♪ 好きなもの仕事となりて不和を知る蜜月過ぎの男と女
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岡山市北区の大森浩平さん(23)が鉛筆だけで描いた写真のような絵が、「人知を超えている」「半端ない」とツイッターやインスタグラムで話題を呼んでいる。
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この絵は280時間近くかかったとか。
不登校だった大学時代の2013年、写実的な鉛筆画の世界をインターネットで知り、その世界に引き込まれて自分でも書くようになったらしい。特別に絵を勉強したという訳でもないらしいのだ。
H~5Bの鉛筆を使い分け、人物や静物を忠実に再現していく。
就職はせず、自宅でこつこつと作品を描く日々。企業から制作の依頼も舞い込み始め、この道を究めたいと思っているらしい。
「鉛筆と神経をとがらせては擦り減らす毎日だが、やりがいがある」と、意欲を燃やす。
彼のツイッター観衆が『狂った天才』とか『精神異常者』とか呼んでいるらしい。その集中力を維持して書き続けられるところは並大抵ではないと、彼ら思うのもよく分かる。
しかし、このぐらいの絵を描く人は幾らでも居る。まずはとことん飽きるまでやって技術を磨き、その先に現れてくるものをどう表現していくか。写真の通りに描くだけでは芸術とは言えず、実際にはありえないものを自分で構築し、実在するものの様に描いてこそアート。
単なる写真のように描くイラストレーターで収まるのなら、それはそれでいいが本人がそれでは飽き足らなくなるに違いない。また、好きなことを仕事にしてしまうのも、それはそれで大変な事に違いない。
今後、どのように新たな世界が展開されていくのか、注目されるところ。
実はこの人の姉が、歌人の大森静佳(京大文学部卒)だと分かり、そっちの方に興味をひかれた。1989年(平成元年)生まれで、来年やっと30歳の才媛だ。
高校3年時に毎日歌壇賞を受賞。京都大学文学部入学と同時に京都大学短歌会に入会、のちに同会代表を務める。 大学在学中の2010年に作品「硝子の駒」50首で第56回角川短歌賞受賞。
2013年、第1歌集『てのひらを燃やす』を刊行し、第39回現代歌人集会賞受賞。翌2014年、同歌集で第20回日本歌人クラブ新人賞、第58回現代歌人協会賞を受賞。いずれの賞でも、史上初の平成生まれ受賞者なのです。
東郷雄二の橄欖追放より『てのひらを燃やす』の歌を引用しておきます。
祈るようにビニール傘をひらく昼あなたはどこにいるとも知れず
痩身の父親として君がいつか立つという夏 カンナが光る
ワイシャツの背を流れゆく濃き葉陰わたしにばかり時間はあった
ビー玉の底濁る昼 くちづけて顔から表情を剥がしたり
栞紐のさきをほぐしぬ一月の心に踏みとどまる名前あり
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