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カテゴリ:検察とマスコミ
文字制限で入らなかったので(1)より続きます。
あなたも無実で刑務所行きになる可能性がある(2) ■何故無実の人が自白をするのか(日本弁護士連合会 講演録) ▲かなり長いけど参考になります。 <一部転載> ●突然の連行 平成3年12月1日の朝なんですが、7時ごろ1人でおりました。そうしましたら、玄関でドンドンという音がしました。それで、何だろうと思い玄関のほうへ向かってカーテンを開けました。そうしましたら、警察から「菅家、いるか」と言われて、何だろうなと思いました。それで、鍵を開けましてドアを開けていきなり入ってきたんですね、刑事たちが。ドカドカドカドカと上がり込んできて、自分は奥のほうへ押されるようにして奥へ行きました。そうしたら刑事がそこへ座り込みました。私も座りました。そうしたら、1人の刑事が「お前、子どもを殺したな」と言うんです。「え?」と思いました。びっくりしました。「やってません」と言いましたら、いきなりひじ鉄砲で突かれて私は後ろへひっくり返りました。そうしましたら、ガラスが後ろにあるんですが、もう少しでぶつかるところでした。もし、それがもう少し後ろへ行ったら完全に頭をぶつけて大けがをしたところです。それで、もう1人の刑事がM ちゃんの写真をポケットから出して見せました、私に。それから、その刑事が「謝れ」と言うんです。でも私はその時点では謝ってません。しかしM ちゃんの冥福を祈って手を合わせました。それで「今から警察へ行くからな」と言われて、その場を立って連れて行かれました。連れて行かれる前に「私は今日、保育園の先生に結婚式で呼ばれているんです」と話しましたら「そんなのはどうでもいい」と言われました。私は本当に腹が立って、頭に来ました。「じゃ、今から警察へ行くからな」と言われて、そのまま車で警察に行きました。任意でなく強制でした。全くひどいですね。 ●「証拠があるんだ」自白を強要する取調べ それから警察へ行きまして、2階へ上がって「ちょっと待ってろ」と言われて30 分間待たされました。それで、1人の刑事が入ってきて「今から取調べをやるからな」と言われて、それで取調べが始まりました。「お前は子どもをやったよな」「殺したよな」とまた言うんです。「いや、私はやってません」と言いました。「いや、お前だ。絶対にお前がやったんだ」と、こういうふうに言われました。本当に何が何だか分からなくなって、本当にぼーっとしてしまいました。それから、何度も何度もやっぱり同じようなことを繰り返されて、ずっと夜遅くまで言われて、それから「証拠があるんだ」と言われて、それで私は事件なんていうのとは全く関係ないですので首を傾げました。何でこんなことがあるんだろうとずっと思ってました。 ●悔し涙の虚偽自白 それから10 時ごろ、私はもうどうでもいいやと思って、家族のことは全然頭になくて、もう信じてもらえないからどうなっても構わないと。それで「やりました。」とあのとき言いました。そしたら刑事は「おお、そうか」と言いまして、それから刑事たちは静かになりました。それで、もうその日の調べは終わりました。それで私は悔しくて泣きました。そうしたら、刑事が反省をしたような感じで取ったと思います。しかし、私はそうじゃなくて悔しくて悔しくて泣いておりました。刑事たちに本当に反省して泣いていたと、そういうふうに取られました。でも違うんです。私は悔し涙で泣いておりました。 ●暴力を伴う取調べの恐怖 伊藤:取調べで最もつらかったことは何でしょうか。 菅家:やはり、警察へ連れて行かれて「お前がやったんだ」とか「いえ、やってません」とか、それで頭の毛を引っ張られたり、蹴飛ばされたりされました。本当にひどいところです。 泉澤:僕のほうから1つだけ聞きます。最初に警察官が来てあなたにひどいことをしましたよね。 菅家:はい。 泉澤:今まで生きてきて、そういうことをされたことはありましたか。 菅家:いえ、そういうことはないんですが、私は小さいころ気が弱くていじめられっ子でした。 泉澤:そのとき、警察官が来て菅家さんに暴力を振るいそうになったり、実際強い力でやったりしたときにすごく恐かったですか。 菅家:ものすごく恐いと思いました。 ●言い分を聞いてもらえない取調べ 伊藤:それから、13 時間も取調べをされたということですね。普通の人にはちょっと想像がつかないと思うのですが、13 時間も「お前がやった」というふうに言われ続けて、否定しても言われ続けるわけですね。そういう心境というのはどういうものなのでしょうか。 菅家:私は絶対にやってませんから、本当に気持ちを絞り切って「やってない」「やってない」とずっと1日言い続けてきたんですが、全然認めてくれなくて本当に恐い顔をしてるんですよ。本当に恐かったです。そういうのは本当にえん罪事件に関わった人でないと、本当に分かりません。 佐藤:今「13 時間も」と言われたんですけど、実は驚かれるかもしれませんが、多くの刑事事件で13 時間程度で自白したのはあまりなくて、何とか数日は頑張ってもらわないと駄目だというのが当時相場で、裁判官も初日に自白してしまってある程度の事件の概要がしゃべれたんだから真犯人だと、このように言ってますので、国会議員の方々も特捜部の取調べが一体どれだけ長く続いたかということはご存じだと思いますが、13 時間で落ちたんです。 伊藤:そうですね。ただ、その日だんだん夜遅くなって心細くなってくるじゃないですか。このまま否認し続けて家に帰れると思いました? 菅家:いや、帰れると思いませんでした。 文字制限のため(3)へ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.01.23 18:16:21
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