愛情塩分説
ゆーのす黒は育児を始めて4年が経ち、その間2人の子供の世話をしながら、そのお友達や大勢の親子を見てきた。暇さえあれば育児や社会学に関する本を読みあさり、様々な意見にも耳を傾けてきた。その結果として、1つ確信めいた結論に達した。それは、『(子育てにおける)愛情とは塩分のようなものだ』ということ。これぞ、ゆーのす黒オリジナルの愛情塩分説である。人間は生きていくうえで、お塩を必要とする。逆に言えば、最低限の塩分がないと人間は生きていけない。その昔、上杉謙信が敵方の武田信玄へ塩を送った故事があるが、どんな強い人間でも塩がないと体に変調をきたし、生きてはいけない。しかし、塩を与えすぎるとどうなるか?塩分の過剰摂取は心臓や腎臓への負担を増し、高血圧・心不全・腎不全といった様々な疾患を引き起こす原因になる。親の愛情って、そんな塩分のようなものだと思っている。ところが世の中に氾濫している育児書や育児カウンセラーの意見のほとんどが、愛情と個性がすべてを解決するキーワードだと耳当りの良い美辞麗句を並べている。恐ろしいことに、どんなケースであれ子供が問題行動を起こすのは親の愛情不足による自己肯定感の欠如や原信頼?の無さによるものと決め付けている。いわく「こどもの個性を大事にして、もっと甘えさせ、もっと愛してあげてください」(僕には「塩分をどばどば入れて個性的な味に仕上げなさい」と聞こえる。)いや、もちろん全体の何割かは親(特に父親)の無関心による愛情不足があるのも事実なので一定層には有効なアドバイスかもしれない。しかし、最近の傾向では愛情過多による放任の弊害(我慢できない、落ち着きがない)が急増している。こんな子たちに、さらに愛情をそそげというのは、メタボ患者にさらに塩分を与えろと言ってるようなもので、結果として出来上がるのは「個性的な成人病患者」。これを世間では何と呼ばれているかはご存知の通りである。親達はアドバイスされた通りにしたのに我が子がこんなになってしまうのだから、何が原因だか皆目見当がつかず困惑することだろう。ある意味被害者だと思う。日本では、いい具合に仕上がることを「塩梅(が良い)」という言葉で古くから表現している。やみくもに塩を入れれば美味しい料理が出来上がるというものでもない。ま、我が家は薄口が好みだから、しょっぱい味はノーサンキューだけどね。慈愛の涙も科学的に分析すれば、成分は水と塩分だけってことで。(笑)