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カテゴリ:福島第一原発 汚染水
フクイチ(東京電力・福島第一原子力発電所)のALPS(多核種除去設備)で生じている二次廃棄物に関する数字です。
ALPSで生じている二次廃棄物(詳細は後述)を詰めているHIC(ヒック)の保管容量は、11月末で4576基、保管数は4414基、保管容量の空き容量は162基分です。 HIC(ヒック)の保管容量 「HICと、その保管容量」については解説が必要でしょう。 既に把握なさっている方は、次の小見出しまで読み飛ばして下さい。 ALPS(多核種除去設備)は、放射性液体廃棄物中の放射性核種を除去するもので、消滅させるものではありません。 除去された放射性核種は、吸着剤やスラリー(slurry/泥状の廃液)に移行します。使用済み吸着材やスラリーを「水処理二次廃棄物」と呼びます。二次廃棄物は放射性核種が高濃度に圧縮された高線量廃棄物です。剥き出しでは周囲の放射線量が上昇し、働く人にとって危険なので、放射線の遮蔽効果を有するポリエチレン製の高性能容器に収納されています。この容器の名称がHIC(ヒック)です。 HICはボックスカルバートと呼ばれるコンクリート製のボックスに保管され、そのボックスカルバートはフクイチ構内の「使用済みセシウム吸着塔一時保管施設」に保管されています。 東京電力が2022年8月19日に原子力規制庁に提出した資料によると、「(HICの)保管容量がひっ迫し、水処理設備運転に支障をきたす」可能性が有るそうです。 (リンク) ●HIC保管容量ひっ迫状況と対応について(PDFの16~23頁) HICの保管場所が尽きれば、水処理二次廃棄物を持っていく先が無くなりますから、「ALPSで廃棄物を発生させられない」=「ALPSが運転できない」=「汚染水処理(放射性核種の濃度低減)ができなく」なります。 「HICの保管容量のタイムリミット」をポンチ絵にしたのが「資料1」です。右側の、赤い×印にご注目下さい。 ALPSの構成とHICの現状・対策については、「ALPS資料1・2」として、当記事の下部に掲載しています。 尚、当ブログのポンチ絵・表・グラフの無断転載・引用はご遠慮下さい。 ポンチ絵・表はB5サイズ以上のPC・タブレットでの閲覧を前提として作成しています。 ポンチ絵等はクリックすると拡大しますが、それでも見難い場合は、ワードやペイントにコピペして下さい(ウィンドウズの場合)。 ◆資料1 HICの保管容量の説明 HIC(水処理二次廃棄物)は、ALPSを稼働させ続ける限り発生します。 建屋の汚染水をゼロにして、高濃度汚染水を汲み上げなくなったとしても、保管中の「処理途上水」の処理も必要ですし、構内には汚染水が溜まったままのトレンチやピットもあります。それらの滞留水の汲み上げ・濃度低減処理も必要です。更には、HICで保管されているスラリーの脱水・安定化処理の過程でも汚染水が発生します。この汚染水も、またALPSを通さなければいけません。 現実的には、フクイチが存在する限り「ALPSは稼働し続ける=水処理二次廃棄物が発生し続ける」でしょう。 保管容量が尽きるまでの「タイムリミット」 最新の保管基数を踏まえて、資料2を更新しました。 ◆資料2-1 HICの保管容量「残り期間」 ◆資料2-2(グラフ) HICの保管量と保管容量の推移 (リンク) 原子力規制委員会の技術会合では、安定化処理設備の設計で特に注意すべき点として、「スラリーが高線量(※)である為、機器メンテナンス時を除いて無人作業となるので、その成立性」「スラリーをHICから抜き取ったり脱水する過程での放射性ダストの舞い上がり防止(ダストが飛散すると、現場の雰囲気線量が上昇する)」「スラリー抜き取りから専用容器封入までの系統からの漏洩防止」等が議論されています。 ●第15回特定原子力施設の実施計画の審査等に係る技術会合 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.12.03 17:49:04
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