|
カテゴリ:ジャズ
この前ニッキ・ヤノフスキのレビューで触れた、ダイアナ・パントンの新作を聴く。 2xHDからのリリースだが、一番安い92.6kHzのflacを購入した。 日本版では「~さよならを云うために」という副題がついている。 色彩3部作の掉尾を飾るアルバム。 管理人は「レッド」(2014)のみ聞いたことがある程度。 「レッド」もそれほど印象に残っているわけではない。 「ピンク」のリリースが2009年なので、あしかけ13年ほどかかったようだ、というかよく最後まで続いたという印象だ。 「レッド」では「色彩3部作」などというコピーはなく、今回の「ブルー」で出てきたようで唐突感が拭えない。 ジャズ批評のジャズ・オーディオ・ディスク・大賞2022のヴォーカル部門では何と銀賞を受賞している。 金賞のサマラ・ジョイのヴァーブ盤とは5点差の48点で、3位のローレン・ヘンダーソンとは20点も差がある。 サマラ・ジョイがダントツかと思ったが、以外に僅差で驚いた。 彼女の歌を聴くのは久しぶりだが、インティメートで素朴な歌唱は変わらない。 凄くうまいというヴォーカルではないが、聴き手の心に、やさしく寄り添ってくれるヴォーカルだ。 音程が甘く、一向にうまくならないと思うのは管理人の個人的な感想だろうが、上手くなったらなったで、今の素朴な持ち味が消えてしまうかもしれない。 以前気になっていた縮緬ビブラートがあまり目立たなくなっていたのは好印象。 ちょっと癖のあるフレージングは個人的には気になる。 彼女の選曲したトーチソング集だそうだが、いい曲が多くしみじみとした味わいが感じられる。 パントンが好きな方はどっぷりと嵌ってしまいそうだ。 全編スローバラードなので、時には速いテンポの曲も欲しいところ。 バックは曲毎に変わり、ドラムレスのピアノ、ギター、ベースのトリオやストリングスが加わる。 ストリングスが入ると、インティメートな雰囲気がより一層増す。 ただ、ピアノやギターとのデュオのほうがしっくりくる。 バックでは、レグ・シュワガー(1962-)のギターがいい。 特にパントンとのデュオ「ノーバディズ・ハート」でのアルペジオが心に染み入る。 track6やtrack15での、フィル・ウッズを思い出させるようなスインギーなフィル・ドワイヤー(1965-)のアルトもいい味出している。 イントロが無伴奏のヴォーカルで始まるトラックが多いが、ノイズ感が皆無で実に素晴らしくいい。 いつもながらこのレーベルはブックレットが付いていて、とても有難い。 ブックレットに「The Trouble with Hello」、「To Say Goodbye」、「Just Sometimes」の3曲がお薦めとして載っている。 手始めにこれらを配信でチェックするのもいいと思う。 Diana Panton:Blue(2xCD)24bit96kHz Flac 1.Alan Bergman;Marilyn Bergman;Johnny Mandel;Charles Strouse;Lee Adams:Medley: Where do You Start? Once Upon a Time 2.John Winston Lennon;Paul James McCartney:Yesterday 3.Fred Stryke;Johnny Lange:Without Your Love 4.Stephen Sodheim:Losing My Mind 5.Irene Higginbotham:This Will Make You Laugh 6.Alan Bergman;Marilyn Bergman;David Grusin:The Trouble with Hello Is Goodbye 7.Cy Coleman;Joseph Allan McCarthy:I'm Gonna Laugh You right Out of My Life 8.Lani Hall;Edu Lobo;Torquato Pereirade;Araujo Neto:To Say Goodbye 9.Bobby Troup;Leah Worth:Meaning of the Blues 10.Sammy Cahn;Jimmy Van Heusen:I'll Only Miss Him When I think of Him 11.Ron Anthony;Sammy Cahn:It's Always 4 Am 12.Armando Manzanero Canche;Norma Winstone:Just Sometimes 13.Gladys Shelley;Abner Silver:How Did He Look? 14.Richard Rodgers;Lorenz Hart:Nobody's Heart 15.Frank Loesser:Spring Will Be a Little Late This Year 16.David L. Frishberg;Johnny Mandel:You Are There Diana Panton(vo) Jim Vivian(p,rhodes) Phil Dwyer(sax) Reg Schwager(g) Don Thompson(b) Penderecki String Quartet(track2,4,6,7,9) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023年03月21日 16時46分35秒
コメント(0) | コメントを書く
[ジャズ] カテゴリの最新記事
|