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カテゴリ:事件・事故
チリ鉱山における落盤事故で地中に閉じ込められていた方々の救出作業が始まった。続々と生還を果たす方々の姿に人間の生命の力強さ逞しさを改めて感じると同時に、当初の予定より早い段階での救出成功に至った技術力の高さや叡智の結集の迅速さにも、ただただ感嘆するばかりである。
昨日のテレビでは、朝からこぞってこの話題を取り上げていて、画面隅に現地の映像をワイプ挿入するほどの念の入れようだったのだが、驚いたことに仕事を終えて帰宅してなお夕刻のニュース番組では同様の対応をとっていて、それは地上波のみならずCSのニュース専門チャンネル『ニュースバード』においても同じであった。確かにこの救出劇は"劇的"であり感動をもおぼえるもので、実際にどのような活動がなされたのか興味がなかったワケではない。しかし、いつ進展するやもしれない映像を画面の片隅とはいえ逐一中継し続けなければならないほどの重大ごとなのか?と問われたら、果たして本当にそうなのだろうか?という疑問は湧く。 これを見て思い出したのが数年前、四国かどこかでガケの中腹に取り残された野良犬を救出する模様をテレビが延々と中継したという、今回と同様の対応である。あの時も、最終的には無事に犬が保護されて「よかった」と安堵する声があった一方で、まるで世界の一大事とばかりに大袈裟に報道するテレビの姿勢に批判も多かった。今回も人と犬の違いこそあれ、物事の本質はまったく同じではないのだろうか。ホント、テレビというのは懲りないし、批判を屁とも思わないような打たれ強さには感動すらおぼえる(苦笑) 何ヶ月も地中に閉じ込められていた人たちが無事救出されるのを固唾を飲んで見守っても、それを最初から最後まで見逃すまいと見つめている人がいるとしたら、その人は相当なヒマ人か物好きだろう。大方、最初の救出劇だけ見届ければ、あとは作業完了後にダイジェストででも見れば事足りるという人がほとんどだろうし、続報を入れるにしても思いがけない展開が発生した時や精々1時間おき程度に伝えれば済むことで、夕方になってなおその模様がワイプで挿入されているのを見て、 「まだやってんの?」 と呆れた人の方が多いのではないだろうか。にもかかわらず、放送に携わる側が「これぞ"国民的関心事"」と思い込んでいるのだとしたら、その視聴者意識との乖離こそ昨今の【テレビ離れ】の最大の要因なのだといい加減気付いたらいかがかと問いたいし、他方で、その"完全中継"の裏に 「もしかしたら起こるやもしれぬ、悲劇的一大事」 への期待などあったりしたら、放送倫理としては最低の観念だ。 深刻なスポンサー離れなどあって、今の民放テレビ局は"ミゾユウ"(笑)の危機とも言われる。低視聴率を嘆く前に、放送関係者は視聴者がどのような番組を欲しているのか、もう一度よぉ~っく考えてみたらいかが? ぎっちょ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
October 14, 2010 10:12:54 AM
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