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音楽雑記帳+ クラシック・ジャズ・吹奏楽

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bunakishike

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2024年04月05日
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カテゴリ:クラシック音楽

フランスのメゾソプラノのサンドリーヌ・ピオー(1965-)の新作「Reflet」を聴く。
彼女のアルバムはアルファからしか出てないので、なかなか手を出しにくい。
このアルバムは珍しくeclassicalからもリリースされていたので、ダウンロードした。
このサイトでは最近価格決定の基準が変更になり、秒単位で価格を決めているようだ。
いわば従量制で決めているようなもので、アルバム単位での値決めをするこの業界においては、他のサイトでは考えられないことだ。
この業界での価格破壊のようなもので、このサイトの英断に拍手を送りたい。

閑話休題

フランスの作曲家たちに何故かブリテンが入っているというプログラム。
シャルル・ケクランの歌曲が取り上げられているのが珍しい。
ピオーはどの曲でも上手さが際立っていて実に素晴らしい。
フランスでは同世代のヴェロニク・ジャンス(1966-)も「​Paysage​」というアルバムをアルファからリリースしたばかりだ。
筆者は以前はジャンスのほうがうまいと思っていたが、この二つのアルバムを比べると、ピオーの柔らかなディクションに比べるとジャンスはちょっときつく、ピオーのほうがフランス歌曲に相応しいと思う。
聞いたことのない歌が多いが、その中ではケクランの「エドモン・アロークールによる4つの詩Op.7」からの2曲と「3つの歌 Op. 17」の第3曲 「顕現節」が繊細な伴奏と共にしみじみとした情感を感じさせる。
因みに「顕現節」とは、東方の三博士がベツレヘムに誕生したキリストを訪問し、キリストが神の子として公に現れたことを記念する日(顕現日)に対応する時節のことだ。
最後のブリテンの「4つのフランスの歌」はタイトル通りフランス風な曲で、他のフランス人作曲家の並んでいても全く違和感がない。
微妙なサウンドのグラデーションが美しく、ブリテンの腕の冴えを感じさせる。
管弦楽のみの短い曲が2曲入っていたが、ドビュッシーの割には主張が強く、厚ぼったいサウンドなこともあり、あまり面白くない。
その中では短いながらも躍動的な「古代のエピグラフ」の第6曲「朝の雨に感謝するために 」が彼らの芸風に合っている。
バックの「ヴィクトル・ユーゴー・フランシュ・コンテ管弦楽団」という団体は初めて聞いた。
クラリネット奏者でもあるジャン=フランソワ・ヴェルディエは2010年からこの楽団の音楽監督を務めている。
フランスらしい軽さと雰囲気が持ち味だが、歌に寄り添うというよりはぐいぐいと迫ってくるような、よく言えば積極的な伴奏で、悪く言うと圧迫感を感じるため好悪が分かれそうだ。
ラヴェルの「マラルメの3つの詩」は室内楽編成なので、おしつけがましさがなく、そこはかとなく感じられる東洋趣味とクールな雰囲気が悪くなかった。
ピオーの歌はオーケストラに全く負けていないのだが、個人的には、伴奏はもう少し控えめな方が好ましかった。
録音は前に出てくるサウンドでこの録音も圧を感じる原因かもしれない。
残念なのは、3曲目の2分30秒から2分50秒付近まで、何かが振動しているようなゴーという音が聞こえること。
とても容認できるようなレベルではない。
私の聞いている音源だけだろうか。
とうことで、伴奏について注文を付けてしまったが、アルバム全体としてはかなりハイレベルな仕上がりで、ピオーの歌を堪能できる。
年齢的にも最盛期だろうから、今のうちに出来るだけ多くの録音を期待したいところだ。

Sandrine Piau:Reflet(Alpha ALPHA1019)24bit96kHz

1.Hector Berlioz:Les nuits d'été, H 81: No. 2, Le spectre de la rose
2.Henri Duparc:Chanson triste(1868)
3.Henri Duparc:L’invitation au voyage(1870)
4.Charles Koechlin:4 Poèmes d'Edmond Haraucourt, Op. 7
  2, Pleine eau(1897)
  4, Aux temps des fées(1896)
6.Charles Koechlin:3 Mélodies, Op. 17: No. 3, Epiphanie(1900)
7.Debussy, Claude:Suite bergamasque, L. 75: No. 3, Clair de lune
8.Morice Ravel:3 Poèmes de Stéphane Mallarmé, M. 64(1913)
  1, Soupir
  2, Placet futile
  3, Surgi de la croupe et du bond
11.Debussy, Claude:6 Épigraphes antiques, L. 131: VI. Pour remercier la pluie au matin
12.Benjamin Britten:Quatre Chansons françaises (1928)
  1, Nuits de juin
  2, Sagesse
  3, L'enfance
  4, Chanson d'automne

Sandrine Piau (s)
Orchestre Victor Hugo
Jean-Francois Verdier

Recorded in November 2022 at Auditorium de la Cité des arts, Besançon.





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Last updated  2024年04月05日 17時16分08秒
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