成長のお話 その4
最後に、今まで出てこなかったリンパ組織の線についてです。この組織も矯正治療にとても関係があります。 唯一特徴的な曲線ですよね。10歳前後をピークに急激に200%まで急上昇し、その後100%へ戻ってゆきます。 耳鼻科へ通われたことがある方、アデノイドとか口蓋扁桃といった言葉を耳にしたことはありませんか?リンパ組織とは、これらのような主に免疫を司る組織の総称です。 これらは病気の名前ではありません、普通にヒトの体に存在する組織なのですが、問題となるのはその大きさです。 例えばアデノイドについてですが。鼻の穴から吸った空気は「鼻」を通って、「喉」を通って、「気管」を通って、「肺」に届きます、このルートのことを気道と言います。アデノイドは、この気道中の「喉」の奥にあります、目視では確認できない場所です。 このアデノイドが「喉」の奥の気道を塞いでしまうほど大きかったらどうなると思いますか?特に鼻呼吸は難しいと思います。 アデノイドの切除手術は、昔は耳鼻科で普通に行われていた手術なのですが、最近は手術を避ける傾向にあるようです。理由は出血が多くて危険だし、10歳を過ぎれば小さくなってくるし、それまで様子をみましょう ということになるようです。 確かにいずれは小さくなってくるのでしょうが、問題はその年齢です。10歳といったら、ほとんどの成長は終わってしまっています。 子供の成長に最も大切な時期に鼻呼吸ができない。そのため 口呼吸を伴う好ましくない成長が起こり、何より口呼吸という悪習癖が身についてしまうというのはとても残念なことと思います。