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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2023年03月24日
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カテゴリ:映画

東出昌大主演の「Winny」を観る。
少し前に産経新聞の「Crossing-クロッシング-」という連載物に彼の回があり、偶然それを読んでいたのが切っ掛け。
これを読むと、彼は現在関東地方の山の中で狩猟生活をしながら暮らしていて、仕事があるときに下界におりるという生活をしているそうだ。
個人的には例の騒動で印象が悪くなっていたが、現在のストイックな生活を知り、印象がだいぶ変わった。
この映画は、ファイル交換ソフトwinnyを使って、違法なアップロードを行ったことに関するほう助で逮捕(2004)されたwinnyの開発者金子勇氏(1970-2013)の裁判の顛末を描いている。
winnyを管理人も音楽ファイルのダウンロードで何回か使ったことがある。
ただ、ダウンロードに時間がかかるのと、聞きたいジャンルの音楽のラインナップが貧弱だったので、数曲を試しただけでそれっきりになってしまった。
その後開発者が起訴されたということは知っていたが、その後の顛末はよく覚えていない。
ここに、同時期に起こった愛媛県警の仙波敏郎巡査部長による警察の裏金作りの告発(2005)のエピソードが絡む。
この事件でも捜査情報の提供者に謝礼を支払ったという偽の報告書がwinnyで流出したという関連があり、物語として厚みのあるものになった。
仙波氏は警察のいろいろな妨害に見舞われたが、最終的には復職を果たし、後に鹿児島県阿久根市の元副市長にもなったそうだ。
彼の行為が正しく評価される世の中であったことが救いだ。
映画は専門用語が出て来て、素人にはなかなか難しい内容だと思うが、映画でも専門用語は繰り返し説明されていて、多少は理解しやすくはなっている。
映画の中では殺人があって、使われたナイフを作った人は罪に問われない、というたとえ話がある。
これがこの事件の本質をズバリ言い表している。
映画は細部への拘りが凄く、金子さんの住んでいた部屋や金子さんが小さいころに通っていた電気屋さん、本屋さんを含め当時の雰囲気がリアルに伝わってきた。
弁護士の公判での尋問のテクニックについて語られているシーンも、素人にはなかなか興味深いものだった。
キャストはなかなか充実している。
特に目立ったのは主任弁護士秋田真志役の吹越満。
飄々とした雰囲気ながら、後半で金子さんを逮捕した北村文(渡辺いっけい)を尋問する場面は切れ味鋭い名演技だった。
主演の東出は金子の天才的なプログラマーとしての側面と、いいものが出来るとそれを皆に見せたいという子供っぽい面、天体に対する興味、お菓子好きの側面など多方面にわたって実像に迫っていたと思う。
ダブル主演の三浦貴大も不条理に立ち向かう弁護士を力演。
エンドロールの後に金子氏の長いインタビューが出てくる。
それを見るとソフトを作ることに喜びを感じる技術者であるだけで、ソフトが出来るとそれをみんなに使ってもらいたいという単純な意図しか持っていないことが分かる。
映画の中では、仮釈放中はソフトの開発をしてはいけないことになっていたが、バグを見つけて修正したいのにできないという、開発者のジレンマを感じる場面が出てくる。
ソフトの間違いを見つけたらすぐ直したいと思う気持ちは、設計者の習性みたいなもので、同業だった管理人にも痛いほどわかる。
映画の最後に原案が朝日新聞の渡辺淳基記者によるものと出てくる。
昨今は朝日新聞と聞くだけでイラついてしまうが、こういう素晴らしい内容の記事(2020年3月8日)があるうちは、まだ救いがある。
ということで、現在公務員の捏造に関して国会で絶賛審議中でもあり、偶然とはいえタイムリーな映画だった。

winny事件


公式サイト
参考:映画『Winny』にも登場、裏金問題の告発者・仙波敏郎氏が語る警察の狡さ
俳優・吉岡秀隆のリアル過ぎる演技に警察幹部が「困った映画だ」 を見ると、警察の体質は今も変わっていないことが分かる。





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Last updated  2023年04月07日 06時03分16秒
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