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カテゴリ:人 / こころ
我家から新横浜に向かう桜並木の途中にサッカー練習場がある。
少年専用の小振りなものだが、 高いフェンスに囲まれたその練習場は毎日のように賑わっている。 小さな子供たちが集い、歓声を上げて走る姿は何とも微笑ましい。 3,4歳かと思うほどのちびっ子もいて、 ゲームの時などは、真剣な顔つきでボールを追いかけている。 保護者らしき観戦者たちからの大きな歓声につられて見てみると、 ゴールを決めたらしく、 ちびっ子の一人が、プロ選手さながらのガッツポーズを見せて駆け抜けている。 そのあまりの可愛さに思わず笑いがこみ上げる。 その練習場は、工事現場に置いてあるような簡易トイレを備えているだけの、 単なる遊び場のようでもある。 周囲には草が生い茂り、蔓草が高いフェンスに伸びている。 深い草むらに蛇でも出なければいいが、との心配をよそに、 彼らは無邪気に練習に励んでいるのである。 ある日、小さな札がいくつも立てられた。 目を凝らして読んでみると、「コスモスの種をまきました」とある。 コスモス・・私の好きな花である。 コスモスの名所とも言うべき黒姫高原にはまだ行ったことはないけれど、 10年ほど前に友人が連れて行ってくれた、 郷里の「遂波の嶺」を思い出した。 何万本だったか、数はもう忘れてしまったが、 盛りは過ぎていたものの、見事な花野であった。 風にそよぐコスモスに埋まり、花を嗅ぎ花と戯れ・・ 私は少女のように駆け抜けた。 そして、その花の香に、懐かしい母の香を嗅ぐようであった。 倒れても倒れてもまた立ち上がり、そしてすずやかに微笑む。 コスモスの逞しさとその優しさに、私は生き方の範を見る。 すずやかに微笑み、しなやかに強く、 私の理想でもある。 猛暑が終りを告げる頃、 あきあかねが飛来し、 すずやかなコスモスの花が、この練習場を包むだろう。 そして、爽やかな高原の風を運んでくれるに違いない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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