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南風のC級シネマ評論

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2006/06/20
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カテゴリ:映画-アメリカ
 ただ今入院中。なので新しいビデオ・DVDを借りに行くこともできず、ちょっとブルー。先日(6月17日・18日)の外泊でもレンタル屋さんに行けなかった。
 そんな中で、今回私のビデオライブラリーからチョイスしたのが、1993年に作られた「フィラデルフィア」だ。
 (この評論、18日に見たのを病室で書いています。)

 ストーリー goo映画より
 フィラデルフィアの一流法律会社に務めるアンドリュー・ベケット(トム・ハンクス)は、ある日突然エイズと宣告され、ウィラー社長(ジェイソン・ロバーズ)に解雇される。不当な差別に怒ったベケットは、損害賠償と地位の保全を求めて訴訟を決意。だが、次々と弁護を断わられた彼は、以前敵同士として渡り合ったやり手の弁護士ジョー・ミラー(デンゼル・ワシントン)を訪ねる。ミラーはエイズに対して、抜きがたい恐怖を感じていた。
                  全文を読む

 フィラデルフィアと言えばアメリカ合衆国発祥の地、独立し最初の首都となった町でもある。
 1776年7月4日に13の植民地の代表者57人が署名して公布されたアメリカ独立宣言は、「すべての人は平等で、生命、自由、幸福を追い求めることは生まれつき与えられている権利である。」で始まっている。
 この映画は、その町でおこったエイズへの偏見と差別、同性愛への偏見と差別をテーマにした法廷劇だ。
 
 この二つの差別と偏見の克服は、アンドリュー・ベケットの依頼を受けた弁護士ジョー・ミラーのそれへの克服という形で現れ、同時に見ている我々にも問題を提起する。
 ミラー自身、エイズへの理解は深めるものの、同性愛については嫌悪感をもっていて、なかなかそれが克服できない。
 彼がベケットの裁判の弁護を引き受けたのは、「法が破られたから」に他ならない。
 酒場で彼は言う。
 「僕だってホモは嫌いだ。だが、法が破られた。法を忘れるな」と。
 そして、弁護を引き受けた事によって、自らがホモだと見られていることに嫌悪感を抱く。
 
 だがミラーは、ベケットを知ることで変わっていく。
 最初は、図書館で。
 その次は証人尋問のリハーサルの時。
 ベケットは自分の死期の近いことを知り、オペラのアリアに重ねて心情を訴える。
 「I am love. I am love.」と。
 この訴えにミラーは、同性愛も、子供への愛も、異性間の愛も、すべて同じ愛に他ならないことを理解する。
 
 さらにもう一つの愛の形=家族愛・兄弟愛がベケットを支える。
 裁判を起こすことの了解を求めに来たベケットに、彼の両親、兄弟は彼を理解し応援する。
 母親は言う「私は偏見に負ける子は育てなかったわ。堂々と闘いなさい」と。
 (この母親の存在感はすごいのひと言だ)
 
 恋人ミゲールの愛と家族の愛に支えられてベケットは裁判を闘うが、ついに法廷で倒れる。彼は評決を病院のベットの上で聞くことになる。
 勝訴の知らせを聞いた後の、病院での家族との別れ。応援してくれた家族の暖かさが際だったシーンだ。

 ラストシーン。
 実家で行われた告別式。
 テレビから流れる、幼い頃のベケットと兄弟。
 揃ったみんなに、涙はない。
 それは人間の尊厳を守り闘ったケベットに、家族みんなが誇りを持っているから。
 そんなベケットを愛した自分たちに、誇りを持っているからだ。
 
 
 それにしても、トム・ハンクスとデンゼル・ワシントンがすごい。
 いくら役の上とはいえ、トム・ハンクスの激やせ(メイクの効果も大きいとは思うが)にはびっくりした。
 で、トム・ハンクス出演で私が見た映画をチェックしてみた。
 ターミナル(2004)、キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002)、プライベート・ライアン(1998) 、ユー・ガット・メール(1998)、アポロ13(1995)、フォレスト・ガンプ/一期一会(1994)、めぐり逢えたら(1993)、そしてこのフィラデルフィア(1993)である。
 結構みてるんだなあ・・って、これにも自分でびっくりした。





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最終更新日  2006/06/20 10:02:26 AM
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