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カテゴリ:ジャズ
ピアニストのロベルト・オルサーをチェックしていて見つけた音源。 一昨年オルサーの自宅で録音されたハーモニカ奏者のマックス・デ・アロエとのデュオ作。 マックス・デ・アロエは一部アコーディオンを演奏している。 プログラムは彼らのオリジナルが2曲ずつで、他にジャズメンのオリジナル、スタンダード、クラシックとヴァラエティに富んでいる。 彼らのオリジナルではマックス・デ・アロエのほうがいい。 特にタイトル・チューン「Una notte di coprifuoco」は爽やかだが感傷的な側面も感じさせるメロディーが心を揺さぶる。 残念なのは音が途切れたり、クリップ音や低い音が入っていること。 最後はプツプツノイズでダメ押しされた。 spotifyやこの稿でアップしたyoutubeでも同じなので、ソースそのものの問題だろう。 最後の「Ore giorni mesi」は甘く切ないメロディーが切々と訴えかけてくる。 最後の一分前くらいから野鳥の鳴き声が聞こえ、そのうち風の音も聞こえてきて、静かにフェイドアウトしていく。 この効果音が何を意味するのか分からないが、映画のエンディングのような印象深い終わり方だ。 オルサーのオリジナルの中では、ビル・エヴァンス風の「A ballad」が、陽だまり中でまどろんでいるような気分を感じさせる。 「Epilogo」はサティーを思い起こさせるような、暗い雰囲気で面白くない。 クラシックはフォーレとプーランクが取り上げられている。 クラシックに造詣の深いオルサーの選曲だろうか、ハーモニカとピアノのフォーマットにしっくりくる。 ハーモニカはフレージングにクセがあり、どの曲も同じ調子で、続けて聴いていると飽きてくる。 アコーディオンはそういう不満がない。 ピアノは音が悪いのが残念。 普通のスタジオやホールのピアノだったらと思ってしまう。 ただ音の悪さが、インティメートな雰囲気を出しているのは、怪我の功名か。 スタンダードの「The nearness of you 」もしみじみとした抒情が心に染み入る。 「アルフォンシーナと海」はアルゼンチンの作曲家アリエル・ラミレスの手になるサンバで、入水自殺した詩人アルフォンシーナ・ストルニ(1892-1938)を悼む、しみじみとした抒情が心に沁みる。 この稿を書いているときにジョバンニ・ミラバッシも録音していたことに気が付いた。(TERRA FURIOSA収録) ミラバッシの演奏はオルサーの演奏よりだいぶ速く、あまりべたべたしていない、よりジャズ的な演奏。 ジャズメンではパット・メセニーとビル・フリーゼルのオリジナルが取り上げられているが、あまり面白くない。 特にフリーゼルの「Strange Meeting」はじとっとした暗い雰囲気で、気分が落ち込んでいくような感じがする。 フリーゼルの演奏は少し暗めだがテンポが速く、今回の演奏とはまるで違う。 イタリアでコロナによる夜間外出制限令が出ていた時の気分を表していると思うのは、穿ちすぎだろうか。 ということで、製品としては問題があるが、音楽は地味ながら心温まる佳作で、日本人には絶対受けるだろう。 限定500枚で、既に入手困難なのはもったいない。 残るは配信元に連絡しなければならないことだけだ。 修正してくれれば有り難いが。。。 Roberto Olzer & Max De Aloe:Una Notte Di Coprifuoco(Barnum For Art BFACD019)16bit 44.1kHz Flac 1.Max De Aloe:Una notte di coprifuoco 2.Pat Metheny: Always and forever 3.Bill Frisell:Strange Meeting 4.Hoagy Carmichael, Ned Washington:The nearness of you 5.Ariel Ramirez, Felix Luna: Alfonsina y el mar 6.Gabriel Faurè: Pavane, op. 50 7.Roberto Olzer: A ballad 8.Francis Poulenc: Andante, from Piano Concerto 9.Roberto Olzer: Epilogo 10.Max De Aloe:Ore giorni mesi Max De Aloe(chromatic harmonica,accordion track 3,5,10) Roberto Olzer(p) Recorded at Roberto's house during a curfew night in the Val d'Ossola (Italy) 21 - 22 February 2021 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023年04月04日 17時24分15秒
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