♪ マスクする口に常在菌が出てコウモリたちを悪くは言えず
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愛学大歯学部付属病院へ。電車はやけに空いていて座れたのは意外だったが、そう言えば学校は休みだ。時間差通勤やテレワークもあるわけで、驚く事でもなかったわけだ。
早めに着いてしまい、8時半からの受付にはだいぶ間があった。誰もいないホールは死んだように静まり返っていたが、15分前ぐらいになってスタッフが出勤し始めると無機質な病院にようやく血が通い始めた。
初診受付へ行くと、この度のことで「紹介状があっても初診は受け付けないことになっています。急患以外はだめだなんです。」というので、「それら全部を考慮の上で予約を取っていただいたんです。」と説明。紹介状を先生に見せに行って、ようやく納得してもらえて受付を済ませた。
しかし、その後が長かった。
こういうこともあろうと、読めないままになっている本を持って来ているので、待たされることなど大して苦にはならない。歌人の岡井隆が宮沢賢治について書いた本で、古本として買ってあったもの。口語の詩を書いていた賢治が、晩年になってなぜ文語に主眼を置くようになったかを考察するというもの。
なかなか興味深い内容なので、少しも退屈しなかった。
ハードカバーの上製本、B6サイズはクラッチバックには入らない。直に持ってもいいように手製のブックカバーに収めてある。
10時頃になってようやく名前を呼ばれ、23番の診察室へ。口の中を覗き、紹介状に目を通して2-3質問され、患部を触診したりしてすぐに診察は終了。その間に病名を言っているようだが良く分からない。“たいせん”というワードが聞こえ、カビが原因のものとかも言っている。
確認したら、「白板症ではない」ということだけはハッキリした。カビが原因ならカンジタだろう。ステロイドがよく効くとかも言っていたが、この日は処方されなかった。
患部にカビ菌がいるかどうかを調べるため、綿棒で粘膜を採取。培養して結果が出るのは一週間後だ。取りあえず炎症を起こしているので、うがい薬で毎日数回の消毒をすること。
うがい薬の効果を比較・判断するため、患部の写真を撮る。器具で口を開き、その器具の端を持たされて撮り、器具を交換してまた撮って、計10枚ほどを撮っただろうか。
女性のカメラマンに、「この写真を貰う事は出来いますか?」と聞くと、普通は出来ない事なので先生に聞いて下さいとのこと。口の中に何かが出来ていも自分ではよく見えない。折角撮ったのだから見てみたいわけ。
先日掛った総合病院で、血液検査の結果を聞きたいと言ったらプリントしてくれた話をしたら、「それじゃあ見ますか?」と仕切りの奥へ。今撮った写真をモニターに出して見せてくれた。炎症が広がっていて、一部はかなり赤くなっているのがハッキリ見える。ああ、こうなっているのかと、改めて患部の状況をよく見ることができて、納得できた。
2割負担で1,390円だった。
かかりつけの先生が、CTや場合によってはMRIを撮ることもあるとか言っていたがそんな事もなく、大したことは無いという診断結果に、先ずは一安心。
帰りに高島屋の東急ハンズに寄りたかったが、緊急事態宣言のため臨時休業中。どこへも寄らずに帰って来たが、すでに11時。やっぱり病院は半日掛りだ。
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先生が診察中に言っていた病名らしき言葉をたよりに、ネット検索してみると二つの病名が現れた。
「口腔カンジダ症」
急性型である偽膜性カンジダ症は灰白色あるいは乳白色の点状、線状、あるいは斑紋状の白苔が粘膜表面に付着しています。この白苔をガーゼなどでぬぐうと剥離可能ですが、剥離後の粘膜面は発赤やびらんを呈しています。白苔が認められない萎縮性あるいは紅斑性カンジダ症は舌乳頭の萎縮や粘膜の紅斑が特徴で、偽膜性よりもヒリヒリとした痛みが強くなります。口角の発赤、びらん、亀裂を認める口角炎もカンジダが原因になっていることが多くあります(カンジダ性口角炎)。病変が慢性に経過した肥厚性カンジダ症では、白苔は剥離しにくく、上皮の肥厚を伴うようになります。
カンジダ菌は口腔内の常在菌の一種で、普段はある程度以上は菌数が増えないように他の菌と共存しています。しかし、副腎皮質ステロイド薬の投与や糖尿病、全身衰弱などによって免疫力が低下している状態、唾液量の減少、長期間にわたる抗菌薬の服用などにより、常在菌間のバランスが崩れ、カンジダ菌が異常に増殖し、病原性を発揮することにより発症します。子どもと老人に多い。
抗菌のうがい薬で、5分かけてうがいをすることで治す。
「扁平苔癬(へんぺいたいせん)」
皮膚や粘膜にできる角化性で炎症をともなう難治性の病変です。口腔では頬粘膜に多く認めますが、舌や口唇にも生じます。白い粘膜の角化がレース状にみられ、周囲に発赤を伴うのが特徴です。しばしば、びらんや潰瘍を形成し、接触痛を認めたり、食物がしみたりします。まれにがん化することもあります。
局所的には、うがい薬や副腎皮質ステロイド薬を含む軟膏を使います。
耳鼻咽喉科で処方された抗生物質を一週間飲み、薬を強めてさらに5日程飲んだことでカンジタ菌が異常に増殖し、病原性を発揮する事になったのかも知れない。
もし、カンジタ菌がみつからなければ「扁平苔癬」という病名に落ち着くのだろう。そしてステロイド軟こうを処方されることになるのかな。
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