美味しい里山日記　～　第二章　親子で丹波に移住！！楽しく美味しい田舎暮らし！

[『　里山推薦図書　』] カテゴリの記事

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  山渓ハンディ図鑑『野に咲く花』『山に咲く花』『樹に咲く花１、２』『』

  家族が訪問先から栗を貰って帰ってきました。いよいよ秋も真っ盛りですね。畦を歩いていても、山道を歩いていても、奥深い丹波はときどき見知らぬ花や木の実に出会って、わくわくします。5年来、欲しいな、と思いつつもなかなか買わなかったシリーズが、やっぱり欲しくなりました。買います！山と渓谷社 山溪ハンディ図鑑 1 野に咲く花 070010山と渓谷社 山溪 ハンディ図鑑 2 山に咲く花 070020樹に咲く花（離弁花 1）改訂第3版樹に咲く花（離弁花 2）2版このシリーズは、ズーム写真のわかりやすさと美しさが抜群なんです。届くのはいつかな・・・わくわく。環境ブログranking　に参加しています♪　今日は何位？

  2008.09.22

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  『有機農業ハンドブック　土づくりから食べ方まで』

  野菜づくりは、ベランダのプランターで始めるだけでも楽しいですね。‘農業’とまでいかなくても、借地借家で‘農’を楽しむ都会出身の方々も近所に何人かいらっしゃいます。私自身は野菜づくりも初心者、今のところ‘農業’に踏み込む予定はないのですが、家族が食べる分の野菜や穀類は楽しみながらつくっていきたいと思います。・・・そんな折、ふと手にとったのがこの本です。『有機農業ハンドブック　土づくりから食べ方まで』　　日本有機農業研究会　編集・発行（農山漁村文化協会　1999年）この本の一番の良さは、いろんな流儀の方が、意外に思い思いに楽しく有機農業や有機栽培に取り組んでいる雰囲気です！一人あたり2～4ページずつ分担して、各種の野菜づくりのコツから、コイ農法や合鴨農法の経験談、雑草との新しい付き合い方、自給小麦での天然酵母パンや漬物づくり、果ては炭焼きや天ぷら廃油ディーゼル、バイオガスの利用まで、実践者の試行錯誤がぎゅっと詰まっています。農家出身者よりも都会出身で農業に新しく取り組んだ方が多い点でも、本全体が単なる技法書ではなく「わいわいがやがや」新旧様々な視点で‘農’を語る一冊になっている印象です。繰り返し読んで楽しんでいます。環境ブログrankingに参加しています♪

  2008.08.17

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  『声の図鑑　虫しぐれ（山渓CDブックス５）』

  丹波の山裾の農村地帯、夜、家でふと耳を澄ますと、数種類のコオロギや蛙の声にまじって、久しぶりにウマオイ（馬追い）の声を聞きました。秋の虫の声の童謡にも登場していたように記憶していますが、市街地で聞こえない声のひとつです。昼間賑やかなキリギリスに対して、ウマオイの「スイーチョン」は宵っ張り。聞いていると、穏やかながらわくわくしてくるリズムです。子供の頃、博物館の夜の虫の観察会か何かで、初めて‘ハヤシノウマオイ’というウマオイの声を聞きました。　姿もキリギリスに似ていますが、声もキリギリスを少し繊細にしたような感じ。下にリンクを張りました声の図鑑は、絵本のような綺麗な写真集と鳴き声CDがセットになったシリーズで、私のお気に入りのひとつです。‘図鑑’と銘打っていますが、前半約25分は‘鑑賞編’、後半40分が‘図鑑編’という構成で、リラクゼーションCDのように聞けるCDでもあります。録音者も有名ですが、写真の方も、環境gooでも写真連載している有名な昆虫写真家・栗林慧氏です。『山渓CDブックス５　声の図鑑　虫しぐれ』録音・蒲谷鶴彦／写真・栗林慧（山と渓谷社1994）環境ブログranking　クリックぽちっと応援お願いします♪

  2008.07.31

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  『ひょうごの山菜』　～京阪神らしい山菜の本

  山菜の本は書店でも平積みの人気ジャンルですね。普段関西に居る私の不満は、東北や関東の山菜ばかり紹介されている本が多いことでした。いくら東京が日本の首都だからって、500km以上遠くの気候が違う所の山菜を紹介されても、「ない」んだからおもしろくないんですよ！（個人的には東北の森も関東の森も好きなのですが、山菜文化は土地土地のものですから・・・）・・・と思っていたら、兵庫に生まれ育った方による「兵庫の山菜文化を楽しむ」ための本がありました。　優しい文章で書かれた調理法とエピソードは、ちょっとした洗練と地元の香りがして、こちらの土地で受け継ぎたい文化だなあ、と感じました。『ひょうごの山菜　おいしい食べ方とエピソード』　　清水美重子著（神戸新聞総合出版センター2007年）環境ブログranking　クリックぽちっとお願いします♪

  2007.07.05

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  ゆきのひのおくりもの

  絵本『ゆきのひのおくりもの』今日は仕事で雪国の縁まで行きました。山裾近くまで森に雪が積もっていて、久々に静かな雪景色。冬はこうでなくちゃ、と思いつつ、濡れた地面を踏みしめて不似合いなビジネスシューズにて・・・。上の写真は、子供の頃から大好きな絵本です。子うさぎやろばの描写がとても丁寧で、ストーリーも優しくて、雪の日にぴったりのお話しです。環境ブログランキング

  2007.01.10

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  「改訂版むし　くらしとかいかた」（ひかりのくに株式会社）

  久々に黙々と見入ってしまいました。「むし　くらしとかいかた　改訂版」ひかりのくに株式会社やっぱり、子供用の本はわかりやすくて良いですね。特にこの本の姿勢には共感を覚えました。カブトムシ、クワガタムシからキリギリス、ダンゴムシ、ハエトリグモまで、子供達の身近に見つかる虫たちを、愛情たっぷりに解説し、易しい飼い方を紹介してくれています。カブト・クワガタしか載っていない（でも海外のも載っている）最近のムシ本より安心して見られます。・・・海外の昆虫も好きなんですけどね、日本で飼うのはなんとなく品がない気がしてしまう私です。前にも書きましたが、マレーシアのクワガタムシはマレーシアで捕まえて感動したい・・・（マレーシアには奇想天外なカナブンを見ました。あれは、あの熱帯の森の中だから余計に嬉しかった！）。この記事が楽しそうだったら、1クリックお願いします。人気環境blogランキングに参加しています

  2006.08.23

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  『14ひきのぴくにっく』いわむら　かずお著

  久々に、いわむら　かずおさんの絵本を手にしたのですが、ストーリーの周辺に散りばめられたさりげない描き込みに楽しくなりました。『14ひきのぴくにっく』岩村和朗著（童心社1986年） テントウムシにフデリンドウ、ウグイスカグラや菜の花に、物言いたげなアマガエル。春の季節感たっぷりに、ストーリーの周辺で生き物たちが実に自然に生き生きと描かれていることに感動しました。特にびっくりしたのは、お姉ちゃん達が弟妹の世話をすることが知られる小鳥エナガのファミリー。なんと、雛3羽に大人4羽が描かれています！どれがお父さんお母さんでどれがお姉ちゃん達？こんな絵本は珍しいですね。いわむらさん、さすが！もちろん、ストーリーの方も、大家族でうきうきピクニックに出かけて木登りや川渡り、お弁当といった他愛ない一日が描かれていて、読み聞かせる私達も安心です。ちょうど、今の季節にぴったりの絵本ですね。ちょっと郊外を歩けばすぐ見つかるような生き物達がさりげなく描かれていて、本当の野山で今にも14匹の野ねずみに出会えそうな気になれるのが嬉しいですね。（元・生物調査員さんの目で見ると、登場する生き物達は本州・関東系が多いかな？楽しい一冊です！）この記事が楽しそうだったら、ここをクリック（人気環境blogランキング）

  2006.05.22

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• 『再生の雑木林から』ｂｙ中川　重年

  里山と楽しく関わっている中で、何度読み返しても内容が古くならないな、と感じるのが、以下にご紹介している一冊です。『再生の雑木林から』中川　重年著（創森社　1996年）植物生態学の専攻後、神奈川県職員として林政に関わっている方なのですが、お会いしても非常に魅力的な方です。コンセプトは、「みんなが雑木林で楽しく遊べば遊ぶほど、雑木林が再生していく」方法論。中川さんが生態学および林学のご専門の立場から、ちょっぴりアドバイスし、あとは市民が自由な日程で遊んでいく・・・そんな実践例を紹介していらっしゃいます。柴刈りをして森の広場を作り、刈った柴でバームクーヘンを焼いたり、間伐した木でベンチを作ったり、あるいはカブトムシを招待する腐葉土コーナーを作ったり、椎茸のホダ木を組んだり。森はもともと遊ぶ資源の宝庫ですが、材料を調達したり生き物を招いたりするのに、ちょっと生態学専門家の知恵を拝借するのです。森が好きで遊びに行っているのに、森を傷めてしまっては不本意ですよね。生態学の専門家と一緒に作戦会議を開くことで、安心して森遊びをできて、しかも森が豊かになっていくんですから、うれしいことです。☆　☆　☆私の大学の出身研究室でも、同じようなコンセプトで雑木林つくりに関わった経験がありますが、植物調査を続けていると、本当に変化が見えて面白かったですよ。また行きたくなったなぁ。よし、行こ。この記事が美味しそうだったら、ここをクリック（人気環境blogランキング）

  2006.02.28

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  『心に風が吹き、かかとに炎が燃えている』by ターシャ・テューダー

  素朴に美しい挿絵と、心に染み込む詩。とにかくこの一冊は好きなんです。『心に風が吹き、かかとに炎が燃えている　～ターシャ・テューダーと家族が愛する詩』　 ターシャ・テューダー　編・絵　　内藤　里永子　訳描かれている個々の草花や小鳥は確かにアメリカ大陸らしいのですが、なぜか醸し出す雰囲気はとても日本の田舎、里山に似ています。タンポポ、スミレに藁葺き屋根。桜でさえずる小鳥の鉛筆画。自然と優しく向き合う詩と絵とは、洋の東西を問わない暖かさに満ちています。本のタイトルは、「放浪者のうた」という詩の一節です。・・・枕元に一冊、いかがですか。この記事が楽しかったら、ここをクリック（人気環境blogランキング）

  2006.02.20

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  『ツリーハウスをつくる』

  ページを開くごとに、こんなにうきうきする本は滅多にありません。『ツリーハウスをつくる』ピーター・ネルソン著（二見書房）世界中のツリーハウス（樹上の家）の美しい写真と、その1軒１軒に込められた家族の思いやツリーハウス建築家との交流が、軽快に綴られています。写真集として持っているだけでも、夢が膨らんで楽しくなる1冊です。特に私のお気に入りは、表紙にもなっている「カエデの宮殿」というツリーハウスです。この家は、なんとアメリカの普通のお父さんが、子供達のために手作りで生み出した、とてもファンタジックな家です。物語の妖精の国からそのまま抜け出したような姿の傑作。この一冊のおかげで、我が家はツリーハウス・シックにかかっています。うわごとのように、いつか、この手で自分達のためのツリーハウスをつくるぞ～・・・・この記事がおもしろかったら、クリックで応援して下さい（人気blogランキング）

  2005.09.30

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• 『ファーブル昆虫記（5）オトシブミのゆりかご』Ａ.ファーブル／奥本大三郎・訳

  最近、改めて『ファーブル昆虫記』の面白さにはまっています。特に、「原著よりもさらに素晴らしく魅力的！！！」と宣言できる監訳シリーズに出会ったので、なお更です。『ファーブル昆虫記（5）オトシブミのゆりかご』アンリ・ファーブル著／奥本　大三郎監訳（集英社）何が素晴らしいって、この本は、「単なる訳書ではない」　のです。むしろ、奥本氏率いる翻訳出版チームが自ら体験し、集めた「魅力的体験トピックス」が随所に盛り込まれた、日本の子供達、そして大人達のためのファーブル昆虫記なのです。いわば、100年越しの共著！さて、ここで私があえて特に５巻（オトシブミのゆりかご）をご紹介したのは、この巻の中で、ファーブル先生が古代地中海の貴族料理として昆虫を食べる話が紹介されているからです。さて、ファーブル先生は何を食べたのでしょうか？それは読んでのお楽しみです。奥本氏は、フランス文学の教授にして、知る人ぞ知る元・昆虫少年。とても魅力的な文章を書く方です。そして、このファーブル昆虫記のシリーズでは、１００年前の「ファーブル先生」の言葉を現代の「日本の子供達にもわかるように」翻訳していることが素晴らしい！本書の至る所に、奥本氏率いる日本チームが挿入した挿絵や解説文（例えば、、「ファーブル先生のふるさとでは今でも・・・」とか、「日本のセミはこうこうですが、・・・」とかストーリーに登場する美しい昆虫の写真と「最新の研究でわかったことですが、・・・」などなど）といった魅力的な工夫が満載です。一度、書店で手にとって見てください。お子さんの虫嫌いが治りますよ。美味しい情報を皆さんに（人気blogランキング）

  2005.09.10

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  『ボクのこときらい？』　～　かわいい絵本より

  なかなか愛嬌のある絵本をご紹介します。『ボクのこときらい？　かえるのきもち/わたしのえほん』著者： 安延尚文 ／松橋利光 （出版社；PHP研究所）表紙のアマガエルさんがなかなかラブリーで、この本の主人公です。子供達は案外カエル好きですから、ひょっとしたら、この本のターゲットはお母さん達かな？本の中には、珍しい白ヘビも登場します。うるうるした瞳で訴えるカエルさん達の主張、聞いてみてください。美味しい情報を皆さんに（人気blogランキング）

  2005.08.25

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• 『イチゴはともだち　　みつける・たべる・そだてる』

  いよいよ、野イチゴの季節ですね！今年はまだクサイチゴしか食べていませんが、近畿に住む私は、今年こそ黄色い苺ジャム（ナガバノモミジイチゴ）と赤い木苺ジャム（クマイチゴなど）の2色ジャムを作りたいと待ち望んでいます。野イチゴ初心者の皆さんでも、絵本でお勉強できますよ。『イチゴはともだち　　みつける・たべる・そだてる』松岡達英=構成/下田智美=絵と文（偕成社）可愛らしい絵と親切な解説がお気に入りの一冊です。本州の低地で身近な野イチゴだけでなく、日本の北から南まで、地域の特色ある野イチゴもわかり易く紹介してくれています（小学生向けなので）。それに、木苺を挿枝して鉢植えで育てる方法まで載っています！唯一残念なのは、絵本の素朴な絵とストーリーの中で、樹の洞に住む主人公の女の子が、なぜかパソコン・テレビを使って全国を紹介すること！せっかくメルヘンチックにノネズミさんと同じ大きさの少女なのに、なんでパソコン・テレビなんて持ち込むんですか！（まあ、出てくるテレビも可愛い木目調なので、この辺りについては好みが分かれるかも知れません）私としては、そこだけが興醒めなのですが、他の部分はとても素晴らしい絵本だと思います。

  2005.06.03

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• 『山菜』の本の中で一番のお気に入り

  この一週間は桜の話題で持ちきりですが、近畿地方の山野草も一気に彩りを増している印象です。こんな季節には、今まで食べたことのなかった山野草料理にも、うきうき新しく挑戦したくなります。山菜図鑑の類は古くからたくさん出版されていますが、そんな中でも、最近一番のお気に入りは、中川重年さんが執筆した一冊です。『フィールド・ガイドシリーズ12　山菜』中川重年／著（小学館　1993年）この本のどこがお気に入りかと申しますと、従来の山菜図鑑の黙契であった「外国由来の植物をできるだけ載せない」という方針を排除し、街中の身近な外来植物（例えばハルジオンなど）も視野に入れて、食べられる山野草を紹介していることです。また、著者の人柄の通り、肩の凝らない文章ながら、スパイスのようにちょっと科学的なコメントも織り込まれている辺りが、読んでいてさらに楽しくなります。静かな人気図書のようですので、お近くの図書館等でもきっと所蔵して居られると思いますよ。

  2005.04.11

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• 『日本のスミレ』

  この季節、ツバメや桜のにぎにぎしさと共に、野山は小さな野草たちの花にあふれます。中でも私のお気に入りは、スミレの仲間です。小柄な姿に似合わず、とてもたくましく且つ美しい花です。日本は世界的に見てもスミレの種類が多いことでも有名で、よく見かける濃紫だけでなく、淡い紫や白色、そして見るも鮮やかな黄色と、驚くほど多様なスミレが全国各地に見られます。道端でもたわわに花をつけているスミレ達、見かけると思わず春気分が湧いてきて嬉しくなります。そんな私のバイブル的一冊がこの本です。『増補改訂・日本のスミレ』写真・解説　いがりまさし　監修　高橋秀男　　　　　　　　　　定価 2.039円（税込み）　山と溪谷社もともと私は改訂される前のものを愛読しているのですが、とにかく写真が美しくて、どのスミレも、とてもいきいきと愛情を込めて写されています。そして、スミレの奥深さについて、叙情的な散文と、プロになれるほど（本当です）解説してくれる本文とで構成され、スミレ愛好家の集まりもさらりと紹介されています。この一冊を眺めるたびに日本に住んでいて幸せだと感じる私は、一応ごくありふれた会社員のつもりです・・・。

  2005.04.07

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• 『CSR入門』岡本享二著

  新聞紙上を賑わすCSR（企業の社会的責任；Corporate Social Responsibility）とは何か。日本IBMでCSR研究を率いる著者が、CSRが日本へしっかり根付くことを願って、初心者から理解できる入門書を、という趣旨で作成した良書があります。『CSR入門』岡本享二著（日本経済新聞社）世界各国のCSRの歴史的背景から日本の現状、様々な環境問題と企業活動との関係にまで言及し、CSRを通じて今後の企業のあるべき姿を示しています。単なる解説にとどまらず、ページの随所に関連のHPアドレスが掲載されており、読者が常に企業や国の最新の取組みを検索できるように工夫されています。個人的にお会いした岡本氏は、情熱、教育、ユーモアを兼ね備えたとても魅力的な方で、本書も氏らしい人間味を感じる1冊に仕上がっています。

  2005.03.13

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• 『保全生態学研究』～自然環境を守るための生態学研究雑誌

  地球上の様々な動物や植物が織り成す世界を生態系と呼んでいますが、それを学問として研究しているのが「生態学」です。日本の生態学者は国際的に活躍している方も多数いらっしゃいますが、その中で、特に「自然環境を守るため」あるいは、「豊かな自然を復元するため」の生態学的な研究を行っているのが、「保全生態学研究会」です。表題に掲げました『保全生態学研究』は、そうした第一線の研究のエッセンスを集めた専門雑誌です。特にこの雑誌が面白いのは、常に社会的意義を強く意識し、積極的に社会に提言していこうとする明確な姿勢です。絶滅の危機に瀕したオオコウモリの保護策を緊急提言したり、急拡大する外来昆虫セイヨウオオマルハナバチの危険性について、前例のない規模で研究者に一斉調査を呼びかけ、関係省庁や企業に警鐘を鳴らしたりと、常に社会に対して科学者がなすべき使命を認識し、実行しているところが魅力です。最近、発展的に統合され、日本生態学会の機関誌の一つ、という扱いになりましたが、今後もますます、自然環境の保全・復元に関する水先案内人として役割を強めていくことでしょう。日本のみに留まらず、世界に発信する環境雑誌の一つとして、皆さんの生活の周りにも、そのすばらしい成果が浸透していくことを願っています。

  2005.02.10

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• 『生命の多様性』　～　美しい地球生命の叙事詩としての一冊

  　今回ご紹介するのは、著名な生物学者エドワード・O・ウィルソンが綴った、叙情的名作です。『生命の多様性（上）』ウィルソン著／大貫昌子・牧野俊一訳（岩波書店　1995年、全2冊）『生命の多様性（下）』　ここ数年、「生物多様性」という言葉が新聞や雑誌、あるいはテレビを通じてクローズアップされています。環境問題を考えるとき、あるいは私たちの子供達の将来を考える際、不可欠のキーワードですが、案外、明確にかつ深くそのことを紹介できている本は少ないように思います。　本著は、著名な生物学者が、欧米の一般市民向けに、わかり易くかつ叙情的な美しい文章で、生命の多様性のすばらしさを紹介した名著です。初版から既に10年を過ぎた書物ですが、今なお世界各国で版を重ねています。　この本は、各章どこから読んでも興味深いのですが、私は、冒頭の一章が特に好きです。美しい熱帯の朝の描写は、長年生物学の第一線で活躍してきた著者が、なおも毎朝その美しさにみずみずしく感動している様が伝わってきます。　全体の構成は、生き物達の魅力的な姿、驚くべき発見を紹介することから始まり、彼らが脅かされている現実、我々人間に降りかかる災厄に言及し、それを「解決の道」という章で具体的な提言に結び付け、最後は「環境の倫理」という章で人々の心に未来への希望を込める、という構成になっています。　邦訳版もさることながら、チャンスのある方はぜひ、原書を紐解かれることをお勧めしたい一冊です。

  2005.02.09

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• 『カラスなぜ遊ぶ』、『ワタリガラスの謎』

  久々に、ネットサーフィン中に記事を拝見して買いたい衝動に駆られた一冊です。『カラスなぜ遊ぶ』杉田昭栄著（集英社）カラスは非常に身近で魅力的な鳥であるにも関わらず、真剣に顧みる人の少ない鳥でもあります（害鳥として顧みる方は多いようですが）。本書は、そんなカラスに、真正面から好奇心のスポットライトを当てています。カラスは、本書のタイトル通り、「遊び」の多い鳥です。特に、子育てをまだしない年齢の若者ガラスが「たむろする」公園があったり、他のカラスや動物がやっていることを「真似」してみたり、日常生活に関係なさそうなものを「コレクション」してみたりといったあたりは、どこか人間臭さに通じる性質の持ち主です。別項でも書きましたが、私もカラスふぁんの一人として、カラスに対する興味、理解が世間にさらに広まることを願ってやみません。もう一冊、是非皆さんにお奨めしたいのが、この本です。『ワタリガラスの謎』B.ハインリッチ著／渡辺政隆訳（どうぶつ社）著者のベルンド・ハインリッチは、経済学出身の生物学者、という奇妙な経歴の持ち主なのですが、好奇心一杯の著者が、ワタリガラス（北半球北部に住む大型のカラス）に魅入られ、周囲が呆れるのをよそに、うきうきと厳寒の山小屋に立て篭ってカラスの謎に挑む、というお話です。第一線の研究者の著書なのですが、非常に面白い冒険小説に仕上がっていますので、鳥といえばカラス、スズメ、ハトくらいしか知らない、という方にもお奨めです。末尾ですが、私がカラス本をご紹介するきっかけとなったお二方に敬意を表し、ここに両名のブログをご紹介致します。「熱帯楽園博物館」http://tb.plaza.rakuten.co.jp/sigepon/diary/200409220000/ 「アジア象の森」http://tb.plaza.rakuten.co.jp/rainforest/diary/200409030000/

  2005.02.04

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  『検索入門・冬の樹木』～冬の散歩を楽しむ1冊

  ほんのりと暖かい冬の晴れ間に、落ち葉をさくさく踏みしめて歩くのは楽しい。冬の散歩道を楽しくする1冊をご紹介しよう。『検索入門・冬の樹木』村田源・監修／平野弘二・著（保育社1989年）皆さんは真冬、すっかり葉を落とした林の中で、「さあ、ここには少なくとも三十種類の樹が生えています、区別がつきますか」と問われたら、どうお感じになるだろうか。大多数の人は、「こんな花も葉っぱもない季節に、そんなの私には無理です」と諸手をあげるのではないだろうか。この一見不可能そうなことを、意外にあっさりと解決してくれる1冊が、この本である。美しい樹といえば、白樺の木肌やケヤキの立ち姿がすぐ思い浮かぶ方は多いのではないだろうか。学術的にどうこう説明できなくても、私達は以外に多くの樹を「雰囲気」で理解している。そんな「雰囲気の違い」を、綺麗なズーム写真や実物そっくりのスケッチでわかりやすく解説してくれているのが、この本である。特によくできているのは巻頭の検索図で、見やすい絵合わせになっている。「たぶんこっちの方が似ている」「ここはこっちに似ている」と雰囲気でたどっていくと、うまい具合に良く似た木のページまで誘導してくれる。ナップザックにひょいと入れて歩ける軽い本なのに、この1冊だけで、街中や里山で見られる300種以上の木が区別できてしまう。人気の図書で公共図書館にもよく置いてあるので、一度手にとって、試しに図書館の庭にある木をご覧になってみられると良い。結構良い確率で、樹に下がった名札通りの写真に行き着くのが嬉しい。冬の散歩を豊かにするオススメの1冊である。余禄；保育社の検索入門シリーズは、動物から植物まで様々な生き物を、比較的に初心者に親しみ易い工夫で紹介している良書ですが、このブログを運営している楽天さんでは、残念ながら以下の1冊しか紹介されていませんでした。本文とは関係ありませんが、こちらもおもしろい本ですので、ご参考までに。『検索入門・薬草』御影雅幸・吉光見稚代著（保育社）

  2005.01.16

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• 軽妙な雑木林の雑談に　～　『鳥のおもしろ私生活』

  雑木林に入って、一番身近に感じられる野生動物は、野鳥かもしれない（もちろん、草木や虫達は無数にいるのだけど）。でも、鳥なんてどれも一緒に見える、という方に、ぜひオススメしたい肩の凝らない1冊。『鳥のおもしろ私生活』ピッキオ編著（主婦と生活社、1997年）見開き2ページで1種類の鳥を紹介しているが、まず写真よりコミカルな挿絵が目をひく。タイトルの通り、鳥の生活に関する一コママンガになっていて、話題は鳥達の食べ物から結婚、浮気、近所づきあいといった、まさに「私生活」のおもしろさをとりあげている。普段街でも見かけるハトやカラスから、豊かな森のタカやフクロウまで、短編集を読むよりも気楽に楽しめる1冊に仕上がっていると思う。特に鳥に興味をお持ちでなくても、酒の席の雑談で思わずぽろっとしゃべりたくなるお話の数々なので、一度お読みになることをオススメしたい。

  2005.01.14

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• お手軽に里山の樹を知りたい方へ

  知人から、気軽に里山の木を勉強できる本はないか、と問われたので、ここでも一冊ご案内しようと思う。『これだけは知っておきたい兵庫５０の木』服部保・竹内梨華監修（神戸新聞社・郷土振興会、2002年2月28日発行、定価286円税別）私の知人は、里山の樹木以前に、町中で毎日目にしている街路樹にも疎かった。この本では、代表的な街路樹や公園樹などもわかりやすく取り上げているところがとても親しみやすい。また、そうした身近な木についても、本来の生息地はどんなところで、例えば文化的にどんな伝統と結びついていて、花の季節はいつで、といったエッセンスが、新書サイズの片側一ページにぎゅっと詰まっている。その他にもカラー写真で様々な工夫が凝らされているにも関わらず、マンガ雑誌一冊分という価格設定も気が効いている。なかなか書店でも置いていないかも知れないが、下手なマンガよりはずっと長い時間楽しめるので、チャンスのある方はぜひ手にとってみて頂きたい一冊である。

  2004.12.28

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