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bunakishike

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2023年03月28日
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カテゴリ:クラシック音楽

フランスのソプラノ、ジュリー・フックス(1984-)の「Amadè」と題されたモーツァルト集を聴く。
ソニーへの移籍第一弾だ。
ジャケ写がちょっと煽情的な感じがして、あまりいい印象がなかった。
最初はそれほどとは思わなかったのだが、spotifyで何回か聴いているうちにそのうまさにほとほと感心し、ハイレゾを購入してしまった。
リリカルなソプラノだろうが、暖かく厚みのある声で、高音域でもあまり細くならならない。
むしろ高音域になるほど彼女のビロードのような滑らかな声の素晴らしさが実感できる。
なので、通常リリック・ソプラノで感じられる弱弱しさは全く感じられない。
フレージングは清潔で、情感を大切にした歌唱が素晴らしい。
「ツァイーデ』からのアリア「虎よ、その爪を研ぐがよい」のような激しい表現も堂に入ったもので、表現の幅が広い歌手なのだろう。
気に入ったのは最後の『別れの歌』
この歌は確かバーバラ・ボニー(Teldec)の演奏で親しんでいた記憶がある。
NASに入っていたので、聞いてみたが、フックスの歌とまるで違う。
声が細くチャーミングな歌唱だが、「別れの歌」という感じはなく、悲しみの度合いはフックスのほうが強い。
ボニーはカットがあり、フックスより1分半短い。
wikiによると、ヘ短調という調性はモーツァルトでは比較的少なく、フィガロの結婚のバルバリーナのアリアを思わせるとある。
なるほど一曲目がバルバリーナのアリアで、「別れの歌」と同じムードが感じられる。
「フィガロの結婚」からは三曲選ばれているが、全部違う役の歌だ。
ことさら役の違いを際立たせているわけではないが、どの役も納得の出来。
バックはヘンゲルブロック指揮のバルタザール=ノイマン・アンサンブル。
古楽としてはきついサウンドが聴かれることはあまりなく、出るべきところは出ていて絶妙なサポートだ。
むしろ、フォルテ・ピアノや管の鄙びたサウンドがモーツァルトにふさわしい。
オーケストラ単独の曲も3曲あり、悪くない。
特に『エジプトの王ターモス』K.345の第4幕後の幕間音楽はデュナーミクの幅の広い、厳しい音楽で、なかなかの迫力だ。
同じムードの「ツァイーデ」のアリアにアタッカで繋がっているのも上手いやり方だ。

別れの歌 歌詞

Julie Fuchs:Amadè(Sony 19658758952)24bit 96kHz Flac

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:
1. 歌劇『フィガロの結婚』K.492 ~カヴァティーナ「なくしてしまって…あたし困ったわ」[バルバリーナ]
2. バレエ音楽『レ・プティ・リアン』K.299b ~第3曲(Andantino)[オーケストラ]
3. 歌劇『魔笛』K.620~アリア「ああ、私にはわかる、幸福が永遠に去ってしまったことが」[パミーナ]
4. 劇音楽『エジプトの王ターモス』K.345 ~第4幕後の幕間音楽 (Allegro vivace assai)[オーケストラ]
5. 歌劇『ツァイーデ』 K.344 ~ アリア「虎よ、その爪を研ぐがよい」[ツァイーデ]
6. 歌劇『後宮からの逃走』K.384 ~アリア「何という喜びと楽しみが」[ブロンデ]
7. コントルダンス『意地悪な娘たち』K.610[オーケストラ]
8-9. 歌劇『フィガロの結婚』K.492~レチタティーヴォとアリア「ついにその時が来たわ…さあおいで、遅くならず、素敵な喜びよ」[スザンナ]
10. 『オフェーリアの健康回復に寄せて』K.477a(K.Anh.11a)~第3曲「あの無垢な子羊を」
11-12. レチタティーヴォとロンド『どうしてあなたを忘れられようか~恐れないで、愛する人よ』K.505
13. カンタータ『悔悟するダヴィデ』K.469 ~第8曲:アリア「暗い、不吉な闇の中から」
14. カノン『わが太陽は隠れたり』K.557
15-16. 歌劇『フィガロの結婚』K.492~レチタティーヴォとアリア「スザンナはまだ来ないわ…今はどこなのでしょう、あの美しい時は」[伯爵夫人]
17. 歌曲『別れの歌』K.519

ジュリー・フックス(ソプラノ)
バルタザール=ノイマン・アンサンブル[ピリオド楽器使用]
トーマス・ヘンゲルブロック(指揮)

録音2022年1月、パリ、フォンテーヌブロー宮殿





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Last updated  2023年03月28日 16時25分57秒
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