カテゴリ:映画
強烈な映画だった。舞台はチベット高地。カモシカの密猟者を追う私設山岳警備隊の一部始終を、北京から派遣された新聞記者の目で追うという設定。青空のない北風吹きすさぶ荒涼とした大地をジープに分譲して追跡する一途な隊員達の姿。肺気腫や流砂、凍てつく川、次々に襲う自然の驚異。鳥葬のシーンに始まり、最後もまた死者を鳥葬にという場面で終わる。肉体を自然に帰すこの儀式は、1時間半の全体を貫く主人公達の死生観だろう。モチーフを支える表現としては最も衝撃的かつ端的だ。また、歌を歌いながら舞うように踊る彼らの豊かな感性とカラシニコフの乾いた音の対比は、対極にある者(物)同士の究極の組み合わせである。
この映画の迫力はとても文学で描くことの出来ない芸術の外枠にあるといえよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年10月22日 06時20分41秒
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