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カテゴリ:美術館・博物館
カンディンスキーの抽象絵画って解説がないとわかりにくいのですが・・・解説を理解すると成る程です
Germany コンポジションという 言葉を耳にすると、 私は、 心中大いに衝撃を受けて、 後には、 「コンポジション」を描くことを 自分の生涯の目標としたのである。 ・・・カンディンスキー「回想」より ワリシー・カンディンスキー Vassily Kandinsky 1866年12月4日〜1944年12月13日(78歳没) ロシア出身の画家・理論家。 抽象絵画の創始者。 ドイツ・フランスでも活躍。 修行時代のカンディンスキーは、 日中は、 野外でスケッチするのを日課としていたが、 当初から、 そういった写生にもとづく風景画の制作では、 満足できなかったようである。 そうしたなかで芽生えたのが 「コンポジション」の夢であった!! 当初を回想して、 彼は次のように書いている。 「コンポジションという言葉を耳にしすると、 私は、心中大いに衝撃を受けて、 後には〈コンポジション〉を描くことを 自分の目標としたのである」。 「コンポジション」の夢・・・とは? レアリスム以降、 印象派以後の動向が壊してしまった ヨーロッパの偉大な 絵画伝統ー精神的・思想的な意味内容を 大画面へと綜合した コンポジション 「構想画」の伝統を、 神話や聖書の世界から脱却した「感覚性」の時代たる 20世紀において再興することと言っていい。 そのためには内的ヴィジョンの出来るだけ 直接的な表現(インプロヴィゼーション)や、 目に見える自然の解体(インプレッション)などの プロセスが必要であり、 また「芸術における精神的なもの」をはじめとして、 色彩と形体をめぐる綿密かつ、 持続的な省察が必要であった なお、カンディンスキーは、 生涯に10点の『コンポジション』を制作しているが、 そのうち7点は、ミュンヘン時代に、 1点は、バウハウス時代にワイマールで、 最後の2点は、パリで描かれている。 Vassily Kandinsky 『「コンポジションII」のためのスケッチ』1910年2月 油彩 カンヴァス 97.5cmx131.2cm ニューヨーク「ソロモンR.グッケンハイム美術館」所蔵。 第二次世界大戦中に失われた 『コンポジションII』のための油彩習作である。 画面中央には(画面をぽち。すると拡大します) 馬を駆る二人の騎手が描かれ、 その左手には、 荒波に飲まれる人びと、 左上には暗雲の垂れこめる空、 倒壊する教会、 方舟に乗る人などの姿が・・・ また画面右手には、 花咲く野原に寝そべるカップルの姿などが見える。 画面左半分は、 終末の主題を、 右半分には、救済の主題を扱っているといってよく、 前者の暗鬱な色調と後者の明るい違いも、 それに対応している Vassily Kandinsky 『コンポジションIV』1911年2月 油彩 カンヴァス 159.5cmx250.5cm デュッセルドルフ「ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館」所蔵。 画面中央に城砦を戴く青い山があり、 2本の黒い垂直線(白い人物の持つ2本の長槍)が、 画面を左右に分断している。 その左側は・・・ 作者の言う「戦闘」場面であり、 馬に乗る二人の騎士(交差する黒い線)が 虹の上で闘っている。 それと対照をなす 右側の「明るく、甘美な色彩」の領域には、 男女のカップルが横たわっている。 全体として黒い線による開いた形と、 ものの輪郭線からあふれ出した色彩が、 画面の主要な要素となっている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.12.20 00:10:10
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