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カテゴリ:TOB
連休も終わり、明日から株式市場も再開。
所有銘柄のチェックなどしていると、なんといっても感慨深いのは、大阪製鐵による東京鋼鐵のTOB。 この両者、TOBが成就すれば9年越しの決着。 当時、主力銘柄の1つとして東京鋼鐵を手掛けていた私にとっても、ようやく胸のつかえが取れる感じ。 1.9年前の経緯 9年前の2006年秋10月22日、大阪製鐵と東京鋼鐵が株式交換による統合を公表。実質的には、大阪製鐵による東京鋼鉄の吸収合併。 統合比率は1:0.228でプレミアム無し。 これが、波乱の火種。 東京鋼鐵の個人株主の私から見ると、 東京鋼鐵は実質債務超過の破綻の瀬戸際から劇的に業績回復して、実質無借金の一歩手前。まさに評価が一新される寸前。 しかも、統合発表と同時に業績の上方修正を公表、この上方修正が織り込まれないままでのプレミアム無しでの統合。 もう、くやしくてくやしくて仕方がない。 むざむざ安値で会社を売り渡す無能極まりない東京鋼鉄の経営陣。三井物産からの天下りの平嶋社長。業界再編が必要(確かにメーカー過多は事実だけど)というけれど、東京鋼鐵を代表する立場の人が東京鋼鐵とその株主を犠牲にしてまで進めることでは無いよね。 といっても、東京鋼鐵の筆頭株主は三井物産で当然統合に賛成の立場。 零細個人投資家としては不満は募っても、手段が無い。せいぜいYAHOO掲示板に不満を書くぐらい。 ところが、しばらくして東京鋼鐵の株価が統合比率から計算される理論価格を少し上回ってくる。 何か異変か???!! ここで颯爽と登場するのが”いちごアセット”のスコットキャロン。 個人投資家の不満を掬い上げる形で、統合比率の見直しを要求。 要求が容れられないままで突入した、2007年2月の臨時株主総会(3分の2の賛成が必要)では、個人投資家の委任状も集約し統合案を否決。 で、統合は御破算。 ”いちごの乱”とも称され、株主無視の経営判断に一石を投じる形に。 2.今回のTOB 9月18日に大阪製鐵がリリース。 〇東京鋼鐵株式会社株式(証券コード5448)に対する 公開買付けの開始予定に関するお知らせ 独禁法に抵触しないこと(抵触するわけない)を条件に、2月をめどに630円でTOBとのこと。東京鋼鐵側も賛同している友好的TOB。買付上限なしで、TOB実施後に上場廃止の方向。 さて、この630円のTOB価格。 18日の終値に対しては63%のプレミアムが付いているものの、決して割高な買い物ではない。 前回の統合御破算後、東京鋼鐵は着々と利益を上げるものの、相変わらず株主への還元を考慮しない経営。株価は低迷しているものの、多額の現金、預け金を積み上げている。 現在の時価総額約67億円に対し、前期末で現金等と運用目的の預け金の合計が60億円超。現在の時価総額分はキャッシュですぐに回収可能な水準。 今回のTOB価格630円で計算すると時価総額は約110億円。毎年10億円程度の利益を積み上げている会社なので、内部に蓄えたキャッシュとの差約50億円は5年で回収できる計算。 個人零細投資家としても、63%のプレミアムに不満は無いし、 一方、買い付ける側の大阪製鐵から見ても、十分にお買い得な価格設定となっていると思う。 3.感想など 今さらTOBなら、 9年前、東京鋼鐵、大阪製鐵の経営者も意地をはらずに、スコットキャロンの提案を容れて1:0.3程度で統合しておけば良かったのに。 まあ、いずれにせよ9年越しの決着で、すっきり。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Sep 24, 2015 08:18:07 AM
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