「きらりの旅日記」

​​​​​​​​​​​​​『タヒチの女たち』​​1891年作はゴーギャンの「第一次タヒチ時代」の代表作であります〜現在は、パリ「オルセー美術館」に所蔵されています


​​『タヒチの女たち』浜辺で​​


​ポール・ゴーギャン​　Paul gauguin​​
1848年6月7日〜1903年5月8日（54歳没）

​Femmes de Tahiti ,1891

『タヒチの女たち（浜辺で）』

​『海辺の二人の女』1891年​


油彩　カンヴァス　69.0cmx91.0cm


【第一次タヒチ時代】の代表作


パリ「オルセー美術館」所蔵。


この絵は・・・
​​
ゴーギャンが、


同じポーズの​絵を描いた２作品のうちの第一作目で、


他の1点は、


1892年作の『パラウ・アピ』（その日のできごと）である。


ゴーギャンがほどなく再びこの場面を採り上げたのは、


彼がとりわけこの主題と構図に満足し、


またタヒチですぐに買い手がついたからであると考えられる。
​​
『タヒチの女たち』は・・・


1890年代を通じて彼の関心事となることを先取りしている


すなわち、


クローズアップで周囲から切り離して捉えられた女たち、


（多くの場合2人）の相互的位置関係を


もっぱら彫刻的に表すことである。


この絵においては、


女たちの体の曲線によって


くっきりと浮かび上がる重塊が、


背景に見られる、ほとんど象徴的な


水平の帯と強いコントラストをなしている。


他方でこの背景は・・・


人物同士で生み出す均衡感と補完関係にもある。

画面右＝ピンクのドレスの女のポーズは


ドラクロワの『アルジェの女たち』1834 の中心に座る女性​
中心に座る女性のポーズに似ています。


ドラクロワの『アルジェの女』・・・そして


ゴーギャンの『タヒチの女』


ゴーギャンは、左側の女性については、


これを捕捉するために考案したものと考えられる。


たぶん、13歳のゴーギャンの「ヴァヒネ 」テハマナ？が


この両方の人物のモデルであった。


トンガ人特有の印象的な顔立ちで


波打つような長い髪をもつ彼女は、


ゴーギャンの数々のもっとも美しい


人物画の主人公となるのである。


ゴーギャンがタヒチについて間もない時期の作品。


『イ・ラロ・テ・オヴィリーパンダヌスの樹の下で』1891年
​​
油彩・カンヴァス　73.7cmx92.0cm

『斧をもつ男』1891年

油彩　カンヴァス　92.0cmx70.0cm


などと同時期のもので、


これらには共通して、


タヒチの原住民の生き方や


人体そのものへの興味が強く感じられる。


また、海あるいは川の流れを、


きわめて装飾的な何本かの


流線で描く点でも共通している。


ゴーギャンは・・・


待ちに待って、やっと実現した


南海への旅に心を高ぶらせながら、


まずタヒチの人々の生態


そのものに目を凝らしているが


この『タヒチの女たち』から伝わってくるのは・・・

​​​​
「文明人」ゴーギャンの前に現れた


「未開」の世界の謎めいた重さである。


彼女らは何を考え、


何をよりどころに、


何を目的として生きているのか？


一人は、横坐りに瞑目し、


一人は（これはゴーギャンの同棲した少女：テフラ）静かな、


しかし理解を絶する遠さををたたえた眼差しで、


空間の一点を凝視しながら、縄をなっている。
​​


ゴーギャンの1891年初めてタヒチを訪問した頃の作品

Haere Mai,1891

oil on burlap

ニューヨーク「ソロモンR.グッケンハイム美術館」所蔵。



In the Vanilla Grove,Man and Hose

Dans la vanillere,homme et cheval.1891

oil on burlap

ニューヨーク「ソロモンR.グッケンハイム美術館」所蔵。​​

（参考資料：GAUGUNゴーギャン世界の名画10中央公論社より）
（参考資料：岩波・世界の巨匠ゴーギャンより）
（写真撮影：ほしのきらり。）​

ゴーガンにぽち