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テーマ:英語のお勉強日記(7859)
カテゴリ:英語のお勉強日記
久しぶりに福翁自伝を読み始めました。これは福沢諭吉が速記者に60年の生涯を口述筆記させたものがベースになった実に読みやすく面白い本です。
かなり昔にこの本を読んだときに、諭吉先生がオランダ語から英語に鞍替えした場面にかなり感動したことを覚えていたのと、この日記でジョン万次郎のことを書いたときに、またそのことを思い出したので、久々に岩波文庫を引っ張り出た次第です。 この中に、諭吉先生が横浜から江戸に戻った日のことが書いてあり、小見出しは「英学発心」となっています。次の一節が実におもしろいのです。 「横浜から帰って、。。。。実に落胆してしまった。これはこれはどうも仕方がない、今まで数年の間、死物狂いになってオランダの書を読むことを勉強した、その勉強したものが、今は何にもならない、商売人の看板を見ても読むことが出来ない、さりとは誠に詰まらぬことをしたわいと、実に落胆してしまった。けれども決して落胆している場合ではない。あすこに行われている言葉、書いてある文字は、英語か仏語に相違ない。ところで今、世界に英語の普通に行われているということはかねて知っている。何でもあれは英語に違いない、今我国は条約を結んで開けかかっている、さすればこの後は英語が必要になるに違いない、洋学者として英語を知らなければとても何にも通ずることが出来ない、この後は英語を読むより外に仕方がないと、横浜から帰った翌日だ、一度は落胆したが同時にまた新たに志を発して、それから以来は一切万事英語と覚悟を極めて。。。。。」 当時の諭吉先生の落胆とその後の新たに沸き起こった意欲が、息遣いをともなった聞こえてきそうな良い文章でしょう。 この後の下りで、辞書をほうぼう走り回って入手するいきさつや、学習パートナーを四苦八苦して探すことなどが、実に生き生きと書かれています。 このぐらいの勢いと意欲でことに当たれば、たいていのことが出来るような気がして、だいぶ前になくなった諭吉先生に再び発破を掛けられたような気がしました。 口述筆記なので、とても読みやすい本です。まだの方は、是非ご一読を。ちなみに私は慶応の卒業生ではありません。 福翁自伝 ( 岩波文庫 ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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