爆音なし、エコF1計画 進行中
FIAが、電気自動車によるF1レースの2013年からの開催を目指し、準備を進めている。地球温暖化対策で、電気自動車の積極導入を目指すEU(欧州連合)の働きかけを受けたもので、「環境にやさしいレース」が実現するか、注目を集めそうだ。FIAのJ.トッド会長は、「新エネルギーを使ったレース部門をできるだけ早く新設したい」と述べた。 レースのシリーズ化も視野に入れており、ガソリン車での現行のF1も存続させる。欧州委員会のアントニオ・タジャーニ氏は、「メディアの注目度が高いF1を通じ、電気自動車への関心を高めたい」と期待する。 世界の大手メーカーが開発にしのぎを削ることで、走行距離が短く、充電時間が長い電気自動車の課題克服も見込まれている。電気F1カーの開発は すでに始まっている。 フランスのフォーミュレックは昨年10月、メルセデスGPなどと2年半かけて開発した「フォーミュレックEF01」をお披露目。昨年9月のテスト走行では、サーキットに爆音を響かせることなく、3秒で時速100キロまで加速、最高時速も250キロを記録したという。日産自動車もニューヨークの国際オートショーに、レース用の「リーフニスモRC」を出展した。ただ、F1の興行面を統括するバーニー・エクレストンが「排気音がF1の魅力の一つ」としてFIAと激しく対立しており、実現には紆余曲折が予想される。