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2017.11.17
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カテゴリ:福島第一原発
​​​​​​フクイチからのトリチウム管理放出量(2017年上半期まで)​​​​​​​​

 フクイチ(福島第一原発)では、現在、汚染水増加抑制策が数多く実施されています。実施中のものもあれば、一部、完了したものもあります(詳細は資料1と参考を参照)。​


 東電から、17年9月までの、汲み上げ水の海洋放出に関するデータ(放出量とリッター当たりのトリチウムの濃度)が公表されました。そのデータに基づいて、地下水バイパス汲み上げ水の海洋放水と、地下水ドレン・サブドレン汲み上げ水の浄化水の海洋放水に伴うトリチウム(三重水素/H-3)の放出放射能量を計算して、グラフに落としました(資料2とグラフ1参照)。

 放射性核種の内、トリチウムを取り上げているのは、水と同様の性質を持っていて、分離・除去が容易でない為、分離や除去がされないまま、環境中(この場合は「海洋」)に放出されているからです。

 尚、グラフに記載されている数字は、「管理放出されている値」であることにご留意下さい。排水路から流出する分や、表層水となって護岸部から流出する雨水等は濃度も量も正確に計測するのは不可能なので、含まれていません。「管理されている放出」と「管理されていない(非管理)放出」は異なります。

 今回は、新たな情報や数値も調べてまとめましたので、下までスクロールして、最後までお読み下さい。


資料1




資料1参考:俯瞰図と断面図






​料2 汲み上げ水と浄化水の排水基準​



グラフ1
地下水BP汲み上げ水と、地下水D・SD浄化水に含まれるトリチウムの管理放出量推移




出典

地下水BP(バイパス) 加重平均サンプル分析結果(2017年9月分)

SD(サブドレン)・地下水D(ドレン)浄化水 加重平均サンプル分析結果(2017年9月分)

福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果 | アーカイブ

計算方法
:東電の公表は1L(リットル)当たりの数値。1立米≒1t≒1000Lなので、1tは1000L。
 仮に、トリチウムの濃度が「500ベクレル/L」だとすると、「500ベクレル×1000L=50万ベクレル/t」となる。月間排出量が3万立米だとすると、「50万ベクレル×3万t=150億ベクレル」となる。


原子力施設から放出されるトリチウムの放射能量を俯瞰

 普通なら、グラフ1を提示して終わりますが、今回は、更に続きます。
 私は、フクイチから管理放出される放射能量を調べるようになってから、3.11以前の、原子力発電所が発電の主役として利活用されていた頃の放出インベントリ(放射能量)と比較したいと思うようになりました。
 幸いな事に、トリチウムを含む放射性物質の管理放出量は排水口や排気塔で計測する事が法令で決まっているので、過去の数字を含めて、事業者からの報告を規制官庁が取りまとめています。
 それらの資料を元に、3.11以前と以後のトリチウムの放出放射能量の推移をグラフと表にしました。無断転載・利用は御遠慮下さい。

 尚、トリチウムは原発の通常運転でも発生します。核反応の結果だそうです。私は専門家ではありませんので、トリチウム生成の説明は​こちらをご覧下さい​(原子力資料情報室のサイト)。
 解説は更に続きます。


グラフ2
国内の実用発電用原子炉から液体廃棄物として放出されるトリチウムの放射能量推移




同・日本国内の再処理施設



参考:世界の原子力施設等から放出されたトリチウムの放射能量



 グラフ2を見ると一目瞭然ですが、3.11以後では、放出量が8分の1程度になっています。脱原発が実現できなくても、原発を稼働させなければ、それだけ、環境への負荷も小さくなることが分かります。

 再処理施設の数値を見ると、六ケ所の施設でアクティブ試験を実施した際の数値がずば抜けて大きくなっています(2007年度に1300兆ベクレル)。東海再処理施設でも、再処理事業を終了した後は、放出量が二桁下がっています(数十兆ベクレルだった値が数千億ベクレルへ)。
 使用済み燃料の再処理を行うと、原子力発電所以上にトリチウムの放出量が多くなることが分かります。
 資料を作っていく過程で、六ヶ所再処理施設に関しては、使用済み燃料の保管容量が一杯になっていることも分かりましたので、備考欄に記載しました(3000t容量に対して2968t保管。空き容量1.1%)。

 この他「ふげん」や「もんじゅ」からもトリチウムは放出されていますが、何れも廃止・或いは廃止決定の施設ですし、年度の平均放出量に大きく影響を与える数字ではないので、煩雑さを避ける為、グラフや表からは割愛しました。

 参考資料として作った「世界の・・・」では、初めて、垓(がい)という単位を使いました(数字で書くとゼロが20)。こんな単位を使う事が有るとは思いませんでした(笑) 
 セラフィールドやラ・アーグの再処理施設からの放出量も初めて知りました。六ヶ所再処理施設の1300兆ベクレルが可愛く思えるくらいの数字です。日本からも使用済み燃料の再処理を依頼していましたから、「日本発」の数字も含まれている筈です。


何故、これらの数字を調べたのか
~避けられないフクイチのトリチウム水問題~


 私がこれらの数字を調べたのは「興味が沸いたから」というのもありますが、最大の理由は、フクイチで貯留され続けているトリチウム水(ALPS処理済み水)の扱いを考える際に、必要になると思ったからです(フクイチのタンク内貯留水のトリチウムのインベントリは、2016年9月下旬時点で推定750兆ベクレル。​詳細は11月13日付記事のグラフを参照​)。

 フクイチのトリチウム水の扱いは、多角的な情報を集めた上でないと結論は出せないでしょう。「放出したがる人達の論理」も押さえておかなくてはなりません。地元だけではなく、全日本・全世界の問題でもあります。
 
 経産省の小委員会で、「核災害は市場の構造を変える」「何を購入し、何を食べるのか、決定する最終的な権限は消費者自身にあり」というプレゼンも聞いているので、社会的な側面も無視してはいけません。

 トリチウム水の扱いに関する私の意見は、何れ、まとめる機会もあるでしょうし、まとめなければいけませんので、今はこれ以上書きません。
 一つだけ断っておきますが、「過去にも兆ベクレル単位で放出していたのだから、フクイチのトリチウム水も放出すれば良い」とは考えていません。大きな数字ばかりを提示すると、誤解したり、誤解したがる人が必ず出てくるので、それだけはハッキリと現時点で断っておきます。

 今回の記事のグラフ2以降で提示した数字は、数週間前には把握していましたが、グラフや表の作り方・見せ方に苦労したので、アップが遅くなりました。


春橋哲史(ツイッターアカウント:haruhasiSF)​​​​​​​​​​​​

※ 11/18 文章の一部を修正






Last updated  2017.11.18 06:59:07
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