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信用裏切る行為は命取り…「中韓」世界で“のけもの” 「西洋的な『契約』という概念存在しない」大原浩氏が緊急寄稿 2018-12-18 産経新聞 華為技術(ファーウェイ)など中国の通信機器メーカーに対する安全保障上の疑念が強まった。韓国では自称・元徴用工に対する異常判決が相次いでいる。信用を裏切り、約束を踏みにじる行為は両国にとって命取りになると国際投資アナリストの大原浩氏は分析する。
大原氏は寄稿で、日本企業と中韓の取引に警鐘を鳴らす。韓国経済に至っては、投資家の資金引き揚げで壊滅的な状態になる恐れがあると指摘する。
新日鉄住金に対する自称・元徴用工裁判は不当にも原告の勝訴となった。続く三菱重工の裁判においても賠償命令が出された。これにより、日本企業の韓国における資産の差し押さえという事態も現実味を帯びてきた。
これまでも警告してきたように、日本企業はこのような「不法治国家」である韓国の企業や、ウイグルで残虐行為を続け、国際的な非難を浴びている中国(企業)との取引を即刻停止すべきである。
「それは分かっているが、撤退するには深入りしすぎている」という企業経営者の声も良く聞く。確かに、彼らの状況は分かるし、気持ちも理解できるつもりだ。
しかし、タイタニック号が氷山にぶつかって浸水し始めたときに、「すでに多額の乗船費用を払ってしまったから逃げない」という人間が存在するだろうか。むしろ、2014年に韓国で起こった旅客船セウォル号沈没事件で、船長が乗客を見捨てて自分だけ逃げたことを思い出す。
確かに、「船と共に沈んでいく船長であるべし」というのは、日本人の美学でありサムライ精神でもある。しかし、ビジネスにおいてそのような美徳は合理的だろうか。沈みゆく船から一刻も早く脱出するのが正しい選択である。
例えば、日本企業の韓国資産への差し押さえが実際に行われたとしよう。最高裁の判決が出てしまった限り、法治国家では可能だ。韓国のような「不法治国家」では微妙だが、もし、文在寅(ムン・ジェイン)政権が世論に押されてその動きを止めることができなかったとしよう。さすがに、日本企業の新規投資は凍結され、既存事業の撤退も加速するだろう。
影響は日本企業だけにとどまらない。「国際ルールに反する差し押さえ」という驚愕の事実は、世界中の企業に赤信号を点滅させる。韓国の上場企業の外国人株式保有比率は高いから、それらの資金が引き揚げただけでも壊滅状態になる。
そして、もっと重要なのは、韓国あるいは韓国人が約束を守らない存在であるということが世界中に印象付けられるということである。
これまでも、「韓国人や中国人は約束を守らない」などということがよく言われてきた。差別的な意味合いでこのようなことを述べるのは正しい行為とはいえないが、日本人や西洋の論理ではそのように見えるのも事実だ。
例えば孔子を始祖とする儒学。革命以前の文化を徹底的に破壊した中国共産党が、孔子だけを持ち上げて「孔子学院」なるものを世界中に広めたのは、工作員を送り込む目的以外に、孔子の教えが共産主義独裁政権に都合が良かったからである。儒学では権力者の命令が絶対視される。それを拡大解釈して「権力者のどんな無理な命令にも、『ハイ、その通りです』と答えるのが正しい」と教える。
韓国も儒教的な国(日本はそのような儒教とは異なった朱子学が盛んだった)であり、すべては「権力」で判断されるので、相手の地位が自分より上なのか下なのかということに異常にこだわる。権力者は何をやってもかまわないし、法律など関係ないのである。
当然、このような文化圏では西洋的な「契約」という概念も存在しない。契約は、「相手と自分が対等(平等)であり、どちらも約束を守らなければならない」というコンセンサスがなければ無意味だ。
中国の国有企業では支払いを引き延ばすほど優秀な経理担当者だとされる。国有企業の方が民間企業より地位が上だから約束を守る必要はないし、「信用を失う」という概念もないのだ。
このような国々と日本や西洋を中心とする先進国は「契約」に基づく取引を行うべきではなかったのである。
■大原浩(おおはら・ひろし) 人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資アナリスト。仏クレディ・リヨネ銀行などで金融の現場に携わる。夕刊フジで「バフェットの次を行く投資術」(木曜掲載)を連載中。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.12.23 22:23:08
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