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カテゴリ:美術館・博物館
ラファエロの遺作として有名な『キリストの変容』と彼の人生を振り返ってみましょう。
ラファエロ・サンティ Raffaello Santi ![]() ラファエロ・サンティ Raffaello Santi ![]() (左=キリストに似た容姿/最晩年の自画像) 1483年4月6日〜1520年4月6日(37歳没) イタリアのウルビーノ公国に生まれる。 盛期ルネサンスを代表する画家・建築家。 レオナルド・ダ・ヴィンチと、 ミケランジェロとともに 盛期ルネサンス三大巨匠のひとり。 八頭身の長身でイケメン、 誰にも好かれた人柄で、 甘さと簡潔性に満ちていて 控えめで柔軟な面持ちの若い画家は、 多くの仕事と弟子に囲まれ、 重責に誇りと苦労を秘めた、 孤高の芸術家・監督者であり、 創造的刺激に満ち、 けっして優柔不断や 苛立ちを経験したことがなく、 すぐれた調和と 均衡を保ちながら熟考し、 探究に没頭して、 情熱的な短い生涯を送った芸術家である。 【代表作】 『アテネの学堂』 ![]() 『システィーナの聖母』 ![]() 【最晩年のラファエロ】 ラファエロの健康状態は、 尽きることのない活動と、 度を過ぎた私生活、 (ヴァザーリが伝えるところによれば) によって触まれ、 急速に終焉に近づいていた。 ![]() 『キリストの変容』1518年〜1520年 板に油彩 405.0cmx278cm (ローマ時代:未完となった遺作) ヴァティカン・ヴァティカン宮殿「ヴァチカン絵画館」所蔵。 そのころのラファエロは、 『キリストの変容』の 板絵を完成させることもままならないほどであった。 この作品は1517年に、 ラファエロが、 ジュリオ・デ・メディチ枢機卿からフランスの ナルボンヌの大聖堂のために依頼されたものである。 しかし、1523年にローマの サン・ピエトロ・イン・モントリオ聖堂に置かれ、 1797年パリに運ばれ、 1815年から、現在のヴァティカン絵画館に所蔵されている ![]() ![]() この作品の構想は壮大な合唱のようである。 構図は・・・ はっきりと二分されている。 下の部分には、 ![]() てんかん 癲癇病の少年の治療の物語が描かれ、 その背景をなす上の部分には、 ![]() タボール山での『キリストの変容』が描かれている。 山の頂きの上に、 モーセとエリアをともなった キリストが空中に浮かび、 その足元には弟子たちがいる。 彼らは栄光の光に圧倒されているかのように、 あるいは祈っているかのように見える。 二つの部分は、 奇蹟に立ち会う群衆の身振りによって結び付けられている。 この目撃者たちがふり上げる腕は ![]() ![]() ![]() ![]() 実際キリストの方に集中している。 この「壮大な」構図においてラファエロは、 けっして古代の作品を無視していないが、 同時代のもっともすぐれた作品、 すなわち、 レオナルド (ラファエロがフィレンツェ滞在中に受けた影響の確かな記憶) のモティーフと、 そして自己陶酔的な意識で、 自分の絵のモティーフのすべてを要約している。 したがってこの作品は、 (ミケランジェロの円型画『ドニー家の聖家族』と同じく) ![]() きたるべきマニエリスム様式の 先駆を成すものである。 この作品の構図がどれほど熟慮され、 単純化されたものであるかは、 人物たちのための多くの素描 (ラファエロ自身のものと弟子たちのもの)や、 1977年に行われた修復によって明らかになった さまざまな最初の下絵から、 推定することができる。 修復はまた、 この作品が、 ラファエロの自筆であるかどうかという疑いを晴らし、 修正や加筆も、 完全な一致を見たわけではないが、 すべてがラファエロの手になるものと考えることができる。 創造的刺激に満ち、 けっして優柔不断や 苛立ちを経験したことがなく、 すぐれた調和と 均衡を保ちながら熟考し、 探究に没頭して、 情熱的な短い生涯を送った 芸術家の最後の遺作。 これは、 当時の芸術を代弁するのにもっともふさわしく、 数世紀にわたって称賛され 研究されたモティーフの一つであった。 ![]() 古典的な精神が、 完璧さという普遍的な価値として、 そして芸術表現の もっとも高い象徴として探究されるたびごとに、 ラファエロの芸術は研究され、模倣された。 あらゆる「古典」への回帰は、 彼をモデルとし、 いつの時代の芸術家たちも ラファエロにインスピレーションを求めてきた。 ラファエロは、 かつて何世紀にもわたって 放棄さ衰退していたローマを、 文化と芸術の一大中心地とすることに大きく貢献した。 そして、 1520年4月6日、 ウルビーノで生まれたのと同月同日に、 ローマでその生涯を終えた。 37歳であった。 (写真撮影:ほしのきらり) (参考文献:東京書籍・RAFFAELOラファエロ/ブルーノ・サンティ著より) ![]() 世界遺産に ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022.09.27 00:10:17
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