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カテゴリ:クラシック音楽
レ・シエクルの手兵的合唱団と言われるアンサンブル・エデスのストラヴィンスキーとラヴェルを組み合わせたアルバムを聴く。 ストラヴィンスキーのバレエ・カンタータ「結婚」は同時期の「春の祭典」と並び称される傑作とされている。 管理人はCDはバーンスタインやクルレンツィスしか聞いたことがなく、映像もゲルギエフの物を見たことがある程度で、あまりなじみがないというか、そんなに面白いと思ったことはない。 今回のアルバムは、ディストリビューターによると次のような経緯を持っているという。 『1917年に管弦楽用にとりかかるものの中断、1919年には合唱とピアノラ(自動ピアノ)、ハルモニウム、2台のツィンバロン、打楽器用に着手しますが、生演奏とピアノラの共演やツィンバロンの名手を2人揃える非現実性に気づき前半で中止、最終的に現行版(1923)となった。 2007年にオランダの作曲家テオ・フェルベイが1919年版を意図通りに完成させる許可をストラヴィンスキーの遺族から得て、全曲が日の目をみた。』 また、声楽も正式なロシアの方言指導を受け、農民調に歌っているそうだ。 それが一番よく分かるのは1曲目に収録されているロシア民謡「つまらん連中」 イントロで出るソプラノ・ソロからして、若干洗練され過ぎるきらいはあるものの、フランスの合唱団が歌っているとは思えないほど節回しが板についている。 特にソプラノ・ソロは民族的な雰囲気が漂いながらも、実に美しい。 「結婚」も民族的な雰囲気が横溢している。 4人のソロを含む22名での演奏。 メリハリの利いた暴力的な表現もなかなかのもの。 特に第4場の激しい表現には圧倒される。 注目されるのは現行の1923年版では4人で演奏されるピアノ・パートがコンピューター制御のピアノラ(自動ピアノ)で演奏されていること。 プログラミングは1919年版を2005年に完成させた、ルネ・ボウが担当。 ピアノラと言われなければ分からないほど音楽に溶け込んでいる。 ピアノラはヤマハのディスクラビアDC5を使っている。 ピアノラは1台しか使っていないが、ピアノを4台使っている1923年版に比して迫力不足とは感じられない、 激しいタッチで合唱をプッシュしているところなどは、プログラマーの腕の見せどころなのだろう。 管理人の耳が悪いのだろうか、ツィンバロンはあまり聞こえない気がする 合唱は参考までに聞いたバーンスタイン盤に比べると発音が明瞭で見通しがいい。 ぐいぐいと迫ってくる4人のソリストの迫力も半端ない。 ラヴェルの「ボレロ」を合唱用に編曲したバージョンは、いろいろあるようだ。 このアルバムではフランスの作曲家ロビン・メルヒオールによる編曲が使われている。 伴奏は「結婚」と同じ編成だが、ピアノは「結婚」ほど前面に出てこない。 ヴォーカリーズは16名で、ハルモニウムとのハーモニーがユニークだ。 持続するエネルギーとバスドラムとシンバルが加わる最後の衝撃的な盛り上がりは、なかなかの聴きものだ。 ストラヴィンスキー: 結婚 (1919年オリジナル版)(Aparté AP300)24bit 96kHz Flac ストラヴィンスキー: 1.ロシア民謡「つまらん連中」 2.ストラヴィンスキー:結婚(1919年版)(テオ・フェルベイ完成版) 第1部 第1場 第2場 第3場 第2部 第4場 6.ラヴェル(ロビン・メルヒオール編):ボレロ(合唱と小器楽アンサンブル版) マチュー・ロマーノ(指揮) アンサンブル・エデス レ・シエクル アメリ・レゾン(ソプラノ) ポリーヌ・ルロワ(メゾソプラノ) マルシャル・ポリア(テノール) ルノー・ドレーグ(バス) 2022年1月23日パリ音楽院(3)、2月4-5日ブローニュ=ビヤンクール、RIFFXスタジオ(1)(2) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023年04月10日 18時19分30秒
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