ひなたぼっこねこ

んじゃまあ、五億。
と、言って見た。絶句する旦那。
「お前ね、せめて五千万とか、さ」
あるの？
「…そんな訳ないだろ～、五百、いや
三百万なら、なんとか…」
なるの？即金で？
「いやいやいや…あのな、それにしても
オクは無いだろ、桁が違うって」
仮に、最初に五十万、って言ったって
無いんでしょ、どうせなら大きい方が。

「ムチムチプリンがいいなあ」
ともらす旦那。あらどうぞ、いいじゃない、
と同意する妻。紹介してもらったら？
胸の下、胴囲だけならぶくぶくボテン、
の女房の反撃に、うろたえる夫。
「結婚相談所に個人情報がもれた」と
主張する男の言葉は、家族の冷笑に
虚しく響いているのであった。

しかし！
さすが元ＤＶ、イジラレキャラでは無い。
「わかった、じゃあどうすりゃ出て行くんだ」
と反撃。出て行くも何も、この家のローンは
私が払っとるんだが。まあ、
子供らと一緒なら、あとは頂くものさえ、
いただければ。
「わかった、言い値で払う」

で、冒頭の会話に。
どうせ逆さにしたって
ありはしないんだから、
言い値くらい大きくいこうじゃないか。

あとで、下の子に、戒められる。
「そういう時は、無量大数でしょ！」
あたしも、まだまだ、だわ。