|
カテゴリ:オフグリッド
パーマカルチャー研究所、オフグリッド生活実験フィールドでは、その名の通り、オフグリッド生活を作る実験をしています。
オフグリッドとは、グリッド(grid)からオフ(off)すること。 ぼくが考えるオフグリッドとは以下の通りです。 グリッドとは、網。 電気、ガス、水道など、社会に網目状に張り巡らされたライフラインのことを意味しています。 プラス、社会に網目状に張り巡らされた常識という精神的なグリッドからもオフしたいと考えています。 現在、ドッキングハウス、太陽光発電、モバイルエコトイレ、手掘りの井戸と手押しポンプ、薪ストーブなどがあります。 現在は、ドラム缶風呂を製作中です。 こんなことをしていると、たまに「北の国からみたい」と言われることがあります。 30年以上前の名作ですね。 そんなものに例えていただけるのは光栄だと思っています。 そして、ありがたいことに「いいね」と言ってくださる人が多いのですが、何がいいのか冷静に考えてみました。 だって、普通の生活の方が、電気、ガス、水道はお金は払うけどほぼ使い放題だし、寒くなったらボタンを押せばあったかくなるし、そっちの方が冷静に考えたらよくない?と思うのです。 フィールドでは、電気は現在300ワットまでしか使えず、使いすぎると警報がなるし、薪ストーブは火力の調整が難しいうえに常に薪不足に悩まされるし。 便利さからは程遠いです。 だけどやっぱりいいです。 何がいいのか。 システムの完結度かなと思うのです。 グリッドから供給されている電気やガス、水道は、どこから来ているのかよくわからない。 災害が発生するとそれらがストップする不安が常につきまとう。 原発に反対する人からすると、反対しているのに自分が使う電気は原発からも作られる、などなど、大規模システムだからこその様々な不安や、すっきりしない感覚がつきまといます。 対してオフグリッド生活は、自分がわかっている範囲がかなり大きい。 使っている電気は太陽が作り出してくれている、水は自分が掘った地下から来ている、薪は色々な人がわけてくれたもの。 などなど、自分がわかっている部分が多いのです。 すると、トラブルの頻度は多いものの、自分で何とかできる範囲も広く、その結果、何か起きてもまあなんとかできるだろうという安心感が得られるのです。 つまり、オングリッド(on-grid、つまり一般的な生活)では得られなかった、自立的な感覚が得られる、そこがオフグリッドの醍醐味かなと思います。 便利だけど漠然としたすっきりしなさを感じるオングリッド。 不便だけど知っている部分が多くて自立感を感じられるオフグリッド。 以前、IHクッキングヒーターが普及する前にこんなことを言っていた人がいました。 「IHが普及すると、家庭の中から火が消えてしまう。すると火を身近に感じられない子どもが増えてしまう」と。 思えば自分の中学校は、石炭を燃やして暖を取るダルマストーブでした。 ストーブから近い人は暑すぎてぐったりし、離れた人はずっと寒い思いをする不便な暖房器具でしたが、あの学校で育った人は火やエネルギーを感覚的に理解しやすいのでしょう。 ちょっと例えはずれているかもしれませんが、オングリッドとオフグリッドには、そんな違いがあるのかなと思った、今日この頃でした。 写真は、今年の3月にフィールドの薪ストーブで温めた鍋を食べているところです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.06.08 17:59:09
コメント(0) | コメントを書く
[オフグリッド] カテゴリの最新記事
|