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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2023年02月21日
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カテゴリ:映画

管理人が好きなジャズ漫画「Blue Giant」が公開された。
公開3日目の一番早い回の鑑賞だったが、観客は30人以上はいたと思う。
予告を見た限り、テナー・サックスの音があまり太くなく、宮本大のイメージとは違うと思って、少し危惧していた。
ところがこれが予想を大幅に上回るパフォーマンスを聞かせてくれた。
主人公の宮本大が仙台から東京に来て、ピアニストの沢辺雪祈に自分のプレイを聞かせる場面、いきなりハーモニックスを伴うフリーキーなソロで度肝を抜かれた。
これで事前の不安が消し飛んでしまった。
この部分はサウンドトラックの「N.E.W.」の冒頭でも少し聴かれるが、このシーンはかなり長く、圧倒的な迫力が感じられる。
この映画は、テナーサックスに馬場智章(1992-)を起用したことで、成功したも同然だったろう。
彼は『国内外の有力奏者を対象にしたオーディションで満場一致で選ばれた』そうだ。
管理人は知らなかったがバークリー音楽院卒で、現在はニューヨークで活躍中とのこと。
馬場が「J-Squad」のメンバーだったことも知らなかった。
管理人は「J-Squad」のアルバムは2枚とも聞いているが、黒田卓也や中村恭士は覚えているが、テナーが馬場だったとは知らなかった。
改めてデビュー・アルバムの「J-Squad」(2016)を聴くと、総じておとなしめのプレイで、それほどインパクトはなかった。
なのでJ-Squad以降、長足の進歩を遂げたのかもしれない。
映画は、とにかくよくできている。
感動的な場面がいくつもあり、最後のジャズクラブ「So Blue」でのライブには感動して、不覚にも涙が出てしまった。
このコンサートは事故で右手を骨折した沢辺雪祈のピアノ抜きのテナーとドラムスというデュオだった。
ところがアンコールで、雪祈が突然登場して、左手だけでアンコールを弾くという設定に変えられていた。
この改変が見事にあたって、感動的なエンディングになっていた。
音楽は3人の演奏だけと思っていたのだが、弦や金管、ギターなどが使われた曲もあった。
トリオの演奏曲目はどの曲も熱い演奏で、映画の熱気を一手に引き受けていたようなもの。
上原ひろみのこの映画に対する貢献度は計り知れないし、彼女を起用した監督などスタッフの慧眼も尊敬すべきだ。
映像も普通のアニメの風景だけでなく、彼らが演奏している時のインタープレイの様子や抽象的な映像が熱気と圧倒的なインパクトを与えてくれる。
ということで、これ程ジャズマンの葛藤とジャズの熱気を伝えてくれる映画はこれまでなかったのではないだろうか。
また、「ジャズマンはいつまでも同じメンバーとやるわけではない」という誰かの言葉とか、「So Blue」の支配人の平が雪祈に「小手先のテクニックではなく、自分を曝け出せ」とアドバイスするところなど、ジャズの人間くささを表現しているところもあり、ドラマに厚みをもたせている。
多分原作が若者たちを描いているので、どうしても汚らしく感じられることの多いジャズ映画に比べると、はるかに健全で爽やかなところも観衆に訴えかけるのだろう。
単なるアニメというだけでなく、ヒューマンドラマとしても第1級の出来だろう。
ジャズファンはもちろん、ジャズを知らない方にもぜひ観ていただきたい、素晴らしい映画だ。
続編も期待したい。

 ところで、管理人はこのコミック最初から読んでいたわけではないので、連載当初の物を読みたいと思って電子書籍をあさっていたら、kindleで5巻の途中まで無料で読めることが分かり早速映画を観た当日に全部読んでしまった。
映画だと最初から凄腕のサックス奏者として描かれているが、そこまでのバークリー出身の音楽教師由比にしごかれて、ひとかどのプレーヤーになるまでの過程が分かり、とても参考になった。
2/23までの期間限定なのでご興味のある方は是非!!
spotifyでサウンドトラックも聞いてみた。
大たちのグループJASSの演奏だけかと思ったら、そのほかの演奏のほうが多い。
JASSの演奏は熱いのだが、他の曲は暖かな雰囲気の曲が多い。
上原の作曲で統一したことにより、映画全体の雰囲気も素晴らしくいい感じに仕上がったのだろう。
こうしてみると、映画での音楽の力がいかに大きいかを思わせてくれる映画だったことが分かる。

公式サイト





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Last updated  2023年03月18日 22時01分08秒
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