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ひよきちわーるど

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2006.02.18
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カテゴリ:娘に

今日は桃の節句。

数日前に 娘と一緒にお雛様の飾り付けを致しました。

一年に一度のことですので
どうしても説明書を読みながらの飾り付けになるのですね。

三人官女の右端の人には何を持たせるんだっけ?とか
お内裏さまの烏帽子、上手にかぶせられないよとか。

娘と一緒に首をひねりながらの飾り付けです。






・・・丁度10年前の雛祭りのことを思い出しました。

その前日 3月2日の午後三時過ぎ、娘が急に戻しましてね。
生後7ヶ月にして初めて戻してしまったのです。

親子揃ってびっくりしましてね。
そのうち娘もぐずり始めまして お熱を測りますとなんと37度5分。

戻したのも初めてならば
お熱が出たのも生まれて初めてのこと。

すぐさま小児科に連れて行った訳なんです。




診断は「ロタ・ウイルス(?)」だったと記憶しています。
それから数日間は夫も私も必死に看病致しました。

病院によって高熱の出たときの処置方法がまるで違うのですね。

ある病院では 寒くないようたくさん毛布を掛けてあげなさいと言われ
そしてある病院では 薄着にしなさいと言われ

解熱剤をすぐに処方する病院、
安易に熱を下げてはいけないと処方して下さらない病院。

一体どこの病院の何を信じて良いか分からない数日間ではありました。





娘を見ておりますと
こんな小さな身体で必死にお熱と闘っているのです。

お腹の調子を悪くしておりましたので離乳食も何も食べられず
痩せていくばかり。

抱っこしますたびに体重がとても軽く感じられ
不安と心細さとで 思わず涙ぐんでしまう毎日でした。





ふと部屋の中を見渡せば
実家の両親から贈ってもらったお雛さま。

その傍らには 盛りを過ぎて散り始めていた桃の花。

数日前までは 初めて迎える桃の節句を楽しみに飾り付けをし
桃の花を買ってきて部屋に飾り
オルゴールから流れてくる「ひなまつり」を娘と一緒に聴いていたのです。






・・・・不安に押しつぶされそうになっていました時
お隣の奥さまが家に来て下さいました。

いつもなら毎日娘を抱っこして近所をお散歩していた私が
ここ数日ちっとも姿をあらわさないのを心配して下さり
わざわざ我が家にまで来て下さったのです。

今の娘の状況をお話ししましたところ
その方は その病気は小さい子どもならほとんどの子がかかること、
数日間は熱も高くお腹の調子も悪いけれど大丈夫であることなど
いろいろなことをお話しして下さいました。




・・・本当に嬉しかった。

高熱でぐったりする我が子を見るのも初めてでしたし
脱水症状を起こさないようずっと気を張りつめていましたので
その方のお話を伺い 本当に安心したのです。

まるで心の中に灯りがともったようでした。






ほ乳瓶で 赤ちゃん用のおぶうちゃんを飲ませます。
のどが渇いているらしく娘はあっという間に飲み干します。

抱っこしておりますと身体はまだ熱く
普段の元気など全くありません。

そんな娘を見ておりましたら
何も要らないから ただ元気に育ってくれさえすればいいと思いました。






桃の節句に飾るお雛様の形式も
その時代によって様々移り変わってはいくのでしょうが

その淵源は 我が子の無事を祈る親の心。






あれから10年経ちました今日、平成18年の3月3日。

午後5時からは
娘をまたもや歯医者さんに連れて行く訳なんです。

抜歯しましたものの永久歯がなかなか生えてきませんでね。
7ヶ月も経つのに生えてこないのですよ。

さすがに不安になりまして歯医者さんを予約したのです。
3ヶ月前にも一度受診しまして
その時には「心配ありません。」とのことだったのですが・・・・。

病気でないのならばそれでいいのです。
そして、おそらく大丈夫なのだろうな・・・とも思うのです。

けれど心の何処かで
もし何かの病気だったらという不安もぬぐえずにいて
心は振り子のように揺れ動くのです。





我が子がいくつになろうとも
親としての心配はなくならないものなのでしょう。

そして我が子の成長とともに
その心配の量も質も変わっていくのでしょうね。






数年前 何かの本で
「人を恋い雛置き去りし娘かな」という句を読みました。

記憶が定かではありませんので 
必ずしもこの通りではなかったかもしれません。





今、お雛さまを見上げている娘も
いつかは人を恋して嫁ぎ この家を出て行くわけです。


我が子という存在は 
確かに私たち夫婦の血を分けた子孫ではあるのですが
私たち夫婦のものではないのです。

娘には娘の この世で果たすべき使命があるわけで
それを果たすために最適の場所を選ぼうとして
私たちの家に来てくれただけのことであって

私たち親は 我が子にとりまして「仮の宿」でしかないと思うのです。




仮の宿でしかないと思いながらも
私たち夫婦は親として 
我が子の一生をはらはらしながら見守っていくのです。




出来ることならば
我が子の一生をすべて見届けてあげたいと願うものの

その願いはおそらくは叶うことはなく

「幸せであれ」との娘への心を遺し この世を去るわけです。








柔らかに匂ふ桃の花のごと

     すこやに笑まふ吾子に幸あれ













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Last updated  2015.12.08 01:49:54
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