時代の私なんて、ほとんど砂糖を与えられずに育っていたんだから。だけど砂糖が、私のセンタリングを強烈にぐらつかせていたのは、紛れもない事実だと思う。今だってもちろん「常に今ここ」なんて無理だよ、ぜーんぜん無理。でも途切れ途切れでなら何とか、ここにいることができる。一瞬たりともここにいられなかった1ヶ月前までの私、は、完璧に砂糖中毒による廃人でした。アヘン窟で遠い目をして転がっている人かなんか思い浮かべていただければ幸い。とてもじゃないけどアナタ、そんな状態で育児なんてできませんて。





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最終更新日  2007.10.09 13:09:15
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