元SF小説家・春橋哲史のブログ（フクイチ核災害は継続中）

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  「フクイチ核災害による避難」に関して読了した書籍～23年７月下旬～

  　2022年10月頃から、通勤の合間などに電子書籍を集中的に読んでいます。​「フクイチ核災害による避難」に関する著作で読了したものを、備忘録も兼ねて掲載します（紙版で数年前に読了したものも含みます）。（読了した書籍を整理した拙ブログ記事）　▸​​フクイチのオンサイトに関して読了した書籍～23年７月末～​ ​　▸​原発・被曝労働に関して読了した書籍～23年７月末～​​　▸​フクイチ核災害の報告書関係で読了した書籍～23年７月中旬～​　▸​フクイチ核災害に関する意思決定・政策決定に関して読了した書籍～23年７月中旬～　▸フクイチ核災害のオフサイト関係（避難以外）で読了した書籍～23年11月上旬～​　▸​​チェルノブイリ核災害に関して読了した書籍・資料～23年11月下旬～　▸​原爆投下に関して読了した資料～23年10月上旬～　▸​沖縄（琉球）関係で読了した資料～23年８月下旬～　▸​​ドイツ第三帝国関係で読了した書籍～23年11月中旬～　▸​​​​小説・エッセイ・論考等で読了した書籍～24年３月上旬～　▸​​​​日本の近現代史で読了した書籍・その１（台湾出兵～関東大震災）／24年３月下旬​　▸​​​​日本の近現代史で読了した書籍・その２（張作霖爆殺～満洲事変）／24年4月下旬　本来なら、一冊ずつ書評を書くべきですが、個人的に多忙なのでリストのみとします。　括弧内は「著者・出版元・電子書籍の発行年月」です。番号は整理の都合上、付与しました。リンクは、原則として「楽天Kobo電子書籍ストア」へ貼っています。紙版も購入できないもの（◆）のみ、写真付きで掲載しました。読了した書籍1.●​国会事故調報告書​（主として第３・４部で、住民避難や被曝防護が扱われている。ネット上で閲覧可能）（東京電力福島原子力発電所事故調査委員会／国会図書館のサイト／2012年７月５日提出）2.●​福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書​（福島原発事故独立検証委員会／ディスカヴァー・トゥエンティワン／2015年９月）3.●​母子避難、心の軌跡　家族で訴訟を決意するまで​（森松明希子／かもがわ出版／2013年６月／電子版未発売）4.●​災害からの命の守り方 ─私が避難できたわけ─​（森松明希子／文芸社／2021年３月）5.●​目を凝らしましょう。見えない放射能に。​（うのさえこ／クレヨンハウス／2013年８月）6.●​ルポ母子避難　消されゆく原発事故被害者​（吉田千亜／岩波書店／2016年２月／電子版未発売）7.●​その後の福島　原発事故後を生きる人々​（吉田千亜／人文書店／2018年９月／電子版未発売）8.●​原発事故　国家はどう責任を負ったか　ウクライナとチェルノブイリ法​（馬場朝子・尾松亮／東洋書店新社／2016年３月／電子版未発売）9.●​私たちの決断　あの日を境に・・・​（原発賠償京都訴訟原告団・編／耕文社／2017年９月／電子版未発売）10.●​国際社会から見た福島第一原発事故　国際人権法・国連勧告をめぐって私たちにできること​（原発賠償京都訴訟原告団・編／耕文社／2021年５月／電子版未発売）11.●​地図から消される街　３．１１後の「言ってはいけない真実」​（青木未希／講談社／2018年３月）12.●​いないことにされる私たち　福島第一原発事故10年目の「言ってはいけない真実」​（青木未希／朝日新聞出版／2021年４月）13.●​白い土地　ルポ　福島「帰還困難区域」とその周辺​（三浦英之／集英社／2020年11月）14.●​原発事故　自治体からの証言​（今井照／筑摩書房／2021年２月）15.●​わかな十五歳 中学生の瞳に映った３・11​（わかな／ミツイパブリッシング／2021年３月）16.●​なぜ院長は「逃亡犯」にされたのかーー見捨てられた原発直下「双葉病院」恐怖の７日間​（森功／講談社／2022年８月）17.◆暮らしを返せ！！　ふるさとを返せ！！　福島原発かながわ訴訟原告団資料集Ⅰ（福島原発かながわ訴訟原告団資料集編集委員会・編著／2014年９月）　同Ⅱ（2019年１月）　同Ⅲ（19年10月）18.◆原発棄民に抗う～折々の避難者リポート（村田弘／横浜学校労働組合／2021年３月）19.◆3.11避難者の声 : 当事者自身がアーカイブ（東日本大震災避難者の会　Thanks&Dream・編／2017年３月）↓　福島原発かながわ訴訟原告団資料集Ⅰ～Ⅲ↓　原発棄民に抗う～折々の避難者リポートの表紙上半分と、目次↓　3.11避難者の声 : 当事者自身がアーカイブ春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.07.21

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  「東京訴訟・第一陣」控訴審は７月27日に結審

  福島原発被害東京訴訟・第一陣の控訴審は、７月に結審　2023年７月下旬現在、フクイチ核災害の責任の明確化と謝罪・損害賠償を求め、全国で約30の集団訴訟が係争中です。​​　その内、東京訴訟・第一陣（※）の控訴審が、７月27日木曜に結審します（東京高裁・16時～）。​​※東京訴訟・第一陣　一次提訴は2013年３月11日。原告は17世帯47名（提訴時は48名。判決までに１名死去）。　　2018年３月18日、東京地裁民事50部は被告（国・東電）へ「原告42名に対し総額・約5900万の賠償支払い」を命じた。　東京地裁判決を不服として双方が控訴（原告側は47名全員が控訴。損害賠償請求額は総額・約４億500万円）。控訴審の第１回口頭弁論は2019年10月17日。　東京訴訟・第一陣の係争期間は、一審を含めて約10年３ヶ月に及んでいます。発災からカウントすると12年４ヶ月です。　私は、フクイチ核災害を防げなかった主権者であり、首都圏で東電の電力を消費していた人間です。ささやかですが、せめて出来ることとして、当記事で、原告団が作成した３本の動画・７月の結審期日・６月期日での原告（事故発生時８歳だった男性）意見陳述をご紹介します。意見陳述の全文は文書で頂戴しました。　７月27日の結審期日を私が傍聴するかどうか分かりませんが、この記事を読んで下さっている皆様へ、都合のつく範囲での参加を呼びかけるものです。​​（動画・楽曲へのリンク／動画は各・2分20秒／BGMはYUKARIさんの「風のながれ」）●​​少年編​​●​​避難住宅編​​​​​​●​汚染編◆楽曲視聴​​​６月20日の口頭弁論での原告の意見陳述​​　以下、原告の意見陳述です。段落や漢字は変更していますが、文章は変えていません。​====陳述、ここから====​　本日は意見陳述の貴重な機会を与えて頂き、ありがとうございます。 　僕は８歳の時に原発事故に遭い、東京に避難しました。余震が続く３月12日の早朝、思いつめた表情の母に揺り起こされ、両親と祖父と弟の５人で車に乗って家を出ました。それっきり、もう帰れなくなるとは想像もできませんでした。　福島県いわき市にある僕の避難元は、爆発した原発から南に約40km。市内の土を掬えば、今でも数千ベクレル/Kgの放射性セシウムが検出されます。12年前の原発事故当時は、少なくともその数十倍に当たる汚染が有りました。猛毒の放射性ヨウ素までもが、風雨に混じって降り注いでいました。それらは土壌や農産物だけではなく、飲み水や空気をも汚染していましたが、34万人のいわき市民には、政府の避難指示はおろか、被曝回避に必要な情報さえもが十分に与えられませんでした。　避難を決めたのは父でした。科学者だった父は、国内の情報発信が制限される中で海外のWebサイトとチェルノブイリ事故の教訓から、被曝回避の手段を懸命に探っていました。家族を東京に避難させた後も、報道よりも早く、野菜や牛乳の汚染を予告し、母に注意を促していた程です。　しかし４月になり、福島県内の職場で業務が再開されると、やむなく父は福島に帰っていきました。避難の継続にはお金が必要だったからです。僕らのような区域外避難者には必要なインフラや支援が届き辛く、東電の賠償の対象からも外されていました。また教師だった父は、学校の再開で学生たちが福島に戻ってきてしまうことも憂慮していました。少しでも彼らの被曝を回避させてやらなければ。そんな使命感も有ったのだと思います。 　一方、避難した僕は、東京の小学校に転入しました。2011年の３月、ランドセルも教科書も無かった僕を、避難先の小学校は温かく迎えてくれました。服も持ち物も足りない、言葉やイントネーションも違う。何処から見ても避難者の僕でしたが、からかわれることも差別されることも無く、先生も旧友もすごく優しかったのを覚えています。　しかし４月の中旬に突然、僕はクラスから仲間外れにされました。きっかけは「お金」です。全く身に覚えも無いのに、急に僕がお金を盗ったと泥棒扱いされ、「お金を返せ」と責め立てられました。そもそも普通の小学校３年生は、学校に財布など持っていきません。お金など盗める筈も無いのに、どんなに否定しても理解して貰えず、どんどん僕の立場は転落していきました。　図工で作った作品には無数の悪口が書き込まれ、休み時間には罵声を浴びました。授業中も、先生に見えない形でグループから外されたり、足を鉛筆で刺されたりなど、攻撃を受けました。でも当時の僕は、余りにも急激な変化に理解が追い付かず、それが「いじめ」だと気付くことさえできませんでした。何日かそれが続き、ある朝、登校しようと玄関まで行った所で身体が痛くなり、全く動けなくなりました。この時異変に気付いた母は、事態を重く見て僕の転向を決意しました。　　　今、思い出しても、この時のいじめが、僕の人生で最も辛い経験でした。　後になって分かったことは、僕へのいじめが始まる直前の週末に、東電が避難者への100万円の賠償金の仮払いを発表し、それが報道されていたことでした。級友らが言っていた「金を返せ」は賠償金のことだったのだと初めて合点がいきました。「可哀そうな避難者」だった僕は、その日から「100万円もらったズルい奴」に変わったのです。実際、そういう扱いでした。小学３年生に賠償金の意味など分かりません。恐らくはクラスメイトの家族が、賠償金の原資が自分達の払う電気代や税金だと話していたのではないでしょうか。「金を返せ」という呪いのような言葉の裏には、仕組まれた分断があったのではないか。そんな気がしてなりません。　そして理不尽な差別は、転校しても続きました。　学区内の塾へ行けば、そこでも酷い苛めが起きました。腐ったジュースに消しゴムのカスなどを入れたもの飲めと言われたり、暴力を振るわれたり、思い出したくも無いことが続きました。中でも辛かったのは無視です。無視とは、僕の言葉が奪われること。この世界から僕の存在が消されること。その恐怖は、今も僕もトラウマを残しています。当時、蔑まれ、笑われながら階段から突き落とされたとき「もう、このまま生きることを手放してしまいたい」という思いが頭を過りました。今、死ねば、一矢を報いることが出来る。ならば、もう抵抗はもう止めようと。それでも、身体は反射的に身を守ろうとしていました。結局僕は、死ぬことも出来ぬまま、ただ地獄のような日々を生き続けました。 　区域外避難者の僕らには、賠償金の仮払いなどありません。でも、東京の子どもから見たら、僕は「100万円貰ったズルい避難者」であり、征伐すべく悪だったのです。　賠償金を貰うことは全くズルい事ではありません。被害を受けた者の当然の権利です。それさえも被害の実情に見合っていないことが、この間の各地の裁判で明らかにされています。それにも関わらず、賠償金を貰った人達は後ろ指をさされ、時にはあからさまな攻撃を受けてきました。又、僕に限らず、殆どの避難者は、平穏に生活する為に避難者であることを隠さざるを得ませんでした。生い立ちも被害も、アイデンティティーを全て隠して、偽って生きざるを得ないほど、僕らは差別に晒されました。　僕が原発事故に遭って一番辛かったのは、放射能が降ってきたことではなく、人々が分断されて平和に暮らせなくなってしまったことです。僕が死ぬほど苦しんだ苛めも、結局は大人達の分断の一部でした。 　僕は私立中学への進学を期に、自分の経歴を全て隠しました。すると嘘のように苛めは起きなくなりました。やっと手に入れた平和で楽しい学校生活。　しかし心の傷は癒えることなく深く残り、高校１年生の頃から、再び生きることが辛くなっていきました。単に苛めだけではない、原発事故によって起きた様々な理不尽が、僕を苦しめていました。僕はその痛みを手紙に綴り、ローマ教皇に送りました。程なくしてバチカンから返信があり、翌年、僕はローマと東京の２箇所で教皇フランシスコと話す機会を得ました。17歳の僕が、来日したローマ教皇に伝えた言葉の一部を読み上げます。 　広く東日本に降り注いだ放射性物質は、今もなお放射線を放っています。　汚染された大地や森が元通りになるには、僕の寿命の何倍もの歳月が必要です。だから、そこで生きていく僕達に、大人達は、汚染も被曝も、これから起きる可能性の有る被害も、隠さず伝える責任があると思います。嘘をついたまま、認めないまま、先に死なないで欲しいのです。 　３分のスピーチが終った後、教皇フランシスコは僕に歩み寄り、僕を抱き締めてくれました。そして翌日、歴代教皇として初めて、原発に反対の意を表明したのです。9000km離れたローマにも伝わる言葉が、12年経ってもこの国に伝わらなかったことが悔しくてなりません。 　被告国・被告東電は、僕らが受けた甚大な被害に、正面から向き合ったことが有りますか。被害者に賠償金を支払う際に、僕らが受けた被害が、本当はお金で償えるようなものでないこと、その痛みへのせめてもの代償であることを認めてきたでしょうか。　口先だけの謝罪の言葉と、賠償額を伝えるだけの記者会見。まるで口封じのように賠償金を握らせてきたこと。その姿が被害者への差別や分断に繋がり、幾重にも僕らを苦しめてきたことを、今、深く反省して下さい。その上で区域外避難者である僕達への加害を認め、この甚大な、一人一人の被害に相応しい賠償をして下さい。僕が福島で生まれたことを、震えずに話せるような社会に戻し下さい。　裁判官の皆様、どうか、僕らの傷つけられた人権を回復し、この理不尽と苦しみから僕達を救い出して下さい。​====陳述、ここまで====​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​​​

  2023.07.21

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• フクイチ核災害に関する意思決定・政策決定に関して読了した書籍～23年７月中旬～

  　2022年10月頃から、通勤の合間などに電子書籍を集中的に読んでいます。「フクイチ核災害に関しての意思決定・政策決定」（決定のプロセスと、当事者の回顧）に関する著作は一区切りついた（※）ので、読了したもの（紙版で読んだものも含みます）を備忘録も兼ねて掲載します。※あくまでも「一区切り」です。今後も機会が有れば読みます。（読了した書籍を整理した拙ブログ記事）　▸​​フクイチのオンサイトに関して読了した書籍～23年７月末～​ ​　▸​原発・被曝労働に関して読了した書籍～23年７月末～　▸​​フクイチ核災害の報告書関係で読了した書籍～23年７月中旬～​　▸​「フクイチ核災害による避難」に関して読了した書籍～23年７月下旬～​　▸フクイチ核災害のオフサイト関係（避難以外）で読了した書籍～23年11月上旬～　▸​​​チェルノブイリ核災害に関して読了した書籍・資料～23年11月下旬～　▸​沖縄（琉球）関係で読了した書籍～23年８月下旬～　▸​原爆投下に関して読了した書籍～23年10月上旬～   ▸​ドイツ第三帝国関係で読了した書籍～23年11月中旬～　▸​​小説・エッセイ・論考等で読了した書籍～24年３月上旬～　▸​​​​日本の近現代史で読了した書籍・その１（台湾出兵～関東大震災）／24年３月下旬​　▸​​​​日本の近現代史で読了した書籍・その２（張作霖爆殺～満洲事変）／24年4月下旬　本来なら、個別に書評を書くべきですが、個人的に多忙なのでリストのみとします。　括弧内は「著者・出版元・電子書籍の発行年月」です。番号は整理の都合で付与しました。リンクは原則として「楽天Kobo電子書籍ストア」へ貼っています。読了した書籍1.●​福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書​（福島原発事故独立検証委員会／ディスカヴァー・トゥエンティワン／2015年９月）2.●​福島原発事故10年検証委員会 民間事故調最終報告書​（一般財団法人 アジア・パシフィック・イニシアティブ／ディスカヴァー・トゥエンティワン／2021年２月）3.●国会事故調報告書​（東京電力福島原子力発電所事故調査委員会／国会図書館のサイト／2012年７月５日提出）4.●政府事故調中間・最終報告書　概要・本文編・資料編​（東京電力福島原子力発電所における事故調査／メディアランド／2012年10月／電子版未発売）（紙版は２分冊セットで6380円。政府の委員会のWebサイトからPDFが無料でダウンロード可能）→　​委員会​　​中間報告​　​最終報告5.●​官邸の100時間　検証　福島原発事故​（木村英昭／岩波書店／2012年８月／電子版未発売）6.●​東電福島原発事故　総理大臣として考えたこと​（菅直人／幻冬舎／2012年10月）7.●​証言　班目春樹　原子力安全委員会は何を間違えたのか​（岡本孝司／2012年11月／新潮社／電子版未発売）8.●​証言　細野豪志　「原発危機５００日」の真実に鳥越俊太郎が迫る​（細野豪志・鳥越俊太郎／講談社／2013年２月）9.●​原発と政治のリアリズム​（馬淵澄夫／新潮社／2013年７月）10.●​日本中枢の崩壊​（古賀茂明／講談社／2012年７月）11.●​メルトダウン　ドキュメント福島第一原発事故​（大鹿靖明／講談社／2013年３月）12.●​東電国有化の罠​（町田徹／筑摩書房／2014年12月）13.●​原発危機　官邸からの証言​（福山哲郎／ちくま書房／2016年３月）14.●​原発事故　最悪のシナリオ​（石原大史／NHK出版／2022年２月）春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.07.17

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• フクイチ核災害の報告書関係で読了した書籍～23年７月中旬～

  　2022年10月頃から、通勤の合間などに電子書籍を集中的に読んでいます。「フクイチ（東京電力・福島第一原子力発電所）核災害」の報告書と関連する著作で読了したものを、備忘録を兼ねて掲載します（紙版で読んだものも含む）。　今後も、機会が有れば読みます。（読了した書籍を整理した拙ブログ記事）　▸​​フクイチのオンサイトに関して読了した書籍～23年７月上旬～​　▸​​原発・被曝労働に関して読了した書籍～23年７月上旬～​　▸​フクイチ核災害に関する意思決定・政策決定に関して読了した書籍～23年７月中旬～　▸​「フクイチ核災害による避難」に関して読了した書籍～23年７月下旬～　▸フクイチ核災害のオフサイト関係（避難以外）で読了した書籍～23年11月上旬～　▸​​チェルノブイリ核災害に関して読了した書籍・資料～23年11月下旬～　▸​原爆投下に関して読了した書籍～23年10月上旬～　▸​沖縄（琉球）関係で読了した書籍～23年８月下旬～　　▸​​​​小説・エッセイ・論考等で読了した書籍～24年３月上旬～　▸​​​​日本の近現代史で読了した書籍・その１（台湾出兵～関東大震災）／24年３月下旬​　▸​​​​日本の近現代史で読了した書籍・その２（張作霖爆殺～満洲事変）／24年4月下旬　多くの資料を調べ、多くの関係者からヒアリングして総合的な報告書を作成し、それを社会的に共有することは、日本では馴染みが無いと思います。恥ずかしながら私は、フクイチ核災害までは、そのような取り組みや必要性に無頓着でした。　調査に携わった皆様、分厚い報告書をまとめて下さった皆様に敬意を表します。　内容への賛否はともかく、読まなければ何も始まりません。　本来なら、個別に書評を書くべきですが、個人的に多忙なのでリストのみとします。　括弧内は「著者・出版元・電子書籍の発行年月」です。番号は整理の都合で付与したものです。リンクは原則として「楽天Kobo電子書籍ストア」へ貼っています。読了した書籍1.●​福島原発事故独立検証委員会 調査・検証報告書​（福島原発事故独立検証委員会／ディスカヴァー・トゥエンティワン／2015年９月）2.●​福島原発事故10年検証委員会 民間事故調最終報告書​（一般財団法人 アジア・パシフィック・イニシアティブ／ディスカヴァー・トゥエンティワン／2021年２月）3.●国会事故調報告書​（東京電力福島原子力発電所事故調査委員会／国会図書館のサイト／2012年７月５日提出）4.●​「国会原発事故調査委員会」立法府からの挑戦状​（塩崎恭久／東京プレスクラブ／2011年12月／電子版未発売）5.●​規制の虜　グループシンクが日本を滅ぼす​（黒川清／講談社／2016年３月）6.●​政府事故調中間・最終報告書　概要・本文編・資料編​（東京電力福島原子力発電所における事故調査／メディアランド／2012年10月／電子版未発売）（紙版は分冊セットで6380円。政府の委員会のサイトからPDFが無料でダウンロード可能）→　​委員会​　​中間報告​　​最終報告​7.●​未曾有と想定外　東日本大震災に学ぶ​（畑村洋太郎／講談社／2012年11月）8.●​福島原発事故はなぜ起こったか　政府事故調核心解説​（畑村洋太郎・安部誠治・淵上正朗／講談社／2013年５月）春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.07.14

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  「原発60年超運転」に向けた規則類の改定案に関して、２件の意見を提出

  ※9/5　パブコメ件数を記載し、結果詳細を記載した資料へリンク原子力規制委員会が「原発60年超運転」に向けた規則類の改定案を公表　原子力規制委員会は、７月５日の第20回原子力規制委員会の議題１で「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則等の改正案等及び意見公募の実施」を決定しました。　内容は、「原発の60年超運転」を可能とするように関連法の改正案が国会で可決・成立したので、それを受けて、法律の下位規定に当たる規則類等の改定案に対する意見公募手続き（パブリックコメント）の開始を決定したというものです。　パブコメは２件実施されました。１．「脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則等の改正案等」に対する意見公募について（７月６日～８月４日23時59分）２．「実用発電用原子炉の長期施設管理計画の記載要領（案）」に対する意見公募について（同）（リンク）●（参考資料）​長期施設管理計画の認可制度に関する分かりやすい説明資料「パブリックコメントって何？」という方は、下記リンクをご覧下さい。（リンク／吉良よし子参議院議員事務所での、2022年１月14日の総務省レクに基づく）●パブリックコメント（意見公募手続き）とは？～総務省からのレク～​　私は、「原発の利活用には反対」「原発の60年超運転には、もっと反対」の意志が表明できれば良いと考えているので、改正案の文言一つ一つを逐条的に論ずるのは避けました。逐条的に論じていたら、リソース（時間・労力）が幾らあっても足りません。　そのような理由で、全体を論ずる意見を送信しました。２つに分けて掲載します。　※2023/９/５追記　規則類の改正案に関するパブコメの募集期間：2023年７月６日～８月４日（原子力規制委員会）　提出意見：214件（リンク）​​​​​結果公表・資料​（資料２）​／2023年８月30日====規則類の改正案に関して、私が提出した意見====​　　今回の政令・規則・審査基準の改正案に反対の立場から意見を送らせて頂きます。　原子力発電（核発電）は、運転年数に関係なく、例え超低頻度であっても、不可逆的高影響事象（シビアアクシデント）のリスクを内包しています。高速増殖原型炉「もんじゅ」は一時期、原子炉から核燃料が取り出せない状況でした（幸いなことに、全ての燃料は水冷に切り替えられましたが）し、フクイチ核災害は運転開始４０年程度のプラントで生じました。その際には、使用済み燃料プールの炎上のリスクもあり、最悪の場合、複数サイト・複数プラントが、茨城県内の核燃料施設と共に放棄されるリスクも有り得ました。　どのような規則を策定し、どのような管理体制を構築しようとも、常に想定外は有り得ますし、原子力発電が国を滅ぼしかねないリスクを抱えていることは、フクイチ核災害の教訓です。　運転年数に関わらず、原子力発電を利用する事には、国民の一人として納得できません。その原子力発電の60年超運転すら有り得るという制度改正には、更に強く反対です。　とは言え、今回の政令・規則等の改正案は、法律に従ったものでしょうから、規制委員会の一存で「制定しない」という判断は困難だと思います。 　以上を踏まえて、今回の規則等の改正案については、次の対応を取るよう、強く求めます。 １．「原発60年超運転」を可能とした関連法の改正を取り消すべく、国会に議案を提出するよう内閣に勧告すること。 ２．原子力規制委員会として、今回の改正案を承認しないこと。 　尚、この意見は全て私個人のものであり、他の如何なる組織・個人とも関係の 無い事をお断りしておきます。 　宜しくご査収下さい。====規則類の改正案に関する意見、ここまで====​​​↓　提出時の画面（一部加工）​※2023/９/５追記　記載要領案に関するパブコメの募集期間：2023年７月６日～８月４日（原子力規制委員会）　提出意見：93件（リンク）​​​​​結果公表・資料​（資料２）​／2023年８月30日​====記載要領の改正案に関して、私が提出した意見====​　今回の記載要領の改正案に反対の立場から意見を送らせて頂きます。　原子力発電（核発電）は、運転年数に関係なく、例え超低頻度であっても、不可逆的高影響事象（シビアアクシデント）のリスクを内包しています。　どのような規則を策定し、どのような管理体制を構築しようとも、常に想定外は有り得ますし、原子力発電が国を滅ぼしかねないリスクを抱えていることは、フクイチ核災害の教訓です。　運転年数に関わらず、原子力発電を利用する事には、国民の一人として納得できません。その原子力発電の60年超運転すら有り得るという制度改正や、それに合わせた規則類や記載要領の変更には、更に強く反対です。　今回の記載要領案は、承認せず、撤回して下さい。　尚、この意見は全て私個人のものであり、他の如何なる組織・個人とも関係の無い事をお断りしておきます。　宜しくご査収下さい。​​====記載要領の改正案に関する意見、ここまで====​↓　提出時の画面（一部加工）​​​​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.07.13

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  「核のゴミ」の最終処分場の文献調査段階の考え方に関して、意見を提出

  ※2024/3/14追記　　　本件パブコメの募集期間：2023年７月３日～８月２日23時59分（経済産業省）　提出総数：53件●​結果・意見概要​／2023年11月２日公表​エネ庁の「核のゴミ」に関するパブリックコメント　経済産業省・資源エネルギー庁の「電力・ガス事業部」では、「高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する『文献調査段階の評価の考え方（案）』に対する意見募集」を実施しています（７月３日～８月２日）。（リンク）●​提出フォーム・資料​●​文献調査段階の評価の考え方（案）​●（参考1）​経産省のリリース​（７月３日）●（参考2）​NUMOが実施している「高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する対話型全国説明会」​（NUMO：原子力発電環境整備機構）「パブリックコメントって何？」という方は、下記リンクをご覧下さい。（リンク／吉良よし子参議院議員事務所での、2022年１月14日の総務省レクに基づく）●パブリックコメント（意見公募手続き）とは？～総務省からのレク～「高レベル放射性廃棄物」とは、要するに「核のゴミ」です。　2023年７月現在、北海道の寿都（すっつ）町と神恵内（かもえない）村で、処分場の候補地となり得るかどうか、文献調査が進められています。　私は、核発電（原子力発電）を推進する人達が、それによって生じる「核のゴミ」を自らの責任で引き受けようとしないことに以前から腹が立っていました。　今回のパブコメは良い機会なので、その思いを込めて意見を提出しました。　　私と同じ意見にするかどうかはともかく、選挙と同様の公的チャネルですから、当ブログをお読みの皆様にも、提出を呼びかけるものです。　尚、提出する際には上記の提出フォームのリンクをクリックし、「意見募集要領（提出先を含む）」のPDFをダウンロードした上で、画面下の「意見募集要領（提出先を含む）を確認しました」にチェックを入れ、右下の「意見入力へ」をクリックして下さい。　意見を記入する際には、予め、ワード等で意見の文章を書いておいて、コピペした方が良いかも知れません。　以下、私が「今回のパブコメに私が提出した意見」を掲載します。　​====私が提出した意見====​　　ワーキンググループの委員長・委員の皆様、並びに資源エネルギー庁の事務局の皆様、これまでの議論・検討、お疲れ様です。　とりまとめられた「文献調査の考え方・案」について、意見を送らせて頂きます。「はじめに」以降、29頁までの本文は拝読しました。　様々角度から「考え方」について検討を重ねられていますが、技術的要件・自然条件は考慮せず、「社会的責任」に基づいた「社会的要件」のみの、シンプルな構成にすべきと考えます。　過去の自然現象をどれだけ調べても、人間が把握できることは限られます。未来の自然現象も完全な予測は不可能です。どのような条件でどのような地域・地層を選定しても、高レベル放射性廃棄物が漏洩・拡散する可能性は否定できません。漏洩・拡散のリスクをゼロにはできないのですから、選定に関して時間とコストをかけるのはリソースの無駄遣いです。　原子力発電（核発電）を国策として推進する人達の社会的責任のみを選定の基準にすれば、そのようなリソースの無駄遣いは避けられます。具体的には、歴代、そして今後の、内閣総理大臣・経済産業大臣の地元選挙区を最終処分場として選定するよう義務付ける法案を提言すべきです。国策として原子力の利活用を進めているのですから、行政のトップ・所管省庁のトップとして、地元の選挙区で引き受けるよう有権者を説得するのは、社会的に当然の義務でしょう。　現時点では、広島市（岸田文雄内閣総理大臣を選出した広島県第１区）、明石市・淡路市・洲本市・南あわじ市（西村康稔経産大臣を選出した兵庫県第９区）が該当するので、資源エネルギー庁は、早急に、それらの自治体への説明準備を開始して下さい。　ワーキンググループは、高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定にあたって「行政の責任者の社会的責任」のみを基準とした新たな考え方をまとめるよう、速やかに議論のやり直しを開始すべきです。　尚、この意見は全て私個人のものであり、他の如何なる組織・個人とも関係の無い事をお断りしておきます。　宜しくご査収下さい。====意見、ここまで====​​​↓　提出時の画面（一部加工）春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）​

  2023.07.13

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  東京高裁への意見送信

  ​​​​結審時期が不透明になった「福島原発かながわ訴訟・第一陣」の控訴審　2023年７月現在、「福島原発かながわ訴訟」（※）の第一陣は、東京高裁で控訴審が続いています。※福島原発かながわ訴訟・第一陣　　フクイチ核災害によって神奈川県内への避難・移転を余儀なくされた被害者・175人が、核災害の責任の明確化・正当な損害賠償を求めて、国・東電を訴えたもの。2013年９月に横浜地裁へ提訴。19年２月の横浜地裁の判決を不服として、原告・被告双方が控訴。東京高裁で係争中。　尚、16人が国・東電を訴えた第二陣が横浜地裁で係争中。（リンク）●​福島原発かながわ訴訟を支援する会​（報告集会の動画等）　私は、2009年以降は神奈川県内（川崎市）に住んでいることもあり、かながわ訴訟に関しては、提訴当初から関心を持って見てきました。　私は毎回は傍聴していませんが、原告・弁護団の報告はチェックしています。　その報告によると、志田原信三裁判長が、2023年12月半ばに定年退官を控えていることもあり、自らの手で判決を書く（裁判体は裁判長と陪席裁判官２人の、合計３人で構成）かのような勢いで進めていたそうです。控訴審は、新型コロナ等の影響等で審理が停滞していた時期もあったのですが、2022年12月以降は口頭弁論が毎月のように設定されました。​　今年6月30日の口頭弁論日程を決定した際には、８月25日の日程を「予備日」として決め、「結審」と明言はしなかったものの、６月か８月に結審させるような雰囲気があったとのことです。　ところが、６月30日の口頭弁論後の進行協議では、志田原裁判長は10月の日程を決め、結審については言及しなかったとのことです。志田原裁判長が12月半ばに退官すれば、新たな裁判長の元で、一部であっても主張・立証のやり直しになりかねません。そうなると、結審時期が益々不透明になります。初めて聞いた訴訟指揮　６月期日後の報告集会での原告・弁護団に説明によると、「（原告側は）８月結審を目指して、全力で裁判体と折衝する」とのことでした。それはそれで弁護団に頑張って欲しいのですが、私は、一人の国民として、今回の訴訟指揮に、疑問と懸念を覚えました。　私が初めて聞く事例です。「被告・又は原告側が証拠・証言の更なる提出を準備中であるにも関わらす裁判長が一方的に結審する」「裁判長に意欲が見られずダラダラ続く」「証拠や証人申請の大半を裁判体が却下する」などの一方的な訴訟指揮は聞いたことが有りますが（私自身は、そのような訴訟指揮を肯定はしません）、一度は結審を示唆して急ピッチで進めておきながら、大詰めと思われるタイミングで結審時期を明示せず、しかも「退官します。後はどうなるか分かりません」という訴訟指揮は初めて聞きました。　この国の主権者の一人として、このような訴訟指揮は見過ごせません。かながわ訴訟だけの問題ではありません。司法による判断や救済がいつなされるか分からないような訴訟指揮が行われれば、国民・市民から見て「司法は信用できないもの」になってしまいます。東京高裁・志田原裁判長宛てに意見送信　現状を指を咥えて見ていることは出来なかったので、原告・弁護団とは別に、私個人の判断・考えで、東京高裁の志田原信三裁判長に意見を送りました。裁判所に意見を送ったのは、生まれて初めてでした。　裁判所のサイトでメールでの問い合わせフォームを見付けられなかったので、東京高裁のFAXの代表番号に送りました。（リンク）●​東京高等裁判所のアクセス・連絡先​（代表FAX番号含む）●​東京高裁・担当裁判官一覧​●（参考）​裁判の迅速化に関する法律​　以下、私が送信した意見を掲載します。私の言いたいことは下記の意見に集約されています。​====FAX送付した意見、ここから====​●損害賠償請求控訴事件（令和元年（ネ）第3292号、同5000号）の本年８月結審を強く求める意見東京高等裁判所・第一民事部　志田原信三　裁判長　御中　日々の訟務、お疲れ様です。　表題の控訴事件に関し、国民（主権者）の一人として意見・要望がございますので、このような形で送らせて頂きます。お忙しいところ、お邪魔して申し訳ございません。　東京電力・福島第一原子力発電所事故の責任の明確化と、事故により生じた被害への正当な賠償を求めている本件控訴事件は、日本で初の原子力発電所事故を契機とした訴訟であり、社会的関心も高いものです。原告・弁護団は「福島原発かながわ訴訟・第一陣」という通称で、訴訟の目的や進捗状況を社会的に共有する取り組みを続けおり、私も国民の一人として、訴訟の進捗の把握等に努めています。　原告・弁護団の報告によると、本件控訴事件では、2022年12月から毎月のように口頭弁論が開かれ、一度は、裁判体によって本年６月、又は８月の結審が強く示唆されました。８月25日の口頭弁論期日は「予備日」との主旨であったとのことです。ところが、６月30日の第19回口頭弁論後に、裁判体はこれまでに無かった10月の日程を決定し、結審時期も明示しなかったとのことです。　既に、事故発生から約12年４ヶ月、横浜地裁への提訴（2013年９月11日）から約９年10ヶ月が経過し、提訴以来、７人の原告の方が鬼籍に入っています。原告の中には心身の不調に耐えながら訴訟を継続している方もおられると聞いています。それに加えて、直近の７ヶ月間、原告・弁護団は毎月の口頭弁論に合わせて提出すべき証拠・書面を準備し、裁判体の訴訟指揮に対応してきました。原告・弁護団のこのような努力・取り組みにも関わらず、裁判体は、一度は示唆した本件控訴事件の結審時期を、明確な見通しも示さないまま自ら翻そうとしています。このような訴訟指揮は、司法判断を求めて提訴した原告を翻弄する行為ではないでしょうか。　私は原告ではありませんが、現状の訴訟指揮は、裁判の進行を悪戯に遅延させる行為のように見えます。「裁判の迅速化に関する法律」の主旨からも、人道的な観点からも、看過・黙認できません。　結審時期が曖昧で先が見通せないような訴訟指揮が行われ、それが前例となれば、裁判体への不信を招き、ひいては三権分立の一つをなす司法制度への国民の信頼を揺るがすことに繋がりかねません。　このような訴訟指揮が行われようとしていることに、この国の主権者の一人として、深く憂慮し、懸念します。　以上を踏まえて、私は、以下のように強く要請致します。一．本件控訴事件の10月の口頭弁論期日を取り消し、元々取り決めていた本年８月25日を結審日とすること。　尚、この意見は私個人のものであり、他の如何なる個人・組織とも関係の無い事をお断りしておきます。　宜しくご査収下さい。（日付と個人情報は略）​​​====意見、ここまで====​​​↓　FAX送信した原稿と、コンビニのFAXのレシート春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.07.12

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  「福島復興再生基本方針」の改定案（復興庁）へ意見を提出

  ※2023/8/1追記　　　本件パブコメの募集期間：2023年７月７日16時～７月14日11時（復興庁）　提出総数：57件（リンク）​​​​結果公表・資料​／2023年７月28日　　​内堀・福島県知事の意見とそれへの回答​​「福島復興再生基本方針」の改定案に関するパブリックコメントに意見を提出　復興庁が実施している「『福島復興再生基本方針』の改定案に対する意見募集について」に意見を提出しました。（リンク）●​提出フォーム・資料​●​福島復興再生基本方針（改定案）の概要​●​改定案の本文　パブリックコメント（パブコメ／意見公募手続き）は、個別の案件ごとに意見を表明する機会です。　　又、数万件単位で多数の意見が集中すれば、とりまとめに時間がかかり、改正案や見直し案の施行を遅延させられるかも知れません。　全てのパブコメが法律（行政手続法）に基づいたものではありませんが、選挙と同様に、公的チャネルは活用しましょう。「パブコメって何？」と疑問をお持ちの方は、以下の記事を御参照願いします。（リンク／吉良よし子参議院議員事務所での、2022年１月14日の総務省レクに基づく）●パブリックコメント（意見公募手続き）とは？～総務省からのレク～　以下、私が今回のパブコメに提出した意見を掲載します。分割しているのは、提出フォームの文字数が最多300文字と極端に制限されていたからです。その制限についても、抗議の意見を提出しました。　尚、私は自分が勉強し、考えている範囲で意見を書きました。事実関係で間違っている箇所が有るかも知れません。私の意見をコピペして提出するのはお勧めしません。　又、間違いを見つけた方は、その点を盛り込んで、是非、ご自身の意見を期限までに提出するよう、お願いします。私に間違いを指摘するリソースがあなら、そのリソースは、意見を提出することに割り当てて下さい。その上で、私に間違いを指摘して下さい。​​====提出した意見、ここから​(URLは提出意見には未記載／分かり易さの観点から一部を太文字に修正)​====​​第２部の第４・第５について　紙幅の関係も有り、総論的に記載します。意見１．環境省の「公共用水域放射性物質モニタリング調査結果」によると、福島県の浜通り・中通りは、土壌１kg当たり100ベクレルを超える放射能濃度（セシウム137）の所が多く見られます。原子力施設であれば「低濃度放射性廃棄物」として管理すべき値です。https://www.env.go.jp/jishin/monitoring/results_r-pw.html　この調査は、実施地点・範囲が限定的とは言え、放射性廃棄物に相当する汚染が広範囲に及んでいることを示唆している可能性が高いと思われます。先ずなすべきことは、公園・道路・畑・水田等の土壌の放射能濃度を徹底して調査すべきではありませんか。第２部の第４・第５について意見２．そもそも、住民の帰還や避難指示解除の数値基準が「空間線量で被曝線量・年間20ミリシーベルト」であること、それを基に施策を決定することに反対です。「一般公衆の許容被曝線量・年間１ミリシーベルト」という、フクイチ事故前の法令との整合性が取れていません。　又、土壌や建物の汚染に関する基準が存在しないのは何故でしょうか。若し、土壌や建物の壁面等が１キログラム当たり100ベクレル以上汚染されていれば、放射線業務従事者でない一般公衆が「低濃度放射性廃棄物の中で生活し、働く」ことになります。第２部の第４・第５について意見３．やるべきことは、帰還困難区域の指定解除や帰還の推進ではなく、「避難の権利」を認めることです。被曝線量・年間１ミリシーベルトを超えることが確実な場合には、住み続けても、避難しても、どちらにも偏らない財政的・社会的支援を国費で実施する制度を創設すべきです。　フクイチ事故前の基準と整合性が取れない基準で、帰還・居住に偏重して政策リソースを投入するのは、国民に対して無責任であり、住民の間に分断を招く行為です。第２部の第４・第５について意見４．結論　帰還を推進したり、用途を問わず土地の利用を容認・推奨する事には反対します。フクイチ事故前の一般公衆の年間被曝許容量を守り、土壌や建物等を、炉規法等に定める放射性廃棄物の基準に従って計測し、分類して下さい。「原子力施設では放射性廃棄物に分類される環境」の中で住民が生活・活動することがないように、「個人の生命・身体を守る」側に立って各種政策を立案し、リソースを割り当てて下さい。それが、全体の奉仕者たる、公務員の義務ではありませんか。第３部の第８の３・４について意見．廃炉やフクイチの収束に必要な技術開発・人材育成を否定するものでありませんが、「世界共通の課題の解決に向けて」「世界に貢献」は書き過ぎ・やり過ぎです。　国策であった原子力発電の利活用が破綻した結果、世界でも類例のない複数号機の同時発災という惨事を招きました。福島国際研究教育機構は、フクイチ事故の収束に必要な技術開発・人材育成・廃棄物の分析の支援を最優先すべきです。他のことにリソースを投入しないで下さい。意見募集の実施方法について意見１．今回の意見募集は「任意」であることを理由に、募集期間が６日と18時間という極端に短い期間でした。しかも、意見募集は復興庁のサイトに掲載したのみで、大々的な広報もなされていません。案を読み込んで自らの考えをまとめ、文章として書くのに、６日と18時間はギリギリです。意見募集開始早々に気付けなければ、意見を送る機会を逸してしまうでしょう。　原子力規制委員会は、任意の意見募集であっても、募集期間は30日間を確保しています。意見募集の実施方法について意見２．意見提出のフォームは最多300文字で、原稿用紙１枚分（一般的には400文字）ですらありませんでした。　復興庁の皆さんは、原稿用紙１枚分もない紙幅で、意見が書き尽くせると思ってらっしゃるのでしょうか。　300文字では、到底、自らの意見を書き尽くせるものではありません。文章を適宜切った上で、複数に分割して送らなければいけません。送信するごとに意見以外の入力や確認等が必要で、手間がかかります。現に、私もそのように対応しました。意見募集の実施方法について意見３．今回の意見募集は「意見を真摯に聞こうとしている」姿勢とは思えません。期間も、提出フォームの文字数も、行政手続法に違反はしていないのでしょうが、そういうことではなく、「意見を提出し難い方法」を取ったことに抗議します。　国民は日常生活を営む中で各種の資料を読み、考え、書いているのです。どうしても時間がかかります。仕事として日常から各種の情報に触れ、文章を書いている公務員の皆さんとは前提条件が異なるのです。 　８件の意見をお送りしました。これらは全て私個人の意見であり、他の如何なる組織・個人とも無関係であることをお断りしておきます。 　宜しくご査収下さい。​====意見、ここまで====​意見提出後の受付番号の一部。↓　「第２部の第４・第５について　意見４．結論」提出時↓　「第３部の第８の３・４について」提出時↓　「意見募集の実施方法について　意見３．」提出時春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）​

  2023.07.12

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  「だまっちゃおれん訴訟」は７月11日に結審～これまでの原告意見陳述・２～

  ​※7/15　赤文字部分を追記　名古屋高等裁判所で継続していた「だまっちゃおれん！　原発事故人権侵害訴訟・愛知岐阜」（通称「だまっちゃおれん訴訟」／​※​）が７月11日・火曜日に結審期日を迎えます。※だまっちゃおれん訴訟　フクイチ核災害によって、愛知・岐阜県に避難を余儀なくされた被災者・被害者が東電・国に対して謝罪・損害賠償を求めた「原発事故損害賠償請求訴訟愛知岐阜」（2013年６月～14年３月に３回に分けて計43世帯130人が提訴／2019年８月判決／21年２月控訴審・第一回口頭弁論）の別の控訴審。　同訴訟の原告の一部（７世帯・23人）が、原告のそれぞれの意向を尊重する観点から、控訴に際して別の原告団を結成したもの。同訴訟原告には訴訟の社会化を望まない意向の人もおり、訴訟の争点の社会化を望む意向の原告は、一審とは異なる枠組みを求め「だまっちゃおれん訴訟」として原告団を結成した。初回口頭弁論は2021年２月１日。​（リンク）​だまっちゃおれん訴訟・原告団のサイト　名古屋高裁の最寄り駅は名古屋市営地下鉄「丸の内」駅（桜通線・鶴舞線）の１番出口です。※7/15追記　だまっちゃおれん訴訟は、告知通りに７月11日に結審しました。　ヒューマンチェーンには約200名が参加し、傍聴券113枚を超える人数が傍聴希望の列に並んで抽選になりました。原告側から複数人が陳述し、岡本・原告団長の意見陳述で締め括りました。　判決は、11月22日・水曜11時・名古屋高裁１号法廷で言い渡されます（この部分、原告団のFBの投稿より抜粋）。　公開資料で確認できる範囲で、「だまっちゃおれん訴訟」の原告の皆様の意見陳述を掲載します。　東電の電力を消費していた者・フクイチ核災害を止められなかった有権者の一人として、せめてもの連帯と意志表示です。拙ブログに掲載することで、核災害の被害の一端が、例え一人でも多くの人に広まればという思いです。　全体の分量が多いので、２回に分けています。「その１」が原告団長の岡本早苗さんと、その娘さんお二人。「その２」​​が岡本団長と娘さん以外の原告の皆様です。　岡本団長と娘さん、その他の原告の方を分けたのは、分かり易さの観点からで、他意はありません。　拙ブログに掲載する際は実名は省きました。年月日は西暦で統一し、段落や句読点を変更したり漢字を加えたりしましたが、文章そのものは変えていません。（リンク）●​「その１」はこちら​７名の原告の意見陳述​​​​​====40代女性・第 1 回口頭弁論（2021年２月１日）ここから====​　私は、東日本大震災の時、福島県県北に夫と娘と夫の母親と４人で暮らしていました。　私達が住んでいたのは、ホットスポットという線量の高い地域です。　震災前は、庭で家庭菜園をしたり、福島の四季を楽しみながら外を散歩したりと、ごく普通の生活をしていました。　そして、2011年３月11日、震災が起きました。​​​当時、私は、仕事で車を運転し職場へ戻る途中でした。突然、道路が波打ち、信号機は大きくしなりました。余りの揺れに咄嗟に路肩に駐車し、地震が収まるのを待っていました。状況が全く把握出来ないまま、やっとの思いで職場にたどり着きました。家族の安否も分からず、不安の中、帰宅できたのは夜遅くでした。ひとまず主人と子どもは無事でしたが、その後の余震も激しく、一瞬たりとも気を抜いて休むことはできませんでした。　それでもなお、私は翌日から出勤しなければなりませんでした。主人に子どもを任せ、仕事に行きやっとの思いで過ごしていた私達に、そのニュースが舞い込だのは数日経った後でした。それはテレビで大きく報道され、巨大な煙を上げて建物が吹っ飛んでいく映像でした。原発事故の様子でした。その衝撃は今でも目に焼き付き離れません。　政府は「直ちに影響はない」と根拠の無い言葉を幾度と放ちましたが、冷静な状態であればあれほどの大事故を目の当たりにし、一体どれほどの人がそれを信じられたでしょうか。　しかし当時の私達は、毎日を生きていくのに必死でした。事故後も人々は、外で給水車に並び、食品を買い求めるため外に出て、なんとか生活しているような状況だったのです。被曝から身を守るための情報も、私達の耳には届かず、後から考えると恐いくらいに無防備に放射能に身をさらしていた状況でした。　しかし、次第に嘘か本当か定かでない情報が世の中に溢れるようになりました。情報の取捨選択をしている内、既に生活圏が汚染されていることを知りました。窓を開けることも、洗濯物を外に干すこともできなくなりました。また、子どもの成長に自然との触れ合いが欠かせないと思い、自然を意識して身近に取り入れていたのに、草木を手に取ることさえできず、夏の楽しみの一つであった家庭菜園での野菜の成長、収穫の楽しみも奪われました。娘には、日々大きくなる野菜をただただ見せるだけで、触ることさえ我慢させるのが辛かったです。　それまでの私たちの当たり前は幾度となく打ち砕かれました。夏でもマスクをし、降り注いでくる放射性物質がつかないと耳にして、ナイロンの上着服を着て生活していました。それでも「大丈夫｣という確信、保障はどこにもありませんでした。もはや息をすることさえも怖くて仕方ありません。水の中は影響を緩和できると耳にすれば、可能な限りプールに行くなど対策をしました。しかしそれも根拠があるわけでもなく、安心感なんて１ｍｍもない、制限のある生活。ただただ苦しかったし言いようのない恐怖に囚われていました。　なぜ真実は私たちには告げられないのか、なぜ都合の悪い情報は隠され、御用学者が放つ言葉は世論から信じられているのだろうか。なぜ被害がさも小さいかの様に見せているのだろうと、汚染はものすごい範囲なのに。と、懐疑心、不信感しか抱けませんでした。　私自身、歯周病としか診断されませんでしたが、いつまでも続く原因不明の歯茎の痛み、時折襲われる死を意識するほどの胸の痛みなどの体調の変化がありました。私たち家族は、原発事故直後から避難を決めていたのではありませんが、こういった状況が続く中、2011年10月頃から、私の中で「避難」を望む思いは強くなっていきました。しかし、住み慣れた自宅を離れるということは簡単ではなく、家族との話し合いを重ね、私自身、ギリギリまで悩みました。福島からの避難者に対し、誹謗中傷やいじめがあるという耐え難い事実があることを報道で聞いていたことも悩んだ理由の一つです。　また、二世帯住宅で一緒に暮らしてきた姑は避難しないと言いました。そこに家があり、人間関係があり、それまでに築いた生活があったからです。姑は、当時、癌が見つかっており、私がその後最後まで看病に当たる覚悟でいました。それにも関わらず、原発事故のせいで癌を患った姑を一人福島においてくることになり、罪悪感しかありませんでした。もちろん私自身、仕事のこともあります。私は、地域包括支援センターというところで介護の仕事をしており、安定した収入もありました。原発事故の頃にはようやく仕事にも慣れ、職場の人間関係も構築できており、単独で高齢者の担当を任されるようになっていましたが、避難にあたっては、その職を手放さなければなりませんでした。しかし、何よりも娘の健康には変えられない、安心したい、精神的苦痛から逃れたい思いから、悩みに悩んだ末、震災から１年後の2012年３月、避難に至りました。　避難して一番にしたことは、洗濯物を干したときの太陽の香りを嗅ぐことでした。１年ぶりに漸く、心が解放できたように感じました。子どもも抑圧された思いを吐き出すかのように、自然に戯れ、思う存分遊び本来持つべき子どもらしさを取り戻せたと思います。　こういったなんでもない日常こそが私が求めていたものでした。　あれから矢のように９年の時が流れました。まだ国の基準は、被曝線量が年間20ミリシーベルト。緊急時のまま、いまだ水面下で被ばくをしている人がいる。あれだけの前代未聞の事故を起こしたのに国は忘れてしまったのでしょうか。　空も土地も繋がっている。線一本で避難区域を分けられてしまった。　東電の後ろに隠れている国、本当に責任はないのでしょうか。　胸の内は、「福島」での日常を戻してほしい。私が生まれ育った「福島」に帰りたいです。でも今の福島へ戻ったらまた体調に異変が生じるのではないかと怖くて帰れません。他人ごとではなく、国・東電は奪ったものの大きさを、与えた傷の大きさを反省し、謝罪をして頂きたいです。====40代女性（第１回／21年２月１日）、ここまで========Mさん（第3回口頭弁論／2021年4月13日）ここから====　​原発事故当時私は福島県いわき市で暮らしていました。　事故後は、とにかく震災の混乱の中で生き延びるのに必死でした。放射性物質が大量に降り注ぐ中、水を貰おうと夫が水道局に何時間も並びました。その水を使って、私達は暮らしを繋いでいました。　丁度その頃、長女がお腹の中にいて、私は臨月を迎えていました。　診察日は15日で、次の診察は22日ね、とドクターに言われていたのに、その間にいわき市の産婦人科は全て閉鎖になり、「浜通り以外の産婦人科をご自分で探して下さい」と言われました。 ガソリンも僅かしかなく、いわき市周辺の産婦人科にはどこも断られ、どうしていいかわからず頭を抱えました。　何とか知人の紹介で水戸の産婦人科を紹介して貰い、３月下旬に帝王切開で長女を出産することができました。 分娩を担当してくれたドクターに県外避難が良いとお尻を叩いてもらいました。愛知県の友人から避難しておいでと言われ、退院してすぐに愛知県に一時避難しました。　でも、避難したもののこの後どうやって生活していいのかわかりませんでした。いつまで避難を続ければいいのかも分かりませんでした。そのうち経済的にも追い詰められ、私の心はボロボロになっていきました。エアコンのスイッチを入れようとしても、どうすればいいのかわからない。リモコンでスイッチが入れられると気づいても、リモコンを探すことができない。外出する気力もなくどん底の気持ちで過ごしていました。　事故前はこんな風じゃなかった。夫婦で営んでいた耳つぼマッサージや整体がすごく性に合っていました。お客さんとは、商売を超えた楽しい関係で結ばれていました。避難しなければお客さんとの繋がりは切れなかったです。　避難した後、福島からの電話は３ヶ月鳴りやみませんでした。電話が鳴る度、「自分達のことだけ考えて避難してきちゃった」「お客さんや友人に申し訳ない」「好きな仕事も辞めたくない」「でも、放射能が怖い」と、戻りたくても戻りたくても戻れないもどかしさに苦悩しました。 原発事故がなければ、こんなに心を擦り減らすこともなかった。地震で町が破壊されたとしても、原発事故さえなければ元の生活に戻るという希望を持つことはできたと思います。 　私の仕事を返してほしいです。 私のふるさとを返してほしいです。 　長女が生まれ、赤ちゃんとの暮らしが始まると、「この子がお腹の中にいるとき、汚染されているとも知らずに水を飲んでしまった。良かったの？」「でも、飲んでしまったのだから、今更どうしようもない」とか、「あの時吸っていた空気は汚染されてなかったの？」 「私や夫は大丈夫なの」と、常に放射能の影響を心配する毎日になりました。あの時どれくらい被曝したのか、これからどういう影響が出るのか、全く分からないまま、日々淡々と子どもにミルクを飲ませ、ご飯を食べさせる。ただそれだけの生活をするしかありませんでした。 　あれから10年が経ち、家族は４人に、上の子は小学４年生になりましたが、私達はずっと目に見えない敵と戦っています 原発事故以来調子がいい日なんて一日もありません。夫の体調は悪くなるし、私も毎年の健康診断の結果は悪くなる一方です。余りにも調子が悪いので検査をして貰ったら、たくさん病気が見つかりました。 その原因は初期被曝にあるのではないか。ずっとそれが気になってます。長女は２回も流産をした末に、やっとの思いで授かった子です。その長女を、原発事故でどれだけ被曝させてしまったのかもわからず、「被曝の影響は、いつどんなかたちで出るのだろうか」といつも心配し、恐怖を感じています。そんな生活がこの先一生続くのです。 前向きになりたくても、とてもなれないです。　それでも事故後は、「国や東電は、自分達で作っ た原発なのだから、すぐに何とかするだろう」と思っていました。避難もこんなに長くなるとは思っていません でした。しかし、未だに収束する気配はありません。だから、福島に戻ることもできません。私の不安の原因は、そのような原発の存在、放射能汚染の存在そのものです。　私は、自分が生まれ育った自然を、子どもにも経験しながら育ってほしかった。 あの生活を本当に返して欲しい。 私のふるさとを、放射能汚染のない、元の美しい福島に戻してほしいのです。　今年の３月11日は東北３県が「復興できてよかったね」というお祝いムードの番組ばかりでした。私も、娘と2人で東海テレビの撮影に同行し、私の故郷である福島県いわき市に行きました。ここまで復興できて良かったという思いは同じです。でも、そこには放射能汚染が存在するんです。　あの日、津波の被害があったいわき市の薄磯海水浴場の前には「いわき震災伝承みらい館」ができていました。そこには地震と津波の被害のパネルと動画、その脇には「原発事故と避難」（原発事故と隣り合わせの暮らしのパネル）がありました。私はその前で、娘にわかりやすく放射能の説明をしましたが、返ってきた反応は「わからない」でした。娘には今まで私からは地震の話しか言えなかったからでしょう。 娘は「ママがそんなに帰りたいなら、家族でお引っ越ししても良いよ」「私の故郷はいわきだよ」と言ってくれます。娘の言葉に涙がこみ上げてきます。けれど、この先娘が大人になって自分で理解した上で決めない限り、私たちはふるさと、福島には帰れません。「原発事故のこと、その影響のこと、隠していませんか？」　この言葉は、先程お話した東海テレビの撮影で、 私が一番伝えたかった言葉です。でも番組ではカットされてしまいました。　裁判所は、一審で国や東電のやっていることの理不尽さを確り判断してくれたのでしょうか。原発事故のことやその影響にきちんと正面から向き合った判断をしてくれたでしょうか。とてもそうは思えません。 ​　国と東電は、ＡＤＲの補償金という微々たるお金で納得させようとしていました。でも、そんなことよりも元の生活を返して欲しかった。魚は釣りに行ける、川でも遊べる。美味しい果物も一杯。 畑のものをお客さんからお裾分けしていただき、それを更に別のお客さんにお裾分けし、みんなが幸せだった生活。お金の問題じゃない、心が豊かな生活をしていたんです。　日本に数ある原発が事故を起こすと、私と同じ思いをする人がまた出てしまいます。だから、二度と原発事故を起こしてはいけない。二度と私たちと同じ目に遭う人たちを増やしたくない。私は、一生目に見えない敵と戦っていかなきゃいけない。そのことを腹におさめて、なんとしてもこの原発事故を風化させてはいけないという気持ちで、この裁判に向かっています。 控訴審では原発事故やその影響に確りと向き合ったご判断を頂きたく、宜しくお願いいたします。​​====Mさん​（第3回／21年4月13日）、ここまで====​​​​====男性（第４回口頭弁論／2021年７月６日）、ここから====​　本件事故当時、私は福島県浜通りで、妻・長女・二女と４人で暮らしていました。 長女は福島高専から福島大学経済学部３年への編入試験に合格して2011年４月からの入学準備をしており、二女は福島高専に在学中で、卒業後は東北大学経済学部３年への編入を目指して学業に励んでいました。 長男は岩手大学に在学しており、４月からは地元での就職活動をする予定でした。　私の家は、旧家の分家にあたり、２㏊の農地、３㏊の山林を所有し、600坪の宅地に母屋・物置・土蔵が建っています。代々続く農家なので、親戚や地域の人達との交流が深く、子ども達は、地域のお祭りや行事、学校生 活を通して、沢山の友達との絆を深めながら成長してきました。そのため３人とも、地元への就職を希望し、皆、ずっと福島県で暮らすつもりでした。　私は、1984年、農家を継ぐことになりました。安全な農作物を供給することにより、新しい農業の形を作りたいと思い、無農薬・無化学肥料で栽培する有機農業を始めました。同じ思いを持つ人たちと、研究会を作り、有機農業の普及、環境問題等の啓発活動もしていました。我々の会の中でいつも問題視されていたのが、原発の存在でした。放射能は微量であっても遺伝子異常を起こします。第一原発までは40km、第二原発までは20 kmくらいなので、もし事故が起きて放射性物質が飛散したら有機農業どころか、住むことができなくなるのではないかという懸念があったので、研究会で放射能測定器を購入し、数値が上がると抗議し、 脱原発の活動や原発の裁判の支援をしていました。ソ連でチェルノブイリ原発事故が起き、日本でも脱原発の声は大きくなりましたが、その声が裁判所に届くことはなく、安全神話のもとに各地に原発は作られ、 原子力ムラは強大となり、福島では老朽化している第一原発でプルサーマル計画まで受け入れてしまいました。　2011年３月11日、突然大きな揺れに襲われました。私の接骨院と学習塾があった自治体の大家さんから、 「原発が大変なことになっていて、東電の家族や町民は避難を始めている」との情報が入りました。メルトダウンが頭をよぎり、家族を被曝から守るために、翌日の12日午後、避難を開始し、15日には友人を頼り愛知県に避難しました。　時間が経つにつれ汚染状況が明らかとなり、私の土地も放射線管理区域を遥かに超える数値であることが分かりました。更なる被曝を避けるため、福島に戻ることを断念。東北地方にいた長男を呼び寄せたり、アパートを借りたり、家財道具を買ったり、先が見えない不安な生活の中、お金は飛ぶように出て行きました。　最も恐れていた原発事故が現実となり、私と妻は長年培ってきた生業を失い、代々続いてきたコミュニティとの繋がりも失ってしまいました。又、年老いた妻の両親の介護もできず、「私達を見捨てるのか」と泣かれてしまいました。長男は地元での就職活動を断念し、東海地方の会社に就職となってしまいました。長女は名古屋大学での単位をもって福島大学の卒業をすることをお願いしましたが、福島大学の了承が得られず、結局、福島大学を退学し、愛知県での就職を選ばざるを得ませんでした。二女も、富山高専のご配慮により転校させていただきましたが、慣れない土地での生活でノイローゼ状態になり、学校に慣れるのが精一杯で、大学編入を諦め就職という選択になってしまいました。　戻れば放射能の中、被爆しながらの生活です。 私たち家族の人生は狂わされ、浜通りの家は存続の危機に立たされています。「原発さえなければこん なことにはならなかったのに」と、怒りは今でも収まりません。ショックと怒りと悔しさで、心身ともに不調に悩まされ、今も苦しんでいます。 2020年に至って私の水田の土壌検査をしてもらったところ、１kgあたり１万4000ベクレルという数値が出ました。これは１平米に直すと91万ベクレルとなります。これまで20年以上かけて堆肥を入れ、土作りをしてきた農地はもとより、生活する宅地も大量の放射性物質を撒き散らされて、汚染されたままで、除染の話すらありません。　事故後、浜通りの同年代の私の従兄弟が５人亡くなりました。うち３人が肺癌です。 放射線は微量であっても遺伝子異常を起こします。閾値などありません。こんな汚染状況では、有機農業どころか住める筈もありません。　事故前、国や東電は、原発は絶対に安全だと豪語していました。そんなに安全なら東京に作ればいいのに福島県の過疎地域に作りました。事故が起きたら、避難と賠償はその地域30ｋｍで区切り、40kmの私の所は、ひどく汚染されても避難の権利も賠償も一方的に決められ、切り捨てられようとしています。　安全安心な農産物を求めている保育園の給食の為に、主に有機栽培の米や野菜を提供し、有機農業を通して社会貢献していることに、ささやかな幸せを感じ暮らしてきた人間が、突然強制被曝させられ、故郷を離れ、逃げ惑い、家族ともども人生を狂わされなければならない理由がどこにあるのでしょうか。　避難に疲れ果て、「私はお墓に避難します」と自殺した一人暮らしのおばあさんがいました。失望の余り、ビニールハウスの中で首を吊って自殺した農家の男性がいました。事故さえ、いや原発さえなければ自らの命を絶たずにすんだ人達です。他にもどれだけの人達が苦しんでいるのでしょう。　日本国憲法は生存権、幸福を追求する権利を保障しています。放射能汚染により、基本的人権を踏み躙られ、先祖から受け継いだ土地を汚され、生業を奪われ、コミュニティを失い、家族の夢を奪われました。私達には当然納得のいく賠償を受ける権利があり、国や東電にはその義務があります。私の山も含め、多くの山が汚染されたたままです。山の汚染は水を汚染し、農地や川や海を汚染し続け、そこから取れる食べ物は人を汚染し続けます。　この事故で安全神話は崩壊し、原発は事故を起こすことが証明されました。自然の力を軽視し、安全対策を怠り、たかだか電気事業のために、福島に３つの原子爆弾を落としたようなものです。完全な除染などできるはずもなく、放射能の影響は長期に及びます。その罪はとても深く、責任は途轍もなく重いものなのに、誰一人として刑事責任を問われていません。　これまでのような判決では原子力ムラが栄え、国が滅んでしまいます。どうかこの裁判で、国と東電の原発事故の責任を認め、我々の被った全ての損害に対し、十分な賠償を命じていただけるよう、心よりお願いいたします。​​====男性（第４回／21年７月６日）、ここまで====​====原告番号１７－２、第５回口頭弁論（2021年10月５日）、ここから====　​私は福島県南相馬市から避難してきました。原発からは20㎞圏内に自宅がありました。私の住んでいた南相馬市小高区は人口13000人ほどの小さな町でした。小さい町だからこそ、近所の人達とは親しく付き合いをしていました。　親の、更に、その上の代からの顔の分かる繋がりでした。毎年、お盆前になると、亡き義父母にお世話になっ たから、と言って、家で栽培している花をお墓に供えて、と届けに来てくれる近所の方もいました。近所の人達とは、日常的に深い、温かな付き合いがありました。我が家の近くで畑を作っている方は、野菜を我が家の玄関先に度々置いてくれていました。事故前の春には、バケツ一杯の小梅を届けてくれたこともありました。有難く頂き、大量に仕込みましたが、事故に遭って、食べることも出来ませんでした。夫の叔母は、夫が男爵芋が好きだから、と言って、芋畑の一部を夫の為に植え付けてくれていました。叔母の家族全員が嫌いなトマトも、我が家の為だけに育ててくれ、届けてくれたりもしました。ウドを栽培している親戚は私たちがそれを好きなのを知ってからは叔母経由で毎年分けてくれたりもしました。我が家で犬を飼っていた頃、散歩コースだった近所の家の方は、私が犬の散歩コースを変えて 3・4 日会わなくなったとき、とても心配してくれていたようです。私達も顔が見えないと、お互い、病気になったかと心配しあっていました。そういった、他愛も無い、しかし私にとってかけがえのない日常を、原発の事故が奪っていきました。　　2011年3月11日の夜は自宅のすぐ南側にある旧小高工業高校の体育館で近所の人と一緒に眠れない夜を過ごしました。夫は仕事で家にはいませんでした。皆さんとの会話の中で「原発が危ない」という話が聞こえてきました。私は「原発は安全」という刷り込みをされていたのでしょうか・・・？　何ら知識のなかった私は何が危険なのかも思い浮かびませんでした。 　翌日、勤務を終えて帰宅した夫が私を探しに来てくれ、共に自宅に帰りましたが、TVやサイドボードが倒れ、冷蔵庫の扉が開いたままだったり、家中の物という物が散乱し、どこから手を付けようか途方に暮れていました。その時、原町区の友人から固定電話に連絡があり「寝ていないなら、片付けは後にして家に来たら」と言ってくれました。好意に甘え原町区の友人宅に行き少し休ませてもらった後、翌日の夫の仕事着や着替えを取りに戻りました。その後原町方面に向かおうとしたら南からの車の列が凄まじく、普断ならほんの２～3分で進む距離を 15分以上掛かり、ガソリンも心もとないというので、その日は諦め自宅に戻り炬燵に足を突っ込み休みました。　次の日の朝早く、市の広報車が避難を呼びかけ走って行きましたが、何故避難するのかなどは言っていませんでした。隣の人が出て来たので話をしましたが、 原発が危ない為の避難ではとの話でしたが、私と同じように危機が迫り緊張している様には見えませんでした。その日から避難する3月23日まで友人宅で過ごすことになりました。　友人宅で避難させてもらっていた3月17日午後のことです。市の広報車が夜7時に小学校の体育館に集合するように触れて回りました。食べ物も全く入って来ず、病院の薬すらも届いていなかったと聞きました。体育館に行くと、市全体が避難することになったので、一緒に行く人は後ろにある申込用紙に記入するように言われました。バスは明朝早くに出発するとのことで、申し込まなかった人は自分自身で避難するように言われました。 　私は１月にアニサキスのアレルギーによりアナフィラキシーショックを起こし救急車で病院に搬送されました。腰と膝にも支障がありましたので、体育館などの避難所での生活はできません。思ったように寝起きも出来ず、魚介の出汁の入ったカップラーメン・おにぎり・味噌汁なども無理でした。避難所に移っての生活を送ることはできない、と途方に暮れているときに、名古屋に住む長男から連絡があり、名古屋に来るようにと勧められました。私達は、どこにも行くあてがなかった為、名古屋に来ることになりました。　名古屋での生活は、それまでの生活とは全く異なるものでしたが、いつか帰れる、と思い、我慢してきました。　名古屋に着いて早々のことを一つだけお話しさせて下さい。　名古屋に来てすぐ、眼が痛くなり眼科に行きました。当時は被災地からの証明があれば医療費はかからないとテレビ等で言われたので避難者であることを伝え受付をすませると、他の方達のいる待合室ではなく薄暗い倉庫のような所に連れて行かれ、丸椅子をあてがわれそこで順番を待つように言われました。その眼科院にはもう一度行きましたが同じ扱いでした。福島から来た、ということで、放射能が感染するとでも思ったのでしょうか。汚い者のように扱われ、本当に惨めでなりませんでした。私が何か悪いことをしたのでしょうか？　私はその時思いました。福島から避難して来たという事実を話すべきではないということを。　2017年、私の町は全ての規制が解除されました。夫と二人で自宅に足を運びました。　我が家は事故当時のままで、壊れた屋根瓦を伝った雨水は畳にまで達し、ぶかぶかになっていました。ネズミや他の生き物が入り込み住んでいたらしく、糞の塊の山が出来ていました。まだ土台は確りしていましたので、修繕すれば住めたかも知れませんが、放射能の事が気になり、とても住めないと思いました。取り壊すことに決めました。子ども達のお宮参り、七五三などの品など、思い出の大事なものも残っていましたが、家の中は散乱している中で、持って来ることができたのは、子どもが小さいときの写真何枚か、だけでした。私たち家族が平和に安心して暮らし続けて来た家は、いとも簡単に壊されてしまいました。　私は事故前の生活がしたいです。犬と散歩した土手でワラビを採りたいです。軒先には干し柿を吊るしたいです。凍み大根を作りたいです。叔母の家の米が食べたいのです。夫は秋刀魚が安くなった時は一夜干しを作っていました。 あの頃の日々はそれが普通の生活でした。私は、人が住まなくなった小高の町であっても、戻りたいと思います。しかし、私の体は老いるばかりです。近くにはスーパーもありません。信頼できる病院も薬局もないのです。そんな中で生活して行くのは無理だと分かっています。　この10年で原発爆発のもたらした沢山の問題が明らかにされたとはとても思えません。復興が進んでいるかのような宣伝がされていますが、実態は、土地の汚染も改善されているとは思えませんし、私達が奪われた土地も、生活も、元には戻っていません。私にとってかけがえのない、他愛も無い日常は、私の全てでした。私の日常を返して欲しい。これが、私の唯一の願いです。これが出来ないのなら、せめて、この裁判で、事故を起こした国の責任と、東京電力の無責任さを明らかにしたいです。これが裁判官の皆さんにお願いしたいことです。​​​​====原告１７－２（第５回／21年10月５日）、ここまで ====​​​​​​​​​====S さん（第６回口頭弁論／2021年12月22日）、ここから====​　　私の住んでいた福島県北周辺は、片方を山に囲まれ、反対側を阿武隈川が流れる島のような地区でした。その為、事故後、放射能がとどまり続け、ホットスポットがあちこちに点在した状態でした。　　当時、テレビをつければ「直ちに健康に影響はありません」と繰り返されていましたが、放射線被ばくを避ける為に遠く関西まで避難していった知人からは「危ないから逃げた方が良いよ」と勧められる状態でした。　何が正しいのか、分からないまま、支所からガイガーカウンターを借りてきて測った自宅周りの数値は非常に高い線量を示していました。こんなに線量が高いなんて不安すぎる、なんとか線量を少しでも下げられないかと高圧洗浄機を借りてきて自宅の壁を高圧洗 浄しましたが、除染しても線量は下がらず、線量計を見ると高い数値のままでした。線量が高くても、測定しなければ放射能の存在すら分かりません。見えない、臭いがない放射能への恐怖がありました。　当時、小学１年生だった娘には日課がありました。毎日、学校から帰ってきたら衣服についた埃を玄関で落とし、手を確り洗ってから部屋に入れることです。それは衣服についた埃に放射性物質が付着する為、それを必ず落としてから入室するようにという日課でした。小さい子どもにそうした日課を行うのはなかなか大変でした。外で放射性物質の埃を吸い込まないように、夏もマスクをさせて学校に通わせていました。外に出るときには「土や葉っぱを触ってはダメだよ」と伝えていました。 原発事故前、子どもを連れて、よく自治体が運営する児童公園に遊びに行っていました。小さい子どもを連れて遊ぶにはよい公園で、他にも子ども連れが来て遊んでいました。　しかし、2011年３月11日以降、児童公園には人っ子一人いませんでした。我が家も、娘を公園に連れて行くことはしなくなりました。放射線被ばくが怖い為です。私達が避難した後までも、児童公園で外遊びする子どもの姿は消えたままでした。　娘は、事故後、遊ぶときは部屋の中のみだったので、 体力が余り欲求不満でした。そのため娘が遊びたいという場合や、私達が子どもを遊ばせたいという場合は、土日などにわざわざ高速道路を使い、山形市や米沢市などの公園に遠出して遊ばせるしかありませんでした。県外の公園の中は子どもで一杯で、駐車場には福島ナンバーの車が多かったです。　妻は、事故後、時々、強い胸の痛みとは歯茎の痛みを訴えていて、地元の医院を受診しましたが原因不明と言われました。しかし東海地方に避難してからはどちらの痛みもなくなりました。　福島県北では、放射性物質の付着を避ける為に、外が晴天であっても洗濯物や布団はベランダに外に干せない生活を強いられていました。放射性物質から逃れることができない。被曝の不安が常につきまとう。閉塞感を感じる生活でした。　そうした生活の中、2011年の夏に、娘を連れて東海地方の有志の皆さんで運営する保養に行きました。夏休みの間の１ヶ月間、放射能のない東海地方で子どもを過ごさせ、身体の中をデトックスする目的でした。　福島から東海地方へ移動したときのことで、今でも忘れられない娘の一言があります。それは岐阜県内のパーキングエリアで休憩をした時でした。娘が私に「この石、触っていい？」と訊いてきたのです。事故後の生活の中で、娘がどれだけ我慢して生活していたかを考えて涙が込み上げてきました。保養中は娘だけでなく、他の子ども達も駆けっこをしたり、川に入ったりと、外で思いっきり遊ぶことができました。子ども達が外で遊ぶのは当たり前の風景ですが、事故後の福島では久しく見ることのなかった風景でした。同じ日本なのにこちらは平和で、福島だけが取り残されたような感覚を覚えました。 　保養からの帰宅後、半年間、妻と毎夜「避難するかしないか？」について夫婦喧嘩のような討論を重ねました。 最終的には私が決断し、東海地方に避難しました。後に妻と子どもも東海地方に避難してきました。妻は事故から１年間、福島でずっと洗濯物や布団がベランダに干せなかったので、外に洗濯物を干せることに幸せを感じていたようです。　しかし、避難によって失ったものがありました。　当時、私は父親から「お前は福島を捨てるのか！」「親を捨てるのか！」と激しく罵られました。私は、妻と子どもの命と健康を守る為に、故郷や親、そしてコミュニティを捨てて東海地方に来ました。そうせざるを得なかったのですが、それでも、今も、自分達だけが逃げた形になっていることに非常に罪悪感を感じています。　東海地方に避難後は、癌の闘病生活を送り、福島に残った母親には月に１回だけしか会えない日々となりました。事故がなければ最期まで一緒に生活をするつもりでした。避難によって、母親と過ごす時 間と機会を極端に失ってしまいました。親孝行も満足にできずに母親が旅立っていったことに、今に至るまで、罪悪感と無念さを感じています。　妻と子どもを守るために避難を決めたのですが、 避難に伴って失ったものの大きさもあって、結局、 その後、考えの隔たりを埋めることができず、妻とは離婚となりました。　東京電力の起こした原発事故により、私は父から親子の縁を切られ、母親との最期の時間を著しく失い、その後は東海地方での避難生活の中で妻とも離婚することになり、子どもと一緒に過ごす生活を奪われてしまいました。原発事故が起きなければ、こんなことにはなっていなかったと思います。この事故によって奪われた、かけがえのない母親と過ごす時間を、そして私の家族を返して欲しいです。　事故後、2019年秋に、元々暮らしていた福島県北の自宅近辺の土壌汚染度を測定しに行きました。その結果に基づく推計によれば、2021年３月もまだ、 自宅近辺は、チェルノブイリ法に従ったならば移住権が付与される線量の高さです。故郷に帰っても、線量が高いので、慣れ親しんだ弁天山を気軽に歩き回ることもできず、阿武隈川の川べりでのんびりと時間を過ごすこともできません。放射能は目に見えませんが、福島は放射線で汚染されてしまいました。今の福島は、私が慣れ親しんで暮らしてきた福島とは違う場所です。　私は東海地方に避難後、放射能や原発について無知だった為、それらを学びました。原発を動かしたい国、そしてその周辺の人々の利権や思惑が絡んで政策が決められていること、ＩＣＲＰの基準を勝手に解釈し、事故前には年間１ｍＳＶだった公衆に対する被曝線量を、子どもについても、原子力業務従事者と同じ年間20ｍＳＶまで引き上げたことを知りました。それは「人々の生命や健康より、経済の為、電気の為、お国の為が大事。多少のリスクも止むを得ない」という国からのメッセ－ジだと受け取りました。人々の生命や財産を守るべき国が、逆にそれらを蔑ろにする姿勢に他なりません！　原発事故から10年が経過した今も、まだ年間20ｍＳＶまでの被曝は許されるという基準が継続しています。　今もまだ、私の郷里、福島県北も含めて「原子力緊急事態宣言」が続いています。　この裁判の一審での判決で東電に命じられた損害賠償は僅かなものでした。東電の社長、経営陣は誰も責任を取っていません。そして国は、国策によって原発を建造してきた当事者なのに、「監督者」という言葉を隠れみのにして本来取るべき責任を取っていません。私のように故郷やコミュニティを失った者が全国に沢山います。そして震災離婚によって本来、続く筈だった幸せを失った者が日本全国に沢山います。　裁判所におかれましては、法が本来守るべきである弱い者を守るような公平な判決、そして日本全国に避難し続けている、故郷を失った原発事故被害者に寄り添った判決をお願いしたい！と強く望みます。​​​====S さん​（第６回／21年12月22日）、ここまで====​​​​​====Iさん（第7回口頭弁論／2022年3月16日）、ここから====１． 福島第一原発で働いてきた者として　私は1992年から凡そ16年間、あの事故を起こした東京電力福島第一原発で働いてきました。私の仕事は、原発の管理区域で働く人たちに、国や東電が定めた法律や規則基準を遵守するよう指導監視することでした。　原発での作業員の場合、被曝は避けられませんが、外部被曝は勿論、放射物質を体内に取り込む内部被曝を避ける為に、様々な放射線防護策を施しています。その1つが APDと呼ばれる線量計です。放射線量は作業環境によって大きく変わる為、線量が高い現場での作業では、作業時間はその分短くされます。そして、作業内容と場所に合せて、作業前にAPDの設定値をACDというコンピューター装置で入域前に設定します。そして、作業員は、APDを身に着けて管理区域内の作業現場に入っていきます。APD は、作業の途中でも自分が今どれだけ被曝しているのかを確認でき、予め設定していた線量に近付けば警報音で現場からの退域を促します。　このように、線量を常に把握し、現場での作業を管理する、ということがなされていました。 外部被曝を避ける為に指導されてきたことがあります。「距離を取れ」「遮蔽しろ」「時間を短くせよ」との3 原則でした。この３原則は原発で働いている全ての作業員が守る様に教育を受けます。「強い放射線を発する物や場所、即ち線源からは出来る限り離れて作業しなさい」これは放射線の影響は距離の二乗に反比例するという放射線の性質からの対策です。線源から距離をとることが出来ない場合には、「線源を鉛板などで覆いそこから出る放射線を遮断して作業をしなさい」そして「放射線に晒される作業時間を可能な限り短くしなさい」とされていました。　内部被曝についても、対策が採られていました。 空気中に放射性物質が濃く漂い、呼吸することだけでもそれらが体内に入り込む内部被曝の危険性がある場所では、内部被曝を避ける為に、空気に含まれている放射性物質を吸着させるフィルターが付いた「全面マスク」と呼ばれる装備の着装が義務づけられました。マスクを装着する時は海女が水中メガネを被る時のように隙間から空気が入り込まないようにぴったり密着させます。マスクとタイベックと呼ばれる不織布の作業服の間はガムテ―プで完全に塞ぐのです。放射線の影響を完全には防ぎ切れない原発の管理区域では、外部被曝、内部被曝のどちらも避ける為に、これほどの防護策を施していたのです。 　ところが、事故の後、国は20ｍSv 安全論を言い始めました。「ICRP 勧告に準拠している」と言っていますが、 先程のような防護策を実施している原発作業員の人達の被曝限度が５年間で100mSv、年間では20mSvになります。国が解除に踏み切った20ｍSvと原発での20ｍSvとは全く違ったものです。　私達のふるさとでは、原発の作業員が被曝を避ける為に施されていた防護策が全くないままに、住民は帰宅を促され、放り出されています。　農家でなくとも、自宅の庭に咲く草花の手入れをすれば手には土が付着し、その土は放射性物質に汚染されている可能性が高いでしょう。我が家なども除染はされましたが、雨風で運ばれた枯葉や土埃が集まり除染前より高い所が出来ていました。　花粉症の方達は今の季節つらい季節です。花粉が舞うように土埃の中にも放射性物質が存在していることでしょう。自宅で掃除機を使用するだけでも埃は舞い上がります。部屋の中まで放射性物質が入り込むことになるでしょう。その結果、市民が内部被曝をしていくことは避けられません。２．「表面汚染密度」に目をつむる国の問題と土壌汚染の深刻な実態　もう一つ、見過ごせない点があります。　国は帰宅禁止の規制を解除するに当り、それまで測定して来た「表面汚染密度」という要件を無視しました。 空気中に漂っていた放射性物質は何れ下降し、地面に付着・堆積していきます。その為「表面汚染密度」を測定し、汚染した地面を特定し、除染していくことが不可欠となるのです。原発の中の作業環境測定でも抜かされることなく実施されてきました。私自身も、原発で働いているとき、「表面汚染密度」を測定してきました。 国は、帰宅禁止の規制を解除する際には空間線量が下がったことだけを理由にしましたが、放射性物質は消えた訳ではありません。表面汚染密度を無視したままで、実際の汚染の状況は分かる筈がありません。　私は、自分達の生活環境での表面汚染密度を確認する為に専門家の手を借りながら、私達に関わりのある所の土壌の汚染度を確認することを始めました。2017年・2018年のことです。そして、2019年には我々原告７軒の避難元の空間線量の測定と共に、土壌の採取を専門家にも同道して貰い、測定分析して貰いました。結果は、原告の避難元それぞれが福島市・伊達市・いわき市・白河市・南相馬市というようにばらばらに離れているにも関わらず、全ての原告の避難元は管理区域の基準値を超えていました。　あの爆発でどれだけ広くに放射性物質が拡散したのか、そして避難命令を出した範囲が、いかに狭いエリアであったかが窺い知れます。 コンパスで線引きした 20 ㎞同心円の範囲だけでは決して済ませられていないことを、今、改めて直視すべきです。​3．現実を直視し、国は国民を守る責務と義務を果たすべき 　私の従妹は、昨年11月6日に亡くなりました。 　　避難命令が出され、新潟市、福島市そして南相馬市の鹿島区を転々とした後、帰宅制限が解除された小高区の自宅に帰って行きました。母親の希望に沿っての選択でした。従妹は、母親を見送った後１年程過ぎて亡くなってしまいました。 　私達が2011年3月12日から23日まで避難させて頂いていたお宅の旦那さんは、昨年になって前立腺癌が見つかっています。ステージ４とのことです。　更には彼の同僚である他の２人も胃癌と肺癌に罹患していたようで、既に1人は亡くなっています。彼の場合、重機を所持していた為、地震で倒壊した家や、地元を離れ6年近くも放置され解体せざるを得ないお宅の解体を請け負っていたようです。作業では放射性物質に塗れた埃が舞う姿が想像できます。10年近くの時間の経過の後に現れた病気発症の事実です。　国には、国民を護る責任と義務がある筈です。少なくとも原発の危険性だけはあの事故で確認できたのですから、あの事故から後、全ての原発は停止し続けなければならなかったと思います。再稼働などはあってはなりません。　これはお願いになります。裁判官におかれては、是非ともあの事故が何をもたらしたのか、そして原発事故から10年が経った今もなお、私達のふるさとでは、放射性物質が強く濃く残存し、その結果、住民をどれだけ危険な目に合せているのか、今の現実をぜひ、その目で確認して頂きたいと思います。事実を直視することなく、正しい判断はできないのではないでしょうか。是非とも、宜しくお願い致します。 ====Iさん（第7回／22年3月16日）、ここまで========20代・女性（第10回口頭弁論／2022年12月15日）、ここから====　私は23歳で会社員をしています。​　11年前、13歳の時、東日本大震災、それによる原発事故で故郷を追われ、名古屋で避難生活を送りました。地元で就職と進学を希望していた私にとって、人生を大きく変える出来事でした。　避難先の名古屋では馴染めず、学校でいじめに遭いました。　避難生活は精神経済の両方に過酷で厳しいものであり、震災１年後にはバセドウ病が発覚し、身体的に更に辛い状況へと追い込まれました。バセドウ病の原因としては、大きく遺伝・ストレス・放射能の３つが考えられます。私の身内にはバセドウ病の罹患者はいません。その為、バセドウ病の原因としては、放射能かストレスの２つが考えられるとお医者様に言われました。甲状腺は放射能の影響をとても受け易い部位であり、放射能と断定することができなくても、放射能でないと否定することは決してできないと思います。　バセドウ病の症状には、倦怠感・イライラ・集中力の低下などがあります。中学時代、登校の時点で既に疲れ切っており、授業では座っていること自体が苦痛でした。授業が終わり、下校の時は10分程度の家への道のりを永遠に終わらない苦行のように感じていました。帰った後は疲れ切っており何もできず、夕飯までベッドで寝た切りです。集中力がなくなって、好きだった読書や美術鑑賞も以前のように楽しめなくなりました。頭に何もまともに入ってこないのです。また、イライラし、母とも頻繁に言い争っていました。福島に居た時 は好きだった勉強も手が付けられなくなり、成績が落ち自信をなくしました。成績について同級生に揶揄されたり、バセドウ病の症状で眼球飛出という症状があるのですが、腫れた目を気持ち悪いと言われる度に、どうしようもない程の憤りが私の中に溜まりました。　テレビのニュースで、放射能の影響は直ちにありませんや放射能との因果関係は証明できませんと流れる度に、どうしようもない怒りを感じました。今ここで苦しんでいる自分のことを切り捨てられているようで、声を捻り潰されているようで、涙が出ました。バセドウ病は母の必死の民間治療のおかげで鎮まりましたが、完治する病ではありません。いつでも再発しうるものです。今でも体調が悪くなったりストレスがかかる度に、バセドウ病が再発していたらどうしようという不安が過ります。　中学から高校にかけての避難生活と病気の生活は本当に地獄としか言いようがなく、二度と戻りたくないと思っています。当時の私は毎日毎日、自殺することを考えていたものの、死にませんでした。でも、それは運に恵まれたからで、何か歯車が少しでも狂っていたら、きっと私は死んでいました。それほど名古屋での避難生活は困難辛苦に満ちていました。　しかしそれでも、私は白河に戻りませんでした。原発問題が、放射能汚染が人の手や時間で収まりそうにない問題であることが分かっていたからです。更に私の「バセドウ病」の発症と、母が甲状腺機能低下症の「橋本病」になりかけていることが分かり、放射能の実害を身をもって思い知ったこともあります。　名古屋での避難生活は苦しかったですが、結果的に今、自殺もせずに生きていてバセドウ病も鎮まったので、避難して良かったとは思っています。しかし、名古屋での壮絶な日々は、思春期の陰惨な記憶は、私の性格を形成するのに大きな影響を与え過ぎました。名古屋での体験は、私の人生に一生残る傷をつけました。トラウマとして残り、自分に自信が持てなくなり、性格も悲観的になりました。社会人になった今でも、名古屋で過ごした 中学生の日々がフラッシュバックすることがあり、どうしようもない怒りや鬱屈とした気持ちに襲われます。　しかし、もし避難しなかった場合は、名古屋でいじめに遭わなくても「バセドウ病」や放射能の実害をより受けていたのかもしれないと思うと、それはそれでとても恐ろしいのです。バセドウ病も名古屋でのいじめの体験も、私には等しく同じくらいの重さと辛さがあります。どの道を選んでいたとしても、原発事故をきっかけにした私の心身の被害はとても大きなものだと思います。　本来であれば、国やインフラに携わる東電が安全な基準を設け、国民・民間人である私の安全を保証することが筋だと思います。しかし、国や東電が甘い基準を設け、放射能は直ちに影響がないという無責任な言説しかとらない以上、自身の健康を自身で守らざるを得ません。その為に無理のある避難生活やいじめにも耐え戦い続けました。避難生活は辛いものでしたが、私は結果的に親が自主避難したことに感謝しています。　放射能は風や地形など様々な要素に影響されるもので、その濃度は必ずしも距離と比例しません。国の安全基準も充分なものとは思えません。原発肯定派の人はリスクがあっても仕方がないと言いますが、それは原発の被害に遭っていないからに他なりません。原発には大きなリスクがあり、事故が起こればその結果は誰も収拾がつけられない程の大きなものとなります。目に見えない被害、特にバセドウ病など甲状腺の病気によくある疲れ易いなどの症状は、周囲からも理解されず、放射能との因果関係は認められないと切り捨てられます。　原発のような有事の際に人間の力で対処し切れないようなものは作るべきではないのです。事故の影響で失われた私の子供時代や私の心身の健康は誰にも取り戻せません。どうあっても過去は取り戻せません。それは国や東電がこれからどれほど謝罪を重ねても償い切れるものではありません。だからこそ、その失われた数々のものへのせめてもの補償を、東電と国は責任を持って行うべきだと思っています。過去が戻せない今望んでいるのは、原発により受けた大きな苦痛と失われた 数多くのものを認め、それに対して責任と補償を負って下さることです。　又、このような悲劇を二度と繰り返さない為にも、原発の廃止を望んでいます。　私は、私が未来へ向かう為に、失われた過去の時間や放射能や原発のストレスで受けた心身の被害の責任・代償として、国と東電に対し、謝罪と賠償を求めたく思います。 ====20代・女性（第10回／22年12月15日）、ここまで====春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）​

  2023.07.01

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  「だまっちゃおれん訴訟」は７月11日に結審～これまでの原告意見陳述・１～

  ​※7/15に、赤文字部分を追記　名古屋高等裁判所で継続していた「だまっちゃおれん！　原発事故人権侵害訴訟・愛知岐阜」（通称「だまっちゃおれん訴訟」／​※​）が７月11日・火曜日に結審期日を迎えます。　私は、昨年９月以降、この訴訟の口頭弁論を３度傍聴しました。※だまっちゃおれん訴訟​　フクイチ核災害によって、愛知・岐阜県に避難を余儀なくされた被災者・被害者が東電・国に対して謝罪・損害賠償を求めた「原発事故損害賠償請求訴訟愛知岐阜」（2013年６月～14年３月に３回に分けて計43世帯130人が提訴／2019年８月判決／21年２月控訴審・第一回口頭弁論）の別の控訴審。　同訴訟の​原告の一部（７世帯・23人）が、原告のそれぞれの意向を尊重する観点から、控訴に際して別の原告団を結成したもの。同訴訟原告には訴訟の社会化を望まない意向の人もおり、訴訟の争点の社会化を望む意向の原告は、一審とは異なる枠組みを求め「だまっちゃおれん訴訟」として原告団を結成した。初回口頭弁論は2021年２月１日。​（リンク）​だまっちゃおれん訴訟・原告団のサイト​　名古屋高裁の最寄り駅は名古屋市営地下鉄「丸の内」駅（桜通線・鶴舞線）の１番出口です。※7/15追記　だまっちゃおれん訴訟は、告知通りに７月11日に結審しました。　ヒューマンチェーンには約200名が参加し、傍聴券113枚を超える人数が傍聴希望の列に並んで抽選になりました。原告側から複数人が陳述し、岡本・原告団長の意見陳述で締め括りました。　判決は、11月22日・水曜11時・名古屋高裁１号法廷で言い渡されます（この部分、原告団のFBの投稿より抜粋）。​　公開資料で確認できる範囲で、「だまっちゃおれん訴訟」の原告の皆様の意見陳述を掲載します。​​​​　東電の電力を消費していた者・フクイチ核災害を止められなかった有権者の一人として、せめてもの連帯と意志表示です。拙ブログに掲載することで、核災害の被害の一端が、例え一人でも多くの人に広まればという思いです。　全体の分量が多いので、２回に分けて記事にします。「その１」が原告団長の岡本早苗さんと、その娘さんお二人。「その２」​が岡本団長と娘さん以外の原告の皆様です。　岡本団長と娘さん、その他の原告の方を分けたのは、分かり易さの観点からで、他意はありません。　実名は省き、年月日は西暦に統一しました。段落や句読点を変更したり漢字を加えたりしましたが、文章そのものは変えていません。（リンク）●​「その２」はこちら​岡本早苗さんの３つの意見陳述====​第１回口頭弁論（2021年2月1日）、ここから====　原発事故が起こる前、私は、福島県でただ平穏な暮らしを過ごしていました。福島での生活は私にとってキラキラしていて一つ一つの出会いや環境、全てが何にものにも代え難い時間となりました。​​幼稚園では、東北ならではの行事、”芋煮会”。その経験は愛知県出身の私が福島の人間になるための行事の一つだった様に思います。小学校行事では、子ども田植え体験は子どもの感性をより高め食べ物に対して感謝の心を培う私達の教育理念と重なる行事でした。福島の農業お手伝いで地元の人と触れ合い郷土料理を教えて貰ったり、福島弁の暖かさに触れ、些細な事で悩まなくていいんだと思わせてくれました。今の私という人間を作ってくれたのは、福島での出会いと時間、そして平穏な生活でした。2011年3月9日には、5人目の子どもとなる、二男を妊娠していることが分かりました。4人の子ども達と、お腹の中の子。福島にも馴染み、大変だった子育てが楽しくなってきた矢先でした。2011 年3月11日。原発事故さえ起こらなければ全ては過去にはならなかったのです。きっと今でも大好きな福島で笑って過ごせていたでしょう。一審で言い渡された判決を、受け入れることはできません。私は、自分に与えられた権利を行使し、自分の守るべきものを守っていきたいです。国の責任がないなんてどう解釈すればそのような判決が出されるのか理解できません。国は原発の安全基準を遵守するよう規制をする唯一の存在として、電力事業者を止める術があった筈です。企業が利益優先の稼働にならない為、規制をかけるのが国の重要な責任だと私は考えます。国が、国民の命と健康・財産を守る事を確りと軸足を置いていれば、一企業の利益のみを追い求めた経営を放置しなかったでしょう。国自らが確りと最大の安全規制を引いていれば原発を止めるという判断もできた筈です。一企業の経済的利益追求を優先し、国民の命と健康、安全を軽視する選択をした国の責任がなかったなどということは、到底受け入れることはできません。何より許せないのは、東京電力の財政的資源と人的資源が有限とされ、あらゆるリスクに備えてあらゆる対策を講じることは不可能であることを理由に、最大限の津波対策をとらなかったことが正当化されたことです。事故を防げたかもしれない安全策に対して、予算も、マンパワーも、最大限つけることは当然です。それを怠ったことを裁判所が容認するなんて、決してあってはいけないことだと思います。万が一にも事故は起こさないと約束の下の稼働だった筈です。私達は電気など無ければ無いで、過ごし方はそれぞれが考えます。そんな小学生でも理解できるようなことを、法を司る裁判所が容認してしまっては、この国は事業主のやりたい放題です。一度事故が起きれば人間の力ではどうにもならない事があると、今回の事故でよく分かりました。原発事故当時お腹の中にいた二男は、賠償義務の対象とされませんでした。二男は、原発事故の被害者では無いのでしょうか？　チェルノブイリ事故では胎児への被曝の影響が深刻なものとなりチェルノブイリハートと呼ばれる心臓に疾患を持って生まれてくる子どもがいました。親として当然すでに生まれている子どもの心配もしますが、お腹の中で育ちゆく命も一つの命として守りたい。この子も、原発事故による被曝の被害者だと私は思います。どうか本当に大切なものを見失わないでください。既に被曝させられた被害者を、国策民営で進めてきた原子力発電所で事故が起きれば電力会社はもとより国が責任を取り救済して行くことは当然ではないでしょうか。そして、10 年が経とうとしている今でも 原子力緊急事態宣言が解除されていないのです。原発事故は一つも終わっていない。今もなお原子力惨禍であることは国自らが緊急事態と位置付けていることから明白です。今もなお、今この時間にも汚染地域に暮らす赤ちゃんからご年配の全ての人が強制的に被曝させられているのです。勿論お腹の中で育まれている命も同時に生まれる前から被曝に晒されてしまうのです。この先病気になったり、健康に不安を抱えたりしてもこの国はなんの補償もしないのです。そんな事が許されていいのでしょうか。　　万が一にも事故は起こさない約束の下、原子力発電所の稼働があったはずです。2011年3月11日の事故までずっと安全神話をうたい続けて来た結果、福島第一原子力発電所の事故に繋がったのではないでしょうか。私は強制される被曝は人権侵害だと思います。日常を、ただ普通に過ごしたかっただけなのです。私達は、この大切な権利を手放す訳にはいきません。　名古屋高裁の裁判官の皆様にお願いです。どうか本当に大切なものを見失わないで下さい。この国に生きる全ての人の命と健康、平穏に暮らす権利が認められるよう。被曝と汚染の被害を認め、原発事故による被曝は人権侵害であり、全ての人にその権利が与えられ奪われた人生を取り戻せるよう。そして国と東京電力による原発事故の責任を認め被害に見合った賠償を命じて下さい。心から、お願い致します。​​​====21年2月1日​、ここまで​====​​====第６回口頭弁論（2021年12月22日）、ここから====　私は、福島県の伊達市から原発事故の被曝の影響から逃れるため愛知県に避難した岡本早苗と申します。「だまっちゃおれん！原発事故人権侵害訴訟・愛知岐阜」原告団（Ｂ原告団）の団長をしています。裁判官が交代となり、被害者の声を改めて知って頂きたく意見を述べます。私は愛知県で生まれ育ち、青年期に差し掛かった頃、名古屋での時間に追われる生活が精神的に合わず、名古屋を出ました。当時の夫と結婚して、2008年に福島県の大自然に魅せられて、「ここで子育てがしたい」との思いから福島県に移住しました。原発事故当時、私は福島県の伊達市で、子ども４人と、夫と、お腹の中にはこれから生まれてくる５人目の子どもがいました。移住当時、夫の職場は、企業などの研修を受け入れていました。私も、何かお役に立てることがあればと、小さな子どもをおんぶしながら、夫の仕事の手伝いをしていました。ある日、夫の職場を訪れる方から、「あなたの笑顔は人を幸せにする」と言われたことがありました。思い悩む人達に寄り添い、ここへ訪れた人が一人でも笑顔になって帰っていかれるなら、私も力を尽くしたいと思いました。地元の方々からは、名産品の製造のお手伝いをさせて貰い、土料理、また季節折々の食べ物の仕込みなどを教えて貰いした。皆さん、本当に親切にして下さいました。自然と共に生きることの喜びや大切さを感じながら日々を過ごしていました。研修に来られる方々からは、子ども達も大変可愛がって頂き、自分の生き甲斐を見つけた気持ちになりました。私はこのまま生涯、子育てをしながら、福島の地で、四季を肌で感じながら子ども達に日本の良き文化を、そして命を頂くことの大切さを一緒に学びながら、日々に感謝して生きて行くのだと、少しも疑う事なく過ごしていました。2011年３月11日の東京電力福島第一原子力発電所の事故は、そんな当たり前の日常、自然の中で子育てをするという私たちの選択も、私が漸く見つけた生き甲斐も、全てを奪っていきました。　被曝の影響から命と健康を守るために愛知県に避難して、既に10年半以上が経ちました。　私は、避難を決断した時、こんなに大きな事故が起きたのだから、原発事故で放射能がばら撒かれたのだから、きっと、間違いなく国は私達を守ってくれるだろうと心から信じていました。でも、待てど暮らせど私達を守る法律ができず、それどころか支援は打ち切られ、私達避難者は、いなかったかのように扱われ、怒りを覚えました。避難したことは正しい選択だったと思う反面、何故か後ろめたさを感じていました。福島に残してきたお友達のことを考えて眠れぬ夜もありました。私に福島の文化を教えてくれた、親族以上に近しい存在だった人達に「福島を捨てるのか！裏切り者！」と罵られる幻聴が聞こえるような気がしました。私が漸く見つけた生き甲斐すら、自責の念に変わり、人と関わることが恐くなりました。皆を守る力がない自分を責めました。原発事故は、福島でやりたいと思っていた事全てを、私達家族から奪っていきました。私達は何故、原発事故による被曝をしなければならなかったのでしょうか。被曝しても仕方がなかったのでしょうか。私は５人の子ども達に原発事故による被曝をさせたくありません。この子達の命と健康を守るのは私の義務です。今も、福島での生活を諦めた訳ではありません。名古屋から遠方に出て田園風景を見ると、福島を思い涙が流れます。私は元々、国を相手に裁判なんかしたかった訳ではありません。私達の被害に対して国も東電も真摯に向き合い責任を負い補償・賠償をしていく姿勢が微塵も見られないことに強い憤りを感じ、同じ事故を二度と起こさせない為に、子ども達との大切な時間も、生活の為に仕事をする時間も、約６年前から患っている病気も、自分の身体を犠牲にしてでも、原発事故の起きない社会を作ってこれなかった大人の一人として私は声を上げざるを得なかったのです。原発事故が起こる前、私達はどれくらい原子力の危険性について知っていたでしょうか。自分が被害者になって初めて、マイクロシーベルトという単位も、ベクレルという単位も知りました。原発の危険性も知らずに私達はどうやって自分の命を守るのでしょうか。そして、私は、そもそも原発事故による被曝を容認して生きてきた覚えはありません。被曝は、まさにこの訴訟の原告団の名前にも掲げていますが、人権侵害そのものではないでしょうか。この国で生きる上で、憲法によって私たちは守られる存在であると、私は思います。原発を設置した合理的な理由が私には見当たりません。一度事故が起これば、人も、土地も、山も、川も、海も、空も全てに被害をもたらします。こんなに危険なものをなぜ設置できたのか全く理解ができません。原子力の平和利用に踊らされ、原発を推進してきたことを全身全霊で反省しなければ、後世を生きる人達になんと言い訳が立つのでしょうか。いつ生じるか分からない健康不安を抱え、10年が経ちますが、現在生じている疾患が、原発事故の影響では無いと断定することはできません。現在、福島 県民健康調査での甲状腺検査は２年に１回です。しかし、２年に１回の検査では不十分で、自ら費用を賄い、検査を受ける被害者は決して少なくありません。　これからの人生を心穏やかにただ過ごしたかった、そんな当たり前の日常を奪っていったのが原発事故です。国主導で進められてきた原子力政策による今回の事故で、福島に暮らすというそれまで当たり前だった日常を根こそぎ奪われました。現在、国の出している避難解除の基準は年間20ミリシーベルトであり、放射線管理区域の約４倍の数値を基準としています。未来ある子ども達までもが犠牲となり、被曝を強いられることを、今の社会の一員として黙っている訳には行きません。被曝や汚染の事実に正面から向き合い、被害実態をその目で見て下さい。この国に暮らす全ての大人も子どもも原発事故の被害から守られる社会にすべきだと考えます。福島の現状を見れば、原発を再稼働するなど、あり得ません。原発事故による被害は、今も続いています。原発事故に関連して、精神が不安定となったり、体調を悪くされたりして、亡くなる方がいます。それなのに、原発事故で汚染された水を海に放出しようとしています。決して許されることではありません、もう過ちを繰り返してはいけません。​​​​​​​​​​​​私達、「だまっちゃおれん！原発事故人権侵害訴訟・愛知岐阜」原告団（Ｂ原告団）は、７世帯23名ではありますが、Ａ原告団も含めて、同種裁判をたたかう原告は１万３千人を超え、各地で多様な被害を真摯に訴えています。被害は、被害者の数だけあって多様でも、その被害者が訴える思いは同じです。　名古屋高等裁判所の裁判官の皆様、どうか被害者の流した多くの涙と苦しみ、それぞれの決断、被曝被害に確りと目を向けて下さい。司法に携わるということは、｢望ましい方向へと日本社会を一歩でも進めるよう、奮闘努力」できる立場にあるということです。その立場にある皆様に、原発事故被害者が救済される社会となるご判断を、心より切望して、私の意見陳述と致します。　お聴き下さり、有難うございました。​​​====21年12月21日​、ここまで​====​​​​​　下記は、岡本早苗さんが「原発なくそう！　九州玄海訴訟」の第40回口頭弁論（2022年10月７日／佐賀地方裁判所）で意見陳述したものです。「だまっちゃおれん訴訟」での意見陳述でないことをお断りしておきます。（リンク）​●「原発なくそう！　九州玄海訴訟」・資料​====九州玄海訴訟・第40回口頭弁論（2022年10月７日）、ここから====１ はじめに　​私は、福島第一原子力発電所事故（以下原発事故といいます。）による被曝の影響を避ける為、４人の子どもを連れて福島県伊達市（福島第一原子力発電所から約60ｋｍ）から名古屋市へ避難した岡本です。当時、妊娠がわかったばかりの３か月の胎児もお腹にいました。 現在、名古屋高裁で国と東京電力を被告として、「だまっちゃおれん！原発事故人権侵 害訴訟・愛知岐阜」の裁判をしております。原発事故の一被害者として、私達と同じ思いを誰一人としてさせたくない、二度と同じ被害者を生まない為に、原発事故の被害を知って頂きたく意見陳述をします。２ 福島原発事故前の暮らし⑴ 私は、元々、名古屋市出身で、大自然があるとは決して呼べない地域で育ちましたが、両親が、毎週のように山や川に連れていってくれたお蔭で、自然児のように育てられました。　子ども時代のように自然豊かな環境で子育てをしたいと思っていたところ、夫婦で福島を訪れる機会があり、雄大な自然や人々の温かさなどに魅かれました。そして、福島で暮らしたいとの思いが年々強くなっていきました。夫もその思いを理解し、転勤願いを出してくれました。そして、2008年３月、福島への移住が叶ったのです。当時、子どもは４歳、２歳、生後２か月でした。 ⑵ 福島での生活は、想像を遥かに超えて有意義で、名古屋での急かされていた生活とは無縁でした。自然に囲まれ、自宅で山菜を採り、隣近所の農家からは野菜を頂き、 時々出没する野ウサギやタヌキ（時には熊も！）に親しむ生活。自然と確かに共生している感覚がありました。　福島に移り住んでから２年目の冬には、三女が生まれました。子ども達も幼稚園で楽しく過ごし、笑顔で帰宅してくれたので、この選択は間違っていなかったと、私も一緒に幼稚園ライフを楽しみました。幼稚園では、保護者が委員会に所属して運営して行くというスタイルで、私は３年目は芋煮会委員になりました。園庭で竈を作り、芋煮を作って、食べるという楽しい行事。新参者の私は、早く福島の人間になりたくて張り切り、出来ることは何でも引き受けました。その結果、「これなら 来年も芋煮会委員やりたい」、「岡本さん、来年は委員長をお願いします」、「あなたは本当に名古屋の人？　福島の人でしょう？」などと、涙が出るほど嬉しい言葉をもらいました。　2010年12月頃には、翌年の卒園生の謝恩会の司会を是非やって欲しいとのことで、毎日夕飯の支度をしながら司会の練習をしていました。子ども達からは「お母さん、 福島の人みたいだね」と笑顔で言って貰えて、「この土地で楽しく子育てをしていこう！」、 そんな風に思っていました。 ⑶ 夫の仕事の手伝いも、私はやりがいを感じていました。　夫は、企業の社員研修等をする施設で働いていました。私は、その施設で、挨拶や掃除、お茶出しなどを手伝っていましたが、研修に来られる方々に笑顔になって貰えることで、自分の生き甲斐となる仕事に出会ったような気持ちになっていました。いつか、夫と同じ職場で働きながら東北の皆さんの心の拠り所になれたらと考えていました。 ３ 避難生活 ⑴2011年３月、私は５人目の子どもを妊娠しており、９日に母子手帳を貰ったばかりでした。そして11日、原発事故が起きました。 私は、原発事故に遭遇して初めて福島に原発があると知った程ですから、放射能の危険性については全く理解していませんでした。　事故直後、切迫した声で電話をかけてきた兄に言われるがまま、インターネットでチェルノ ブイリ原発事故を調べました。そこには、出生児にはチェルノブイリハートと呼ばれる心臓に疾患を持って生まれてくる子があったと記載されていました。次女がお腹の中にいた時に、心臓に穴があるかも知れないと言われた事があり、当時の恐怖が頭をよぎりました。そして、お腹の子どもに影響が出るということは、今いる子ども達の健康にも影響が出るのではないかと思いました。その日、職場から帰った夫と話し合い、子ども達の命と健康を守る為にすぐに避難するしかないとの決断に至りました。 ⑵ 夫はすぐには職場から離れられなかったので、まず私と子ども達だけが３月15日に山形の知人宅へ避難し、１週間後の22日に名古屋の妹の家に避難しました。子ども達の生活用品も玩具も持たないままの避難でした。　当時、放射能の影響で配送業者が汚染地区に入れなかったので、福島からの配送はして貰えず、夫も仕事で多 忙だったので、荷物を持ってきて貰うこともできませんでした。だからと言って、生活の目途がつかないのに、物をすぐに買い揃えることもできませんでした。甥っ子と我が子の玩具の取り合いが頻回になった時、「今度買ってあげる」と私が言うと、妹から「福島にあるのに勿体無い」と言われました。私たち避難者は我慢しながら細々と暮らさなきゃいけない、今を楽しく過ごすこともできないのかと心が苦しくなりました。　そんな思いが避難生活を送る上で毎日繰り返され、心身共に疲弊していきました。 ストレスや疲れからか、子ども達が次々と病気になり、５月には長男が川崎病になって入院しました。福島であれば子ども医療費の補助が出るので、無料で済みました。けれども、名古屋では、居住地ではないことから補助は出ず、全額負担でした。何度も病院や役所の窓口で、子どもの将来の健康の為に避難してきていることを訴えましたが、どこでも「避難指示区域外なので」と突き返されました。 悩んだ挙句住民票を名古屋へ移す事にしました。本当に苦しくて、悔しくて泣きそうになるのを我慢したのが今でも強く記憶に残っています。 ⑶ ６月上旬、精神的に壊れていた私は夫に“避難か離婚どちらかを選んで欲しい”と伝えました。夫は避難を選び、仕事を辞めて名古屋へと出てきました。夫が出てきた日、私達は行く当てもなく妹宅をあとにし、夫と合流しました。「今日泊まる所が無い」と言った私に、夫は「じゃあ、どうするの」と尋ねました。それで私は気持ちがプツンと切れました。車から飛び出し、歩き始めたところまでは覚えていますが、その夜の記憶はありません。 翌朝はホテルにいたので、おそらく夫が連れ戻したのでしょう。　翌日には、住宅支援がないかと区役所に駆け込みました。やはり、窓口では「避難指示区域外だから」とあっさりと住宅支援を断られました。それでも窓口にすがりついていたところに、ちょうど課長が通りかかり、支援対象が拡がったので私達も支援を受けられることを教えてくれました。制度が周知されていない中、あの時、 課長が通りかかってくれなかったら、今どうなっていたかわかりません。 ⑷ 支援を受けて住むことになったのは３ＤＫの公営住宅で、ここには約８か月住みました。すぐに住める住宅をということで選択の余地はなく、一番上の子どもは再び転校しなければなりませんでした。福島では広い家に住んでいたのが、この住宅では３部屋のうち２部屋が荷物で埋まり、ダイニングと４畳半の部屋で家族６人が暮らすこととなりました。手を伸ばせば他の家族に触れる距離で、心を癒すことができず、その後２～３か月の記憶はぼんやりしています。 覚えているのは、自分を責め続けたことです。幻聴もありました。４人の子育てもままならないのに、心臓に疾患を持って生まれてくるかも知れない子を育てられるのか。お腹にいる子になぜ産んだのかと言われるのではないか。もっと我慢して、もっと上手に子育てができれば、夫は仕事を辞めずに済んだではないか。生きている事すら無意味に感じられて、無気力状態で夜の町を徘徊したことも何度もありました。毎日の様に死にたいと思いましたし、いっその事、皆で死んでしまえたらとすら思いました。 ⑸ 2011年７月に近所で避難者交流会が開催され、夫に背中を押されて参加しました。そこで新生児を抱えて避難した方と出会い、涙を流しながら語り合いました。 私だけでなく、避難者それぞれ苦しい思いでここまで来ていたんだと知りました。そこから少しずつ、昼間、子どもの迎えなど無理矢理にでも外に出る様にしました。　９月16日には５番目の息子を出産しました。それまでの出産では初めてかける言葉は「生まれて来てくれて有難う」でしたが、５番目の息子を出産してかけた言葉は「ごめんね」です。貴方の命を危険に晒したことも、原発事故による被曝をさせてしまったことも、こんな社会に産んでしまったこと全てに対して、「ごめんね」と言う言葉になりました。 ⑹ ５番目の子を出産してから、少しずつ人間らしい生活を取り戻していきました。周りの避難者に目を向ける余裕が出ると、まだ真っ暗闇の中で生活をしていて、避難者交流会以外、外に出ることもできない方や、福島弁を揶揄されたり、お子さんがいじめにあったり、被災者だからお金を沢山貰っているのだろうと言われたりと、理不尽なことがあると聞きました。　自身も、ゴミ捨てで顔を合わせただけの近所の方から「原発事故で沢山お金を貰っているんでしょ」とか、新品の服を着ているだけで「義援金で買ったんでしょ」などと言われたことがあります。監視されているようで、特に最初の１年は、外食しないように、買い物をしないようにとコソコソしていました「避難者に責任はないのに、なぜ国は避難者を、被害者を救わないのか」「なぜ東電は あんなに大きな事故が起きたのに少ない賠償で良いのだろうか」そんな疑問から、段々と憤りを感じるようになり、2013年、国と東京電力を被告とした集団訴訟の原告に名を連ねました。私はそれまで訴訟などした事はありません。ましてや集団訴訟や国賠訴訟に自分が関わるなど想像もしていませんでした。けれども、国や東電の原発事故への不誠実な対応を正す為に、私は、提訴をするしかなかったのです。４ 被曝を避ける権利について　私は、2016年に乳癌を発症しました。名古屋地裁での原発裁判を通じて、私は、被曝が人体にもたらす影響の学びを深めていました。だから、癌になる苦しさは理解していたつもりでしたが、自分の身に降りかかってその苦しさを現実のものとして体感しました。一部切除の上、放射線治療をすることも医師からは提案されましたが、これ以上被曝したくないことから、悩みに悩んだ末に、右乳房全摘手術を受け、抗癌剤治療を行うことを選択しました。　2020年４月、乳癌の再発が分かり、医師から改めて放射線治療を勧められました。抵抗する私に、医師は「どうしても気になるなら持ち帰って考えてみてもいいですよ」と仰いました。悔しくて病院で大泣きしましたが、放射線治療を選択することにしました。この経験を通じて、改めて、原発事故によって、被曝を避ける権利が侵害されたのだと実感しました。　私は、治療を進めるに当たり、放射線治療を行うかどうか、自分で選択しました。でも、原発事故では、被曝するかどうか持ち帰って考える事はさせて貰えません。医療の世界では放射能は厳重に管理され、被曝は制限されるのに、原発事故だと管理区域相当の汚染地域でも人が住めるとされ、そこで暮らす人は知ると知らざるとを問わず被曝を強いられます。それが嫌なら全てを捨てて避難するかしか選択肢がありません。こんな人権侵害許されていいのでしょうか。 ５ 最後に　私が奪われたのは福島で生き、阿武隈川は今日も綺麗だなとか、今年も白鳥が飛来しているなとか、タラの芽たくさんできて食べ切れないから御近所さんにとって下さいねーって言わなきゃねとか、空気を感じ、空を眺め、自然を感じていたそんな生活です。 福島で得た全てのことは私にとって血となり肉となり、感性となっています。いつかそれを、私達を優しく受け入れて下さった福島へ、東北の皆様へ恩返しをしていくことが私にとって生きるということでした。それは原発事故により突然断ち切られました。　こんな被害を受けるのは私達で終わりにして欲しいのです。佐賀地裁の裁判官の皆さんにも、原告側・被告側の代理人にも、傍聴に集まって下さった方々にも、私が経験した身を引きちぎられるような苦しい思いは誰一人にもさせたくありません。　今年６月17日に最高裁で出された判決では、“想定外”だから、事故を防げず、被害も防げずとも、国には責任はない、という判断が示されました。沢山の人が苦しい思いをし、大きな被害を受けるのに、「想定外で防げないから仕方ない」のであれば、原発は存在を許されません。　裁判官の皆さんには玄海原発の運転を差止める判断をして頂くよう心より切望いたし ます。お聴き頂き有難うございました。====22年10月７日、ここまで====岡本団長の娘さん２人の意見陳述　続いて、岡本早苗さんの２人の娘さん（長女・次女）の意見陳述です。　私が傍聴した際の様子も、「注」として記載しています。　====長女さん。第８回口頭弁論（2022年６月23日）、ここから====1. 私は（中略）この春から、 愛知県立大学情報科学部情報科学科に在籍しています。音楽が好き「音」というものを情報的な観点から学びたいという思いで進路を決めました。将来は、大学で学んでいることを生かせるような、そんな職業に就きたいと思っています。 　東日本大震災の時、私は小学１年生でした。私が覚えていること、今思うことについてお話ししたいと思います。2. 福島で過ごした幼少期は、幼稚園での夏祭りに浴衣を着たこと、お餅つきで母がボランティアでお餅をついていたこと、友達も沢山いて、楽しかった思い出が沢山あります。家は山の中にあったので、とても自然豊かで、庭と森の境界線は余り考えることなく、自然と触れ合っていました。タヌキが出たり、カマキリの赤ちゃんがガレージに大量発生したこともありました。3. 小学校までの道のりは遠く、山の上にある自宅から麓までは母に車で送って貰い、その後、分団登校で、片道１時間ほどかけて登校していました。夏には蛙。秋には柿。季節ごとに全く違った景色の通学路にわくわくしました。分団の中には、仲良しの同級生のふわりちゃんがいました。学校では、田植えを体験する授業もありました。 泥だらけになって苗を植えて、秋にはお米を収穫しました。福島ならではの授業だったのだと思います。4. 2011年３月の初め、両親から赤ちゃんができたことを告げられました。後の１番下の弟です。とても嬉しかったことを今でも覚えています。東日本大震災の前日は、私の誕生日で、家族が祝ってくれました。翌日に、生活が一変することになるとは到底想像もつきませんでした。5. 2011年３月11日14時46分、地震は、学校から帰宅した直後に起こりました。制服から私服に着替えている途中で、下着の半袖にタイツという格好でしたが、地震が起きた瞬間母に「外に出なさい！」と言われたので、そのまま外に出ました。自宅の近くの木の下で激しく揺れる地面を感じ、とても怖くて、寒かったです。揺れが収まる度に 母が上着や毛布を持ってきてくれて、私たち子どもを車に乗せました。家の前に車をとめ、車の中で会社にいた父を待っていました。車の窓から見える電柱の電線はとても揺れていて、車の荷台にパンなどの食料を母が積んでいて、どうなってしまうんだろうと不安でたまりませんでした。6. 夜になり、私たち家族は家の中に戻りました が、１階のリビングで、家族全員がかたまって寝ました。水がいつ止まるかわからないからといって、お皿にラップをまいて食器を洗うのをやめたり、お風呂にも入れなくなりました。地震の翌日には スーパーやコンビニにある食料は殆どなかったと父は言っていました。テレビで、津波の悲惨な様子をみたことも記憶に残っています。余震も続き、不安で一杯の気持ちで数日を過ごしました。その後すぐに山形に避難しましたが、友達との関係もぷつりと途切れることになりました。仲の良かったふわりちゃんに、会ってさよならをいうこともできませんでした。7. 避難先の山形では、父の知人のお宅に泊めて貰いました。父の仕事上の関係だったようで、母がとても気を遣っていたのは当時の私にもわかりました。１週間ほどを過ごし、私達は、名古屋に避難してきました。8. 名古屋では、叔母の家で暮らし始めました。転校の手続などで母は苦労したようです。そのお蔭で、私は４月から学校に通うことができました。ところが、４月下旬に弟が川崎病で入院すると、元気で明るくて優しかった母が、怒ることが増えていきました。母はその時、精神的に不安定で、叔母に何を言われても責められているように聞こえたそうです。叔母の家に住み始めてから３ヶ月ほど経ったある日、叔母の家を急遽出て行くことになりました。9. 叔母の家を出てすぐに、父が福島から駆けつけてくれました。新しく住む家を探す為、区役所でたらい回しにされたと聞いています。母と父がやっとの思いでその日の内に確保できた新居は、６人で住むにはとても狭く、１か月ほど経って漸く元の家のものが届いた頃には、１部屋半が段ボールで埋まり、リビングとダイニングのみで、10か月ほどを過ごしました。10. その頃、母は鬱病と診断されました。大人になった今だから分かることですが、母はこの時、龍樹を妊娠中で、突然の震災で、それまでの暮らしが切断され、母１人で、私たち子ども４人を連れて避難せねばならず、どんなにか心細かっただろう、精神的に追い詰められていたと思います。11. 以上が、福島での生活と東日本大震災に関する私の記憶です。地震の記憶は鮮明で、たまに、当時の記憶がまるで動画を見ているように思い出します。今でも、地震がトラウマのようになっており、小さな地震でも怖くて暫く固まってしまいます。地震どころか、日常生活の中で、振動が生じるだけでビクッとしてしまう自分がいます。揺れることが怖いのです。12. 放射能の怖さを考えるようになったのは、中高生になってからです。　甲状腺の検査を定期的に受けており、嚢胞が多めだと指摘されていて不安です。放射能の影響ではないと言い切れるでしょうか。将来、子どもを産むとなったときに影響がないのか不安です。将来結婚する相手の親に、そういう指摘をされるのではないかということも心配です。　地裁の判決では、当時、母のお腹の中にいた末の弟の慰謝料が認められなかったと聞いていますが、正直、私は全く理解できません。原発事故当時、末の弟は確かにそこにいました。末の弟も立派な被害者の１人です。13. 原発事故が起こらなければ、妹や弟も、自然の中で無邪気に駆け回っていたのだろうと思います。そんな私達の平凡で幸せな生活を、何故、奪われなければいけなかったのでしょうか。何故、母はあんなにも追い詰められなければならなかったのでしょうか。何故、私たち被害者は、原発事故によって被曝を強制されなければならないのでしょうか。何も悪いことをしていないのに、生活が突然一変してしまい、仲の良かった友達とも引き離されることとなりました。　仲の良かったふわりちゃんが、小学校を卒業する時に名古屋に会いに来てくれましたが、ふわりちゃんは原発事故後、病気にかかってしまい、闘病中でした。無邪気に遊んでいた時間はもう戻ることはありません。14. 今年の３月16日の裁判を、私は妹と一緒に傍聴しました。裁判官の方々からは、私達はどう見えているのでしょうか。大人も、子どもも共通に、一人一人の生活が一変したことで社会的・経済的・健康面でも不安を抱え、大きな悲しみ、苦しみやストレスを感じながら生きています。裁判官の皆様、どうか私たち原発事故被害者が救われる、そんな社会になることができるようなご判断をお願します。　私の陳述は以上になります。お聞き下さり、有難うございました。​====長女さん。22年６月23日、ここまで====​====次女さん。第９回口頭弁論（2022年９月13日）、ここから====　　私は、名古屋市にある私立高校２年生です。　今、エンターテイメントの道に興味があり、語学を学校とは別で学んでいます。　東日本大震災の経験とその後に思ったこと、考えたことについてお話ししたいと思います。　私は、岐阜県で生まれました。お母さんのお腹の中にいたときに不整脈があり、妊娠９か月のときにお母さんが緊急で入院し、心臓に穴が空いているかもと言われたそうですが、無事に生まれて、その後は健康です。　私たち家族が、福島に来たのは、2008年３月で、私は２歳でした。2011年３月に原発事故が起こるまでの２～５歳、私は、福島で過ごしました。　福島での思い出は、断片的ではありますが、沢山のことを覚えています。　姉と草でおままごとをしたこと、つくしを取ったり、雪達磨を作ったり。タヌキが出たこともあったし、大きなカエルもいました。　お姉ちゃんが大好きで、姉が幼稚園に入るときもついて行きたがり、未満児クラスにいれて貰いました。お姉ちゃんの友達に遊んで貰ったことや、苦手な男の子がいて、すぐにこちょこちょとくすぐってきて嫌だったこと、造形教室に通わせて貰ってお菓子の家や、絵本、スライムなどを作ったこと、神社でのかくれんぼや、毒キノコを見つけたこと、ひかりちゃんというお友達と遊んだこと。幼稚園のお祭りでは浴衣を着たこと、その時に踊った、たまごっち体操というダンスを今でも覚えています。　芋煮会で母が張り切っていたこと、学芸会では、金のガチョウという童話がテーマだったのですが、くしゃみをして鼻水が出て、先生が拭きに来たことは、後々まで家族の思い出話となっています。　先生のことも大好きでした。姉の剣道に連れて行って貰ったことや、家では押し入れから飛び降りて、一軒家だったので、誰にも気兼ねなくきょうだいではしゃいで、階段からよく転げ落ちていました。　お母さんが作る御飯が美味しくて、ところてんを作ってくれたことや、特に美味しかったのはかぼちゃのケーキで、何度も作って貰いました。フルーツは何を食べても美味しかったです。　お父さんの職場に遊びに行って、帰るときには国旗を降ろすので、それを一緒に畳むのを手伝っていました。職場の方々や研修にきた方々が優しくしてくれたことも覚えています。　近所のおじいちゃんや、家族以外の人との距離が近かったと思います。　2011年３月11日は、お姉ちゃんの卒業式の予行演習があり、早く帰宅できたので、お母さんが小学校に姉を迎えにいった後に、幼稚園に迎えに来て、一緒に帰宅しました。　地震が起こったのは着替えているときで、お姉ちゃんも私も下着の半袖にタイツという格好でしたが、お母さんが家から出るように叫び、そのままの格好で家から出ました。揺れたのが怖かったし、寒かった。揺れが収まる度に、お母さんが家から荷物を持ってきて、私達は車に乗るように言われ、毛布にくるまっていました。お母さんが車にパンを積んでいるのを見て、どこかに出かけるのだろうかと少しワクワクしたことも覚えています。　その後、家族で山形に避難したときも、私は、旅行のような気持ちで、福島に戻ると思っていました。もう、戻ることはないんだということが分かったのは名古屋に来てからのことです。　名古屋に来てから、福島の友達が無事に過ごせているかとても気がかりでした。名古屋での生活が始まると、お母さんが怒りっぽくなっていきました。　弟が入院したときには、お母さんは無気力で、助けにきたお父さんも怒りっぽくてイライラしている様子でした。　私は私で、幼いなりに、環境の変化にストレスをためていました。福島の幼稚園はキリスト教でしたが、名古屋で通った幼稚園は仏教系で、言葉も違っていたし、常識が違っていました。幼稚園での生活ルールに違いがあり、何がいけなくて、何はしていいのか分からず縮こまっていました。年長からの編入だったので、友達も作りづらかったです。　震災のことを意識するようになったのは、小学生になってからのことで、名古屋ボランティアセンターの方が開催してくれる、おちゃっこサロンで、ボランティアの方から、「大丈夫だった？」という声をかけられたことでした。私は、「被災者」であり、寄り添われる立場なんだと感じました。でも、その時は、地震の被害だと思っていて、甲状腺の検査を定期的に受けていましたが、それも地震の被害と関係があるのだろうと漠然と捉えていました。　放射能の被害について意識するようになったのは、小学５年生のときです。劇団名古屋の「同じ空の下」という朗読劇に出演しました。このドラマは、震災から３年後に、東京の高校で放送部に所属する主人公がドキュメンタリーの取材をするため、福島の仮設住宅を訪れるという話です。私は、仮設住宅に住む小学生の役を演じました。　劇が終わった後に、取材を受けました。「福島のことで覚えていることはある？」という何でもない質問だったのに、自然と、涙が溢れて止まりませんでした。本当は悲しかったんだという感覚が込み上げました。気がついていなかったけれど、本当は辛かったんだと思ったのです。　その頃、小学校で研究発表することになり、テーマとして、仮設住宅のことを調べました。原発事故の被害者であるということを意識して選んだテーマでした。風化させてはいけないと思ったのです。友達が、事故の時のことを訊いてくれたことを嬉しく思いました。　原発事故は、家族にも影響がありました。それは、東北で獲れた魚を買ってくることについての賛否だったり、原子力発電所に対する考え方の相違だったり、原発の事故による放射能の被害に関する考え方の違いが父母の間に溝を作りました。原発事故がなければ、仲の良い父母のままだったのではないか、地震があっただけではこうなっていないのではないかと思います。　原発事故の影響については、解明されていないというけれど、お姉ちゃんの友達も病気になったと知り、その直後に、お母さんも病気になり（春橋注／この辺りから原告涙ぐみ、声が小さくなる）、そういうことが立て続けにおこると、放射能の影響なのではないかと思ってしまいます。お母さんの闘病は（春橋注／この辺りで涙で陳述が止まる。）、本当に死んでしまうのではないかと思うほど、家族にとっても辛い体験でした。　放射能は良くないものだと分かっているけど、具体的には分かりません。具体的に分からないからといって、影響があると思うので不安です。　第１審の判決が出たときは、末の弟だけ請求が認められなかったと聞いて、人として認めていないのか、被害を受けている一人なのにと悲しく思いました。　高裁になってから、３月の期日、６月の期日を傍聴しました（春橋注／３月は第７回、６月は第８回の口頭弁論）。原発事故や避難者のニュースが流れる度に気になるようになりました。　私も、意見が言いたいと思いました。　子どもにも、生活があり、被害が生じています。どうか、公正な審理をお願いいたします。====次女さん。22年９月13日、ここまで====​​​​​​　春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.07.01

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• 「常陽」審査書案のパブコメへ意見を提出

  ※2023/7/26追記　　　本件パブコメの募集期間：2023年５月25日～６月23日（原子力規制委員会）　提出総数：41件（直接関係ある意見は19件）（リンク）​​結果公表・資料​／2023年７月26日​高速実験炉原子炉施設「常陽」の設置変更を許可する審査書案に関するパブコメ　原子力規制委員会では以下のパブリックコメント（意見公募手続き）を実施しました（法的な実施が義務付けられているものではなく、任意のものです）。「高速実験炉原子炉施設」とは、茨城県大洗地区に有るナトリウム冷却炉「常陽」のことです。（リンク）●１　​「国立研究開発法人日本原子力研究開発機構大洗研究所（南地区）原子炉設置変更許可申請書（高速実験炉原子炉施設の変更）に関する審査書案」に対する科学的・技術的意見の募集について​（2023年５月25日～６月23日24時）●２　​高速実験炉原子炉施設（常陽）に関する審査の概要​（2023年５月24日・原子力規制庁）●​３　高速実験炉「常陽」​●４　​大洗研究所​　原子力研究開発機構は、「常陽」を再稼働させるべく、2017年に原子力規制員会へ規制基準適合性を申請し、審査を受けてきました。　その審査が大きな区切りを迎え、５月24日に開催された第12回原子力規制員会で「（常陽の）設置変更を許可する」とする審査書案が了承されました。　今回のパブリックコメントは、その審査書案に対して任意で実施されているものです。審査書案の結論に反対の立場から意見を提出​　　私は、核技術を動力源・エネルギー源として用いることには反対です。実験炉・試験炉であっても同様です（因みに、「常陽」は最大熱出力10万kWで稼働の準備が進められています）。　増してや、「常陽」は高速炉開発の一部を担うことが確実な炉です。原子力複合体（原子力ムラ）から見れば、高速炉の技術開発に向けて実績や点数を稼ぐ絶好の機会でしょう。そのような炉の再稼働に繋がる書類が目の前を通過していくのを、指を咥えて見ている訳にはいきません。　又、「常陽」は試験炉の為、商用発電用原子炉のような「運転期間の法的制限」はありません。初臨界が1977年4月です。　更に、2007年５月以降停止しています。　そのようなプラントを動かそうとしているのです。劣化・老朽化による破損リスクも高まっているのではないかと危惧します。　以上の考え方を出発点として、私は、審査書案の結論に反対の立場から意見を提出しました（「常陽」の概要や、審査の概要を確認するのにリンク２～４のサイトを閲覧しました）。　当記事をお読みの皆様にも、是非、提出を呼びかけます。　尚、提出する際には上記リンク１をクリックし、「意見募集要領（提出先を含む）」のPDFをダウンロードした上で、画面下の「意見募集要領（提出先を含む）を確認しました」にチェックを入れて、右下の「意見入力へ」をクリックして下さい。予め、ワード等で意見の文章を書いていた方が良いかも知れません。「パブリックコメントって何？」という方は、下記リンクをご覧下さい。（リンク／吉良よし子参議院議員事務所での、2022年１月14日の総務省レクに基づく）●パブリックコメント（意見公募手続き）とは？～総務省からのレク～　​====私が提出した意見====​　　本審査書案の「適合」という結論に反対の立場から意見を提出致します。　何事も「絶対安全」は有り得ません。　事故が起こるリスクを「限りなくゼロ」に近付けることは出来ても、「ゼロ」にはできません。この点は、事業者も原子力規制委員会も認めるところであると思います。　放射性物質の大量漏洩による環境破壊や、働く人・周辺住民への無用な被曝が生じた場合、誰がどのように原状回復し、責任を取るのですか？　フクイチ核災害の教訓を踏まえれば、事故が起きた場合のリスクが大きすぎる技術やプラントの利用を許可・認可すべきではありません。　何点か、個別に述べます。●ナトリウムは爆発的に反応する性質があります。ナトリウムが漏洩して火災や爆発が起こり、人員の死傷や設備の破損が生じたらどうするのですか？　その破損が施設の安全性を大きく低下させる原因となり、連鎖的な破壊が生じるかも知れません。　ナトリウムの漏洩を絶対に防止したり、漏洩したナトリウムの量や漏洩範囲を完全にコントロールできる筈がありません。 ●「常陽」は初臨界が１９７７年４月であり、２００７年５月から停止しています。 原研機構の今後の計画通りに進展したとしても、再起動は２０２５年３月前後とのことです。稼働開始から約４８年、且つ、約１８年停止していたプラントがスペック通りに起動し、稼動するのですか？　そのようなことは誰にも保証できないでしょう。　経年劣化や放射線による脆化は防ぎようがありません。 　例えるなら「初運転から４８年、駐車場に１７年間置いていた車を動かそうとするようなもの」です。誰がそのような車に乗りますか？　危ないことを許可しないで下さい。 ●仮に「常陽」がスペック通りに稼働し、稼働率が上がったとしても、使い続けるほど、放射性廃棄物が増えます。将来的に処理・処分が必要な放射性廃棄物は、内容を問わず、１グラムでも増やすべきではありません。それこそが、「人と環境を守る」ことに繋がるのではありませんか。●高速増殖原型炉「もんじゅ」の例に明らかなように、ナトリウム冷却炉の廃止措置には、商用炉とは異なる手間・時間がかかります。ナトリウムを扱うというだけでリスク要因です。 「人と環境を守る」為にも、「常陽」は一刻も早く廃止措置に移行させ、ナトリウムの抜き取り・安定化を進めるべきです。 　以上を踏まえ、原子力規制委員会には今回の審査書案を認可しないよう望みます。　所謂「再稼働」に繋がるプロセスを前に進めるべきではありません。寧ろ「人と環境を守る確かな規制」を実現する為にも、「常陽」の廃止措置への移行を促すべきです。 　尚、本意見は私個人のものであり、他の如何なる個人・組織とも関係の無い事をお断りしておきます。 　宜しくご査収下さい。​====提出した意見、ここまで====​​​提出時の受付番号の下４桁（全18桁）：６月６日･･････0006​​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.06.06

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• 経産省が、G7共同声明の「汚染水・除去土壌」部分の日本語訳を改竄

  　この記事は、「放射線被ばくを学習する会」からのお知らせと呼び掛けに基づいて書いたものです。​経産省がG7声明の日本語訳を改竄した可能性​「放射線被ばくを学習する会」は、2023年４月15・16日に札幌で開催されたG7気候・エネルギー・環境大臣会合の共同声明の内、汚染水・除去土壌に関する日本語訳が改竄されていることを指摘し、５月12日付で、147団体の連名で経済産業大臣・外務大臣宛てに、「改竄・日本語訳」の撤回を求める申し入れ書を文書・メールで提出しました。（リンク）●​G7環境大臣会合の共同声明を都合良く改ざん！​（放射線被ばくを学習する会／4月23日）●​オンライン記者会見の資料・動画​（同会／５月15日／動画は約１時間20分）●​G7環境大臣会合共同声明・改ざんされた「日本語訳」の撤回を求め、147市民団体連名の申し入れ書を提出！​（同会／５月17日）​改竄訳の撤回を求める取り組みを継続　6/2付の、同会のメールによると、外務省からは「正文はあくまでも英語であり、『仮訳』はあくまで参考」　「（『仮訳』については）資源エネルギー庁にご照会いただきますよう、お願い致します」という、発信者名も無いメールが届いたとのことです。　同会は「改竄訳」の撤回を求め、多くの団体に、添付の申し入れ書への賛同を呼びかけています。　今後は、・国会議員の仲介で、環境省・経産省・外務省とのオンライン話し合い。・外国特派員協会でのオンライン記者会見。・ドイツ大使館への情報提供・コメント要請　　などの実現を目指すとのことです。（リンク）●​団体賛同の申し込みフォーム​　省庁の信頼性に関わる重要な指摘であり、公僕である省庁が仕事として改竄した可能性が高いものです。このような事が罷り通るようになれば、公式資料の信用性に関わります。到底、見逃せませんので、自らの取り組みでないことですが、ブログで取り上げました。　同会の指摘が、少しでも社会で共有されて欲しいと思います。​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​

  2023.06.03

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  「風評被害」ではなく、「市場構造の変化」という実害

  ​※6/2　過去記事のデータを最新のものに入れ替え、リンクを修正の上、文章を改めて再アップしました。​放射性液体廃棄物の放出は「市場構造の変化」という被害を深化・拡大させる　政府・東京電力は、フクイチ（福島第一原子力発電所）のタンク内に増え続ける「処理水」（ALPSで一度でも処理した、相対的に低濃度の放射性液体廃棄物）を、海洋へ希釈放出する準備を進めています。　私は「核災害に伴って生じている放射性液体廃棄物の、意図的な環境中への放出」には反対の立場です。　このことは拙ブログでも繰り返し言及しており、昨年９月７日に、個人として経産省へも申し入れています。（リンク）​​●​​​フクイチの汚染水等に関する、経産省への申し入れと回答​ ​（22年10月17日）●​フクイチの汚染水に関する私見～増加抑制策・タンク用地確保・性状分析～​（23年５月30日）​　当記事は、フクイチ核災害によって、福島県で「市場構造の変化」「ブランド価値の毀損」という被害が発生している現状を最新の統計に基づいてまとめ、私見を書いたものです。　下に２つのグラフを掲載します。　フクイチ核災害で、福島県の農林漁業・観光がどれだけの打撃を受けたのか、市場構造がどれだけ変化したのか、把握できると思います。核災害が一度起こると、如何に税金を投入しようが、如何に官製報道で安全をアピールしようが、このようになるのです。　尚、2020年以降の観光客入込数（グラフ２）が減少しているのは、新型コロナウィルス感染防止策に伴う行動制限の関係だと思われます。　当ブログのポンチ絵やグラフはクリックすると拡大します。無断転載・引用はご遠慮下さい。​​​　グラフはＢ5サイズ以上のタブレット・ＰＣでの閲覧を前提に作成していることをお断りしておきます。​​　見難い場合には、ワード・ペイントに張り付けてご覧下さい（Ｗｉｎｄｏｗｓの場合）。グラフ１　福島県の農林漁業・年間産出額推移（2010～21年度）グラフ２　福島県の観光客入込（いりこみ）数（2010～21年度）（出典リンク）●​​​ふくしま復興のあゆみ​​​（32版／23年3月）●​​​​​福島県観光客入込状況　令和３年分​（23年4月に一部修正）​第４回ALPS小委での説明・質疑～水俣の前例～　公害に伴う「市場構造の変化」「ブランド価値の毀損」については、水俣病の前例が有ります。水俣で獲れた魚は、未だに全国流通していません。　この件は、第４回「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」（2017年４月21日／通称「ALPS小委」）で、濱田武士・北海学園大学教授（経済学部）がプレゼンテーションで紹介しています。　議事録と関係資料にリンクを貼っておきます。​＝＝＝＝引用①（濱田教授のプレゼン／水俣に関する部分）＝＝＝＝（前略）　熊本の水俣にも調査に行きまし たが、月に１回朝市とか開催されて、狭い範囲では地魚が問題なく流通しております。危なかった海域も埋め立てされたりしていますので、既に危なくないということは、地元では知られており、魚を消費するということに対して地元の人は抵抗感はありません。　ただ、現在もカサゴとササノハベラという魚のモニタリング調査が行われておりまして、微量な水銀が確認されるということもあって、そういったニュースがたまに出ると、漁業者のほうも心痛むということもありますし、風評が発生するんじゃないかというおそれを持っておられるということでございます。 　　50年も過ぎたんですが、今でも魚への水銀の懸念が払拭したと言えないという状況でございま す。＝＝＝＝引用①、ここまで＝＝＝＝（リンク）●​濱田教授のプレゼン資料​●​水俣湾の埋め立てと環境回復の取り組み●​第４回小委員会・議事録​　この第４回委員会では、「市場構造の変化」「ブランド価値の毀損」「消費者心理の変化」について、突っ込んだ質疑・説明が行われています。　重要なので、引用・紹介します。　読み易さの為に、適宜、平仮名を漢字にし、改行しています。第４回ALPS小委での説明・質疑～影響が生じるのは不可避～　濱田教授のプレゼンテーション部分です。====引用②（濱田教授のプレゼン）====（前略）　ＡＬＰＳ処理水の希釈後に仮に海洋放出した場合の私見について、お話しさせていただきます。（中略） 　もし、ＡＬＰＳ処理水希釈後に放水するということを進めることになれば、太平洋側の全漁業者を説得する必要があろうかと思います。当然、漁業者だけではなくて卸業界、小売業界、もっと言えば国民に対しても説得が必要であろうかと思います。こういった説得がなければ、叩かれるのは恐らく漁業者になります。地下水バイパスとかサブドレンのときも、福島の漁業者が了承したことで放水が行われたということで、これに対する批判が非常に強かったということがございました。　そのことを踏まえると、やはり説得の範囲は影響する全範囲だという風に思います。　当然、そうすると説得に膨大な時間とコストがかかろうかと思います。　もし放水となれば、今、福島では穏やかに販路回復しているわけですが、こういった状況から一転して、また買い控えモードに変わっていくんじゃないかとも思います。（中略）　それは当然福島だけに及ぶものではなく、全国にそういうものが波及して賠償発生の可能性もあるんじゃないかという風に思います。　それと、流通の原理からいえば、こういった事態がもし起これば、物を買い叩く材料を与えることになります。福島産という産地銘柄は、他産地と劣後している状況が、恐らく固定化されます。（中略）　よりアウトレット化、傷物扱い的な産地扱いがされるんじゃないかという懸念がございます。　それと、海外・輸出に与えるインパクトということです。非関税障壁の材料にされるという可能性があります。（中略）　海外にも非常に敏感な、過激な消費者団体がおります。その団体の運動で、要するに例え輸出できても海外での買い控えみたいなものも考えられるわけであります。　リスクコミュニケーションで何とか買い控えは払拭できないかということでございます。　それは恐らく無理だという風に思います。魚は科学的に大丈夫だとしても、１Ｆの過酷事故と海洋汚染の事実は消えないわけで、そこから連想して危ないものは買いたくないという風に考える人が一定程度いるというのは、これは否定できないと思います。　そういった心閉ざされた人には何を言っても通じませんし、通じないからといって無視するというのは社会的コミュニケーションではないということになります。少なくともリスクコミュニケーションによる買い控えの払拭は無理であろうという風に思います。あくまで私の見方です。　最後ですけれども、漁業は獲る人だけでなく、魚を流通させ、食べる人が連なって成り立っています。食べる人たちは当然自由に物を選んで買っている訳であって、当然少しでも不安のある消費者、或いは流通業者は、リスクを低い方、できればゼロリスクだと判断できるものを選ぶ訳でございます。====引用②、ここまで====第４回小委員会での説明・質疑～商品を選ぶのは消費者～　続いて、プレゼン後の質疑応答から、２つ、ご紹介します。　先ず、「商品の購入を決定する権利は誰に有るのか」という点。====引用③（質疑応答での濱田教授の回答）====（前略）　産地表示が必要のない、例えば、総菜化したりすれば表示は必要がない一方で、スーパーの生鮮品売り場に行けば必ず産地表示が必要になります。（中略）　スーパーはセルフで買い物をする場所ですから、説明して売るところじゃございません（中略）、スーパーは消費者より先回りして物を判断して仕入れるところなので、消費者が理解しているかどうかということが担保されていなければ、当然売れないものなんというのは仕入れないわけでございます。（中略）　テクニカルな意味で、流通業界を政府がコントロールするというのは相当無理だと思います、社会主義経済でない限りですね。自由経済では、商品を選ぶ選択は消費者や流通業者にありますので、当然だと思います。====引用③、ここまで====第４回小委員会での説明・質疑～生き物としての反応～　続いて、消費者の心理面です。====引用④（質疑応答での濱田教授の回答）====（前略）　必ずしも科学的に大丈夫だと言っても、頭で理解できても科学者でもないから本当に大丈夫だと確信できるわけじゃない訳ですね。（中略）頭で理解できてもですね。　基本的に一度、高濃度に汚染されたものは、もうイメージが悪いと。そういうことだと思います。　例えば不動産で新しい部屋を決めるときに、その部屋で殺人事件があったら、科学的に大丈夫でもそこに住みたくないのと同じだと思うんですよね。　１回床に落ちた食べ物を科学的に大丈夫だといっても食べたくないというのと同じで、それは人間としてそういう反応するのは、生き物として普通だと思うんですよ、人間として。　そういう感覚でやっぱり受け入れられないということが、まずあると。（後略）====引用④、ここまで====経産省は、全てを承知して進めている筈​　私は、第４回・ALPS小委を傍聴して大いに勉強させて貰いました。濱田教授のプレゼンテーションと、その後の質疑応答は分かり易かったです。　核災害に伴う「市場構造の変化」「ブランド価値の毀損」「消費者心理の変化」は、先に引用・紹介した部分で不足なく説明されていると思います（より詳細に知りたい方は議事録の全文をお読み下さい）。　経産省の事務局や、会議に同席していた福島県の担当者から、濱田教授の説明に質問や反論は有りませんでした。濱田教授の見解や説明に異論は無いのでしょう。　政府は、それでも「環境中への放出」を打ち出したのです。経産省は、「風評被害」という言葉が実態を表しておらず、実際は「核災害による市場構造の変化」、又は「核災害による消費者の心理の変化」であることが分かっている筈です。消費者が選択の自由を行使するのが、犯罪や社会悪でもないことも同様です。　それらを分かっていながら、「風評被害」という言葉を敢えて用い、市場構造の変化を深化・固定化させかねない「環境中への放出」という方針を打ち出してきた経産省の姿勢は、発災の責任追及と合わせて、二重の意味で許せません。自らの責任でない被害　２つのグラフでも明らかなように、農林水産業の産出額は減り、浜通りを中心に観光客も減少しました。一次産業や観光業の側から見れば、自らの責任でないのに、お客さんが減り、収入が減っているのです。しかも、その「構造の変化」が固定化しているのです。　これが、核災害が生じた後の現実の被害です。まさに「市場構造の変化」であり、「ブランド価値の毀損」です。それを直視するなら、加害企業である東電や、「全体への奉仕者（=公僕）」である公務員が、その被害をより固定させたり拡大させる選択肢を採用するのは有り得ませんし、許してはなりません。「市場構造の変化」「ブランド価値の毀損」は、核災害による被害であり、観光業や農林水産業に携わっている方の責任ではないのです。自らの責任でないことの被害を受け続ける理由は有りません。　増してや、その被害を更に深化・固定化させかねない行為を、加害者が実施しようとしているのです。人の道としても、「核災害に伴って生じている放射性液体廃棄物の、意図的な環境中への放出」は有り得ません。春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​​​​​​​ ​​​

  2023.06.02

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  フクイチの汚染水に関する私見～増加抑制策・タンク用地確保・性状分析～

  　この記事は、フクイチ（東京電力・福島第一原子力発電所）で増え続けている汚染水について、私の意見をまとめたものです。　分かり易さの観点から、３つに分けて書きます。　簡略化の観点から「放射性液体廃棄物」を「汚染水」、「ALPS（多核種除去設備）で一度でも処理された放射性液体廃棄物」を「処理水」と表記します。　ポンチ絵はクリックすると拡大します。　当ブログのグラフ・表・ポンチ絵はＢ5サイズ以上のタブレット・ＰＣでご覧頂くことを前提に作成していることをお断りしておきます。無断転載・引用はご遠慮下さい。​​​​​​​　見難い場合には、ワード・ペイントに張り付けてご覧下さい（Ｗｉｎｄｏｗｓの場合）。「処理水」は海洋放出すべきではない　政府・東電は、国内外の世論に耳を傾けず、フクイチ核災害を招いた責任を有しているにも関わらず、その核災害で生じている放射性液体廃棄物を環境中に希釈放出すべく、準備を進めています。　政府・東電が如何に説明しようとも、二次処理と希釈の組み合わせで放射性核種の濃度を大幅に下げたとしても、「処理水」が核災害由来の放射性液体廃棄物であることは変わりません。　私は、「核災害由来の放射性廃棄物を、意図的且つ大量に環境中へ放出するのは『核のモラルハザード（倫理欠如）』」と考えているので、「汚染水は地上保管を継続すべき」という立場です。　その他の理由も含めて、私が放出に反対する理由は、「経産省への申し入れ」に凝縮しています（22年９月７日に、個人として経産省へ申し入れました）。申し入れ全文と経産省の回答は、下記記事にまとめています。（拙ブログの過去記事）●​フクイチの汚染水等に関する、経産省への申し入れと回答​（22年10月17日）１．現状で取り得るタンク用地確保策　上記、経産省への申し入れで改めて確認できたことは、「経産省（≒政府）は、フクイチの敷地を拡げる手法は採用したくない」ということです。　約350万平米の現状の敷地にこだわり、周辺で（除染廃棄物の）中間貯蔵施設として用いている土地の転用を全く考慮しないことに、そもそも無理があるのですが、こうしている間にも汚染水の貯留量は増え続け、タンク容量の物理的限界は近付いていますから、「現状で取り得る方法」を考えなくてはいけません。　公開資料を基に、私なりに「海洋放出せず、溶接タンクの設置用地を確保する方策」をまとめました。今すぐに取り組めることは、以下の①②でしょう。①フランジタンク撤去後のタンクエリアの再活用　―C・E・H9・H9西エリアを活用すれば、少なくとも7.4万ｔ容量を確保可能　―H9・H9西エリアは、２号デブリの試験的取り出し用設備の保管場所として利用予定だが、試験的取り出しを無期延期し、H9・H9西エリアはタンク用地として利活用。　―「7.4万t容量」は、撤去されたフランジタンクの容量を単純に合計したもの。溶接タンクを設置する際にタンクの配置を工夫することで、設置容量の拡大を図れる可能性もある。②フクイチの敷地を拡張して「乾式キャスク仮保管設備」を移転し、空いた用地に溶接タンクを設置　―乾式キャスクは核燃料集合体を空冷で保管するもの。注水機能や電源も不要で、基本的にはキャスクを「置いておく」だけで済む（核防護上、物理的障壁や周辺監視機能は必要）。　―将来的にフクイチの核燃料集合体を別場所で保管・処分することになれば、キャスクごと移動させられるので、設置場所の撤去・解除も容易。　①②の考え方をポンチ絵にしたのが、以下の「まとめ」です。　まとめ　①②を実施した上で、フクイチの敷地拡張を検討し、長期的に更なるタンク用地の確保を図るべきでしょう。　私が、ブログでこのような「代替案」を書いたところで、東電・経産省には何の影響も与えないのでしょうが、「この国の主権者として、東電・経産省の言うことを鵜呑みにしてませんよ」という意思表示はしておきたいです。２．汚染水の増加抑制策―「建屋止水を優先」には同意「フクイチの汚染水問題」を考える際に、「タンク容量確保」と共に欠かせないのが、「今後の、汚染水増加抑制策」です。　これについては、2022年12月21日に経産省の「第26回・汚染水処理対策委員会」で東電が方向性を説明しています（オンライン開催）。（リンク／動画と資料一覧）●​汚染水処理対策委員会（第26回）　この会議では、（１～４号の）建屋止水を優先することが決定され、抜本的な止水対策は中長期的な課題である旨が整理されました。合わせて「広域遮水壁＋集水井の新設」は、「（止水策として）採用しない」ことが説明されました（会議の「資料２」の83頁～）。　広域遮水壁は「福島第一原発地質・地下水問題団体研究グループ（以下、原発団研）」の代表である柴崎直明教授（福島大学）が提言していたものです。（リンク）●​福島大学　共生システム理工学類柴崎研究室​　東電の試算によると、「広域遮水壁＋集水井の新設」を実施した場合、地下水の汲み上げ量が日量・約1400ｔに上るとのこと。　地下水を日量・約1400ｔも汲み上げると、それらを排水する為の設備（ポンプや配管など）も必要でしょう。保守・メンテナンスの手間もかかりますし、地震等で送水管が破損したら、復旧させるのにリソースも必要でしょう。　遮水壁の構造物を埋設したり、集水井を幾つも掘ることで、掘削土も発生するでしょう。それらは敷地外に持ち出せない固体廃棄物として、敷地内に保管しなければいけませんから、建屋への地下水の流入量が減ったとしても、「液体廃棄物の発生量が抑制できた代わりに固体廃棄物が増えた」という結果になるのではないでしょうか？　しかも、広域遮水壁を直ぐに着工したとしても、完成は「数年後」です。　現在、建屋への雨水・地下水の流入量は日量70ｔ程度にまで抑制されています（2022年度の計算値）。（参考リンク）●​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​建屋周辺の地下水位、汚染水発生の状況​​​​（23年４月27日）​「日量70ｔ」とは、雨水と地下水の合計です。広域遮水壁で地下水の流入の大半を止められたとしても、雨水には効果を発揮し得ませんから、建屋への流入量をゼロにはできません。　数年を費やしての工事で、大量の掘削土（敷地外に持ち出せない固体廃棄物）を発生させ、日量・約1400ｔもの汲み上げ水を扱う送水管や排水設備の保守・メンテナンスにリソースを投入し続けることに合理性があるとは思えません。　汚染水増加抑制策は「一発逆転狙い」ではなく、「急がば回れ」で進めるべきだと思います。建屋地下階への流入経路・流入量を確認し、一箇所ずつ塞いでいくのが確実でしょう。「建屋止水」については、５・６号建屋で建屋の隙間にモルタル等を充填する試験施工を準備中で、23年５月に５号建屋で施工開始予定です。（参考リンク）●​​​汚染水対策工程表​（23年４月27日）　大がかりな工事は、投入するリソースや発生する廃棄物も多くなります。投入する人員が増えれば、被曝人数も増えます。　東電・経産省を擁護するのではありませんが、１～４号建屋の止水策として「建屋止水を優先」とした東電の判断と、それを承認した経産省の対応は、私は合理的と思います。３．タンク内貯留水は、徹底した「二次処理」「性状分析」を「タンク容量確保策」と「汚染水増加抑制策」についての私の考えは、上記までの通りですが、もう一つ指摘しておきたいのが、「タンク貯留水の性状分析が極めて不十分」であることです。　所謂「処理水」の内、二次処理を実施したのは2000ｔに過ぎません。全ての「処理水」で同様の結果が得られるかどうかは不明ですし、「処理水」全量を二次処理した場合の二次廃棄物の発生量も不明です。　更に、タンク内貯留水の生物的・化学的汚染（微生物や細菌の繁殖、有毒ガスの発生、など）についても、僅か７基のタンクでしか調べられていません（リンク）●​ALPS処理水タンクにおける化学物質の分析について​（2018年12月28日）　廃棄物の安全性（又は「危険性」）を議論するなら、可能な限りの最大限の浄化処理（この場合はALPSによる二次処理）を実施した上で、含有核種と核種毎の濃度を計測し、生物的・化学的性状を調べるのが大前提でしょう。　それらが行われず、調べられていないのですから、フクイチの「処理水」は、「実態が不明な放射性液体廃棄物」です。安全性（又は「危険性」）が議論できる前提条件が全く満たされていません。　政府・東電は「（トリチウムに関して）有意な影響は確認されていない」を繰り返し、報道機関や市民運動の大半も、トリチウムを含む放射性核種の事ばかり取り上げています。　個別の核種を取り上げる前に、「処理水の実態が不明」であることが指摘されなくてはなりません。　例えるなら、ゴミの中身を確認しないまま、処理・処分方法を議論しているようなものです。　日常生活に置き換えてみれば簡単に分かる話だと思います。　可燃物か、不燃物か、プラゴミか、古紙回収か、どれに出すべきか分からないまま議論することが有り得るでしょうか？　タンク貯留の「ALPS処理水」については、漏洩リスクや働く人の被曝防護の観点から、全量（今後、新たに発生する分も含めて）、徹底的に二次処理を行い、可能な限り、放射性核種の濃度を下げるべきでしょう。　その上で、生物・化学的汚染について徹底的に調べるべきです。「処理水」の処分方法の検討は、それらのデータが全て揃ったところで、開始されるべきものです。　現在、政府・東電は、「海洋放出」に向けて突っ走り、それに対抗する市民運動は「モルタル固化」「コンクリート製造」などのアイディアを提示しています。　海洋放出しないからと言って、「中身が分からない廃棄物」をモルタル固化したり、コンクリート製造の材料に用いて良いのでしょうか？　　私には、政府・東電にしろ、市民運動にしろ、「当たり前の順序で考えていない」ように見えます。どうして、何らかの「解決策」（=処分）を焦って追い求めるのでしょうか？　　先ずは「実態の解明」です。　扱っている廃棄物（この場合は「汚染水」）の量が多く、しかも、新たに発生し続けているのですから、実態解明に時間がかかるのは止むを得ません。実態を把握しないまま、焦って「何らかの解決らしきもの」を実行して、悪い影響が生じたら、後に、より多くのリソースを投入する必要に迫られ、「余計な事をしなければ良かった」と振り返ることになるでしょう。　以上、「タンク用地確保策」「汚染水増加抑制策」「徹底した二次処理と性状分析」をまとめました。春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.30

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• 福島市と伊達市を回りました・34—福島県庁周辺で空間線量を計測

  ​「その33」​からの続​きです。　阿武隈急行で高子駅から福島駅に戻ると、時間が比較的早かった（14時くらいでした）ので、福島県庁と紅葉山公園の空間線量を計測に行きました。　この頃には、スマホのバッテリーが最低限まで減少していたので、計測結果は撮影ではなくメモにしました。申し訳ないのですが、今回の記事のみ、文字だけの記載です。（リンク）●​紅葉山公園（地図含む）​●​板倉神社​福島駅東口から福島県庁へ　福島駅東口から駅前通りを東へ向かい、そのまま真っすぐ、県庁通りとの交差点までレンガ通りを歩いていきました。　途中で計測した空間線量です。▸駅前通りの歩道に飾られていたヤマザクラの植木鉢の中。毎時0.18μ㏜（年間1.6ｍ㏜）▸常陽銀行福島支店の向かい側「福島市まちなか広場」の植え込みの中。検出限界値未満。▸レンガ通りの歩道にある「古関裕而メロディーボックス 懐メロボックス」傍の「古関裕而生誕の記念碑」の上。毎時0.11μ㏜（年間1ｍ㏜）▸同じ記念碑の下の路面。毎時0.18μ㏜（年間1.6ｍ㏜）▸レンガ通り歩道の「福島縣里程元標（ふくしまけんりていげんぴょう）」の台座。検出限界値未満。▸同・根本の路面。毎時0.08μ㏜（年間0.7ｍ㏜）（リンク）●​福島市道路元標・福島縣里程元標​▸福島警察署前交差点の大町地下横断歩道の側溝。検出限界値未満。　県庁通りに出ると右折し、南の県庁方向へ向かいました。福島警察署前の交差点は地下歩道を歩きました。（リンク）●​大町地下横断歩道整備事業​​▸福島警察署前の県庁通り歩道の植え込みの中。毎時0.4μ㏜（年間3.5ｍ㏜）▸県庁通りの横断歩道。チューリップが植えられている中央分離帯の花壇の中。毎時0.48μ㏜（年間4.2ｍ㏜）　県庁の周囲を計測してから、紅葉山公園に向かいました。県庁前の駐車場には、警備の方が周囲を見回しながら立っていました。▸県庁前公園前のバス停「福島一小（いちしょう）前」の路面。毎時0.25μ㏜（年間2.2ｍ㏜）▸県庁前公園の「明治天皇行幸碑」前の植え込みの地表面。毎時0.21μ㏜（年間1.8ｍ㏜）▸同・ビオトープの川上側の芝生の地表面。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）▸同・川下側の池の傍の地表面。毎時0.09μ㏜（年間1.9ｍ㏜）▸同・ビオトープの案内板の下の地表面。毎時0.1μ㏜（年間0.9ｍ㏜）▸県庁前公園と県庁前歩道を繋ぐ地下通路の側溝。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）▸県庁前のバス停「県庁前」の路面。毎時0.1μ㏜（年間0.9ｍ㏜）▸福島県庁駐車場前の「福島城と奥州街道」看板下の地表面。毎時0.16μ㏜（年間1.4ｍ㏜）▸福島城址の石碑前の芝生上。毎時0.16μ㏜（年間1.4ｍ㏜）▸福島県庁の自転車置き場の地表面。​毎時0.13μ㏜（年間1.1ｍ㏜）紅葉山公園と板倉神社の空間線量​▸紅葉山公園案内板の下の地表面。毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）▸紅葉山公園のコンクリート製のベンチの上。毎時0.16μ㏜（年間1.4ｍ㏜）▸同・県庁側の桜の周りのベンチの上。毎時0.12μ㏜（年間1.1ｍ㏜）▸同・ブランコの下の地表面。毎時0.27μ㏜（年間2.4ｍ㏜）▸同・散策路の川沿い側の地表面。毎時0.26μ㏜（年間2.3ｍ㏜）▸同・散策路の県庁側の地表面。毎時0.07μ㏜（年間0.6ｍ㏜）▸同・散策路のベンチ前の地表面。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）▸同・散策路のこぶしの木（背が高く、花が綺麗でした）の根元の地表面。毎時0.15μ㏜（年間1.3ｍ㏜）▸同・涸れ沢の地表面。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）▸同・石の鳥居の下の地表面。毎時0.15μ㏜（年間1.3ｍ㏜）▸同・杉妻（すぎのめ）稲荷神社の正面の地表面。 毎時0.26μ㏜（年間2.3ｍ㏜）　紅葉山公園の散策路を一周するように歩いてから、阿武隈川沿いの土手に上がり、河川敷や板倉神社の境内の空間線量を計測しました。▸阿武隈川の河川敷の地表面。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）▸板倉神社の階段の手摺の下。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）▸同・鳥居の真下の地表面。毎時0.37μ㏜（年間3.2ｍ㏜）▸同・左の狛犬の台座の上。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）▸同・「復興記念碑」の裏側の地表面。毎時0.2μ㏜（年間1.8ｍ㏜）▸同・印塚裏の芝生の地表面。毎時0.22μ㏜（年間1.9ｍ㏜）「目標」としていた所を全て計測し、ホテルへ戻る　伊達市から福島駅へ戻ったのが意外と早かったのが幸いし、福島県庁と紅葉山公園周辺の空間線量も計測できました。　紅葉山公園は、線量が高くなければ、河川敷にも下りられる、こじんまりとした良い公園だと思います。こぶしの木は花が満開で綺麗でした。写真に撮れなかったのが残念です。　福島県庁周辺の空間線量を計測できたので、予め「目標」としていた場所は全て調べられました。　暑いくらいの西日の中を再び福島駅へ向かい、地下道で西口へ抜け、ホテルへ戻りました。約10時間の外出で、結構疲れていました。​　ホテルへ戻っても、自分にとっての「ノルマ」はまだ終わっていません。この日（４月４日）は、フクイチ１号原子炉下部の調査結果に関する東電の記者会見が予定されていたので、ホテルの部屋でノートＰＣで視聴しました。１時間50分を要しました。４月５日は、朝一番の新幹線で東京へ戻って傍聴　ホテルに滞在しているとは言え、くつろぐ時間は殆ど取れませんでした。　翌日（４月５日）に開催される第1回原子力規制委員会の傍聴登録を済ませていたのですが、通常は10時半開始のところが、９時半開始へと前倒しされていたので、翌日のチェックアウトの時間を早めなければなりませんでした。　記者会見を視聴し、食事と入浴を済ませると、復路の準備をして、すぐに就寝しました。歩き回っていたので、自分でも意識しないまま疲れていたようです。直ぐに寝られました。​　４月５日は朝一番の新幹線で東京へ戻りました。新幹線は満席でした（私が購入した指定席が、どうやら最後の１枚だったようです。ギリギリでした）。　東京駅から地下鉄で六本木一丁目駅へ向かい、原子力規制委員会に間に合うように六本木ファーストビルへ到着できました。　この日の議題は６つでした。（リンク）●​第１回原子力規制委員会​　議題が多かったのと議論が長引いた関係で委員会は約２時間半に及び、終わったのが12時頃でした。　六本木一丁目駅から川崎市内の自宅へ向かい、13時過ぎに帰宅しました。４月２日の夜勤で出勤し、３日の夜勤明けで福島駅へ向かったので、約65時間ぶりの帰宅でした。​濃密な２泊３日​　福島市・伊達市を周った際に履いていた靴・着ていた長袖は、帰宅して直ぐにゴミとして処分しました。放射性のダストが付着しているでしょうから、それらを普段の生活に持ち込み込むことはできません。「放射線管理区域」に相当する地域を歩いていた可能性も有ります（放射線管理区域に持ち込んだ物は、持ち出し禁止です）。　帰宅後に、この日の原子力規制委員長記者会見を視聴して（普段は30分前後ですが、この日は約１時間を要しました）、漸く「やるべきこと」が全て終わりました。　月刊「政経東北」の編集部への訪問から始まり、原子力規制委員会の傍聴で終わった、濃密な２泊３日でした。　これまでも、ブログ・SNS等で繰り返し表明していることですが、改めて、以下を実感しました。●放射線量は調べないと分からない●放射線量は一様ではない。●少なくとも、今回周った所では、空間線量・年間１ミリシーベルトに収まる所より、超える所が多い。●空間線量だけではなく、生活空間の土壌の線量も国の責任で調べるべき。●年間追加被曝線量が１ミリシーベルトを超える場合には、「避難の権利」を認めるのが、国として最低限、やるべき事であろう。　ということです。　改めて幾つかお断りしておきます。　私は「事実を自ら確認する」為に行きました。「福島は危険」とか「福島を応援する」という結論ありきでの行動ではありません。そのような議論がコメント欄に書かれた場合には、即時、削除いたします。　又、拙ブログの意見や感想に関わる部分は全て私個人のものであり、他の如何なる組織・個人とも関係はありません。　被曝の事に限らず、「自分の身体に関することを、外部からの強制やインセンティブ（誘因）に影響されずに決定するのは、個人の尊厳の基本」というのは、私のものの考え方の大前提です。　記事の文章を含め、拙ブログの写真・グラフ・ポンチ絵の無断転載・引用はご遠慮下さい。　最後になりますが、私の予定に合わせて下さった「政経東北」編集部の皆様、信夫山での計測に同行して下さった編集部員のK氏、全34回の「連載」を読んで下さった皆様に感謝致します。​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.30

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  福島市と伊達市を回りました・33—高子駅上りホームの空間線量

  ​「その32」​からの続きです。　　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。　４月４日の「伊達市編」の最後の記事です。　高子沼から高子駅へ戻った後は、福島行きの列車が来るまでの空き時間を利用して、上り線ホームの空間線量を計測しました。　この頃（13時半頃）になると、線量計はともかく、スマホのバッテリーが10%台に低下していました。半ば覚悟していましたが、カメラ機能を使いっ放しだと、バッテリーの消耗が普段より早いですね。（リンク）●​阿武隈急行公式サイト​●​阿武隈急行路線図​（観光ＭＡＰ兼用／PDF）↓　地上から見上げた高子駅。高架駅で見晴らしが良かったです。↓　待合室の様子。ホームで唯一屋根のある所。↓　柵の上。毎時0.33μ㏜（年間2.9ｍ㏜）↓　線路側に振り返っても、ほぼ変わらず。毎時0.32μ㏜（年間2.8ｍ㏜）。向こう側は下り線ホーム。↓　ホームの端で。写真奥が福島駅方向。毎時0.27μ㏜（年間2.4ｍ㏜）↓　ホームの端。写真の奥が宮城県側。毎時0.25μ㏜（年間2.2ｍ㏜）↓　車両への乗降口。検出限界値未満。↓　接近してくる上り列車。この列車で福島駅へ向かいました。↓　おまけ。待合室に貼られていた、福島県立伊達高等学校開校の案内ポスター。伊達市内唯一の県立高等学校とのこと。「その34」へ続きます。（リンク）●​​その34・福島県庁周辺で空間線量を計測​​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.25

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  福島市と伊達市を回りました・32—高子沼の概ね北・東側の空間線量

  ​「その31」​からの続きです。　　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。（リンク）●​阿武隈急行公式サイト​●​阿武隈急行路線図​（観光ＭＡＰ兼用／PDF）●​高子沼　高子沼北西側の小さな池を通り過ぎて、線量を計測しながら、沼の北側を東へ向かいました。地表面・ベンチ上の空間線量は最高で毎時0.21μ㏜（年間1.8ｍ㏜）。地表から約1mでは最高で毎時0.17μ㏜（年間1.5ｍ㏜）でした。　高子沼を一周して、東側の「さくら橋」で線量を計測しました。下の３枚です。最高で毎時0.39μ㏜（年間3.4ｍ㏜）でした↓　高子沼の東側の園路・案内柱の上の線量です。最高で毎時0.39μ㏜（年間3.4ｍ㏜）でした。　東側の広場から、北側の斜面を上っていきました。↓　沼を見下ろす道で。地表から高さ約１mで毎時0.18μ㏜（年間1.6ｍ㏜）。↓　案内柱の上。毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）↓　左側に高子沼を見ながら。地表から高さ約1mで毎時0.25μ㏜（年間2.2ｍ㏜）↓　然程離れていない地点で地表面の空間線量を比較しました。最高で毎時0.26μ㏜（年間2.3ｍ㏜）でした。↓「お供え」の手前で。毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）　　高子沼の周辺という、限定された範囲で計測しても、検出限界値の時もあれば、毎時0.4μ㏜の時も有りました。「放射線量は計測しないと分からないもの」という、当たり前の結論を改めて実感・認識しました。　高子沼の一周が済むと、阿武隈鉄道・高子駅へ向かいました。「その33」へ続きます。（リンク）●​その33・高子駅のホーム上の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.25

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  福島市と伊達市を回りました・31—高子沼の概ね南側の空間線量

  ​「その30」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。　阿武隈急行で大原駅から３つ目の高子（たかこ）駅で降りて、高子沼へ徒歩で向かいました。10分程度で高子沼公園の敷地に着きました。地図だと遠くに見えたので、意外と近かったです。（リンク）●​阿武隈急行公式サイト​●​阿武隈急行路線図​（観光ＭＡＰ兼用／PDF）●​高子沼​​　高子沼を一周しながら、空間線量を計測しました。　写真の量が多いので、便宜的に、「概ね南側」と「概ね北・東側」に分けて掲載します。　高子沼の周囲では釣りをなさっている方達が多かったですね。魚の線量を知りたいところでした。↓　斜面を登ると、高子沼に出る。地表面で毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　案内板。毎時0.33μ㏜（年間2.9ｍ㏜）↓　高子沼全景。南東角から見ている。左側が北岸。↓　高子沼の周回を始めた場所の地表面の空間線量。毎時0.24μ㏜（年間2.1ｍ㏜）↓　場所を変えると空間線量もガラリと変わり得ます。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　高子沼の南側をゆっくり歩いて適宜線量を測りながら、小さな橋に向かいます。地表面で高い所では毎時0.18μ㏜（年間1.6ｍ㏜）、地表面から高さ約1mで毎時0.17μ㏜（年間1.5ｍ㏜）。↓　橋のたもと。毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）↓　毎時0.37μ㏜（年間3.2ｍ㏜）↓　橋を渡った所。毎時0.43μ㏜（年間3.8ｍ㏜）↓　橋の周辺は何故か線量が高かったです。毎時0.4μ㏜（年間3.5ｍ㏜）↓　四阿のベンチ。検出限界値未満。↓　四阿の周辺の地表面。最高で毎時0.18μ㏜（年間1.6ｍ㏜）「その32」へ続きます。（リンク）●​その32・高子沼の概ね北・東側の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​

  2023.05.25

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  福島市と伊達市を回りました・30—阿武隈急行・大原駅内外の空間線量

  ​「その29」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。　保原総合公園を周った後は、福島行きの列車が来るまでの時間を利用して、阿武隈急行・大原駅とその周辺の空間線量を調べました。（リンク）●​阿武隈急行公式サイト​●​阿武隈急行路線図​（観光ＭＡＰ兼用／PDF）↓　駅前広場の様子。駅のホーム側から撮影。↓　駅前の地表面から約1mの高さ。検出限界値未満。奥が阿武隈急行・大原駅。無人駅です。↓　花壇の土の上。毎時0.07μ㏜（年間0.6ｍ㏜）↓　別の花壇の土の上は検出限界値未満↓　見難いですが、駅のホームの柵の下。毎時0.21μ㏜（年間1.8ｍ㏜）↓　駅のホームのベンチの上。毎時0.24μ㏜（年間2.1ｍ㏜）↓　ホームの手摺の上。毎時0.26μ㏜（年間2.3ｍ㏜）↓　ホーム上の空間線量。車両への乗降位置で、毎時0.25μ㏜（年間2.2ｍ㏜）↓　ホームの端の空間線量。写真奥が宮城県方面。毎時0.3μ㏜（年間2.6ｍ㏜）↓　ホーム端の空間線量。写真奥が福島駅方面。毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）　この後は福島駅行きに乗り、３つ先の「高子駅」へ向かいました。「その31」へ続きます。（リンク）●​その31・高子沼の概ね南側の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.25

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  福島市と伊達市を回りました・29—保原総合公園・ちびっこ広場の空間線量

  ​「その28」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。　福島県伊達市の保原総合公園での放射線量（空間線量）の計測結果の続きです。「ちびっこ広場」の結果のみ、別記事にしました。　写り込まないように配慮したので、人が少ないように見えますが、この日（4/4）は汗ばむくらいの天候で、春休みということもあり、特に家族連れが多く、広場では、子ども達が大勢遊び回っていました。↓　叢の上。毎時0.21μ㏜（年間1.8ｍ㏜）↓　毎時0.13μ㏜（年間1.1ｍ㏜）↓　地表面から高さ約1m。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　遊具の上。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　毎時0.21μ㏜（年間1.8ｍ㏜）↓　毎時0.26μ㏜（年間2.3ｍ㏜）↓　遊具から高さ約１m。毎時0.27μ㏜（年間2.4ｍ㏜）↓　毎時0.26μ㏜（年間2.3ｍ㏜）↓　道標の上。毎時0.2μ㏜（年間1.8ｍ㏜）「ちびっこ広場」の線量を測った後は、阿武隈急行・大原駅へ向かいました。　伊達市保原歴史文化資料館が火曜休館なのは事前に調べて分かっていましたが、見学できなかったのは残念でした。↓　右の白い手摺が国道の跨線橋。正面が保原総合公園。「その30」へ続きます。（リンク）●​その30―阿武隈急行・大原駅内外の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.25

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  福島市と伊達市を回りました・28—保原総合公園内の空間線量

  ​「その27」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。　伊達市役所を北側から反時計回りに回った後、阿武隈急行の線路を渡って、保原（ほばら）総合公園に向かいました。（リンク）●​保原総合公園（福島県伊達市）●​伊達市保原歴史文化資料館​↓　国道150号線の跨線橋から見た保原総合公園。道路表面から高さ約1mで毎時0.24μ㏜（年間2.1ｍ㏜）↓　公園近くの歩道の手摺の下。毎時0.18μ㏜（年間1.6ｍ㏜）↓　公園近くの叢。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　案内板の前の空間線量。毎時0.11μ㏜（年間1ｍ㏜）↓　石畳の上と園内の道標の傍。毎時0.1μ㏜（年間0.9ｍ㏜）↓　ベンチの上。毎時0.1μ㏜（年間0.9ｍ㏜）↓　テニスコート近くの別のベンチの上で毎時0.37μ㏜（年間3.2ｍ㏜）↓　池の近く。毎時0.25μ㏜（年間2.2ｍ㏜）↓　池の近くの植え込みの中。毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）↓　池のすぐ近くの高さ約１mの空間線量。毎時0.31μ㏜（年間2.7ｍ㏜）↓　旧亀岡家住宅を臨む。見難いですが毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　旧亀岡家住宅手前のじゃぶじゃぶ池近くの地表面。毎時0.15μ㏜（年間1.3ｍ㏜）↓　旧亀岡家住宅の正面で計測すると、毎時0.37μ㏜（年間3.2ｍ㏜）↓　旧亀岡家住宅の地表面。毎時0.4μ㏜（年間3.5ｍ㏜）↓　旧亀岡家住宅には伊達市保原歴史文化資料館が併設。残念ながら、4/4は火曜日で休館日でした。地表面も高さ約１mも、空間線量は毎時0.36μ㏜（年間3.2ｍ㏜）↓　案内板の上は毎時0.36μ㏜（年間3.2ｍ㏜）↓　銅像の前。地表から高さ約１m。毎時0.38μ㏜（年間3.3ｍ㏜）「その29」へ続きます。（リンク）●その29―保原総合公園・ちびっこ広場の空間線量春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.25

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  福島市と伊達市を回りました・27—伊達市役所周辺の空間線量

  ​「その26」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。　阿武隈急行で「やながわ希望の森公園前」駅から福島駅方面へ４つ目の「大泉」駅で下車しました。ここから、徒歩で伊達市役所へ向かいました。（リンク）●​阿武隈急行公式サイト​●​阿武隈急行路線図​（観光ＭＡＰ兼用／PDF）●​福島県伊達市役所アクセス​（伊達市）↓　駅前広場の案内板↓　駅近くの「はねだの枝垂れ桜」の地表面。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　伊達市役所の建物が見えてきたところで、地表から高さ約１mの空間線量を計測。毎時0.25μ㏜（年間2.2ｍ㏜）↓　市役所建物の北側に当たる地点、複数個所で計測。３枚。最大毎時0.22μ㏜（年間1.9ｍ㏜）↓　市役所建物の西側を周って南側へ向かいました。毎時0.21μ㏜（年間1.8ｍ㏜）↓　建物南側の桜↓　市役所建物南側の複数個所で計測しました。４枚。毎時２μ㏜前後（年間1.8ｍ㏜前後）。↓　市役所南東側の角。駐輪場へ向かう途中で、値が高くなりました。毎時0.45μ㏜（年間3.9ｍ㏜）↓　駐輪場の柵の空間線量。車両ナンバー等の映り込みの関係で、写真の一部をカットしています。毎時0.32μ㏜（年間2.8ｍ㏜）　伊達市役所の建物を、北側から反時計回りに周りました。　周辺が最低でも毎時0.2μ㏜であったことや、敷地内で最大で毎時0.4μ㏜を超えた事には驚かされました。↓　大原駅へ向かう途中で、背の低い可愛いチューリップが植わっているのを見つけたので、そこでも地表面の線量を計測しました。毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）　この後、国道150号線の歩道伝いに阿武隈急行の線路を渡って、保原（ほばら）総合公園へ向かいました。「その28」へ続きます。（リンク）●​その28・保原総合公園の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.24

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  福島市と伊達市を回りました・26—やながわ希望の森公園前駅と周辺の空間線量

  ​「その25」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。　やながわ希望の森公園から阿武隈急行の駅に向かったのは、午前11時頃でした。　列車の時間まで余裕が有ったので、やながわ希望の森公園駅の内外で空間線量を計測しました。（リンク）●​阿武隈急行公式サイト​●​阿武隈急行路線図​（観光ＭＡＰ兼用／PDF）↓　駅前の空間線量。毎時0.6μ㏜（年間0.5ｍ㏜）↓　駅前の郵便ポストの上。毎時0.11μ㏜（年間1ｍ㏜）↓　駅近くの公衆便所の洗面台の上。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　ホームと改札階を結ぶ階段の手摺の上。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）。写真の奥が宮城県側。↓　阿武隈急行・やながわ希望の森公園前駅のホーム。写真の奥が宮城県側。↓　駅のベンチの上。毎時0.11μ㏜（年間1ｍ㏜）↓　ホーム上で。地表から高さ約１m。毎時0.08μ㏜（年間0.7ｍ㏜）↓　普段は使われていない思われる階段の下。毎時0.13μ㏜（年間1.1ｍ㏜）↓　ホームの乗降場所の近く。毎時0.08μ㏜（年間0.7ｍ㏜）↓　ホームの梁川駅側の端。毎時0.12μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　福島駅方面の列車が来たので、乗車。車内のイラストを見ていると、飽きませんでした。　やながわ希望の森公園前駅から、福島方面へ４つ目の大泉駅へ向かいました。　「その27」へ続きます。 （リンク）●​その27・伊達市役所周辺の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.24

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  福島市と伊達市を回りました・25—「ふれあいの道」を健康センターへ下る

  ​「その24」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。「お林の里」を見た後は、梁川寿健康センターへとゆっくりと「ふれあいの道」を下っていきました。公園の内外を問わず、周囲の草花は綺麗でした。（リンク）●​やながわ希望の森の公園案内​（伊達市）●​やながわ希望の森公園・散策マップ​（PDF）↓　道路上の空間線量。毎時0.1μ㏜（年間0.9ｍ㏜）↓　地表面の空間線量。毎時0.12μ㏜（年間1.1ｍ㏜）↓　計測する場所によっては検出限界値未満。２枚↓　花は何処までも綺麗でした。２枚↓　梁川寿健康センター↓　センターの看板の前。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　やながわ希望の森公園前駅へ通じる道路に下りた付近で計測しましたが、側溝の中でも、地表高さ１mでも、検出限界値未満でした。↓　梁川寿健康センター周辺の桜も見事でした。３枚　やながわ希望の森公園の散策と空間線量の計測はここまでです。公園内を３時間くらい周っていました。　健康センターから、阿武隈急行の「やながわ希望の森公園前」駅へ向かいました。　下の写真４枚は番外編的なものです。２枚は産業伝承館内の展示物です。リアルな模型で、分かり易かったです。「その26」へ続きます。 （リンク）●​その26・やながわ希望の森公園前駅と周辺の空間線量​ 春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.24

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  福島市と伊達市を回りました・24—やながわ希望の森公園「お林の里」周辺

  ​「その23」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。　やながわ希望の森公園では、最後に「ふれあいの道」でした。暑いくらいの日差しの中を「お林の里」へ向かいました。（リンク）●​やながわ希望の森の公園案内​（伊達市）●​やながわ希望の森公園・散策マップ​（PDF）↓　「お林の里」へ向かう途中で撮影。物見遊山に行ったのではないことをお断りしておきます。↓　「ふれあいの道」の側溝の脇。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　「お林の里」が見えてきました。↓　「やながわ　お林の里」の説明板と、説明板の空間線量。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　お林の里の手前。地表から高さ約１m。毎時0.36μ㏜（年間3.2ｍ㏜）↓　縁側。毎時0.11μ㏜（年間1ｍ㏜）↓　地表面の空間線量。毎時0.08μ㏜（年間0.7ｍ㏜）↓　住宅の至近では最高でも毎時0.13μ㏜（年間1.1ｍ㏜）↓　庵の説明。２枚。↓　「お林の里」を抜けた所で、地表から高さ約１mの空間線量を複数個所で計測。どちらも似たような値。「その25」へ続きます。 （リンク）●その25・​「ふれあいの道」を健康センターへ下る​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.23

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  福島市と伊達市を回りました・23—やながわ希望の森公園「かたらいの広場」周辺の空間線量

  ​「その22」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。（リンク）●​やながわ希望の森の公園案内​（伊達市）●​やながわ希望の森公園・散策マップ​（PDF）「雲を見る丘」から下ってきた後は、「かたらいの広場」周辺を暫くウロウロしていました。↓　毎時0.24μ㏜（年間2.1ｍ㏜）。奥に見えるのはスライダー。↓　スライダーの上り口と下り口。どちらも毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　桜を見ながら地表から高さ約１mを計測。毎時0.27μ㏜（年間2.4ｍ㏜）↓　地表面。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　ロープ渡り（遊具）の上。毎時0.16μ㏜（年間1.4ｍ㏜）↓　道標の上。毎時0.08μ㏜（年間0.7ｍ㏜）↓　ベンチの上。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　水飲み場。毎時0.2μ㏜（年間1.8ｍ㏜）↓　案内板の上。毎時0.25μ㏜（年間2.2ｍ㏜）↓　奥が湿性植物園の方向。路上から高さ約１m。毎時0.21μ㏜（年間1.8ｍ㏜） ↓　周囲の桜の眺め。２枚。２枚目の奥に見えている建物は「モンタナ・ロッジ」。「その24」へ続きます。（リンク）●​その24・やながわ希望の森公園「お林の里」周辺​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.23

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  福島市と伊達市を回りました・22—「雲を見る丘」から「運動広場」への空間線量

  ​「その21」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。　やながわ希望の森公園の「冒険の森」を過ぎると、「雲の見る丘」を経由して「運動の広場」へ下っていきました。（リンク）●​やながわ希望の森の公園案内​（伊達市）●​やながわ希望の森公園・散策マップ​（PDF）↓　園路からの眺めと、同地点の地表高さ約1mでの空間線量。毎時0.11μ㏜（年間1ｍ㏜）↓　ベンチの上。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　道標の上。毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）↓　「運動の広場」が見えてきた園路で。毎時0.21μ㏜（年間1.8ｍ㏜）↓　園路の地表面。毎時0.15μ㏜（年間1.3ｍ㏜）↓　桜と春の木々。↓　桜に囲まれた地表面の空間線量。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　道標の上。毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）↓　「かたらいの広場」へ通じる園路の高さ約１mの空間線量。毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）「その23」へ続きます。（リンク）●​その23・やながわ希望の森公園「かたらいの広場」周辺の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.23

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  福島市と伊達市を回りました・21—やながわ希望の森公園の「冒険の森」へ

  ​「その20」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。「お林沼」を一周した後は、登山道のような園路を「冒険の森」へ上っていきました。（リンク）●​やながわ希望の森の公園案内​（伊達市）●​やながわ希望の森公園・散策マップ​（PDF）↓　冒険の森へ通じる園路へ向かう。↓　管理棟の傍の案内板↓　青園の広場と園路の間の柵の上。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　柵の右側が湿性植物園。柵の上で毎時0.54μ㏜（年間4.7ｍ㏜）↓　道標の上と、園路の地表面の空間線量。何れも毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　登る途中で切り株の上で計測。毎時0.07μ㏜（年間0.6ｍ㏜）↓　線量は一様ではなく、検出限界値未満の所も。↓　道標の柱の上。毎時0.25μ㏜（年間2.2ｍ㏜）↓　地表面。毎時0.2μ㏜（年間1.8ｍ㏜）↓　道標の上。毎時0.07μ㏜（年間0.6ｍ㏜）↓　看板の上下とも検出限界値未満↓　「ロープ橋」（遊具）の下。毎時0.07μ㏜（年間0.6ｍ㏜）↓　「ロープ橋」付近で。地表から約１m。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　「ターザンロープ」の支柱の上。毎時0.38μ㏜（年間3.3ｍ㏜）↓　「ターザンロープ」のスタート台。毎時0.54μ㏜（年間4.7ｍ㏜）　　周囲には誰もいなかったので、ターザンロープで遊ぼうかと思ったのですが(笑)、「この遊具は６～12歳用です」という注意書きが目立つ所に掲示してあったので、止めました(笑)。壊したり、怪我したら、自らの責任ですからね。　ターザンロープを過ぎると、「雲を見る丘」を経由して、道を下っていきました。　「その22」へ続きます。 （リンク）●その22・春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.23

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  福島市と伊達市を回りました・20—やながわ希望の森公園「お林沼」を一周しての線量計測

  ​「その19」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。（リンク）●​やながわ希望の森の公園案内​（伊達市）●​やながわ希望の森公園・散策マップ​（PDF）　やながわ希望の森の公園の「お林沼」を一周しての線量計測の結果です。↓　沼を見通す柵の柱の上。場所を変えても毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　場所によっては検出限界値未満。ほぼ同一場所で計測。地表面も同様。↓　四阿を見下ろす位置で。地表から約１mの高さ。毎時0.36μ㏜（年間3.2ｍ㏜）↓　途中の道標の上。毎時0.27μ㏜（年間2.4ｍ㏜）↓　沼を背後に、SLのターンテーブルを見下ろす斜面。毎時0.16μ㏜（年間1.4ｍ㏜）↓　沼を背後に公園出入口付近の産業伝承館を見下ろす位置。地表から約1m。毎時0.12μ㏜（年間1.1ｍ㏜）↓　第一駐車場を背景に沼を臨む位置。地表から約1m。毎時0.15μ㏜（年間1.3ｍ㏜）↓　柵の下の地表面。毎時0.22μ㏜（年間1.9ｍ㏜）　お林沼を一周した後は、「青園の広場」の脇を抜けて、公園の奥へ進みました。「その21」へ続きます。 （リンク）●​その21・やながわ希望の森公園の「冒険の森」へ​ 春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.23

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  福島市と伊達市を回りました・19—やながわ希望の森公園の「管理事務所」付近と「湿性植物園」周辺の空間線量

  ​「その18」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。（リンク）●​やながわ希望の森の公園案内​（伊達市）●​やながわ希望の森公園・散策マップ​（PDF）　やながわ希望の森公園の「わんぱく広場」から、管理事務所横を通って湿性植物園へ向かいました。↓　「松前の桜」の説明板↓　上の説明板で計測した空間線量。毎時0.5μ㏜（年間4.4ｍ㏜）↓　「八景の庭石」の説明板↓　上の説明板に線量計を載せて計測。毎時0.44μ㏜（年間3.9ｍ㏜）↓　説明板の近くの地表面。毎時0.1μ㏜（年間0.9ｍ㏜）↓　道標の上。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　湿性植物園の眺め。２枚↓　橋の上。見難いですが毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　橋の近くの斜面。毎時0.12μ㏜（年間1.1ｍ㏜）↓　湿性植物園の四阿で。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　湿性植物園の奥。毎時0.24μ㏜（年間2.1ｍ㏜）↓　鹿威しの近く。ハンドルの上。毎時0.26μ㏜（年間2.3ｍ㏜）↓　公園の奥から湿性植物園を見る。地表高１mで検出限界値未満「その20」へ続きます。（リンク）●​その20・やながわ希望の森公園「お林沼」を一周しての線量計測​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.05.23

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  福島市と伊達市を回りました・18—やながわ希望の森公園「わんぱく広場」の空間線量

  ​「その17」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。（リンク）●​やながわ希望の森の公園案内​（伊達市）●​やながわ希望の森公園・散策マップ​（PDF）「桜の広場」から、園路を「わんぱく広場」に向かって下っていきました。桜の花に囲まれているような道でした。「わんぱく広場」で計測した空間線量です。↓　広場を見下ろす斜面。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　「わんぱく広場」の遊具。２枚↓　遊具の上。最高で毎時0.15μ㏜（年間1.3ｍ㏜）でした。↓　遊具の下の地表面。毎時0.15μ㏜（年間1.3ｍ㏜）↓　同じ遊具でも左右で線量が異なる。高い方で毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　「わんぱく広場」の案内柱の上。毎時0.4μ㏜（年間3.5ｍ㏜）↓　わんぱく広場から見て「ターザンロープ」側の斜面の近く。毎時0.52μ㏜（年間4.6ｍ㏜）↓　流れの近く。毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）↓　遊具から離れた流れ近くの地表約１m。見難いですが、毎時0.86μ㏜（年間7.5ｍ㏜）↓　滑り台系の遊具から離れると、総じて線量が高くなりました。毎時0.74μ㏜（年間6.5ｍ㏜）↓　滑り台系の遊具を背景にして、小屋（？）を見る位置の地表面。毎時0.63μ㏜（年間5.5ｍ㏜）↓　「わんぱく広場」の外れの水飲み場。地表面で毎時0.11μ㏜（年間1ｍ㏜）　遊具と水飲み場の周辺だけが低かったのは偶然でしょうか？　毎時0.7μ㏜や0.8μ㏜の値を見た時はビックリしました。22年６月に郡山市の荒池公園で、毎時0.9μ㏜の値を見た時と同じような驚きでした。（その際の記事へのリンク）●​郡山市内の空間線量・その３～荒池公園～​ 「わんぱく広場」から「湿性植物園」へ向かいました。「その19」へ続きます。（リンク）●​その19・「やながわ希望の森公園」管理事務所付近と湿性植物園周辺の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.23

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  福島市と伊達市を回りました・17—やながわ希望の森公園の「桜の森」へ

  ​「その16」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。「やながわ希望の森公園」（福島県伊達市）の「青園の広場」を回った後は、坂道を「桜の森」へ登っていきました。（リンク）●​やながわ希望の森の公園案内​（伊達市）●​やながわ希望の森公園・散策マップ​（PDF）↓　案内板の上。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　坂道を登っていく途中の看板の上。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　「桜の森」へ続く道。地表面で毎時0.1μ㏜（年間0.9ｍ㏜）↓　「桜の森」に着いたところ。毎時0.15μ㏜（年間1.3ｍ㏜）↓　長椅子や柱の上で空間線量を計測。最大で毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）↓　「野草・薬草園」の案内板の前。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　「野草・薬草園」の門柱の上で計測。毎時0.2μ㏜（年間1.8ｍ㏜）↓　「桜の森」と周辺の園路の眺め↓　「わんぱく広場」を見下ろす。「桜の森」から「わんぱく広場」へ下っていきました。「その18」へ続きます。（リンク）●​その18・やながわ希望の森公園「わんぱく広場」の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF） 

  2023.05.23

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  福島市と伊達市を回りました・16—やながわ希望の森公園「青園の広場」の空間線量

  ​「その15」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大します。無断転載はご遠慮下さい。「やながわ希望の森公園」（福島県伊達市）で計測した空間線量は、「青園の広場」の結果からご紹介します。（リンク）●​やながわ希望の森の公園案内​（伊達市）●​やながわ希望の森公園・散策マップ​（PDF）↓　公園入口の空間線量。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　園内に続く道。毎時0.2μ㏜（年間1.8ｍ㏜）↓　園内の道。毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）。奥は管理事務所の建物。↓　園路から見た桜。２枚↓　入口から見て園路右側。「青園の広場」の表示の上の空間線量。毎時0.16μ㏜（年間1.4ｍ㏜）↓　広場内の芝生。毎時0.2μ㏜（年間1.8ｍ㏜）↓　広場内の水場の傍。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　「青園の広場」から、奥の「お林沼」への流れ↓　水車小屋。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　噴水を見下ろすベンチの上。毎時0.24μ㏜（年間2.1ｍ㏜）↓　園路沿い。検出限界値未満↓　「お林沼」沿いの橋の近く。毎時0.24μ㏜（年間2.1ｍ㏜）↓　「お林沼」沿いの園路。１枚目は毎時0.24μ㏜（年間2.1ｍ㏜）。２枚目は検出限界値未満。計測場所によって値が異なる。「その17」へ続きます。（リンク）●​その17・やながわ希望の森公園の「桜の森」へ​ 春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.17

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  福島市と伊達市を回りました・15—やながわ希望の森公園へ

  ​「その14」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。　阿武隈急行・梁川駅から、一駅先の「やながわ希望の森公園前駅」へ向かいました。（リンク）●​阿武隈急行公式サイト​●​阿武隈急行路線図​（観光ＭＡＰ兼用／PDF）●​やながわ希望の森の公園案内​（伊達市）●​やながわ希望の森公園・散策マップ​（PDF）↓　車両内の様子　無人駅でした。跨線橋を渡って、「やながわ希望の森公園」へ向かいました。↓　跨線橋から見下ろした阿武隈急行の線路↓　跨線橋の上の空間線量。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　梁川プール近くの歩道。毎時0.12μ㏜（年間1.1ｍ㏜）↓　SL西口駅近くの歩道。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）。この日（４月４日）は平日でしたので、SLは運行していませんでした。↓　公園入口まで続く桜並木が綺麗でした。３枚。↓　桜並木の続く道路の空間線量。毎時0.24μ㏜（年間2.1ｍ㏜）↓　道標の上の空間線量。毎時0.24μ㏜（年間2.1ｍ㏜）↓　公園入口近くの砂山の上の空間線量。毎時0.21μ㏜（年間1.8ｍ㏜）。後方の線路はSL用のもの。↓　公園入口の案内板　ここから、園内へ向かいます。「その16」へ続きます。（リンク）●​その16・やながわ希望の森公園「青園の広場」​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.17

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  福島市と伊達市を回りました・14—梁川駅周辺の空間線量

  ​「その13」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。　梁川駅での乗り換えまで時間が有ったので、駅周辺の空間線量も調べました。乗り降り自由のフリー切符の利点ですね。（リンク）●​阿武隈急行公式サイト​●​阿武隈急行路線図​（観光ＭＡＰ兼用／PDF）　梁川駅近くの伊達市役所梁川総合支所（旧・梁川町役場）の周囲にも行きました。　伊達市は、2006年１月に伊達町・保原町・霊山町・月舘町・梁川町の５町が合併して誕生した自治体です。基本的に、旧町役場は支所として機能し、住民は市役所まで出かけなくても済むようにしているそうです。↓　梁川駅前の様子。２枚↓　上の写真の桜の木の根元近く。毎時0.18μ㏜（年間1.6ｍ㏜）↓　伊達市役所梁川総合支所（旧・梁川町役場）の案内板の至近。毎時0.25μ㏜（年間2.2ｍ㏜）↓　梁川総合支所の出入り口を見られる位置で。毎時0.33μ㏜（年間2.9ｍ㏜）↓　梁川総合支所近くのベンチの上。毎時0.24μ㏜（年間2.1ｍ㏜）↓　梁川駅近くの交差点の歩道。毎時0.31μ㏜（年間2.7ｍ㏜）↓　梁川駅近くのバス停のベンチの上。毎時0.1μ㏜（年間0.9ｍ㏜）↓　駅前にはこんな意見広告の看板も。何だかホッとする。裏表を撮影。　梁川駅の内外を見て空間線量を計測した後は、下り列車に乗って、一駅先の「やながわ希望の森公園」駅へ向かいました。「その15」へ続きます。（リンク）●​その15・やながわ希望の森公園へ​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.16

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  福島市と伊達市を回りました・13—梁川駅構内の空間線量

  ​「その12」​からの続きです。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。　私が乗った列車は梁川駅止まりだったので、乗り継ぎの時間を利用して、駅の内外で空間線量を計測しました。　構内の計測結果から紹介します。　　待合室のベンチの上で毎時0.5μ㏜が計測されたのには驚かされました。室内の別の場所では検出限界未満でした。調べないと分からないものですね。（リンク）●​阿武隈急行公式サイト​●​阿武隈急行路線図​（観光ＭＡＰ兼用／PDF）↓　柱の横。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　ホームの端や時刻表の近くは検出限界値未満↓　駅の待合室のベンチ。検出限界値未満↓　待合室の蕎麦屋の渡し口の近くのベンチ。毎時0.06μ㏜（年間0.5ｍ㏜）↓　待合室の図書コーナーの棚。毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）↓　待合室の中で、最も線路に近いベンチの上。毎時0.5μ㏜（年間4.4ｍ㏜）。↓　梁川駅の様子。3枚「その14」へ続きます。（リンク）●その14・​梁川駅周辺の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.16

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  福島市と伊達市を回りました・12—福島駅から阿武隈急行に乗車

  ​「その11」​からの続きです。　４月４日（火曜日）は一日かけて、伊達市を回る予定にしていました。　午前６時過ぎにホテルを出て、地下連絡通路を経由して福島駅東口へ向かいました。　阿武隈急行の窓口でフリー切符を買い求めて、梁川（やながわ）駅行きの普通列車に乗りました。（リンク）●​阿武隈急行公式サイト​●​阿武隈急行路線図​（観光ＭＡＰ兼用／PDF）写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。↓　宿泊したホテルの部屋からの眺め↓　阿武隈急行・福島駅の窓口。女性のキャラクターは「丸森たかこ」。↓　前日も利用した福島駅のホーム。向かって左側が阿武隈急行用。右側が福島交通飯坂線。都会育ちの私には、ホームを共用しているのは新鮮な光景。↓　当日使用した記念フリー切符。表と裏。１日乗り放題で900円。↓　阿武隈急行の車内↓　こんな割引の案内も↓　福島駅を出発後の車窓からの眺め↓　福島駅から二つ目の福島学院前駅で停車中に計測。車内で毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）「その13」へ続きます。（リンク）●​その13・梁川駅構内の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.16

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  福島市と伊達市を回りました・11—飯坂線で福島駅へ

  ​「その10」​からの続きです。　福島県立美術館・図書館から、福島交通飯坂線の「美術館図書館前駅」へ向かいました。ここからは、単独行動です。（リンク）●​福島交通飯坂線・公式サイト​●​沿線ＭＡＰ（路線図）​　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。　同駅は島式ホームの無人駅でした。「そねだ」方面が福島駅の方向です。↓　券売機の前。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　美術館図書館前駅のホーム。１枚目は検出限界未満。２枚目は毎時0.24μ㏜（年間2.1ｍ㏜）↓　福島駅に着いた際に撮影。殆ど撮り鉄(笑)↓　福島駅東口の様子↓　福島駅東口の花壇。検出限界値未満。　福島駅西口側のホテルを予約していたので、福島駅東口広場から、地下連絡通路を抜けて西口広場に向かいました。↓　夕暮れの福島駅西口広場↓　ホテルに向かう途中で計測。福島駅西口のイトーヨーカドー近くの歩道上。行政の計測結果と、ほぼ一致。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）　夜勤明けで１日中動いていましたが、初めての場所で気が張っていたせいか、疲れは感じませんでした。　この日は月曜日で東電の定例会見の開催日だったので、ホテルにチェックイン後は、部屋でノートＰＣをセットして、会見をノーカットで視聴しました。この日の会見に要した時間は質疑含めて36分間で、短めでした。　その12へ続きます。（リンク）●その12・​福島駅で阿武隈急行に乗車​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.16

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  福島市と伊達市を回りました・10—県立美術館・図書館の敷地内の空間線量

  ​「その９」​からの続きです。　信夫山を極楽寺の横に下りてきた後は、福島県立図書館・美術館に向かいました。　この日（４月３日）は月曜日だったので、両方とも休館日でした。（リンク）●​信夫山地図　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。↓　敷地内から撮影。背後が信夫山。向かって右が図書館。左が美術館。↓　敷地内は流れや四阿が有りました。↓　流れの近く。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　敷地内で引っ繰り返してあったベンチの傍。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　支柱の根元。毎時0.1μ㏜（年間0.9ｍ㏜）​↓　敷地内のモニタリングポスト。毎時0.095μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　モニタリングポスト近くのベンチ。毎時0.11μ㏜（年間１ｍ㏜）↓　敷地内の芝生の何ヵ所かで線量を計測。２枚↓　同じ敷地内で、距離が近くても、線量は異なります。芝生で計測した中で最も高かった値。毎時0.38μ㏜（年間3.3ｍ㏜）↓　石畳の上。毎時0.26μ㏜（年間2.3ｍ㏜）↓　図書館側に寄って計測。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　芝生の排水溝の脇。この日の最高値でした。毎時0.51μ㏜（年間4.5ｍ㏜）↓　図書館側の桜。↓　県立美術館・図書館前の掲示板の下。毎時0.1μ㏜（年間0.9ｍ㏜）「政経東北」編集部に感謝致します「政経東北」編集部員であるK氏の同行は県立美術館・図書館の正門まででした。17時近くでしたが、編集部に戻られるとのことでした。　K氏は、編集部を出てから県立美術館・図書館の敷地まで、３時間以上、同行してくれました。　羽黒神社の参道でジェラートを食べたとき以外は休憩なしであったにも関わらず、歩く速度や立ち回り先も私に合わせて下さり、計測にもご協力頂きました。　同行して下さったK氏、並びに、訪問を認めて下さった「政経東北」編集部に、この場を借りて感謝申し上げます。お世話になりました（下記の動画も、事前にK氏から知らされたものです）。（リンク／県立図書館・美術館の敷地に除染廃棄物が置かれていたことが説明）●​「震災10年福島 ～非日常を撮り続けて～」JNNドキュメンタリー　ザ･フォーカス​（約24分）　私は、美術館・図書館正門前から、飯坂線の「美術館図書館前駅」に向かいました。「その11」へ続きます。（リンク）●その11・​飯坂線で福島駅へ​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）​

  2023.05.16

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  福島市と伊達市を回りました・９—信夫山の「烏ヶ崎展望台」周辺の空間線量

  ​「その８」​からの続きです。　第一展望台周辺を見た後は、「羽山駆け道」から湯殿山神社を経由して、「烏ヶ崎展望デッキ」へ向かいました。　羽山駆け道は、思っていたより傾斜がきつかったです。　信夫山で回った３箇所の展望台の中では、烏ヶ崎展望デッキが最も眺めが良かったです。福島駅を足元に見下ろす感じでした。（リンク）●​信夫山地図　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。↓　湯殿神社↓　地表約１m。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　展望デッキ付近の行政による空間線量の計測結果↓　地表面の空間線量は、行政による計測結果とほぼ同じ。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　烏ヶ崎展望デッキの地表面の空間線量。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　烏ヶ崎展望デッキからの眺め。２枚。２枚目の中央が福島駅。「烏ヶ崎展望デッキ」からの眺めを見た後は、福島県立図書館・美術館方面への山道を下りました。　写真では載せていませんが、信夫山では最後に歩いたこの道が最も傾斜がきつく、油断すると滑落しそうなほどの傾斜でした。　私もK氏も怪我せずに下りられました。良かったです。↓　「極楽寺」の横に下山。道端の空間線量。毎時0.27μ㏜（年間2.4ｍ㏜）　この後は、舗装された道を福島県立美術館・図書館へ向かいました。「その10」へ続きます。（リンク）●その10・​県立美術館・図書館の敷地内の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.16

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  福島市と伊達市を回りました・８—信夫山の第一展望台と周辺の空間線量

  「その７」​からの続きです。（リンク）●​信夫山地図​　薬師の峯展望台の後は、第一展望台に向かいました。信夫山の特徴は、展望台が多いことですね。　第一展望台の近くに「除染廃棄物」の置き場があったので、搬出完了の案内も見られました。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。↓　「五つ石」の上の線量。見難いですが、毎時0.25μ㏜（年間2.2ｍ㏜）↓　第一展望台のベンチの上。毎時0.48μ㏜（年間4.2ｍ㏜）↓　第一展望台からの眺め。２枚。↓　第一展望台の近くで「残置物」の搬出中でした。「残置物」とは「除染廃棄物」のことです。↓　「残置物」搬出用通路の近く。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　「除染廃棄物」搬出完了の案内。表土を被せる途中のようでした。　第一展望台から、「羽山駆け道」へ向かいました。「その９」へ続きます。（リンク）●その９・​信夫山の「烏ヶ崎展望台」周辺の空間線量​ 春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.16

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  福島市と伊達市を回りました・７—信夫山の「薬師堂」と「薬師の峯展望デッキ」周辺の空間線量

  「その６」​からの続きです。「おみさか花広場」から、薬師堂を経由して、薬師の峯展望デッキへ向かいました。（リンク）●​信夫山地図​　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。↓　薬師堂への道↓　花広場から薬師堂へ向かう途中の眺望↓　毎時0.2μ㏜（年間1.8m㏜）。薬王寺の鐘は自由に撞けるとのことですが、私は撞きませんでした。↓　薬師堂の正面。検出限界値未満。↓　薬王寺↓　薬師の峯展望デッキからの眺め。２枚↓　薬師の峯展望デッキの近く。毎時0.38μ㏜（年間3.3m㏜）↓　地表から約１m。毎時0.31μ㏜（年間2.7m㏜）↓　薬師の峯展望デッキのベンチの上。毎時0.36μ㏜（年間3.2m㏜）↓　薬師の峯展望デッキ近くの、道から若干離れた所。見難いですが、毎時0.18μ㏜（年間1.6m㏜）↓　道の傍の斜面。毎時0.38μ㏜（年間3.3m㏜）「その８」へ続きます。（リンク）●その８・​信夫山の第一展望台と周辺の空間線量​ 春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.16

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  福島市と伊達市を回りました・６—信夫山の「おみさか花広場」の空間線量

  ​「その５」​からの続きです。　羽黒神社から参道を下りてきて、改めて「おみさか花広場」を見渡すと、メルヘンの世界のように綺麗でした。　ですが、何ヵ所かで線量を計測してみると、そうも言っていられない状況でした。（リンク）●​信夫山地図​　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。↓　毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）↓　毎時0.25μ㏜（年間2.2ｍ㏜）↓　毎時0.18μ㏜（年間1.6ｍ㏜）↓　背が低くて可愛いチューリップが植わっている花壇。毎時0.18μ㏜（年間1.6ｍ㏜）↓　地表約１m。毎時0.37μ㏜（年間3.2ｍ㏜）↓　毎時0.21μ㏜（年間1.8ｍ㏜）↓　花広場からの眺め。競馬場の一部が見えました。「その７」へ続きます。（リンク）●その７・​​信夫山の「薬師堂」と「薬師の峯展望デッキ」周辺の空間線量​​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.16

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  福島市と伊達市を回りました・５—信夫山の羽黒神社参道の空間線量

  「その４」​からの続きです。　羽黒神社の境内から参道を下りつつ、周辺の祠などの空間線量を計測しました。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。（リンク）●​信夫山地図↓　参道を見下ろした様子。道の奥が「おみさか花広場」の方向↓　三宝荒神。毎時0.12μ㏜（年間1.1ｍ㏜）↓　地表から約１mで毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　牛頭天王宮の近く。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　石碑の上。毎時0.12μ㏜（年間1.1ｍ㏜）↓　一周道路の道標の上。毎時0.12μ㏜（年間1.1ｍ㏜）↓　参道の登り口。毎時0.18μ㏜（年間1.6ｍ㏜）↓　古民家にも寄りました。↓　汗ばむくらいだったので、古民家でジェラートを注文。美味しかった。古民家内のテーブルの上でも線量を計測。自主規制で、ここで計測した線量は非掲載。　参道は傾斜がきつく、洗濯板のような凹凸だったので、下りるときの方が、転倒しないように気を遣いました。　参道を下りると、改めて「おみさか花広場」へ向かいました。「その６」へ続きます。（リンク）●その６・​信夫山の「おみさか花広場」の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.12

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  福島市と伊達市を回りました・４—羽黒神社境内の空間線量

  ​「その３」​からの続きです。「おみさか花広場」から、羽黒神社（羽黒山）への参道を上っていきました。　鋸の歯のような尖った岩があちらこちらに露出していて、転んだら怪我をしそうな感じでした。幸いなことに、私もK氏も転倒はしませんでした。（リンク）●​信夫山地図　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。↓　参道の鳥居↓　羽黒神社の境内手前の石段。毎時0.25μ㏜（年間2.2ｍ㏜）↓　羽黒神社の案内板の上は毎時0.17μ㏜（1.5ｍ㏜）↓　羽黒神社の裏側。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　神社の下。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　境内のトイレの洗面台。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　羽黒神社の境内にあった巨大な草鞋↓　飾ってあった草鞋の間は毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　水が溜まっていた、地面の石の上。検出限界値未満↓　手水用（？）の石造りの流し。毎時0.24μ㏜（年間2.1ｍ㏜）　羽黒神社の境内を一回りしてから、来た道を「おみさか花広場」へ下りました。↓　下る途中で参道の窪みで計測。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　参道の途中の祠と言うか、お稲荷さん（？）の前。毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）「その５」へ続きます。（リンク）●​その５・信夫山の羽黒神社参道の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.12

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  福島市と伊達市を回りました・３—七曲坂登拝路口から「おみさか花広場」までの空間線量

  ​「その２」​からの続きです。　御山地下道を過ぎて交差点を渡ると、国道13号線から左に折れ、信夫山の「七曲坂登拝路口」に向かいました。「信夫山って何？」という方は、下記リンクを御参照下さい（下記の法人と私は一切関係ありません。分かり易さという観点からの紹介です）。リンク先の地図には、随分と助けられました。（リンク）●​信夫山とは​（特定非営利活動法人ストリートふくしま）●​信夫山の経路・展望台等の地図​　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。↓　登拝路（とうはいろ）口の案内　↓　途中の御山公園へ向かう際に撮影。花が綺麗だった。↓　御山公園近くの枝垂れ桜↓　登拝路口の脇の御山公園。毎時0.24μ㏜（年間2.1m㏜）　七曲坂登拝路口から、御山公園をかすめて、「おみさか花広場」へ坂を上っていきました。↓　上る途中で道端で計測。毎時0.14μ㏜（年間1.2m㏜）↓　こちらも、花広場へ上る途中で計測。毎時0.19μ㏜（年間1.7ｍ㏜）↓　おみさか花広場近く。毎時0.27μ㏜（年間2.4ｍ㏜）↓　「おみさか花広場」の案内板の脇で、編集部員K氏の協力を得て計測。地表から約１mで、毎時0.1μ㏜（年間0.9ｍ㏜）　花広場から、参道を羽黒神社へ上っていきました。「その４」へ続きます。（リンク）●​その４・羽黒神社境内の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.12

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  福島市と伊達市を回りました・２—信夫山へ向かう途中の福島市内の空間線量

  「その１」​からの続きです。「株式会社　東邦出版」を辞去した後、月刊「政経東北」編集部員のK氏の案内で、信夫山の登山口（七曲坂登拝路口）へ徒歩で向かいました。　この日（４月３日）の信夫山での空間線量の計測には、最後までK氏が同行してくれました。自分だけで回るつもりだったのですが、編集部からの依頼で同行して下さいました。初めての道でしたし、地元のお話も聞けたので、とても有り難かったです。　信夫山の登山口まで、基本的には国道13号線の歩道を歩きました。長袖を着ていたせいか、歩いているだけで「暑い」と感じるくらいの気温でした。　写真はクリックすると拡大できます。無断転載はご遠慮下さい。↓　社屋を出て、近くの駐車場（福島市南矢野目字鼓原）で計測。毎時0.28μ㏜（年間2.5ｍ㏜）。↓　途中の「南矢野目端下公園」の看板の下は検出限界値未満。↓　ベンチの下は毎時0.14μ㏜（年間1.2ｍ㏜）↓　行政が実施した線量計測の結果。↓　松川に架かる「信夫大橋」（国道13号線）の上り線側の欄干下。検出限界値未満。↓　「三本松バス停」（国道13号線）の上り線側の腰掛上は毎時0.19μ㏜（年間1.7m㏜）↓　「御山地下歩道」の出入り口（国道13号線・上り線側）は検出限界値未満「その３」へ続きます。（リンク）●​その３・七曲坂登拝路口から「おみさか花広場」までの空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.12

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  福島市と伊達市を回りました・１―福島駅西口広場の空間線量

  今年４月３～５日に、福島県福島市と伊達市の一部を回って、空間線量を計測してきました。　拙ブログへのアップが遅くなっていましたが、計測結果を複数の記事に分けて掲載します。　線量の表記についてお断りしておきます。　私が持っている線量計はガンマ線のみ計測可能です（ベータ線とアルファ線は空間を飛んだり物を突き抜ける能力が弱く、計測には特別の機器が必要）。（線量計の情報へのリンク）●​エステーエアカウンターS　記事中の表記は断りが無い限り、「毎時」の地表面の空間線量です。単位は㏜（シーベルト）です。参考として（）で年間に換算した被曝線量を示します（例：毎時0.9μ㏜［マイクロシーベルト］の場合は、7.9ｍ㏜［ミリシーベルト］と記載［0.9μ㏜/時×24時間×365日≒7900μ㏜＝7.9ｍ㏜］）。　この値は、「着衣や靴等で遮蔽されるので、実際の被曝線量とは異なる」「年間被曝線量は計算値であり、線量に変動が無く、その場で着衣等もなく１年間過ごした場合のもの」　であることにご留意下さい。 　日本の法令では、放射線業務従事者でない場合に許容される年間追加被曝線量は最大１m㏜（ミリシーベルト）とされています。マイクロだと1000μ㏜です。単純計算で毎時に置き換えると約0.11μ㏜です（1000μ㏜÷365日÷24時間≒0.11μ㏜/時） 以下、行程順に、写真とメモを基にまとめます。　写真の無断転載はご遠慮下さい。写真はクリックすると拡大できます。​​​​夜勤明けで東北新幹線に乗車​　４月３日・月曜日に、夜勤明けで上野駅に向かい、東北新幹線に乗車しました。　これまで、郡山駅や仙台駅に行ったことはありますが、福島駅に降りるのは初めてでした。　西口広場で、月刊「政経東北」の編集部員であるK氏と待ち合わせしていたので、お会いするまでの時間、西口広場の何ヵ所かで線量を計測しました。↓　車窓からの眺め↓　JR福島駅の新幹線のプラットホーム↓　福島駅西口広場↓　西口広場のモニュメントの前で計測。数字が見難いですが、毎時0.86μ㏜（年間7.5ｍ㏜）↓　西口広場の「エールビジョン」↓　「エールビジョン」の前の花壇。毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）↓　エールビジョン近くの案内板。毎時0.24μ㏜（年間2.1ｍ㏜）月刊「政経東北」の編集部を初訪問​「政経東北」のK氏と合流した後、車で、「政経東北」を出版している「株式会社　東邦出版」まで送って頂きました。（リンク）●​月刊政経東について​　今回の福島市訪問は、月刊「政経東北」の編集部に伺うのも一つの目的でした。連載が40回近くになっているのにも関わらず、全てメールでのやり取りだけでした。やはり、対面でお会いするのは大事です。　福島駅で購入したお弁当を食べた後、１時間ばかり、フクイチの現状等について、意見交換させて頂きました。私からの一方的な申し出であるにもかかわらず、お話しする時間を確保して下さった、S編集長初め、編集部の皆様に感謝致します。天候や傍聴の関係もあって、ギリギリまで予定が決められなかった私に合わせて下さいました。　誤解の無いように断っておきますが、今回の２泊３日の行程は全て私が自分の判断で決め、費用についても全て自分の責任で支出しています。補助や奢りは有りません。　編集部でお話しさせて頂いた後は、徒歩で信夫山へ向かいました。　当記事の最下段に、次回の記事へのリンクを貼っています。↓　東邦出版の出入口↓　編集部で食べたお弁当。編集部内の空間線量は毎時0.09μ㏜（年間0.8ｍ㏜）​（リンク）●その２・​信夫山へ向かう途中の福島市内の空間線量​春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）

  2023.05.12

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  ４月21日に、黒岩知事への辞任要求行動に飛入り参加

  ​​​​投票日直前の「文春砲」　私が居住している神奈川県川崎市では、統一自治体選前半の一環として、2023年４月９日に川崎市議選・神奈川県議選・神奈川知事選が同時に行われました。　この投票日の直前、週刊文春4月13日号（発売は４月６日）で、４選をかけて立候補していた神奈川県知事・黒岩祐治氏の醜聞が報道されました。妻帯者でありながら11年間に渡って不倫していたとのことです。不倫相手との行為の内容も、相当程度、記載されていました。（続報も含めてリンクを貼ります。閲覧注意の心構えでお願いします）（リンク）●​･･･黒岩祐治・神奈川県知事（68）“11年不倫”〈証拠メール入手〉​（４月13日号記事）●​「今から向かいます」黒岩祐治・神奈川県知事　当選後も“不倫メール”​（４月20日号記事）結果は黒岩氏が当選、しかし…　知事選挙（選挙期間は３月23日～４月８日）は、黒岩氏が当選しました。　結果詳細は、下記（​元データ​）。有権者総数：761万5608人投票数：307万3043人（投票率40.4%）　有効投票数：286万509票（絶対有効率37.6%）　立候補者別得票数　　黒岩祐治：193万3753票（得票率67.6%／絶対得票率25.4%）　　岸牧子：65万1473票（同22.8%／同8.6%）　　おおつあやか：15万1361票（同5.3%／同2%）　　加藤健一郎：12万3922票（同4.3%／同1.6%）　無効票：21万2482票（無効率6.9%／絶対無効率2.8%）　絶対数（県の有権者総数に対する比率）で見ると、県内有権者の約４分の１が黒岩氏に投票し、約２割が黒岩氏以外の候補者に投票し、約３%が白票を投じた、という結果です。　法令に則った結果としてはこの通りなのでしょうが、問題なのは、期日前投票が３月24日から始まっていたことです。第一報を掲載した週刊文春の発売が４月６日で、まさに投票日の直前でした。　神奈川県選挙管理委員会のまとめによると、期日前投票で、４月７日までに約67万5000人が県知事選挙に投票しています（​元データ​）。投票総数の約２割です。　日付ごとの厳密な投票数は不明ですが、投票総数の約２割が、黒岩知事の不倫や行為が報じられる前に投票したと思われます。白票（無効票）が20万票超という異例の多さであることを考えると、文春の記事が告示前に掲載されていれば、黒岩氏の得票数が十万票単位で減少していた可能性も有り得ます。　選挙の公正性に疑問が湧きます。黒岩知事の行動は「人を弄ぶ行為」　選挙の公正性への疑問とは別に考えなくてはならないのは、首長は、その自治体の行政を決定する立場であり、災害等に住民の生命・財産に大きな影響を与え得ることです。　政策的な違いはともかく、他人を人として尊重しているかどうかは、首長として必要不可欠な資質でしょう。　今回報じられた黒岩知事の行為は、端的にまとめれば、倫理に悖る行為であり、個人の尊厳を蔑ろにする行為です。　約11年間に渡って、配偶者に対しても、不倫相手の女性に対しても、嘘をつき続けていたのです。　知事選に出馬するという自らの都合で不倫相手と手を切ろうと図ったとのことですが、その女性の11年間には、どのような責任が取れるのでしょうか？　他人の人生を奪う行為です。　また、文春報道でバレなければ、配偶者にも県民にも隠し通し、従前と変わらないまま４期目を務めるつもりだったのでしょうか？　露骨な言い方ですが、結果的には不倫相手を「性欲の対象として弄んでいた」のであり、このような人物が「共に生きる」「自分らしく」「ジェンダーフリー」等とお題目を並べても全く説得力はありません。「我儘に生きる」「不倫する」「ばれなければ隠し通す」人間が、県民のトップとして行政の掲げるスローガンを並べても、聞ける筈がありませんし、実際に、真面目に聞く人はいないでしょう。「個人の尊厳」を理解し、「自分も他人も対等な個人」という概念が根付いていれば、11年間に渡ってこのような行為を続ける筈がありません。　私は、黒岩氏（以後、「エロ岩」と表記。名前で呼びたくない）のような人物に県知事を続けて欲しくありません。エロ岩が編成する予算や、エロ岩が決裁した施策の中で暮らしていくのかと思うと、単純に、気持ち悪いです。４月21日に緊急行動に参加　私は、県知事選挙では「不倫しない人」と書いて投票したかったのですが、それでは無効票になるので、別の立候補者で当選する可能性を考えて、岸氏に投票しました（面識は有りません。あくまでも、黒エロ岩に反対の意志表示です）。　４月21日お昼に神奈川県庁前での緊急行動がよびかけられていたので（SNSで知りました）、傍聴の予定とぶつかっていなかったこともあり、飛入り参加しました。　簡単に写真撮影して、渡されたチラシを持って立っていたら、呼びかけの方が「スピーチしませんか？」と声をかけて下さったので、県庁を見上げながら、以下のように話しました（一字一句正確なものではありません）。「私が、この呼びかけに参加させて頂いた理由は、端的に言うと、エロ岩さん、キモイから、早く辞めて下さい。これに尽きます。　県知事は、県の行政のトップです。報じられた内容は、個人の尊厳を蔑ろにする行為。そのような人に、県民の生命・財産を左右しかねない県政のトップにいて欲しくありません。潔く辞めなさいよ。　この状態で予算編成なんかするんですか？　県議会の皆さんもよく考えて頂きたい。このような人物が編成し提案した予算案に賛成するんですか？　このままズルズルと４年間続けるんですか？　とにかく、キモイから、早く辞めて」　この抗議行動には、県知事選に立候補した岸牧子氏も参加なさっていました。　昼休みに合わせた短時間の県庁前行動の後、知事応接室の担当者への要請行動に移り、私は図々しくも(笑)、同行させて貰いました。総勢で20人強でしたでしょうか（私は、県庁に入るのは初めてでした）。　知事応接室の担当Sさんは「昨日、急遽、ご連絡を頂いたので、お部屋が用意できませんでした。この場で受け取ります」と言って、知事室の有る３階の廊下で申し入れ書を受け取ろうとしましたが、何人かが「失礼じゃないですか。代表者だけでも入れる部屋を用意しなさいよ」と抗議しました。　その結果、４階の部屋に移動して、ぎゅう詰めになりながらも全員が入室しました。因みに、男性は私だけで、形見が狭かったですね(笑)　申し入れ書の手渡しに合わせて、何人かが口頭で意見を言った後、「ご意見・ご指摘は確りと知事に伝えます」との回答がありました。　他の皆さんは県庁前で記念撮影なさったようですが、私は、呼び掛けの方にお礼を申し上げて早目に引き上げました。　前日には、福島原発かながわ訴訟・第二陣の​口頭弁論の傍聴で横浜地裁に来ていました。２日連続で日本大通駅周辺を「ウロウロ」していたことになります。他にやるべきこともあったので、できるだけ短時間の参加にとどめたいという事情もありました。　抗議行動と申し入れの際の写真は以下。↓　神奈川県庁↓　横断幕とスピーチ。話しているのは岸牧子さん↓　呼び掛けのチラシの一部↓　要請書を手渡しする際の様子。手前左の緑の服が岸さん↓　申し入れ書の裏表​要請書に全面賛同ではない―「愛好」を理由としてはならない​　エロ岩知事の辞任を求める事には私も賛同しますが、一つだけ、この申し入れ書で賛同できない箇所が有るので、指摘しておきます。　本文の最後の行に「ア〇ルトビデオを愛好していた黒岩知事の行為は、行政の長として許されるものではありません」と記載されています。　私は、このような考え方には賛同しません。　基本的に「愛好するものの中身」は「外部から干渉すべきものではない」と考えることによります。「愛好するものの中身」は、私的な領域に属することで、本人がそれを積極的に公開していない限り、第三者は知り得ないことです。　又、それを知り得たとしても、それを批評・詮索し、公の場で議論することは、私的な領域への外部からの介入・干渉です。　今回、私が最も問題にしているのは、「不倫」であり、「11年間、不倫相手を弄んだ」ことにあります。エロ岩の行為で「被害者が存在する」「一部であっても人生を奪われた個人が存在する」ことが最大の問題です。「愛好するものの中身」に立ち入って、辞職理由とすることを認めたら、私的な領域にまで立ち入る道徳警察になりかねません。　このような「私的な領域への立ち入り」を認めたら、CGで製作されたポ〇ノ映像を愛好していたらどうなのか、アクションゲームで人を射殺し続けていくような暴力的なゲームを愛好していたらどうなのか、スプラッター映画を愛好していたらどうなのか、というように、際限なく拡がりかねません。「愛好しているものの中身」を本当の意味で把握しようとしたら、家宅捜索し、デジタル機器のログも調べて、ゲームや映像の閲覧記録も調べる必要が生じます。　上記は極論ですが、究極の監視・管理社会でしょう。　エロ岩がア〇ルトビデオを愛好しているということで、心情的に理解はできますが、「愛好するものの中身」を辞職を求める理由とした部分に賛同するものでないことをお断りしておきます。　改めて、緊急行動を実施して下さった皆様に感謝申し上げます。迅速な対応に敬意を表します。　最後に、拙ブログでの、性加害や性搾取について書いた過去記事へのリンクです。ご参考に。（参考リンク）●​【暫定版】広河隆一事件について考えたこと・思うこと​（2019年５月12日）●​福島原発さいたま訴訟の地裁判決と、団体内の性加害事件​（2022年４月22日）春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF)​​​ ​​​​​

  2023.04.27

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  事実と異なる、石丸小四郎氏の「プレゼン」

  ​​​​​2023年３月12日に、市民団体「脱原発福島ネットワーク」が、いわき市文化センターで「福島原発事故12年　拡散する放射性物質のゆくえと私たちの未来」と題する集会（プレゼンとディスカッション）を開催しました。　この集会は、前半が３つのプレゼンテーション、後半が３人（別に司会１人）によるディスカッションでした。　動画が公開されていたので視聴したところ、プレゼンターの１人である石丸小四郎氏（双葉地方反対同盟）の「廃炉の現状をどう見るか―汚染水、放射性廃棄物」が事実と余りにも異なっており、ほぼ全体に渡って間違っていました。（リンク）●​福島原発事故12年　拡散する放射性物質のゆくえと私たちの未来​（動画／石丸氏の話はチャプター４[20分17秒～53分18秒]）●​当日説明資料​（ダウンロード）　集会の参加者や動画の視聴者の中で、原子力規制委員会や東電の資料を追っている人は少数派でしょうから、石丸氏の間違いに気付かない可能性が高いです。　石丸氏の話した内容は「世を誤らせる」ものです。間違いを放置すると、市民の自主的な取り組みへの信頼を毀損する事にも繋がりかねません。　以下、石丸氏のプレゼンで間違っている箇所・具体的でない箇所を動画の時系列順に指摘します。冒頭から、ほぼ最後まで、「間違い」「不正確」「煽り」の連続21分５秒前後　石丸氏は「福島第一原発の現状です。これだけの大変な廃棄物が有る」と発言していますが、具体的には何も説明していません。報道写真に幾つか書き足しているだけです。廃棄物の種類別保管量やインベントリ（放射能量）も分からず、資料にはフクイチの住所や面積すら書かれていません。21分40秒前後　石丸氏は「６・７号機（春橋注／「７・８号」の間違いと思われる）の用地は空いている」旨を説明してますが、空いていません。少なくとも、石丸氏が赤丸で囲った北側部分の内、円内の南側は固体廃棄物の保管・処理用の施設が建設されています（資料１の配置図「※」部分）資料１　構内配置図22分５秒前後　石丸氏は「規制庁ではリスクマップと形容する」旨を説明しています。正確ではありません。　正しい名称は「東京電力福島第一原子力発電所の中期的リスクの低減目標マップ」で、原子力規制委員会が毎年度、作成しているものです。直近の改定は2022年度・第78回原子力規制委員会（2022年３月１日）です。（リンク）​​●​東京電力福島第一原子力発電所の中期的リスクの低減目標マップ​（2023年３月決定）22分45秒前後　石丸氏は「建屋に入るのも困難である」旨を発言していますが、「建屋」とは、何処を指すのか、石丸氏は具体的に説明していません。　原子力規制委員会・規制庁は、事故調査の関係で2021・22年の２年間で41回の立入調査を実施しています。その内、36回が１～６号建屋（原子炉建屋・タービン建屋・SGTS室）への立入です（​東京電力福島第一原子力発電所事故の調査・分析に係る中間取りまとめ（2023年版）​参考６　より）。「建屋に入るのも困難」の「困難」とは、どのような状態を指すのか、石丸氏の話は具体性を欠きます。23分57秒前後　石丸氏は、パワーポイントの文章で「…ドロドロの放射性廃棄物をHICに入れて納入できず、…」と書いています。　正確な説明ではありません。　正確には「スラリーを入れたHICの保管容量が尽きる」です。　尚、私はHIC保管容量とスラリーの件は、月刊「政経東北」23年１月号でも取り上げています。（リンク）●​見通しの立たない｢ＡＬＰＳスラリー｣の安定化処理​​​​​（連載34回）32分～　石丸氏は新聞記事を紹介しつつ、「規制庁第一原発所長」と発言し、パワーポイントの資料にも、そのように記載しています。正確には「福島第一原子力規制事務所長」です。全国に22箇所ある規制事務所の内の一つです。人物は小林隆輔氏です。　人名を省略しても間違いではありませんが、顔写真まで提示しているのですから、名前は紹介するべきでしょう。36分～36分41秒（パワーポイント16頁）　パワーポイント資料の16頁が映されています。その右端に「第103回特定原子力施設監視・協議会」と記載されています。正確には「監視評価・検討会」です。「協議会」は存在しません。　そもそも石丸氏は、フクイチが「特定原子力施設」に指定されていることも、その目的も、聴衆に説明しないまま、話を続けています。大事な前提条件が抜け落ちているのです。　パワポの文言に戻ります。　右端の文章に「『大型放射性廃棄物保管庫5棟』の建設が…」と記載されています。「大型廃棄物保管庫」の間違いですね。又、５棟ではありません。大型廃棄物保管庫の建設は初めてです。建物は完成してますが、耐震性向上の補強と、建屋内へのクレーン設置の詳細が固まっておらず、竣工が見通せない状態です。「大型廃棄物保管庫」は、水処理二次廃棄物（吸着塔やHICといった、水処理設備から発生する廃棄物）を保管するものです。ところが、石丸氏は「…保管庫」の用途を把握していないようで、パワポの資料には「瓦礫類」（固体廃棄物）発生予測量の円グラフを掲載しています。　この円グラフは「第２回特定原子力施設放射性廃棄物規制検討会」（2016年２月）の「資料３－１」から引用されています。７年前の予測です。固体廃棄物の保管管理計画は、2023年２月に東電が計画を改訂しています。普通は、最新版を引用するものでしょう（因みに、パワポ資料16頁の下部には「第２回特定原子力施設放射性廃棄物規制委員会」と書いてあります。「委員会」ではなく「検討会」）。（リンク）●​瓦礫等発生量の内訳について​（2016年２月12日）●​福島第一原子力発電所 固体廃棄物の保管管理計画～2022年度改訂について～​（2023年２月20日）　瓦礫類（固体廃棄物）保管用の建屋は大型廃棄物保管庫ではなく、固体廃棄物貯蔵庫です。この貯蔵庫は１～９棟が運用中で、第10棟が23年３月末に着工されました（第10棟は３つの建屋に分かれ、24年度以降順次竣工予定）。東電は2028年度までに瓦礫類の屋外保管を解消する計画です。　石丸氏は、36分29～39秒で「（固体廃棄物が）屋外に置いてあって…考えて間違いないと」と発言しています。考えるも何も、固体廃棄物の大半が屋外保管であることは既に公表されていることです。だからこそ東電は、固体廃棄物の保管管理計画で「瓦礫類の屋外保管は2028年度までに解消」という大きな目標を立てて、その為の設備を建設、又は建設しようとしているのです。石丸氏は、東電の保管管理計画を読んでいないのでしょうか？　固体廃棄物の現状と屋外保管解消の目標については、私もブログで繰り返し取り上げており、月刊「政経東北」21年12月号にも書いています。石丸氏は、これらも読んでいないのですね。​​​​（リンク）●​屋外保管が続く固体廃棄物​（連載・第21回）　この40秒足らずの間で、石丸氏は、口頭でも資料でも数え切れないほど間違っています。38分20秒前後　石丸氏は汚染水の発生量抑制について、「効果が無かった。１日150tの汚染水が発生している」旨を発言しています。　いや、汚染水発生量抑制の効果は有ったでしょう。　2014～16年のタンク貯留水の増加量は約1.5万t/月でした。それが、2022年には約2600ｔ/月です。８割以上は減少していますから、様々な対策を組み合わせた効果は有ったと言えるでしょう（但し、対策毎の個別の評価は困難と思われます）。「１日150ｔ」も間違っています。2022年度の汚染水増加量は100ｔ前後の見込みです（正式には、23年４月末に発表される筈）。（リンク）●​建屋周辺の地下水位、汚染水発生の状況​（2023年２月22日）41分７秒前後　石丸氏は、廃棄物処理建屋（プロセス建屋・高温焼却炉建屋）地下階の土嚢について、「取り出せないんですよ」の一言で片付けています。ですが、東電は2024年度の取り出し作業開始を目標に、取り出し設備の詳細設計を進めています。この取り組みに触れないのは不公平ですし、聞く人を不安に陥れる行為です。​​​​（リンク）●​ゼオライト土嚢等処理の検討状況について​（2023年３月６日）41分57秒　石丸氏のパワポの資料では、キャリオン（「キュリオン」の間違い）・サリーと呼ばれる「セシウム吸着装置」からもスラリーが発生するように矢印が引かれていますが、スラリーはALPSで発生するものです。キュリオン・サリーで発生する二次廃棄物は使用済み吸着塔です。42分45秒前後　石丸氏は「スラリーの乾燥」について「出来ないんですよ」で片付けています。これも、ゼオライト土嚢の件と同じで、一言で済ませるは不公平ですし、聞く人を不安に陥れる行為です。　東電は脱水処理設備の詳細設計を検討中です。又、正確には「乾燥」ではなく、「脱水」です（尚、現状では「フィルタープレス方式」を軸に検討。ざっくり書くと、「圧力を加えて、絞るようにして水を除去する」方式です）。「乾燥」と形容すると、温風や熱風を吹き付ける方式で確定しているのかと誤解されます。「設備の詳細を検討中」であることも、合わせて紹介するべきでしょう。​​​​（リンク）●​​ALPSスラリー安定化処理設備設置における検討状況​（2023年３月20日）42分58～59秒　石丸氏はHICの保管基数を4192基と説明しています。間違っています。　4192基はHICの保管容量です。石丸氏がプレゼンしている時点での最新の保管基数は4143基でした。（リンク）●​福島第一原子力発電所における高濃度の放射性物質を含むたまり水の貯蔵及び処理の状況について​（第 591報／３頁の「保管容器」）52分24秒～53分　石丸氏は、フクイチ敷地内のインベントリ（放射能量）を、チェルノブイリ原発事故での放出インベントリと比較しています。　フクイチ敷地内に留まっている放射能量と、既に環境中に放出された放射能量を比べることに、どのような意味が有るのでしょう。 しかも、敷地内に留まっている放射能は、液体廃棄物あり、二次廃棄物あり、屋外保管の固体廃棄物ありといった具合で、保管形態や不安定度合いによって、有するリスク（環境中への拡散のし易さ）も異なります。　それらを一緒くたに論じて、「デブリ分は含まずに約730京ベクレル！　チェルノブイリ原発事故で放出された分の1.4倍！」と伝えるのは、世を惑わす行為です。　リスクの大きさに着目するなら、約300京ベクレルの高放射性廃液が「置きっ放し」の東海再処理施設は取り上げないのでしょうか？　「もんじゅ」で核燃料が取り出せない状態であった時、石丸氏は、社会に対して何らかの発信をしたのでしょうか？　私は寡聞にして聞いたことがありません。　又、放射能量の大きさを基準に説明するなら、フクイチ核災害で環境中に放出された推定放射能量はキセノンを含めると1120京ベクレルですから、それが最も大きい数字です（下記資料参照）。この点も、石丸氏は取り上げていません。　​資料２（2023年３月末時点）​​​​​　石丸氏は何を伝えたかったのか　この約30分の動画を視聴するのは、私には「間違い探し」のようなものでした。　石丸氏は、原子力規制委員会の各種検討会を視聴していないのですね。視聴していれば、上記のような間違い（チョンボっぽいものから、完全な勘違いまで）をする筈が有りません。「山のような廃棄物」と形容しつつも、廃棄物の種類別の保管量推移も紹介していません。私のブログも「政経東北」の連載も読んでいないのですね。　石丸氏は、どうやって情報収集しているのでしょうか？　又、「対策が進んでいない」と一言で済ませているのも。意味が分かりません。　施設に関する一義的な責任を有しているのは東電なのですから、東電が各種の課題について、どのように認識し、どのように対策しようとしているのか、それがどうして進まないのか説明せず、社会に何を訴え、何を共有しようというのでしょうか？　東海再処理施設や「もんじゅ」のリスクをこれまで取り上げていないことも、石丸氏の言動の意味を不明確にし、説得力を希薄にしています。　フクイチ以外にポテンシャルリスクが大きい核施設の課題に向き合わない・取り組まない個人や組織が「フクイチのリスクが…」と声を張り上げたところで、何の説得力もありません。本当の意味で核施設のリスクに向き合っているものではありません。　石丸氏のプレゼンは「世を惑わすもの」「人を誤らせるもの」です。「観るに値しない」より、更にきつい評価です。「混乱の基となるので、観てはいけないもの」と言えます。​「若い人が来ない」という嘆き―来ても時間の無駄　集会は、1時間36分56秒からパネルディスカッションに移っています。その中で、２時間12分過ぎに、会場から「…こういう場に、若い人にどんどん来て貰って…」との発言が有ります。　こんな好い加減なプレゼンを聞いたところで、時間の無駄でしょう。この集会への参加を見送った人は、正解です。自分の貴重な時間は、自分の為に遣いましょう。　会場で発言した人も、司会の佐藤市議も、パネラーとして座っていた皆さんも、「若い人に来て貰って」何を期待するのでしょう？　「若い人が来ました。参加者○○人でした」というアピールに終わるのではないでしょうか？　良い年齢の大人が、公開情報の確認・整理もできず、「進んでない・出来ないんだよ」と悪罵の類で終わらせるプレゼンを行って、世の中が変えられるなら、もっと早く色々な部分が変わっているでしょう。　　石丸氏のプレゼンが間違いだらけであることに気付かないのですから、主催した「脱原発福島ネットワーク」は、フクイチの現状を把握していません。同ネットワークは、東電との交渉を継続していますが、公開資料すら自らの責任で把握せずに交渉に臨んでも、東電には「あしらわれる」だけでしょうし、周囲や社会に影響も与えられないでしょう。集会全体について―①間違いが有り、詰め込み過ぎ　石丸氏以外のプレゼンでは、大きな内容として間違っている箇所は無いようですが、石丸氏の間違いだらけのプレゼンを観ているので、石丸氏以外のプレゼンについて本当に間違いが無いのか、自分で裏付けを取る必要を覚えました。　一点だけ、私が気がついたのが、澤井正子氏の資料の数字の誤りです。　パワーポイント資料の５頁に、東海再処理施設（核燃料サイクル工学研究所内の再処理技術開発センター）でのガラス固化体の保管量が「316体」である旨が記載されています。実際には354体です（2023年３月10日時点）。（リンク）●​2023年３月10日付け・週報​（原研機構／核燃利用サイクル工学研究所）　この集会を通して観ると、仮に、説明内容や数字が間違っていなかったとしても、内容を詰め込み過ぎです。​「フクイチの現状」「中間貯蔵施設内の除染廃棄物」「原発の通常運転で発生した使用済み燃料」「除染土の再利用」「大熊町の環境放射能調査」「『処理水』放出」と、６つのテーマを取り上げています。予備知識の無い方が２時間半の間に６つのテーマを把握し、パネルディスカッションの内容も含めて自らのものとして咀嚼して理解するのは、極めて難しいのではないでしょうか？　そもそも、オンサイト（敷地内）の問題と、オフサイト（敷地外）の問題を同時に取り上げ、オンサイトにしても、災害を起こした施設と通常運転の施設を一緒くたに論ずることに、無理が有ります。　集会の主催者は、真摯に取り組み、準備したのだと思いますが、内容に重大な間違いが有る時点でアウトです。　私は、石丸氏の話を聞いたのは初めてで、自分が2013年から追いかけている、フクイチのオンサイトに関する話だったので、どのような切り口かと思って観たのですが、内容の余りの「トンデモ振り」に、呆れるやら驚くやら(笑)　石丸氏の話は反面教師で、悪い意味で話のネタになるものでした。集会全体について―②パブコメを呼びかけず、どこまで本気なのか　この集会の致命的とも言える欠点・欠陥です。　織田千代氏が４月13日の「汚染水放出反対」のグローバルアクションを呼びかけ、集会としてはアピールを採択しています。アピールは「呼び掛けます」「宣言します」と、格好いい言葉でまとめられていますが、これは、この集会内での文章・言葉に過ぎません。　この集会が開催されたのは３月12日です。　原子力規制委員会は、２月23日～３月24日に「『東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所特定原子力施設に係る実施計画の変更認可申請（ＡＬＰＳ処理水の海洋放出時の運用等）に係る審査書案』に対する意見の募集について」と題する任意のパブリックコメント（意見公募）を実施していました（パブコメ結果は、４月21日時点では未公表）。　これは、「処理水」放出設備の運用を認可する審査書案へのパブコメです。設備の運用が認可されなければ「処理水」は放出できません。　パブコメだけで阻止できるとは思えませんが、意見が数十万件・数百万件単位で集まれば、原子力規制庁で集計や回答の準備に時間がかかり、原子力規制委員会での正式認可が、その分だけ後送りになります。「時間稼ぎ」と「民意を示す」ことを兼ねて、この公的チャネル（パブコメ）の活用は、当然のこととして呼びかけられるべきでした。　ところが集会では、リアルタイムで実施中の公的チャネルの活用については一言も触れず、アピール文の採択と、自分達が設定したアクションの呼び掛けにとどまっています。　この集会を企画し、主催した皆さんは、本当に「処理水」放出を止めるつもりが有るのでしょうか？　公的チャネルには一切触れず、自分達の取り組みばかりをアピールするのでは、活動の目的そのものに疑問が湧きます。　言い換えるなら、選挙が実施されているのに投票を呼びかけず、「（団体が呼びかけた基準で）街頭に立とう」と言っているようなものです。　因みに、私は、件のパブコメは提出しています。（リンク）●​「処理水」放出設備の運用に関する審査書案のパブコメに意見を提出​（拙ブログ／２月28日）今後、市民運動関係でオンサイトに関するものは、原則として参加しない・視聴しない　私は、当ブログで、オンサイトに関する市民運動関係の講演や文章を批判する記事を何件か書いてきました。　取り上げたのは、広瀬隆氏、小出裕章氏、おしどりマコ氏、そして、今回の石丸小四郎氏で、合計４人です。（リンク）●​おしどりマコ氏の間違いだらけの講演から考える、インプットとアウトプット​（2023年３月８日）●​23年１月の小出裕章氏の講演会～視聴しての感想～​（2023年１月22日）●​運動の品質を低下させる、小出裕章氏の「ネトウヨ並み」の文章（2018年10月２日）●​5月5日の金曜行動～希望のエリアで広瀬隆批判をスピーチ～​（2017年５月17日）　４者に対して先ず思うのは（おしどりマコ氏は「東海再処理施設」に限定）、「よくもここまで、間違ったことが言えるな」ということです。　どこをどう理解したら、突き抜けるような間違いに至るのでしょうか？　しかもそれを、大勢の前で話しているのです。恐らく、講演料も貰っているでしょう。嘘を話してお金が貰えるのですから、「ぼろい商売」と言えなくも有りません。　これは、聞きに来て下さっている方から「時間とお金を不当に奪う行為」です。「失礼」というレベルを超えています。会場まで来られる方は、往復の時間も含めて、プライベートの時間を費やしているのです。それで「嘘」（結果的なものも含む）を聞かされるのではたまったものではありません。　仮に、参加した方が、講演や学習会で聞いた内容に共感し、それを家族や周囲の人に共有しようとしたら、その人が結果的には「嘘つき」（=間違いを言っていた）になってしまいます。　これでは、市民運動の信頼やブランド価値を毀損し、「拡大」とは逆の効果しか生じないでしょう。　意図的でなかったとしても、「嘘」を講演する事は重大な結果をもたらしかねません。　事業者の取り組みや対応を間違って伝えることで事業者を批判したら、場合によっては、事業者から「名誉棄損」で訴えられるかも知れません。謝罪広告や慰謝料の支払いを要求されたり、所謂「御用マスコミ」に面白おかしく取り上げられて、運動や団体が徹底的に叩かれるかも知れません。　市民運動の関係者は、自らの身を守る為にも、社会に対しての発信は正確を期すよう心がけるべきでしょう（基本的には、公開資料を基にし、根拠や出典を示せる状態にしておけば、問題は起きない筈です）。　私は過去４か月間で、３者（小出氏・おしどり氏・石丸氏）の講演を視聴しました。何れも重大な間違いがあったり、聞くに値しない薄っぺらすぎる内容でした（おしどりマコ氏の間違いは「東海再処理施設」に限定）。内容が正しい個所が僅かに有ったとしても、自分が原子力規制委員会や東電から得ている情報の範囲のものでした。　動画視聴に費やしたリソースに見合うだけの「得るもの」が無かったので、今後、オンサイト（核施設の敷地内）に関する市民運動関係の集会は原則として参加しません・視聴しません。　他にやるべきこと・取り組むべきことは多くあります。貴重な自分のリソース（主として「時間」）を「間違い探し」に費やすのは不毛です。「人生の無駄遣い」です。　尚、市民運動界隈が、パブコメや傍聴といった公的チャネルの活用より、自らの取り組みのアピールや呼び掛けに重点を置いている点は、何れ、機会を改めて当ブログでも取り上げます。　当記事は、集会でのプレゼンの「内容」に基づいて事実を指摘し、私の考察を文章にしたものです。「頑張って開催した」「講演者は皆いい人で…」というような、「頑張り」「人格」など、「内容」に基づかない議論やコメントには対応しません。言わば「議題外」です。そのようなコメントが寄せられた場合は、確認次第、削除する事をお断りしておきます。春橋哲史（ツイッターアカウント：haruhasiSF）​​​​

  2023.04.21

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