日本大好き、好きです早稲田日記

「靖国」問題で、文科省事務方お詫び行脚？

　議員会館を回っていたら、映画「靖国」の助成金問題で、文科省事務方トップが、森元総理や、安倍前総理のもとを訪れ、陳謝して回っているという話を聞きました。

TBSにまたやられた

　中国人監督のもとで製作された映画「ヤスクニ」。　先日の試写会後、メディアのインタビューについ本音で内容の不満を漏らした自民党議員が、昨日夕刻から今朝方にかけてのTBSの報道では自民党議員による事前検閲と放送されてしまい、やられたと臍をかむ始末。　問題の争点は、文化庁の750万円といわれる助成金の是非に絞るべきで、内容面について言い出すのは得策ではないと思いますね。

建国記念の日にデモ隊に遭遇

　２月１１日の建国記念の日には、全国各地で様々な催しが開かれました。　さて、明治通りをバスで移動中、恵比寿方向から北上する左翼のデモ隊と、渋谷から南下する右翼の街宣車集団が、並木橋交差点で遭遇、一時周辺は騒然としました。　写真は、右翼街宣車が交差点に進入して、デモの通行を妨害する恐れがあるため、機動隊員があわてて制止線を張るためダッシュしているところです。　左翼のデモ隊は、横幕は派手ですが少人数のようです。　左翼に汚い言葉で罵声を浴びせかける右翼の街宣車のスローガンに「青少年健全育成」と書いてあるのは、なかなか微妙な感じです。

歴代の防衛庁長官、事務次官は何をやってきたの

　学習指導要領の改訂が大詰めである。　二月の中旬にも公表され、一ヶ月間のパブリックコメントを受け付け、３月末に告示される。実際は、告示案が公表されてしまっては直しようがないと、日本会議の超党派議員は、現行指導要領をもとに問題点を文部科学省にぶつけている。　さて、自衛隊についてどう学習指導要領で記載されているかというと、小学校には記述がなく、中学校で防衛について書かれているのだが…［公民的分野］２　内容　（３）現代の民主政治とこれからの社会ウ、世界平和と人類の福祉の増大世界平和の実現と人類の福祉の増大のためには、国家間の相互の主権の尊重と協力、各国民の相互理解と協力が大切であることを認識させる。その際、日本国憲法の平和主義についての理解を深め、我が国の安全と防衛の問題について考えさせるとともに、核兵器の脅威に着目させ、戦争を防止し、世界平和を確立するための熱意と協力の態度を育てる。　これで全てである。国防の大切さも、自衛隊の果たしてきた役割も、国際貢献で評価を受けていることも書いていない。　「我が国の安全と防衛について考えさせる」というのは、いくらでも拡大解釈ができる文言だ。こんな表現だから、教科書に非武装中立論が出てきたり、基地を人間の鎖で取り囲む早稲田の革マルの写真が掲載されたりする。教師用の指導書や資料集は反戦反自衛隊反安保の教材でいっぱいだ。　仮にネガティブなイメージを与える教育を行わなくても、積極的価値を付与しなければ、ほっておくと「税金泥棒」などという印象を持つ。（この点は天皇や皇室についても同じ）　さて、今回の学習指導要領改訂は、新教育基本法に基づく今後十年の教育を規定する大改訂（のはず）であるのだが、文科省は現行指導要領の継ぎ足し継ぎ足しで乗り切ろうとしている。　防衛大臣さん、事務次官さん。省に昇格したと浮かれていないで、閣議や事務次官会議で、しっかり釘を刺さないととんでもないことになりますよ。（接待ゴルフにうつつを抜かしている場合ではない）

麹町警察署、路上での皇太子殿下の車列撮影を不許可

　本日は天皇誕生日。皇居ではさまざまなお祝いの行事がなされています。　そのため、赤坂御用地の皇族方は、新宿通りを通って半蔵門から皇居に入るため、四ツ谷から半蔵門までは、五十メートルおきに制服警官（麹町署）と動員された機動隊員が路上警備に当たっている。　ほとんど人通りもない中での警備で大変ご苦労なのだが、今年最後の記念にと、カメラを持って新宿通りに出たところ、所轄の麹町署から写真撮影を拒否された。　おいおい、一体何の法的根拠があって、公道での写真撮影を拒否するのか。それとも麹町署は、皇太子殿下のパブリシティ権を保有しているとでも言うのか。　馬鹿ばかし言ったらありゃしない。結局、法的裏付けもないまま、何か事が起っては困るというだけの理由で、権力を振りかざしているだけだ。そうしていることが、国民と皇室の距離を遠ざけているのだから始末が悪い。非合法活動をしながら反天皇制の旗を掲げている輩こそ、取り締まるべきであろう。　これまで幾度となく地方行幸や、あるいは御陵敷地内、皇居正殿前の参賀などで天皇皇后両陛下や皇族方の写真撮影をしてきたが、一般常識のルールさえ守れば、ある程度撮影場所の規制は受けても、撮影することなど問題なかった。　まあ、現場の所轄や機動隊員に愚痴っても仕方がない。んなことをぶつぶつ言っているうちに、車列は通過しちまった。本庁の警備部にでも文句を言うことにしよう。　

米ミサイル駆逐艦、仙台港寄港

(以下「河北新報」転載)米イージス艦、仙台港に寄港 　米海軍のイージス艦「ジョン・Ｓ・マッケイン」（８４００トン、乗員約２８０人）が１日、仙台市宮城野区の仙台港高松埠頭（ふとう）に寄港した。　イージス艦は全長約１５０メートル。高性能の探知レーダーや迎撃ミサイルの垂直発射装置などを配備する。　仙台港には５日まで、文化交流や船員の休息のため寄港。ジョン・バニガン艦長らは滞在中、県庁や仙台市役所などを表敬訪問する予定。 2007年11月02日金曜日

今日は学徒出陣の記念日

　靖国神社は１７日から２０日までが秋の例大祭でしたが、本日１０月２１日は学徒出陣の記念日ということで、日本青年協議会の学生組織首都圏学生文化会議が戦没学徒慰霊祭を斎行したようです。　青々とした秋空にはためく日章旗。　神門から第二鳥居。　神門の両側には、例大祭に併せて真榊が供えられていました。

日本会議十周年を産経が報道

(以下転載)日本会議が教育改革推進など宣言文採択10月6日19時15分配信 産経新聞　日本会議（会長・三好達元最高裁長官）と超党派の保守系議員でつくる日本会議国会議員懇談会（会長・平沼赳夫元経済産業相）は６日、都内で設立１０周年記念大会を開き、改正教育基本法に基づく教育改革を進めることなどを明記した宣言文を採択した。大会には北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表の横田滋さん、早紀江さん夫妻ら約３０００人が参加した。　平沼氏は、女性・女系天皇を認める皇室典範改正の動きについて「油断できない。われわれが男系（維持）を主張したとき、今の首相が『男系を言い立てる人はばかだ』と言ったことが漏れ伝わってきた」と警戒感を表明。「改革すべきことは改革し、守るべき伝統はしっかりと守ることが必要だ」と訴えた。　大会宣言文には、新憲法制定に取り組むことや、天皇陛下ご即位２０年を迎えるにあたって全国で奉祝行事を行うことなども盛り込まれた。

日本会議地方議員連盟が採択した緊急決議全文

　本日昼、日本会議十周年大会に先駆けて、日本会議地方議員連盟が300名の都道府県議員、市区町村議会議員の結集の下正式に全国組織として設立しました。　その際、緊急の議題として教科書検定問題が話し合われ、決議文の採択となりました。　決議文全文は以下の通りです。この決議は、設立大会に参加した議員にも手渡され、国会での院内活動が今後始まるとともに、地方議会でも、左派勢力による決議の動きを止め、当初検定内容が堅持されるよう各地で動くと言うことです。(決議文)　史実に基づき冷静且つ公正な教科書検定を求める決議　来年から使用される高等学校歴史教科書の記述を巡り、教科書検定制度の根幹を揺るがす問題が生起している。　文部科学省は本年三月、いわゆる沖縄での「集団自決」の記述について「日本軍による強制または軍命令は断定できない」との立場から、誤解を与える記述を改めるよう、五社七冊の教科書に検定意見を付した。文科省の新たな方針が示された背景には、命令を出したとされる将校や関係者及び地元住民らが軍命令の事実を否定したことや、軍命令の資料が未だ確認されていないという研究に基づいている。　検定結果が明らかになるや、沖縄県下の自治体では、その撤回を求める決議が相次ぎ、九月末には知事出席のもとで大規模な集会が行われた。　　先の大戦において、軍官民一体となった国内唯一の地上戦が行われた沖縄において、県民が筆舌に尽しがたい境遇に置かれ、多くの戦没者、犠牲者が生まれたことに対しては、我々は心からの同情と、亡くなられた方々への哀悼の思いを寄せるものである。しかしながら、様々な報道が重ねられる中、問題の争点が「軍命令の有無」から、「軍の関与の有無」、或いは沖縄と本土の対立の問題へと巧みにすりかえられる事態へと変化した。殊に文部科学省の検定内容が、曲解される形で世論が形成された過程には看過できないものがある。　かくして政府与党首脳からは「県民の心を検定に反映したい」との発言が相次いでいる。文部科学省は、教科書会社自らが訂正申請を行うことで、軍による「命令」や「強制」の記述を復活できないか、妥協案を検討しているとも伝えられる。背後には参議院での与野党逆転の中、国会運営を円滑に進めんとする意図が見え隠れしており、教科書を政治の道具にする政府の姿勢は、断じて容認できない。　　政治的思惑のもと、史実の検証を置き去りに、感情論に任せて事態を収拾することになれば、当初、教科書会社に示した「検定意見」の全面撤回となるばかりか、検定基準に「近隣諸国条項」に続く新たな「沖縄条項」の足かせを付け加えることに他ならない。この問題は、教科書検定制度の根幹を揺るがすものであり、我が国の公教育の将来に禍根を残すこと必定である。一つの妥協は、次の妥協を生み、教科書正常化の運動は更に遅滞を余儀なくされるであろう。　我々はここに、政府及び関係機関が本年三月の検定結果を堅持するとともに、史実に基づき、冷静且つ公正な視点で教科書検定を実施するよう求める。　右、決議する。平成十九年十月六日　　　　　日本会議地方議員連盟設立総会

日本会議の地方議連が沖縄問題で決議

　本日、日本会議地方議員連盟が設立総会を行いますが、その場で沖縄戦の集団自決を巡る問題への緊急決議を上げるそうです。　午後２時からの日本会議・日本会議国会議員懇談会には、伊吹幹事長や横田御夫妻が参加されます。　参加費は二千円ですが、当日駆け込みでも参加できるようです。(以下転載)日本会議地方議員連盟設立総会 ◎日時　平成19年10月６日(土曜日) 開場 11時45分 12時30分～13時30分 ◎会場　同　右 ◎会費　同　右 ◎来賓　平沼 赳夫氏(日本会議国会議員懇談会会長) 松原　　仁氏（日本会議国会議員懇談会副幹事長） 　　　　萩生田光一氏（日本会議国会議員懇談会事務局長） 　　　　稲田　朋美氏（日本会議国会議員懇談会事務局次長） ◎参加者　全国で活躍する日本会議加盟の地方議会議員の 各県代表の皆さん約３００名が参加します ☆☆同日開催です！ 日本会議・日本会議国会議員懇談会 設立十周年記念大会 ◎日時　平成19年10月６日(土曜日)13時開場 　　　　　　14時より　第一部｢記念大会｣ 　　　　　　16時より　第二部｢祝 賀 会｣ ◎会場　東京ビッグサイト 東４ホール ◎会費　同　右　　　　　　　　 ◎参加者　３０００名を予定 （お問合せ先〉日本会議十周年大会事務局 　　　　　　〒１５３‐００４２　東京都目黒区青葉台３―10―１　 電話０３(３４７６)５６９５　　ＦＡＸ０３(３４７６)５６１２

沖縄問題では地方議会が熱い

　国会議員は、沖縄問題にいまひとつというところですが、地方議員と話していると、いやいや熱い。　沖縄以外の議会では、少し時間がかかりますが、史実に基づく教科書検定を求める決議があがるかもしれませんが、多数派工作は慎重にやらなければなりません。　それともう一つ。今回の問題で、「沖縄」対「本土」、「国」対「地方」の構図に左派陣営は持ち込もうとしていますが、そうした動きに乗らないようにしましょう。　「た゜から沖縄は」とか「やっぱりヤマトンチュは」となったら思う壺です。

日本会議キャラバン隊は北へ南へ

　この夏全国150会場で国民運動セミナーを開催するため、全国縦断キャラバン隊を推進中の日本会議行事に参加するため、福島県は白河市に出張しました。　　まさに田園風景。少年時代の夏の記憶が甦ります。太陽の暑い日ざし。一陣のにわか雨。揺れる稲穂。稲作農家の方にうかがったら、現段階の米の発育状況で、収穫を予測するのは困難と言うこと。日照は多かったものの、低温と高温のブレが大きく見当がつかない様子でした。　復元された白河小峰城の三重櫓。戊辰戦争で東軍と西軍が激戦を繰り広げた場所ですが、全く往時の姿はありません。　鹿嶋神社社殿。由緒ある鹿嶋の神様です。　社殿の前には、日露戦争における鹵獲戦利品の碑がありました。さすが、武の神様。　境内には、農業、醸造の神様、松尾神社も鎮座。吸い込まれそうな、しかし懐かしい森がつながっています。

八月十五日の靖国神社は

　「神社新報」８月２０日号が届き、今年の靖国神社の参拝数が掲載されていました。　１５日の参拝者数は１６万５千人だったようです。昨年と比べると約９万人ほど減少したと言うことでしょうか。　国会議員の昇殿参拝については、「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」本人４６人。代理１００人だったようです。党派別の構成は掲載されていませんでした。　同誌には斉藤吉久氏の「宗教的見聞録」が、「昭和天皇が戦犯合祀を不快とされた理由？」が掲載されており、一部を紹介いたします。　同論考は、、今回新たに岡野弘彦氏の著作の中に徳川侍従長からの伝聞について記載されていることについての事実関係を正した上で、「藩屏の務め」について言及する。　昭和天皇最後の御参拝は昭和五十年、いはゆるA級戦犯合祀は五十三年ですが、天皇の「不快感」が表明されたとされるのはすべて六十年代です。実際、昭和天皇がそのやうに語られたとして、１０年のタイムラグが意味するものは何でせう。　第二の問題として指摘されるのは、天皇の心(大御心)とは何か、といふことでせう。日本の最高権威である天皇の意思とは、人間としての天皇個人の意思ではありません。皇位が神代にまでつながる連綿たるものであるのと同様、大御心とは歴史を超えた悠久にして高次元のものであり、それが民族の意思と信じられてきたのです。　さうでなくして、生身の天皇の意思が現実の政治に直接、反映されるのなら、独裁政治と何ら変はりません。明治憲法発布前の明治十五年に、福沢諭吉が「帝室は政治社外のものなり」(「帝室論」)と書いたのはその意味でした。「帝室は万機を統(すぶ)るものなり、万機に当るものにあらず」です。　さうした立憲君主のお立場を生涯、貫かれたのが昭和天皇ですが、もし最晩年にその姿勢に揺らぎがあったとすれば、メモなどするより、お諫めするのが藩屏の務めです。

今日の靖国神社の風景

　今日は朝五時に靖国神社境内に入り、風景写真を何枚か撮影、午前中は境内で行事の手伝いや撮影に当たりました。　靖国神社の第二鳥居。朝五時頃。まだ神門の開門時刻には間があります。既にチャンネル桜のカメラクルーや井上Ｐがスタンバイ。神社職員に絡む変な方も既に登場。水島社長は五時半頃タクシーで登場されました。　明治大学駿河台校舎の間から指す、太陽の光。靖国神社南門付近から撮影。　第２１回戦没者追悼中央国民集会に参加する小野田寛郎・町枝ご夫妻と三好達日本会議会長が言葉を交わされているシーンを失礼して撮影しました。午前九時半頃　集会には有村治子参議院議員が参列していました。　靖国通りを練り歩く右翼の街頭宣伝車。走るのは自由ですが、軍歌を大音量でならしたり、マイクパフォーマンスは遠慮して欲しい。お昼過ぎ　随分と機動性を増した機動隊の制服。服装は機能的になっても、はっきり言って動きは鈍い。右翼を取り締まるわけではなく、静謐な環境醸成にほとんど効果なし。指揮系統、指揮官の問題でしょうね。タクシーの運転手さんも不満顔。　昔の機動隊は小隊指揮官でも骨があったな。こちらはかなり殴られたり、盾を足の甲に落とされたり、ぼこぼこにされてばかりだったけど。権力の側ながら話のできる天晴れと言う人間がいたものです。注　参道で隊列を組んだりする特攻服の人や、旧軍の軍装で歩く退役軍人の方、三味線を鳴らし軍歌を歌うパフォーマンス、そしてそれをここぞとばかりに撮影する報道、フリーカメラマンなど、報道写真としてはありがちなシーンが今年も多々ありましたが、こちらとしては興ざめで全く意欲がわかないものですから撮影しておりません。悪しからず。

小泉前総理、靖国神社参拝へ

　全閣僚が終戦記念日の靖国参拝を見送る中、小泉前総理が参拝すると毎日新聞が伝えました。（以下転載）＜小泉前首相＞終戦記念日の１５日に靖国神社参拝　２年連続8月15日3時3分配信 毎日新聞　小泉純一郎前首相が終戦記念日の１５日に靖国神社を参拝することが１４日、分かった。２年連続での終戦記念日参拝となる。退任後もぶれない姿勢をアピールする狙いがあるとみられる。首相退任からすでに１年近く経過しており、党役員でもないことから、中国など近隣諸国への影響は最小限にとどまるとみられる。　小泉氏は０１年の自民党総裁選で、「８月１５日にいかなる批判があろうと必ず参拝する」と公約した。しかし、首相就任後は８月１５日の参拝を見送り、辞任表明後の昨年、現職首相として２１年ぶりの参拝に踏み切った。中国、韓国などから激しい批判が噴き出して、外交問題に発展、国内でも賛否が割れる中での参拝だった。【野口武則】 最終更新:8月15日3時8分

靖国神社でのぼんぼり企画展開催中

　８月９日のチャンネル桜「報道ワイド日本」で、高森明勅氏が、靖国神社での企画展を紹介していました。　昭和２２年の第一回みたま祭から昭和２８年まで、みたま祭に奉納されたぼんぼりの中から八十点をピックアップして展示するというもの。　エノケンさんや、高峰秀子、市川染五郎といった喜劇役者、俳優、歌舞伎役者から徳川夢声、田河水泡、入江侍従、などなどそうそうたる方々の揮毫、絵画が展示されています。　うかつにも気づきませんでしたが、八月末までということですので、是非ご観覧ください。遊就館の企画展示室に陳列され、企画展は入館料無料ということです。　靖国神社の山本権禰宜によると、過去のみたま祭で累計４００００点のぼんぼりが奉納され、それらはお祭終了後保存用に裏打ちされ、神社で管理されているそうです。　高森氏は、「これは神社の財産ですね」と感激した様子でしたが、御社殿が目に見えない御霊、遊就館の遺品が目に見える御霊（南雅也先生が紹介した松平宮司のご発言だったかと思う）なら、これらのぼんぼりは国民の靖国崇敬奉賛のまごころの結晶として長く記憶にとどめるべきものと思います。こうした戦後の靖国の歩んだ姿をもまた同時に啓発されるべきでしょう。靖国神社がなんだか右派、靖国派の牙城のような立ち位置となったのは、極最近のことなのですから。　毎年、みたま祭の期間しか参道に飾られず残念な思いをしてきただけに、こうした試みは続けていただきたいと思います。　十五日に向けて混雑が予想されます。今週末あたりがじっくり拝観できるのではないでしょうか。

またぞろ登場、昭和天皇発言

　８月１５日近づくと、決まって「新発見」だの「初証言」だの「…明らかに」といった具合に先の大東亜戦争についてメディアでスクープ合戦が繰り広げられる。　ここ数年は「Ａ級戦犯」の合祀問題が華やかだ。おそらくこの問題に関心を持っている人たちなら、あまりに作為的な報道姿勢にもはや驚くことはあるまい。　しかし取り上げる毎日新聞も毎日新聞だ。いわゆる一連の「昭和天皇不快感」の発端は、徳川侍従長が平成九年に朝日新聞社から出した「侍従長の遺言」が元ネタ。　今回の岡野弘彦氏に徳川侍従長が語ったことは、既にこのころから松本健一氏なども加わって流布された内容で、別に新しいことは何もない。　やはりこの問題の決定打となるのは、靖国神社からの届出とこれを受けた宮内庁側の担当者、そして宮内庁担当者がどういうプロセスで昭和天皇に内奏したのか、ここが明らかにならないと真相解明にはならないでしょう。しかしこれは場合によっては宮内官僚の責任問題に発展する爆弾だけに、一番闇に閉ざされる可能性が高いのですが。　昨年からの一連の刷り込みによって、昭和天皇の思いを踏みにじった靖国神社、松平宮司、保守系文化人という構図を作り出そうという意図がやっかいです。（以下転載）＜Ａ級戦犯合祀＞昭和天皇が懸念　元侍従長が歌人に語る8月4日11時11分配信 毎日新聞　靖国神社へのＡ級戦犯合祀（ごうし）に対する昭和天皇の「戦死した人々のみ魂を鎮め祭る社であるのに、その性格が変わる」「戦争に関係した国と将来、深い禍根を残す」との懸念を元侍従長の故徳川義寛氏が歌会始の選者を長く務める歌人の岡野弘彦さん（８３）に語っていたことが分かった。Ａ級戦犯合祀については、元宮内庁長官の故冨田朝彦氏のメモなどに昭和天皇が強い不快感を示していたことが記録されていたが、具体的な理由の一端が浮かび上がったのは初めて。　岡野さんの著書「四季の歌」によると、皇室で短歌の指導をしていた岡野さんのもとに、当時侍従長の徳川氏が３、４カ月に１回、３０～４０首の昭和天皇の歌を持ってきていた。８６年秋ごろ「この年のこの日にもまた靖国のみやしろのことにうれひはふかし」という歌を初めて見た。岡野さんが昭和天皇の憂いの理由を尋ねると、徳川氏が明かしたという。　徳川氏はさらに「はっきりお歌いになっては、さしつかえがあるので、少し婉曲（えんきょく）にしていただいた。筑波（藤麿（ふじまろ））宮司は合祀を押さえてこられたが、松平（永芳）宮司になると、お上のお耳に入れることなく合祀を決定してしまった。それからお上は、靖国神社へ参拝なさることもなくなりました」と述べたという。　昭和天皇は７５年まで同神社に参拝していたが、Ａ級戦犯合祀が明らかになる前の７６年以降、参拝はしなかった。【大久保和夫】 最終更新:8月4日11時34分

日本会議の夏から秋

　日本会議では、七月三十日から、全国１５０会場での国民運動セミナー開催のキャラバンに職員が出発。　八月十五日には靖国神社での追悼国民集会。　十月六日には十周年記念大会をビックサイトで開催するそうで、相当忙しい夏になるそうです。

出版会も戦争特集

次々とムックが出版されていますが、今回は二冊「軍歌と日本人」別冊宝島１４２８　１２００円ＣＤ付、二十数曲の背景や、作曲者などのエピソードも。信時潔に関するコラムもあります。信時ファンとしては露出が増えてうれしい。「靖国に祀られざる人々」別冊宝島　１２６０円　こちらは田中健之氏編著。「逆徒と棄民の日本近代史」とサブタイトル西郷隆盛、伊藤甲子太郎、江藤新平など、幕末維新の際の佐幕浪士や新撰組にはじまり、維新後の士族の乱、二・二六から、満蒙独立運動やアジア独立運動などの有名無名の方々に触れています。　田中さんとはもう十年以上お会いしていませんが、ヒゲをたっぷりとたくわえたまさに大陸浪人の風貌の方です。

みたま祭りは台風でさんざん

　７月１３日から靖国神社で開催されているみたま祭り。運悪く今年は台風のため開催期間の殆どが雨の予報。　ということで、雨になる前に１３日の仕事帰り、行ってきました靖国神社。最近はこの時期になると、若者達の傍若無人が目に余るので、なるべく近づかないようにしているのですが、今年は気になることがあり、足を運ぶことに。　１３日の午後１１時頃の第二鳥居。ほらやっぱり若者達が神門の前に腰掛けています。歌をうたったり、奇声を発する若者達も。　チャンネル桜の皆様の献灯もありました。　ありました。安倍総理の提灯。肩書きはありませんでしたが。　宮城県護国神社から奉納の七夕飾り。ちなみに仙台七夕は８月６～８日です。　これで午後１１時です。当然提灯の灯りは既に消されています。露天商も台風を心配して稼げるだけかせいでおこうということなのでしょうが、高値で販売しているのですから、参道に散らかった食べかすや缶、ビンなど販売者の責任として清掃して帰りましょう。神社側もその点指導してください。

会津八一と愛国心のことなど

　昭和１８年１０月、学徒出陣に際して早稲田大学と慶応大学の間で、最後の早慶戦が早稲田大学の安部球場で行われた。　試合開催に積極的だった慶応大学に比べて、早稲田大学の態度は、軍や治安当局の目をうかがい、煮え切らない態度を取り続けていたものの、野球部の尽力で開催にこぎつけることが出来た。　試合当日、当時の慶応大学の小泉信三学長は、早稲田大学の誘いを断り、学生とともに一般席で応援した。　早稲田大学における学徒出陣の歴史を紐解くと、後世のものにとっては、なかなか歯がゆいエピソードが多く、私自身学生時代沈痛な気持ちになること幾たびかあった。　そうした中で出会ったのが、会津八一教授と学生の奈良・大和路旅行の逸話であった。いまでこそ会津八一と言えば、近代短歌史に万葉ぶりの歌風を再興し、また東洋美術の研究者、コレクターとして理解しているのだが、当時二十歳そこそこの若造であった私にとって、未知の存在であった。十一日まづ東大寺に詣でまた春日野にいたる同行の学生に近く入営せむとするもの多く感に堪へざるが如しすなはちそのこころを思ひていでたたむ　いくひ　の　ひま　を　こぞり　きて　かすが　の　のべ　に　あそぶ　けふ　かなうつしみ　は　いづく　の　はて　に　くさ　むさむ　かすが　の　のべ　を　おもひで　に　してかすがの　のこぬれ　の　もみぢ　もえ　いでよ　また　かへらじ　と　ひと　の　ゆく　ひ　を　会津教授が学生たちとの旅行でしるした和歌である。会津教授にとっては十日間を越す強行日程はそうとう身体にこたえたであろうことが、その後の学生たちの証言などから明らかになっているが、会津教授は、千数百年前の我が国の仏像や大和の風景、万葉の和歌の数々を戦地に出で立つ若者達の心に焼き付けて欲しいとの願いがあったに違いない。　若者達もまた、万葉の防人の歌を拝誦し、自らを防人と任じて任地へ赴いたであろうことは容易に想像できる。　私にとっては、早稲田においても学生たちの武運を願い、願わくば平和の世となり、再び学問を志して学び舎へ還る時の来る事を、心ひそかに願った教授がいたことを知り感謝の思いを抱いた。おほてら　の　まろき　はしら　の　つきかげ　を　つち　に　ふみ　つつ　もの　を　こそ　おもへあめつち　に　われ　ひとり　ゐて　たつ　ごとき　この　さびしさ　を　きみ　は　ほほゑむかすがの　の　しか　ふす　くさ　の　かたより　に　わが　こふ　らく　は　とほ　つよ　の　ひとすべ　も　なく　やぶれし　くに　の　なかぞら　を　わたらふ　かぜ　の　おと　ぞ　かなしき　このたび、ゆえあって新潟の地をおとない、護国神社の近くの会津八一記念館を拝観し、長年の念願かなった。　記念館では、会津八一と草花にかかわる短歌等の展示が行われていたが、今上天皇の立太子礼に際して詠進した和歌が展示されていた。立太子式同詠勅題菊久栄　八一上しらぎくは　かにこそにほへ　ひのもとの　ひつぎのみこは　いやさか江末世　会津八一の作風は、全ての言葉をひらがなで記すのが特徴とされているが、当て字とはいえ漢字が入っているのが極めて珍しい。　　唐突ではあるが、「愛国心」について具体的モデルを探して教材にするというのはなかなか難しいことである。特攻隊、学徒兵、鉄血勤皇隊、あるいは幕末の吉田松陰、西郷隆盛…。もちろんこうした人物やトピックを教えることは重要であり、こうした話を通じて歴史を実感することは大切であるが、では、それが児童生徒の生き様と、日常的にどうかかわるのか。　平時にあって有事の人物をモデルにするということはなかなか難しい。いや逆に平時であればこそ、勇ましいことも言えるという考え方もある。　私は、会津八一氏と学生の最後の旅行の話や、或いは会津氏が日々の営みの中で万葉人の心へと回帰しようとした生き様というものは、これは十分愛国心の教材として活用できるのではないか、などと考えながら記念館を後にしたのである。学規一　ふかくこの生を愛すべし一　かへりみて己を知るべし一　学芸を以って性を養うべし一　日々新面目あるべし秋艸道人朔　早稲田大学の学徒出陣記録によると、大学の学徒出陣壮行会に臨む会津八一教授揮毫ののぼりと学生を見送る教授の姿がおさめられた写真が残されているそうである。この道に平行して走る通り(画面右側)には、横田さんの通った寄居中学校や、護国神社があります。

野口健さん、靖国神社に奉告参拝

７月９日付け「神社新報」によると、アルピニストの野口健さんが、エベレストでの清掃活動を終えて帰国、６月２７日、靖国神社に奉告参拝したという。　　今回は、エベレストと富士山を同時に清掃する「エベレスト・富士山清掃登山」も行われ、その成功を報告した。　エベレストでは野口氏と十一人の同行隊員で清掃し、富士山では若村麻由美さんを隊長に約１６０人のボランティア参加者が二時間でおよそ三トンのごみを回収したという。　野口氏は富士山は五合目以上のごみ問題がほぼ解決され、現在は樹海の清掃活動を中心に行っていることや、エベレストの環境が改善されていることを報告。また戦地の英霊の遺骨主集活動への意欲を南部宮司らに語ったという。　

新潟県護国神社の参道の慰霊碑

　先日ご紹介した新潟県護国神社では、参道に沢山の慰霊碑が設置されており、関係者の方々の慰霊顕彰の思いが、参拝者に伝わってきます。雨の中、荷物抱えて傘もって、という状態だったので、一つ一つ控えることは出来ませんでしたが、大体の様子は伝わるでしょうか。　陸軍あり、海軍あり、それぞれの軍の中でも歩兵や、騎兵、航空部隊などなど、護国神社という場所で、同郷の英霊が一つに交わっているということを感じます。　同じく敷地内にあった、県立のモニュメント。像の前は駐車場となっていました。おそらく、無宗教の追悼施設というものは、こういう類のものとなるのでしょう。　製作当時は注目されたのでしょうが、今では誰も足を止めません（というか気付きもしない）。

悲しみの新潟

　仕事のため新潟に出張しました。ご報告したいことは沢山ありますが、今日は拉致の問題についてだけ。　かつてサピオ誌上で、恵谷治氏監修の横田めぐみさん拉致ルートの地図が載っていました。既に手元には残っていないのですが、伊藤哲夫氏がご自身が通っていた新潟大学のキャンパス付近であったと語っていたこと、護国神社付近であったこと、めぐみさんが寄居中学に通っており、横田滋さんが日本銀行勤務で近くに日銀の官舎などがあることをたよりに、付近に足を運びました。方向が逆ですが、進行方向後ろが護国神社に通じる道で、バス通りになっています。護国神社の大鳥居です。この前を拉致されていったのだとしたら、余りにも悲しすぎます。付近には、海岸を隔てる防風林・防砂林が生い茂り、夕方には人気がなくなる道が沢山あります。護国神社から海岸へと続く道。付近には東北電力の施設などがありますが、人家はありません。本格的な雨のため、視界は不良。晴れていれば佐渡が望めそうですが。横田ご夫妻は、来る日も来る日も、めぐみさんの名を呼びながら、こうした護岸用の設備なども捜索してまわったそうです。不審船に対する沿岸警備、洋上での海保と海自の共同警備活動、なによりも日本国民の自衛の意識が高かったなら、中学生が部活動帰りに、自宅付近で外国工作員に拉致されるなどということは起らなかったでしょう。いや、起ったとしても国民感情がそれを許しません。なんでこんな場所で拉致されるのか。実際に現地に行って見て初めて実感できることがあります。決して良い体験ではないのですが。夏が近いというのに、雨の冷たさばかりが身に染みた悲しみの寄居浜でした。

早稲田での二つの展示

　撃論ムックの「中学生でもわかる慰安婦・南京問題」の中で、桜林美佐さんが、早稲田のアバコブライダルホールにある「女たちの戦争と平和資料館」のレポートをまとめている。　早稲田と言えば、我がテリトリー。早速私も突撃取材した。　ここはそれなりに由緒ある教会があるが、隣接する早稲田奉仕園などは、学内外の左翼系市民運動団体が会議や連絡スペースとして使用している場所である。この地を訪れるのは、親戚の結婚式以来、20年ぶりのことである。　アバコブライダルホールの建物。どうやらここの二階にその記念館はあるらしい。二階といえば、親戚の結婚式の時、親族の控室や、喫煙スペースがあったところではないか。なんとそこは慰安婦の展示スペースへと改築されていた。　五百円を支払って入館。説明係の人の話を聞く。展示スペースは10坪ほど。奥のフリースペースでは、元慰安婦の李容洙(イヨンス)氏が支援者と談笑していた。一通り見て退散。　その足で早稲田大学の大隈記念タワー(旧第二学生会館)へと向かう。14階のレストラン「西北の風」で食事をと思ったが、パーティで貸切のため、10階の125記念室へ。　　何故10階かというと、大隈講堂の最上部と同じ高さらしい。中は撮影禁止だが、エレベーターホールからの眺望はこんな感じ。　大隈重信関係の資料や、早稲田大学のＰＶが見られるのだが、卒業生の遺品なども展示されていた。　眼を引いたのが、昭和20年4月、ルソン島で戦死された柳田喜一郎先輩の遺品の展示。遺族や同窓生が戦後「出征関係アルバム」をまとめたという。その中に家族へあてた手紙の写しがあった。写真の注釈から前橋予備士官学校を出られ、その後南方に出征したものと拝察される。　……　千軍の戦なりとも言挙げせず取りて来ぬべき男ぞと思ふ　……母に甘へし意久地なしの青年武士と笑ふて下さるな。今は皇軍の一武士なり。　先輩学徒の心意気を胸に会場を後にした。　　社会科学部近くの演劇博物館略称演博では、ロッパさんの企画展が行われていたが、今回は時間の都合がつかず次回に。　

[ご案内]ああモンテンルパの夜は更けて

李登輝氏、離日を前に靖国問題に言及。

　日本訪問を終えた李登輝氏。離日を前に外国特派員協会で会見し、中韓の靖国歴史カードを批判する発言を行った。　国内メディアは産経新聞を除いて李登輝氏の日本国内での活動をほぼ黙殺状態だったが、台湾や他の海外メディアがどう報じたのか気になる。　李登輝氏の靖国神社参拝のときは、いわゆる欧米系の複数の大使館関係者か情報担当者が、それとなく靖国神社での歓迎風景や、参拝の様子を観察していたのが分ったが、欧米ではどう伝えられたのか李登輝友の会の今後のリリースに期待する。(以下引用)李登輝氏　靖国参拝問題で中韓両国を非難　「訪日は成功」6月9日17時1分配信 毎日新聞　台湾の李登輝前総統は訪日最終日の９日、東京都内の外国特派員協会で記者会見し、自身が７日に参拝した靖国神社をめぐる問題について「中国や韓国が自国の中で処理できないがゆえに（対日カードとして）作り上げられた。それに対し日本の政治はあまりにも弱かった。こういう問題が外国政府に批判される理由はない。自分の国のために亡くなった若者をまつるのは当たり前のこと」と中韓両国を非難した。　李氏はまた、総統退任後３回目となった今回の訪日を「非常に成功だった」と総括。台湾の現状について「台湾はすでに独立した国だ。独立した自由で平和な民主国家であると主張し、住民がそのアイデンティティーを持つことが大切」と強調した。李氏は９日夕、成田空港から台湾に戻る。【鈴木玲子】

共産党志位和夫委員長の会見を聞きながら

　日本共産党の志位和夫委員長が行った自衛隊の情報保全隊の文書問題記者会見について、日本共産党のＨＰでは関連資料や会見の模様を動画で見ることが出来るのですが、この会見を聞きながら、ふと、ある台詞が浮かんできました。「俺達が相手にしているのは気紛な犯罪者でもなければ狂暴さが取柄のごろんぼうでもない。目的の為ならどんな汚い真似でも平然とこなすだけの強靭な意志力を持ち、しかも犯罪者としての負目なんぞこれっぽっちも持たない、そういう連中なんだ」　これはもう一つの戦後史の中で生きるセクトの運動家と警察側の鎮圧部隊、警察内部で内偵を行なう諜報機関を描いた傑作アニメ、「人狼」の中で登場する台詞です。　反自衛隊活動、憲法改正反対運動を行う勢力には外国勢力の関与が旧冷戦時代から現実のものとしてあり、従来は公安調査庁や、警視庁の公安一課、二課や外事課が調査に当たっています。が、警察庁と旧防衛庁の不仲というものも、これまた昔から当事者によっても指摘されており、軍隊である自衛隊が国内の治安情報、公安情報を持たないまま部隊として日々運用されているという異常な事態が背景にあったからこそ、情報保全隊が誕生したわけで、驚くにはあたりません。　共産党は今日でこそ天皇制容認や護憲を掲げていますが、政権を取った際には独自の憲法制定、自衛隊を解体して軍隊にすること、天皇制廃止を党是としていますので、そのことこそ留意しなければならないでしょう。　今回の件で、参院選に向け、自民党、民主党、共産党それぞれがどんな合法チラシや怪文書を撒くのか、実に楽しみです。

李登輝氏の靖国参拝を受けて李登輝友の会のリリース

　李登輝友の会では、本日の李登輝前総統の靖国神社参拝の様子について掲載しています。(以下転載)李登輝前総統ご夫妻は、本日10時2分、御兄上が祀られる靖國神社を訪れ、昇殿参拝された。御兄上とは62年ぶりの対面となった。参拝には、孫娘の李坤儀さん、黄昭堂・台湾独立建国連盟主席のほか、作家の三浦朱門・曾野綾子ご夫妻も同行された。一行は到着殿で南部利昭・宮司の出迎えを受け、10時40分過ぎ退出された。曾野綾子さんは報道陣に囲まれ、李氏が「兄が戦死したといっても父親は一切信じなかった。亡くなる時まで、兄が生きている証を探し続けた。だから家には位牌も何も無いんだ。兄の証があるのは靖國神社だけなんだ。だから靖國さんには感謝している」と語ったことを明かした。また、「靖國神社の問題は、常に個人の、家庭の中で考えるべき問題だ。信仰や魂という事柄については、個人がそれぞれの考え方を持っている。だから、くれぐれも政治の力で型通りに割り切りたくない。家族がそれぞれ自由に愛するものの事を考えるのがよい」と語ったことも披露した。李氏の御兄上・岩里武則命のお写真は遊就館で見ることが出来る。次回は、李氏が遊就館にも足を運ばれることを願う次第である。

李登輝閣下が靖国神社参拝

　本日、午前１０時過ぎ、李登輝前中華民国総統が靖国神社を参拝しました。　新聞情報では、一礼の作法で参拝されたご様子。一時、神道式の二拝二拍手一拝と現地では伝えられましたが、正確には一礼だったようです。(閣下のお兄様「岩里武則」氏のお写真は遊就館に掲示されています。NO55とか)　　写真は、到着殿にお車でむかわれるところ。閣下は車中から手を振ってお答えになりました。(午前10時頃)　拝殿前の支援者。閣下の参拝中は、静かにお待ちし、ご本殿での参拝が終わると、一斉に「台湾万歳」の声が挙がりました。　遠くご本殿では、同伴された三浦朱門、曽野綾子御夫妻の姿がありました。(昇殿参拝は１０時２０分頃)　お車は、一方通行で法政大学方面から退去されたため、支援者もお見送りできず所在なさげ。そんな中支援者が演説を始めると、一斉にメディアが群がります。　さて、今回の参拝、離日前との話もありましたが、安部総理が外遊中を狙ったのか、それとも先進主要国のサミットに敢えて合わせて台湾の存在をアピールしたのか、現時点ではなんとも言えませんが、李登輝閣下の宿願がかない、ご親族の御霊との対面がなったことは、心からお慶びしたいと思います。(以下引用)＜李登輝前総統＞靖国神社を参拝　「個人的な事情」と説明6月7日11時27分配信 毎日新聞　来日中の台湾の李登輝前総統（８４）は７日、東京・九段の靖国神社を参拝した。靖国神社には旧日本軍人としてフィリピンで戦死した２歳上の兄・李登欽氏が祭られており、李氏は以前から参拝を希望していた。李氏を「台湾独立分子」と非難し、総統退任後初の東京訪問に抗議していた中国は、李氏の靖国参拝で日本への反発姿勢を強めるとみられる。８日にはドイツで安倍晋三首相と胡錦濤国家主席による日中首脳会談が予定されており、その直前の参拝によって日本は台湾問題と歴史問題の双方で火種を抱え込むことになった。　参拝前、李氏は「６２年前に（台湾南部の）高雄で兄と別れて以来、私の家には遺髪も遺骨も位牌（いはい）もない。家族の一人として兄への尊敬の気持ちから参拝しなければならない」と説明。「（参拝は）全く個人的な事情であり、政治的にも歴史的にも何も考えないでほしい」と強調した。　高齢な李氏は周囲に「最後の訪日となるかもしれない」と漏らしていた。また、「中国が靖国問題での批判の矛先を私に向けるのはおかしい」などとも述べていた。　李氏は小泉純一郎首相（当時）の靖国神社参拝について雑誌のインタビューに「多くの若者たちが国のために命をささげたにもかかわらず、この国のトップがそれに目を向けないのは大きな問題だ」などと述べ、参拝を支持する姿勢を明確にしていた。自身の参拝がもたらす日台関係への影響より、遺族としての心情を優先させたようだ。　今年４月に訪日した中国の温家宝首相は「台湾」と「靖国」の二つの問題で、日本政府にクギを刺していた。李氏が訪日した５月３０日、中国国務院台湾事務弁公室の李維一報道官は「台湾独立分子に活動の舞台を提供しないことを希望する」と日本をけん制していた。　靖国神社の参拝をめぐっては０５年４月、李氏を精神的な支柱とする台湾政党の台湾団結連盟（台連）の蘇進強主席（当時）が所属議員とともに参拝している。【鈴木玲子】 最終更新:6月7日11時27分

小田村寅二郎先生八年祭

　６月４日は戦前「日本学生協会」の学生活動を通じて、共産主義や国体破壊のイデオロギー蔓延する大学改革に尽力、戦後は国民文化研究会の理事長として、毎年夏の合宿教室を運営した小田村寅二郎先生の八年祭の日でした。小田村先生は吉田松陰の妹の曾孫にして、小田村四郎先生の実兄。名越二荒之助先生も戦前から活動。　日本学生協会の田所廣泰先生が御著書で紹介した小田村氏の手紙を掲載し、当時の先生の志を憶念します。天皇に直属する生　　　　　　　　　　　「憂国の光と影」田所廣泰遺稿集より抜粋　我々は、日本国民生活の何千年の伝統的である忠義感情から、「大政翼賛会」のイデオロギーと伝へらるるごときものに対して、殆ど本能的反感を懐くものであるが、その成立時代、即ち昨年秋（注、昭和十五年）九月頃、幾度か「最高指導者」の語が新聞にあらはれ、かかる言葉が、何の嫌悪も況や苦痛もなく、国民生活の間に瀰散られて顧みられぬ現状に、心底よりの憤りを感ぜずにはゐられなかつた。当時我等同志が用ひた警戒の句は、「我等は天皇に直属し奉る。我等は、最高指導者を通じて、天皇に属し奉るものでは断じてない」といふことであつた。「正成一人、まだ生きてありと聞召され侯はゞ、聖運遂に開かるべしと思召され侯へ」、と奉答した正成の言葉に、我等は、天皇に直属し奉る臣民の直接感情を感得するのである。　小田村寅二郎兄は、三月初め、関西大学に起つた「学生協会」学生の弾圧問題を解決すべく、大阪に下つたが、その下阪の車中、浅野晃氏の「楠木正成」を読み、「著者の心境に絶大の共感を覚えしめられたと共に、新たな感覚が、決死の覚悟を自己の心中によみがへらしめたことを告白します」と記しっゝ、在京在寮の同志に、現下死敵せまる思想的内乱の日本に激烈無比忠義思想戦を展開せねばならぬ我等の決意について」警告と告白にみちた切々たる長文の手紙をよせた。それは、同信旬報「たたかひ」第六号に掲載せられてゐるが、その小田村兄の手紙には、「正成一人、未だ生きてありと聞召され候はゞ聖運遂に開かるべしと思召され候へ」、と表白した悲痛の言葉を、今更に感ぜしめられ、戦は、合成威力により究極の目標に邁進すると雖も、戦の具現は、個人を通じ、個人の貫徹せる至誠により、具現せしめられることを顧みしめられました。」と言ひ、「関大学生諸兄に対しても、生徒主事等は所謂赤化運動に対すると同様に、親、殊に母親の愛情を以て之を動揺せしめ反省せしめようとしてゐるのでありますから、学生自身としては、忠孝の問題についての確固たる見解と志操を持つことが、何よりも肝要であります。国家の為には又大君の御為に生死する為には、如何に生くべきか、といふ生活原理を確保する時に、不孝の孝を切実に体感出来ると考へられます。然し、そこに展開される親子の憶念の世界は、実に深刻切実のものであり、その内的苦悶が常に大御心にすべをさめられつゝ、みおやの神を祈りまつり仕へまつる微衷に辛うじて人生随順の依拠を得られる所に、日本人として臣民として生くることの有難さを、しみじみ感ぜしめられて来ると存じます。個人が苦しむことは、臣民の必然的運命であり、臣民たる以上は、忠義に人生を貫くために苦悶することは、不可避の運命と反省せしめられます。親も子も、この問題の前には、一臣民たるの立場が冷酷に要請されてゐると、云はざるを得ないのでありませう。妻子を捨て親を残して維新に活躍した志士の心が、今更のごとくなつかしく崇高に思はしめられます。現実人生の矛盾を解決しようとして出発する時、常にそこには劣弱精神が支配してゐると、反省すべきであります。口に悲劇的人生といひ、言葉に決死的精進と言ふとも、それだげでは空虚なひゞきにすぎぬのであります。事ある時に雄々しき大和魂を発揮し得るに非ざれば、何事もなすことが出来ないこと、今更に感ぜしめられます。全体的運動をつゞけるわれらには、不断に外部からの反撃と反駁が止まぬのでありますが、この反撃が、運動全体又我等の同志全体にふりかゝつて来ると思ふのは大きな錯覚であります。それらは、時に応じ事にあたつて、全体の中の一個人に偶然にふりかゝつてくるのであります。強硬に志を貫いて戦ふ人にふりかゝるといふよりも、むしろ運動の間隙に襲ひ来るものであり、決意の十分ならざる同志の上に、訪れ来る傾向を実感します。その時その個人が、如何に一人で誠心を以て相手に対しても、一個人の至誠にして相手が動き間題を円満に解決することは、不可能に近いことであります。何故ならば時代風潮の「学生協会」に対する恐怖が、そこに精神的暴力の形を以て襲ひ来るからです。故に、至誠を死守し忠義に殉ずる覚悟と行動のみが、之を切り抜ける唯一の武器であり、一時の不遇を通じて、千秋の志を発揚する事が、何よりも大切であります。水戸高校での「学生協会」の学生に対する処分にしても、「学生協会」の文部省・学校に対する戦ひが、総合的に言つて大局を見失つた感があり、それは、復校を以て勝利と思惟した点でありませう。改革途上の苦節戦闘のさなかにあつては、形の如何に落着するを問はず、志をあくまでも貫徹死守すると言ふことが、問題の眼目であり、従つて如何なる事態の到来に対しても、喜んでその危難を甘受すると決意と覚悟を、当事者学生の心中によびめさますことが第一と存じます。これを前提として之を肯景としてはじめて運動は、実績を挙げ、相手を震撼することも可能であり、よしそれが不可能にしても、勝利は我に帰することを感ぜしめられます。戦が激化し、我らの志が強化すればする程、不可避の危難が思はざる時所に襲来するのであります。それは白だすき決死隊に加はるべしといふ勅令としてかしこみまつらねぱならぬことであり、死所の来りたるを当人は実感すべきであります。そしてそのときの時の到来を見誤らざらしめぬといふ事が、本部並に先輩同輩同志の配慮であります。切腹を命ぜられた同志に、泰然自若の心がまへを備へしめ、涙をふるつて介しやくするのが、時に臨んでの同志の心得でなげればならぬと存じます。　幾度か死線を切り抜けて、しかも死線に多くの優秀な同志俊才を失ひつゝなしとげられた明治維新の実相を、異つた形に於て、我々も切実に回想すべき時と存じます。死線を回避せぬ、といふことは、事に当つて忠義を以て日々の行動の価値規準として一貫する、と言ふ事であり、親の具体的の心の動きの如きに心が動揺することは、武士の名折であり、ものゝふの資格すらない者と考へて行きたいと存じます。天命はいつ下るとも図り難く、ふりかゝる苦難を神のみ旨としてかしこみまつることを、何よりも心に銘じてゆきませう。神のまにまに大君のみことかしこみ、といふことは、さういふことでもあらう、と感ぜしめられました。全体と個人の問題を、新たな感覚と思想を以て追求し明らめゆくことは、何よりも大切な緊急なことゝと存じます。友に支へられてゆく、といふことは、友を励ましてゆくといふ主体性を要件とします。　共に一つの家に起居し、一つの研究所に集つて運動をし、志を貫いてゆくといふことは、一つの天恵であり、別れるときは、又強制的に分離せしめられるときは、いよいよ出征の時と考へてゆきませう。分れゝば心がゆるみ、家庭の恩愛に敗れ去る様では、牢にでも入れられたら、それこそ沈潜して自己反省におそはれるばかりでせう。　松陰先生が野山獄中で講孟余話を講じ、不滅の至誠を一貫せられた崇高雄大・悲痛雄渾の心情が目に見えて参ります。」

昨日は末次一郎先生の七回忌がありました。

　六月三日、東京代々木の青少年総合センターで、元新樹会代表の末次一郎先生をしのぶ七回忌の集いが開催されました。　私は所用で参加できませんでしたが、中曽根・海部元総理大臣、沖縄県の仲井真弘多知事、稲嶺前知事、愛媛の森高康行県議、宇佐美忠信富士社会教育センター代表などが列席されたそうです。　末次先生には、全共連ビルや虎ノ門ホールで開催されていた月例研究会の席でご指導いただき、余生を北方領土返還運動にかける戦略、そして情熱を感じておりましたが、あれからもうずいぶんと年月が流れ、いまだに北方領土問題は糸口すら見つかりません。　末次先生は、戦後の引揚者問題、抑留者問題に尽力、沖縄返還運動では「潜在主権」というロジックを生み出してアメリカを動かし、また青少年育成国民会議の場では若者の健全育成、道徳心の涵養にも努力されましたが、ご存命ならば今の安倍内閣が様々進める○○有識者会議などの一員として活躍されたことでしょう。　　先生の戦後の愛国運動は「『戦後』への挑戦」という御著書に詳しく記されています。　

大東塾の影山正治先生をお偲びして

　昭和五十四年五月二十五日、戦前からの民族派運動、新国学・日本浪漫派の重鎮、大東塾塾長の影山正治先生は、元号法制化の実現を祈念し、大東農場内で割腹自決されました。昨今、「元号法は成立秒読みだったのだから、自決はパフォーマンス」といった言説を聞きます。　しかし、それは当時の世情を余りにも知らな過ぎるといわざるを得ません。極左学生運動、爆弾テロなどがはなやかなりし頃です。　私自身はご指導いただく機会には恵まれませんでしたが、御著書やご遺影を拝し、楠木正成という武将はこのような人物ではなかったのかと何度も考えたことがあります。辞世　　　　　影山正治民族の本ついのちのふるさとへはやはやかへれ戦後日本よ身一つをみづ玉串とささげまつり御代を祈らむみたまらとともに　影山正治先生のご尊父、影山庄平氏も、敗戦後の八月二十五日、代々木練兵場で同志達と輪になり自決されています。大東塾十四烈士共同遺書清く捧ぐる吾等十四柱の皇魂誓って無窮に皇城を守らむ昭和二十年八月二十五日辞世　　　　　影山庄平こんとんをひらきて今や天地の始発の時と祈り行くなり国うれふやたけ心のきはまりて静かなるかも神あがるとき神ながら己が祈りの身ごもりて天の御柱国の御柱　現在、代々木公園には、大東塾十四烈士を顕彰する碑があります。（西門、参宮橋門から三分ほど）　影山正治先生の辞世の「みたまらとともに」は道友十四烈士や、国史の中に脈々と流れる先人、志士の道統の列に自ら加わる決意と悲しみの思いの言葉です。

影山正治先生自決の日を前に「悲しみを知る者」を読む

　五月二十五日は、湊川の合戦で楠正成一党が破れ壮絶な自決をした日に当たります。　と同時に、昭和五十四年には大東塾塾長の影山先生が自決された日でもあります。この日を前にして、先生のご遺文を拝読し、昭和維新にかけたご生涯をおしのびします。「悲しみを知る者」　　　　影山正治　悲しみを内にもたない者は浅い。　悲しみに耐へる努力のうちに人間は深められ磨かれる。　自分のことしか考へない者、地位や名著や金のことしか考へない者、真剣な生活態度や眞面目な道義心をもたない者、熱い詩情をもたない者等には、本当の悲しみは解らない。　　　　×　眞に愛する者、眞に求むる者、眞に苦しめる者、眞に信ずる者、彼らはまことの悲しみをもつて居る。　大丈夫眞の道を求め道に生きむとする、そこに悲しみがある。　親が眞に子を愛し子を育てむとする、そこに悲しみがある。　師が眞に弟子を思ひ弟子を導びかむとする、そこに悲しみがある。　同志が眞に同志を信じ同志と共に生死せむとする、そこに悲しみがある。　この悲しみを身に感じない者は本物でないか又は眞剣さの足りない者である。　　　　×　釈迦の場合を考へて見る。親に別れ妻子を去り、地位を棄て名誉を棄てて山に入り、長日月一向専念の苦行をする、その間にどれほど深い悲しみがあつたか。釈迦の説る道そのものが悲しみの道であり、悲しみに徹することによつて救はれの境地に入る道であつた。悲しみを知らざるものは釈迦の門に入ることを得なかつた。　クリストの場合を思ふ。郷里を追はれて終生を放浪のうちに終わつた彼、迫害の歴史に泣く祖先らの霊を背負ひ祖国をもたざる同胞の涙を心に負へる彼、そして弟子に売られ十字架の上に盗人と共に掛けられた彼、そこに我々は深き悲しみを見る。クリストは悲しみ悩める者の味方であつた。悲しめる者は幸ひなる哉、天国はその人のものなればなり。クリストは悲しみ深きものこそが神の道に入り得る者であることを信じてゐた。　孔子に、老子に、マホメットに、親鸞に、日蓮に、我々は深い悲しみを見る。　　　　×　日本武尊の御一生が我々の胸を悠久に衝ち動かして止まないのは、そこに深き悲しみが充ちてゐるからである。それが悲劇であるからである。　「さねさし相模の小野に燃ゆる火の火中立ちて問ひし君はも」の歌を残して走水の逆巻く怒涛の中へ身代りとして消えて行つた愛妃弟橘姫命を想ひて、碓氷峠に立ちて「吾妻はや、吾妻はや」と雄叫びされた尊。　万感を胸に遂に伊勢の山野にその屍を横たへなければならなかつた尊。　皇妃皇子がたづね求めに来られた時、白鳥に化して飛び去られたと云ふ尊。　悲しき尊の御一生はそのまゝに詩である。そして眞實の男の道である。美しくそして尊い。　　　×　強いばかりが眞の日本武士ではない。　悲しみを知らず、悲しみをもたざる武人を日本人は軽く低く浅きものとして考へて来た。　鎮西八郎為朝に對する同情、源九郎義経に對する同感は、彼らが深き悲しみをもてるが故である。　楠正成を無條件に、魂の父と感ずるのは、単にその勇武奇略よりではない。櫻井の駅に一子正行と訣別して、萬斛の涙を呑んで湊川へ赴けるその深き悲しみよりである。正成が若し強いばかりの武人であるか、又は智略一方の武人であるかした場合には、これほどの魂の共感を得なかつたであらう。　　　　×　「人はもののあはれを知らざるべからず」と教へた本居宣長のことも思ひ出される。　日本人は楽観的で淡白で明朗であると一般に云はれる。　併し、それは単なる野蛮人的楽観と淡白と明朗ではない。深い悲しみ心を越えた楽観で淡白で明朗であるから尊いのだ。　日本人は誰もが歌人であり詩人である、と云はれる。性来の悲しみの理解者である。　たゞ悲しみに溺れざる、悲しみて破り乱さざる力をもつて居る。それは「使命に對する自覚心」である。帰命し帰一すべきものをもつて居る安心である。　悲しみを越えることの出来る悲しみの理解者こそが眞の日本人である。それは、仏教的あきらめやクリスト教的ゆるされでなく、もつと強く、もつと積極的な越え方である。その悲しみも抱きてたゞに天壌無窮の皇道を扶翼し奉らむとする自覚であり決意である。　「天皇陛下万歳」の絶叫はこの境地より出づる至高至妙の一声、悲しみの極みを越えたる大歓喜の至絶賛である。　　　×　相約して淵に投ず後先なし　豈図らんや波上再生の縁　頭を廻らせば十有余年の夢　空しく幽明を隔てて墓前に哭すこの深き悲しみを有すればこそ大西郷が永久に人の胸をゆり動かすのである。　山川草木転た荒涼　十里風醍し新戦場　征馬進まず人語らず　金州の城外斜陽に立つこの悲しみあればこそ乃木将軍が枯木寒巌にあらずして切々と我等の心に迫り来るのである。悲しみを知る着こそ最も強き者である。　　　×　悲しみを感ずる心は純粋である。ごまかしやウソのある所に悲しみは無い。悲しみはまごころの上にのみあり得る。　悩み苦しみ悲しみ抜く者にのみ眞實の道は開かれる。　日本は今眞に悩み苦しんで居る。我等は何よりも日本の悲しみを悲しまなくてはならない。　我等は常に日本と共に苦しみ悩み悲しまなくてはならない。　その苦しみ悩み悲しみが、純であればある程、深くあればある程、明日の日本は、より強く美しく正しくあるであらう。　　(「大孝」昭和十三年九月十日掲載)

我が決意

　　　保守論壇・運動の混沌を見て詠める歌一首哲学も信仰もなく攘夷とふへろへろ人を撃ちてし止まむ　　　南八郎(川上弥市)遺詠議論より実を行へなまけ武士国の大事をよそに見る馬鹿　南八郎は長州藩士にして生野の義挙に参加し、同志二十名を介錯の後自決。二十二歳。

渋谷を通る２４６。渋谷区役所の裏手には２２６の慰霊塔

我、狂か愚か知らず、一路遂に奔騰するのみ　 陸軍歩兵大尉 野中四郎渋谷の公園通りをだらだらと登り、新左翼の牙城山手協会を左手ににらみ、パルコ前の喧騒を跡に渋谷区役所前の交差点を左折、ＮＨＫを右手に仰ぎながら渋谷税務署を過ぎると、そこには不釣合いな観音像がたっている。ここはかつて陸軍の衛戌刑務所があったところで、ここで２２６事件の青年将校十七名が銃殺刑に処されたという。今尚、花を手向ける人たちが数多ある。この慰霊塔は昭和40年2月26日に立てられ、既にそれから40年の歳月を経ている。未だにその真相については解釈の分かれるところであり、鎮圧側、体制側の内偵や、この機を利用した皇道派との確執など謎となっている点が多いが、大東亜戦争より遡る事十年、当事者、体験者からの聞き取りは最早絶望的である。

４月２６日は、平成３年に掃海艇が派遣された日

　４月２６日（木）のチャンネル桜「防人の道」を見ていたら、その日が平成３年に日本が掃海艇部隊をペルシャ湾に派遣した日であると佐藤キャスターが話していました。（相方の桜林さんの誕生日というかと思ったんですけどね）　その当時は、冷戦構造が崩壊したとはいえ、まだまだ国内では社会党が強く、自衛隊の海外派遣が「派兵」とか、場合によっては侵略に道を開くと言われ、ＰＫＯ法案の審議で「牛歩」なる異常な戦略が採られる時代です。　まあ、私も大学は卒業していましたが気分は学生だったため、当時の仲間達と掃海部隊に激励の手紙を出したり、千羽鶴を折ったりしておりました。いよいよ帰国となった１０月３０日に向けて、広島県呉市で感謝の奉迎行事を開催しようと企画し、現地の社会人、学生と協力しながら活動しました。　当時の記録がすぐには出てこないので、とりあえず雰囲気の分る写真だけアップします。　帰国した掃海艇の一隻。埠頭に接岸するところです。手前は海保の巡視艇。掃海艇は大変小さく、後から乗り心地もよくないと聞きましたが、この木造船でペルシャ湾を往復したというのも脅威です。当時の政治家が「木造船に乗っているのか。予算をつけて金属製にしてやろう」と言ったという笑えない話もありますが、現在の国会議員は大丈夫でしょうか。　チャーターしたフェリーでの学生や市民の歓迎。掃海部隊の皆さんは、甲板で帽子を振って応えていただきました。一同涙、涙でした。　クルーザーやヨットを持っている方に便乗して歓迎する人たち。後ろのフェリーが右舷に傾いているのがお分かりと思います。それは乗客が片方に詰め掛けたため。　翌日、学生や呉市民の感謝のメッセージを海上自衛隊呉地方総監部に届けた時の記念写真です。これは庁舎の陸側の玄関ですが、現在の庁舎は中央部にドームが再建されているようです。　この掃海艇の歓迎では、時の海部首相が歓迎式典で軍艦マーチが流れるのはけしからんと、演奏がおわってからのこのこランチで接岸するという光景がありましたが、あれから１６年たって防衛庁が省となり、国際協力も堂々と出来るようになり、隔世の感があります。　が、果たして国民が自衛隊を「私たちの軍隊」として、物心からサポートするようになったかといえば、まだまだ課題は多く、国防教育を含めた啓発活動が重要です。

昭和の日をお祝いしましょう

　４月２９日は、国民の祝日に関する法律が改まり、今年から「昭和の日」となりました。この日にあわせるかのごとく、朝日新聞は自社の倉庫に永く漬け込んでおいた侍従日記を公表し、早速昭和天皇はＡ級戦犯の靖国神社合祀に反対だったとお得意のキャンペーンを張り、他社も追随の様相を呈しています。　結局のところ、この次期にこのタイミングで解禁したということは、やはり昭和の日の権威失墜を狙ってのことでしょう。この日に合わせて全国では様々な奉祝行事が行われる一方、反天皇制を掲げる市民団体は各地で集会を開き、教育基本法、憲法、そして靖国と関連付けながら帰省をあげています。［写真］武蔵野御陵　撮影日　平成十九年一月七日　　　昭和の日にあたりて詠める歌一首昭和てふ御世にあれたる民たらば語り継ぐべし御代の誉れを

主権回復五十五周年国民大会

　　ゴールデンウィーク初日、九段会館に足を伸ばし、主権回復五十五周年大会に参加しました。　今回は大型連休の初日の土曜日ということで、参加者数が心配でしたが、一回席はまんべんなく埋まったので、まずまずでしょうが、ここのところ参加促進が思うようにいかず、事務局も苦しいでしょう。スタッフも今回は少なく、受付も出ていませんでした。　参加される方も高齢化が進み、懐かしいお顔にも皺が増え、足取りも覚束なく、保守運動の難しさを感じます。もちろん若い世代もちらほら見かけますが、九対一の割合。そうしたことばかりが気になり、なじみの出版社の人や、チャンネル桜の関係者の方とばかり、お話しすることになり、内容を殆ど聞けませんでした。　写真は、稲田朋美先生。私が稲田先生の追っかけのようになっていますが、これは偶然。　今回も国会議員が多数発言していますが、議員にとって具体的な体験がある方と、そうでない方にどうも提言内容の温度差というか、情念の昂揚が伴わないというか、「主権回復」というテーマの難しさもあって、この形態を続けることが良いとは思えません。そこは主催者がハードルを上げて、これという方を厳選してお願いすべきでしょう。　はっきり言って聴衆の方が勉強している場合が多いですから。一日二十箇所以上の会合をこなす議員にとっては、比重が軽くても、主催者や参加者にとっては大事な会合。中途半端な気持ちでトンチンカンな挨拶をしては大変です。　いるんですよ。中には玄関先で挨拶すると「今日は何だっけ」という議員が。

価格破壊でにんまり、しかし…

　神田神保町を歩いていると、必ず立ち寄る書店が何軒かあるが、そのうちの靖国通りに面する「日本特価書籍」で、昨日お宝を手に入れた。　平成十七年に刊行された皇后陛下の平成の御世のお言葉集「あゆみ」が、本体価格3800円のところを何と税込みで600円のワゴンセール。　海竜社がおそらく刷りすぎたものが新古本市場に流れたと思われるのだが、六分の一以下に驚くやら、悲しいやら。重たくなるのでとりあえず三冊入手して後にした。　ワゴンセールとはいえ傷も埃もかぶっていないのでご関心のある方は週末、ＧＷにのぞいてみては。

「救う会」荒木和博氏、韓国の抵抗で風船作戦断念

　国内のメディアではあまり報じられていないようだが、「救う会」の荒木氏が、韓国の軍事境界線付近から北朝鮮に向けて拉致被害者に関する情報提供を呼び掛ける風船作戦が、南北赤十字会談の日程とバッティングしたため、北朝鮮の抗議を恐れた韓国官憲によって妨害、阻止されたという。　拉致被害者に関する、どんな些細な情報でもいいから寄せて欲しいという日本側被害者家族、救う会のささやかな願いは、皮肉にも同じ拉致被害国である大韓民国の太陽政策によって打ち砕かれたのである。　拉致問題に関する韓国政府の傍観者的態度は、これまで自国民被害者に対するものに限られていた。しかし、横田めぐみさんの夫が韓国人であったことから、韓国国内の保守派や知識層の中には、徐々に日本人拉致問題に対する関心の高まりと連携の動きが生じていた中での今回のできごとだけに、こうした保守派も少々居心地が悪そうだ。　拉致問題の情報開示の在り方や、捜査の進展については、安倍総理の参院選向けパフォーマンスとして批判する向きもあるが、拉致問題解決の足を引っ張る行動を取っているのが、他ならぬ被害国自身であるということは、事実として報道されるべきだろう。（それとも報道しちゃならないという放送コードでもあるのか）　「韓国人は、北朝鮮という国がとてつもない犯罪国家・テロ支援国家であり、韓国にミサイルを向けているという事実を直視してしまったら、集団ヒステリーをおこしてしまう。そのため、時刻が置かれている状況を客観的には見ないようにしている」。そういえば、早稲田大学に勤務する洪研究員がミサイル問題で話していたが、これは拉致問題にも当てはまりそうだ。北朝鮮への風船ビラまき、韓国当局が阻止＜4/10 23:15＞ 日テレニュース２４　韓国で１０日、日本の民間団体が拉致被害者の情報を求めるため、北朝鮮に風船を飛ばしてビラをまくことを試みたが、韓国当局に阻まれ、断念した。　北朝鮮との軍事境界線に近い韓国北部・鉄原で風船を飛ばそうとしたのは、拉致被害者を調べている「特定失踪者問題調査会」と韓国のＮＧＯ団体のメンバー。ビラをまいて、情報提供を呼びかけることが目的だったが、韓国当局によって阻止された。　韓国当局からは「今日から始まった南北赤十字会談の時期は外すように」との説明があったとのことで、韓国軍捕虜と拉致被害者の生死確認などについて話し合う会談の期間中、北朝鮮を刺激したくないためとみられている。 北朝鮮へ大型風船９個飛ばす　「拉致」ビラ１万枚入り 　北朝鮮による拉致被害者を調べている「特定失踪（しっそう）者問題調査会」（荒木和博代表）は１０日、韓国の市民団体と協力し、南北の軍事境界線に近い江原道鉄原で、同会のビラ１万枚を９個の大型風船に入れて北朝鮮側へ飛ばした。　ビラはビニール製の十数センチ四方。片面には北朝鮮に拉致された人々へのメッセージを印刷、同会が北朝鮮に向けて毎日１時間、短波ラジオ放送「しおかぜ」を行っていることを伝え、聴取を呼びかけている。　裏面には、北朝鮮の人々や幹部への訴えが印刷され、拉致被害者に関する情報の提供に対して１０００ドル（約１１万９０００円）、情報の価値によっては１万ドル以上を支払うとし、同会の連絡先を記している。　荒木代表は「北朝鮮脱出者（脱北者）の中には北朝鮮でビラを見たという人もおり、北朝鮮から韓国側に抗議もきている。今後もしおかぜとビラで訴えを続けたい」と語った。(2007/04/10 22:12)「産経新聞」

昭和の日記念シンポジウムが開催されました。

　春の嵐吹き荒れる４月４日、東京・文京シビックセンターで、「昭和の日」記念シンポジウムが開催され、約四百名の聴衆がパネリストの提言に聞き入りました。　集会は、冒頭司会の桜林美佐さんの先導で、亡き昭和天皇を偲び黙祷を捧げた後、高池勝彦弁護士の開会の挨拶に始まり、大原康男国学院大学教授、長谷川三千子埼玉大学教授がそれぞれ基調講演を行ないました。コーディネーターは高森明勅氏。　提言内容はあらためてご紹介します。

「しおかぜ」に妨害電波

　報道では、拉致被害者救出のための北朝鮮向け放送「しおかぜ」に対して、北朝鮮から同周波数帯で妨害電波が発信されたそうです。　かつて北朝鮮は、韓国の放送に対しても行っていました。今日、日本向けに開始したわけですが、このことは「拉致被害者がいまだ北朝鮮内で生活している」ことの証明になります。　願わくば国民の支援、カンパで「しおかぜ」が二十四時間放送、複数帯域で放送できるくらいの財力を持てば、妨害電波を発信する北も悲鳴を上げるはずなのですが。

野口健さん、靖国神社に参拝

　３月８日、アルピニストの野口健さんが、エベレスト登頂を前に靖国神社に安全祈願のため参拝したと「神社新報」３月１９日号が伝えた。　昇殿参拝を終えた野口氏は、南部宮司からお清めを受けた国旗、ワッペン、お守りを授かったという。国旗は、国民精神研修財団からの寄贈されたもので、同財団が特殊な気象状況に配慮した特注品。　野口氏は、３月２０日出発するという。

東京地裁判決、都教委の考え方

以下都教委ＨＰからの引用　９月29日、東京都及び東京都教育委員会は、国歌斉唱義務不存在確認等請求事件東京地方裁判所判決（平成18年９月21日言渡し）を不服とし、東京高等裁判所に控訴しました。 　平成15年10月23日、東京都教育委員会教育長が、都立学校長に対して、入学式、卒業式等における国旗掲揚、国歌斉唱等の適正実施を求める通達を発出した。　本通達及びこれに基づく校長の職務命令が、教職員及び児童・生徒の思想・良心の自由等を侵害し、違法・違憲であるとして、国歌斉唱時の起立斉唱等の義務がないことの確認を求めた訴訟である。 原告　都立学校教職員（401名） 被告　東京都、東京都教育委員会 東京地裁判決　入学式、卒業式等において、国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する義務及びピアノ伴奏をする義務のないことを確認する。 　都教委は、国旗に向かって起立しないこと、国歌を斉唱しないこと及びピアノ伴奏をしないことを理由として、いかなる処分もしてはならない。 　原告らに対し、各３万円及び支払い済まで年５％の割合による金員を支払え。 判決の理由　学習指導要領は法的効力を有しているが、あくまでも大綱的な基準であり、教職員に対して具体的な義務を負わせているものではない。 　都教委が発する通達や校長の職務命令も大綱的な基準にとどめるべきである。 　本件通達は、教育基本法10条（不当な支配の禁止）と憲法19条の思想・良心の自由に反し、違憲・違法である。 　違憲・違法な本件通達に基づき発出された校長の職務命令は、重大かつ明白な瑕疵があるから、従う義務はない。 　都教委が上記、校長の職務命令を理由に、懲戒処分等をすることは、その裁量権の範囲を超え若しくはその濫用になる。 争点１　本件通達が教職員の内心の自由を侵害するか原告側の主張 　本件通達及びそれに基づく職務命令（国旗に向かって起立し、国歌を斉唱すること）は、教職員の内心の自由等を侵害し、違憲である。 都教委の主張　本件通達に基づく職務命令は、国歌を斉唱する、ピアノを伴奏するという外部的行為を命ずるものであって、教職員の内心の自由等を侵害するものではない。 ２　本件通達が「不当な支配」（教育基本法10条１項）に当たるか原告側の主張 　本件通達は、校長に対して、個別的職務命令を教職員に発するよう強制するものであり、不当な支配に当たり、違法である。 　本件通達は、教師による創造的かつ弾力的な教育の余地を奪い、教師に対し一方的な一定の理論、観念を生徒に教え込むことを強制するものであり、不当な支配に当たり、違法である。 都教委の主張　本件通達は、校長に対する職務命令であり、教職員に対するものではない。校長の個別的職務命令は、校長の権限に基づき、校長の判断により発出されたものであり、本件通達は、不当な支配に当たらない。 　本件通達は、学習指導要領に基づいて、卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱を適正に実施するという目的で発したものであり、都教委の職務権限として、必要かつ合理的な範囲で発せられたものである。また、学校における創意工夫の余地を残しており、一方的な理論等を強制するものではなく、不当な支配には当たらない。

今日発売の週刊金曜日には…

　本日発売の週刊金曜日。この間、西村修平氏らのグループによる街宣活動により、編集部は口頭で謝罪し一週間以内に正式に回答するという話や、チャンネル桜・三輪和雄氏らの取材要請に応じ１２月１３日に会見が行なわれるという話があり、今週号に何らかのアナウンスがあるかと思いきや、…何も報じられていなかった。　忙しい中、慌てて５００円を投じたのに、肩透かしの感じだ。（以下編集後記引用）金曜日から▼極右雑誌『諸君！』の先月号に、「国を愛してどこが悪い」などという某女性作家の記事の見出しがあった。どこの誰が「悪い」と水をさすのか知らないが、こうした表現に象徴される「愛国心」を怒号する人士の猛々しさには正直うんざりする。教基法改悪で自民党が執着するのもこの「愛国心」で、同じ極右雑誌『正論』の罵詈雑言の定番である「反日日本人」なるレッテルは、非「愛国」者という意味らしい。「愛国心は悪党の最後の隠れ家」というサミュエル・ジョンソンの格言を持ち出さずとも、「同盟」などと称し、世界中の殺戮のためこの国からカネと土地を巻き上げ、自衛隊を傭兵として使おうとしている「ならず者国家」に嬉々として従う彼らは、「悪党」にも値しないデマの徒だ。そんなに「国を愛して」いるなら、かけがえない豊饒の海が異人の人殺し目的のために破壊されようとしている辺野古に一度くらい座り込んでみたらどうか。漢字を生んだかの国ではこの「ならず者国家」を「美国」と表記するが、改憲派首相が口にする「美しい国」も同義であるならすべてはつじつまが合う。それでも「皇紀2667年」にならんとする敷島が建国2世紀半にも満たぬ某国に尾を振る様は、「国辱」と映らぬのか。（成澤宗男）

「皇室誹謗寸劇」週刊金曜日の弁明

　週刊金曜日主催の教育基本法改悪反対集会で、皇室誹謗中傷の寸劇が行なわれたことは、先週号の「週刊新潮」掲載なので、御覧になった方も多いだろう。(先週木曜11/30のチャンネル桜報道ワイド日本でも詳報)　さて、問題の週刊金曜日では、12月1日号で、見開きで集会の報告をしている。問題の場面については、紹介されている十六枚の写真の冒頭に皇后陛下に扮する役者と爆笑する最前列の観客を映し出し、本文中で「集会には、ご近所に住む高貴なご一家の奥様(石倉直樹さん)も参加し、園遊会形式で来場者に話しかけた。花柄の服装の女性をみつけ、『まあ、桜が咲いたみたい。でも会場にサクラがいると、タウンミーティングになりますね』。」(まとめ/伊田浩之　編集部)と紹介。　この寸劇、よほど不興を買ったのか、編集後記で矢崎泰久氏が弁明しているので引用する。「意見の違いというものは誰にでもある。親しい者同士であっても、微妙な違いは存在する。まして対立する考えのある場合は、それが原因で確執が生じたりする。だからと言って、相手の言論を封殺する権利はない。意見は意見、考えは考えとして、きちんと聞いて、自分も発言する。そのことが何より大切であると思う。言論・表現の自由は自分で守ることである。」「さる１１月１９日に日比谷公会堂で開催された本誌主催の集会でも、会場から不規則発言をする人が数人いた。それだけではなく、講演者の控室に押しかけて抗議をする人もいた。主催者側もこうした聴衆に対して、それなりの対応をしていたと思うが、問答無用的な人にはほとほと参ってしまう。場と状況をわきまえて発言して欲しい。」「翌日の築地本願寺のコンサートでも、私のことを追いかけ回して宗教論争を挑んでくる人がいて、非常に困った。舞台を主催する者にとっては、設営し、開場し、公演を終了するまでは猫の手も借りたいほどの忙しさである。中には自分の席が見えにくいとか、椅子が固いとか、訴える人もいる。いちいち対応できない。こちらに非がある場合には、むろん解決する。」「人間は寄り合って生きているのであり、自分の思い通りにならないことも沢山あるだろう。しかし、だからと言って、暴力をはたらいたり、怒鳴ったりするのは、明らかに間違っている。抗議には抗議のルールがあり、意見の違いは話し合って解決するしかない。」「環境汚染にしても、改憲問題についても、国会運営にしても、ＴＭのやらせにしても、こうしたルールがまったく守られていない。違反が発覚したら速やかに自分の非を認めて元に戻すべきであろう。歪んだ社会では、誰もが猛省しなくては、まともな子供は育たない。」　皆さんはこれを呼んでどうお感じになるだろうか。居直り、行事主催者としての責任感欠如、投げやり、そして論理の破綻。正直、こういう感覚で行事を開催しているというのは驚き、呆れるばかりだ。こういう手合いなら、例えば行事中に自然災害や火災で犠牲者が出ても、主催者の責任は絶対認めず、いつのまにか被害者が悪いような論理へとすり替えていくのだろうなとぞっとする。　自分がどう思おうと、自分達が何を発言しようと私達の勝手。不愉快なら聞かなければよい。いやなら中座すれば良い。私達は忙しい。文句を言うのは筋違いだから邪魔するな。抗議するなら我々が暇な時にしろ。反省するのは私たちではない、国と歪んだ社会に生きる貴方方だ。　まさに戦後教育が作り上げた反国家主義者、アナーキストの見本のような文章である。朝日新聞の「天声人語」と瓜二つ、と思うのは私だけだろうか。　

明日は三島義挙三十六年祭です

　三島由紀夫、森田必勝烈士が市ヶ谷台上で自決されてより、明日で三十六周年を迎えます。「私は十一世紀に源氏物語のやうな小説が書かれたことを、日本人として誇りに思ふ。中世の能楽を誇りに思ふ。それから武士道のもつとも純粋な部分を誇りに思ふ。日露戦争当時の日本軍人の高潔な心情と、今次大戦の特攻隊を誇りに思ふ。すべて日本人の繊細優美な感受性と、勇敢な気性との、たぐひ稀な結合を誇りに思ふ。この相反する二つのものが、かくもみごとに一つの人格に統合された民族は稀である」（「日本人の誇り」三島由紀夫　朝日新聞昭和４１年１月１日）「そこで日本人にとつての日本とは、恋の対象にはなりえても、愛の対象にはなりえない。われわれはとにかく日本に恋してゐる。これは日本人が日本に対する基本的な心情の在り方である。」（「愛国心－官製のいやなことば」三島由紀夫　朝日新聞昭和４３年１月８日夕刊）　後段部分は、右翼と呼ばれる鈴木邦男などがよく引用しています。三島由紀夫だって愛国心に反対だった。だから教育基本法に愛国心を書き込めというのは、民族派じゃないなどという論法で。それを週刊金曜日や朝日新聞、左翼文化人が欣喜雀躍しながら悪用しています。　しかし、よく読めば、三島先生は、「愛国心」というものは、低次の、表層的なもので、国民の国家への愛情は「恋」、「恋闕の情」として体現されると語っていると私は理解します。そして、それは自分の命を捨てても捧げつくすべきものであるとも。　となると「愛国心」に反対する人たちの引用は、極めて曲解したものといえるでしょう。それとも国語力が足りないだけなのでしょうか。

巷間語られる「愛国心」論議の稚拙さ

　来週にも、教育基本法改正案は、衆院を通過するが、内容の各論の詳細は置くとして、賛成の読売、産経、反対の朝日、毎日、東京という構図は変りそうにない。　それにしても、一向に議論が深まらないのが「愛国心」論議だ。承知の通り、愛国心については政府案が「国を愛する態度を養う」とし、民主党案が「日本を愛する心を涵養する」となっており、この点については、野党国民新党や、自民党離党組みの無所属も必要性を認識している。　つまり、国会の場で正式に「愛国心教育」に反対しているのは、共産、社民と民主党の日教組組織代表の参議院議員数名である。　このように衆参併せれば、圧倒的多数の国会議員が愛国心教育の重要性、必要性を主張しているのに関らず、日本のマスメディアは従来の55年体制、戦後体制の枠組みでしか、議論を展開できないでいる。その証拠が、下に挙げた「毎日新聞」の記事だ。　未だに、国家は悪、お上は暴走するという硬直思想から抜け出せない。その国家を作るのも、国会や行政の枢要な立場で舵取りするのも、我々国民である。　政治家の発言が右顧左眄し、外交が大国に土下座する姿勢となり、官僚が汚職にまみれ、自衛官が内部情報を外国に売り、政治家が地位に固執するのも、愛国心が欠落しているからだとどうして気付かないのだろうか。もとより、個々の不祥事、犯罪の罪を問うのは重要である。しかし、官僚になった途端、政治家になった途端、「愛国心」に基づく行動を求められても、２０数年間学ぶ機会、鍛錬する機会がなければ身につきようがない。　幼い時から、共同体の大切さ、奉仕の尊さを学ばせることによって、初めて社会人として公務についた時にどのように行動すべきかの土台が出来ていることになる。　しかし、「愛す愛さないは自由」ということは、確かに当然のことではあるが、それで果たして共同体が維持できると考えているのだろうか。　「愛国心」というものは、政治家や官僚、自衛官の専有物なのだろうか。どうやら一億の国民が「愛国心なんていらない」と叫んだ時、この国や社会がどうなるのか、この記者には想像がつかないらしい。「戦争に賛成する従順な国民を育てることにつながるとの懸念」というが、「戦争に反対する愛国心」というものが存在するということが理解できないらしい。「鉄道員」「壬生義士伝」作者の浅田次郎氏は、イラク戦争に伴う自衛隊の派遣に反対する活動をしていた。しかし私は彼の発言や作品を読む限り、浅田氏は愛国者であると思う。　思うに、戦後の左翼勢力には、頭では分っているのだろうが、自分自身が「愛国者」であるということを発言することをタブー視する風潮が、未だに残っているらしい。むろんそれは、一般の社会では取るに足らない、誰にはばかるものではないとタブーは解かれているのだが、左翼陣営の中には厳然とそのタブーが残っている。例えば日教組、例えば自治労、例えば中核、革マル派など。　そして彼らは、彼ら自身が「愛国心」を叫ばない、主張しないことが保守陣営の思想闘争能力を鈍らせ、冷戦後は枕を高くして快眠させているということにも気付かない。　かつて三島由紀夫は東大全共闘との論争の中で、「君達が天皇と一言言えば、自分は君達と共に戦うことが出来る」と語ったが、東大全共闘はヤジと失笑を浴びせるだけで三島の言わんとすることが分らなかった。今では左翼陣営は鈴木邦男という右翼民族派崩れを囲い込むことで、保守批判をしだす有り様だ。(鈴木邦男の右翼としての活動は、実質的に全国学協委員長を解任された段階で下り坂に転じたと私は見ている。)　勿論三島由紀夫自身「愛国心という言葉は嫌いだ」ということを何度も述べている。権力の中枢にある自民党代議士が「愛国心」「愛国心」と語り、国民に要求することを嫌ったものと推察するが、その三島自身「草莽」の愛国心は否定していないはずだ。　私は、愛国心教育の具体的内容について、学習指導要領の改訂内容と併せ、大いに国会で論議し、愛国心教育のガイドラインというものを国会承認のような形で国民に提示することで国民的なコンセンサスを得たという手続きを取ってもらいたいと考えている。(以下引用)愛国心：支局・記者の目／１８　「愛す」「愛さない」は自由、強制は駄目　／鳥取　◇「当たり前」を疑い、議論重ねよう－－山下貴史　愛国心を語る時、依然としてこの言葉の意味が社会全体で共有されていないのではと思う。学生アンケートでも▽国の文化や歴史を誇りに思うこと▽国に都合がいいもの――など、多種多様な回答が寄せられていることからもうかがえる。こんな言葉を法制化するのは危険だ。　教育基本法の改正案は「我が国と郷土を愛する態度を養うこと」を「教育の目標」に掲げているが、国を愛さない自由もあるのではないか。　中永広樹・県教育長は「郷土や国を愛する態度は必要」で、日の丸・君が代の不起立は「指導放棄で処分は当たり前」と言う。これに対し、「生活がかかっているので処分が怖い」「起立しなくてもいい配置を希望して切り抜ける」などとして、圧力に尻込みする県内の教員がいる。　折りしも９月２１日には東京地裁が、日の丸・君が代の起立・斉唱を教職員に義務付けた東京都教委の通達を違憲・違法と判断した。一方的な政治的観念を教育現場に持ち込むのは危険とした“レッドカード”といえ、思想・良心の自由を侵してはいけないという基本的人権を確認した判決だった。　安倍首相は１０月の参院予算委員会で、「（愛は）強制できないと思う。私の内閣を愛せよ、と言っていない」と答弁した。国旗・国歌法成立当時の小渕恵三首相も「内心にまで立ち至って強制するものではない」と国会答弁したが、現状を見ればこの答弁がいかに空疎か。「愛国心」の法制化による締め付けは目に見えている。憲法と不可分の教育基本法の改正は、憲法改正の助走に過ぎず、戦争に賛成する従順な国民を育てることにつながるとの懸念をぬぐい去ることは出来ない。　そもそも、愛国心は「元々あるもの」（石破茂衆院議員）ではないと思う。「国民」と「国家」それ自体はつくられたものであり、家族や郷土（パトリア）と国（ネーション）を愛すことを同一延長線上に置くべきではない。　私は、心の自由を奪う窮屈な社会に住みたくない。だからといって、国を愛す人を否定しない。国を愛す自由、愛さない自由があるわけで、両方を認めないと思想・良心の自由の否定になってしまうからだ。　日本政治思想史家・丸山眞男氏は言う。「日々自由になろうとすることによって、はじめて自由でありうるということなのです。その意味では、近代社会の自由とか権利とかいうものは、どうやら生活の惰性を好む者、毎日の生活さえ何とか安全に過（ご）せたら、物事の判断などはひとにあずけてもいいと思っている人、あるいはアームチェアから立ち上るよりもそれに深々とよりかかっていたい気性の持主などにとっては、はなはだもって荷厄介なしろ物だといえましょう」（「『である』ことと『する』こと」）　不断に自由を勝ち取らないと、ある日突然、不自由な社会になっているかもしれない。ヒトラーは当時、最も民主的な憲法下で合法的に政権に就いたことを忘れてはならない。　皆で「当たり前」を疑い議論を重ね、どのような日本が理想か考える時期にきている。１１月１１日朝刊（毎日新聞） - 11月11日19時1分更新

愛国心論争は整理する必要がある

(以下引用)＜参院予算委＞「愛国心」で安倍首相と福島党首が珍問答　１３日の参院予算委員会で、社民党の福島瑞穂党首が「愛は強制できますか」と切り出したところ、安倍晋三首相が「強制できないと思います」と語る珍問答があった。　福島氏は、政府が今国会で成立を目指す教育基本法改正案の教育目標で「国と郷土を愛する」（第２条５項）と表記されていることについて、「国を愛する態度を評価するのか」と指摘。戦前の愛国心教育を念頭に「愛国心の強要は『戦争反対』と言う自由を奪う」と持論を主張、首相の考えをただした。　首相は苦笑しながら「全く関係ない観点で非難している。国の行うことを支持せよ、私の内閣を愛せよ、と言っていない」と否定。さらに「福島氏が首相になることもあり得るが、福島首相がやることを私たちが全面肯定し愛することはあり得ない」と皮肉交じりに答えていた。【中澤雄大】（毎日新聞　引用終わり）　来週から衆議院での教育基本法審議が再開される見通しです。　さて、愛国心論議については、反対勢力に押されっぱなしで、政府側はきちんとした答弁をしていません。　今一度議論を整理する必要があります。1,公教育で国民教育(道徳、市民性、政治教育、順法精神、愛国心教育、国際儀礼)を行うべきか否か。2,それではそうした国民教育の中で、愛国心を育む教育を行うべきか否か。3,愛国心教育を行う場合、評価はどのようにあるべきか。4,そもそも価値教育は積極的に行うべきか、それとも行ってはならないとするか。5,法治国家の先輩格である欧米での愛国心教育の法的位置づけはどうか。　このあたり、今後おいおい整理していきましょう。　首相官邸、文部科学省に知恵者がいないのが残念。