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テーマ:世界を動かす国際金融(373)
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人間には、2種類しかない。財産が増え続ける人間と、いつまで働いても金が増えない人間である。これは神が与えた運命ではなく、人間がつくりだす社会の精密な仕組みから生まれる必然的な結果なのである。
90年代に入って、日本は経済破綻した。損害を受けたのは誰であろうか。 金融機関だけではなく、すべての国民である。 株式を売買する東京証券取引所がある兜町は、90年代に入って苦境を続けたが、日本人は誰に金を盗まれたのか。 ヘッジファンド? それだけではない。ヘッジファンドは、国際金融マフィアである盗人が考案したひとつの行動形態、すなわち無数にある経済戦略のひとつである。財閥に使用される投機屋ジョージ・ソロスの物語だけでは、経済破綻の理由を何も説明できない。投機屋を雇う者と投機屋を混同してはならない。 日本の金融界は、アメリカに動かされてきた。この大国はホワイトハウスの力で動かされている。しかし政治評論で語られるように、ニュースに登場する大統領と2大政党がアメリカを動かす、と想像するのは間違いである。アメリカには、実はひとつの政党しか存在しないからである。 では、ウォール街か。これはかなり正解に近いが、具体的な説明ではない。実際には、大きな力を持つ集団として、7つのメカニズムがあることを確認できる。 第一は、「財閥の遺産相続人」、これが、ヴァンダービルト家のように政党を動かす最強の集団である。富豪と呼ばれる資産家グループの要請と指示に基づいて、ウォール街のプレーヤーと呼ばれるビジネスマンの世界は動く。財閥の富豪たちが、ウォール街の株券と債券に最大の資本を投入するマーケット・オーナーだからである。 第二は、「南アのゴールドが動かす資産価値」にある。世界は、かつての金本位制と札束のどちらが基準であるべきかをめぐって、絶えず緊迫した状況に置かれる。日々変化する為替レートと貿易収支にかかわる高度な数学的解析を重ね、有数の貴金属業者がゴールドを値踏みするのである。 第三は、「CIAの経済戦略」である。アメリカの国家的金融作業は、情報機関がホワイトハウスに報告する世界的メカニズムの分析に基づいて実施に移される。重要な戦略は、通例、軍事シンクタンクによって青写真が描かれる。 第四が、「ヨーロッパ財閥の威力と組織」である。アメリカで幸運な財閥・富豪に入る階層は、姻戚関係の起源をすべてヨーロッパに持ち、イギリス王室とロスチャイルド家など、豪華な貴族社会なしには動けない政治構造が存在する。 第五が、「ウォール街の国際投機人脈」。これは多言を要しない。金融シンジケートによる国際的インサイダー取引きによって、巨大なマネーの山を賭博場で動かし、大統領を創りあげ、財務省と中央銀行の金庫をたっぷり潤すビジネス集団である。 第六が、「タックスヘイブンによる地下経済」にある。民主主義制度のもとでは、脱税が機能しなければ、財閥は資産を隠す場所がなく、天文学的な遺産が消失して、子孫に分配できなくなるからである。 第七が、「金融ジャーナリズムの支配力」にある。過去のハーストや現代のフォーブスだけでなく、若きエレクトロニクス・ジャイアンツたちが新製品を駆使しながら、報道メディアを動かす手法は、世界的支配階層の最も知的な芸術へと高められてきた。 こうした七つの力が、今、地球全体を席捲している。 以上は、「アメリカの経済支配者たち」広瀬隆(著)からです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年08月18日 17時38分43秒
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