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16.人との普通の親しい関係を作れるのか この子供達は年少期には、自分と家族だけでの関係で満足する事が出来る。社会的あるいは身体的な接触を嫌い、自分自身お楽しみの追求だけを好む傾向がある。一方、こどもによっては、他人に対して、家族へと変わらない態度でしかよったり、身体に触れたりする事がある。作法の基準は相手との関係によって変わるのだという事に気づかない。 このような接し方をされた他人は困惑し、シグナルを誤って解釈する事につながる。また、この子供達は、他の人から利用されるやすい。家族、先生、友達、他人に対しての接し方の指導が必要。私たちが相手によって異なった接し方をするのか、理解出来ない。『友達の輪』と呼ばれるプログラムでは、視覚的なモデルを示し、具体的なアドバイスをする。 テクニックは極めて簡単。同心円、つまりダーツの的のような円を大きく紙に描き、一番中心に子供の名前。次の円の中に、子供に一番関係の深い人にふさわしい挨拶や行動を書く、誰が入るか子どもに聞く。普通は家族が入る。適切な行動には、キスをする、抱きしめる、腕をまわすなど。次の円には、親類や、家族の非常に親しい友人が入る。行動は最初の円に比べると、それほど親しくはないものとなる。次の円には、友達、先生。一番外側が知人や他人。それらの円の中に、それぞれの人の写真や、動作を現す写真を貼るのもいい。このような視覚を利用する教材は、人間関係についての社会の決まりを話し合う時に役立つ。 ASのティーンエイジャーは、同級生達に較べて、社会的、情緒的な成熟が遅れがち。友情は共通の趣味や知的な追求がベースになり、打ち明け話や、ロマンスや発見といった話にはならない。友達の選び方も、年代が同じ事や、同じ文化を共有する事といった一般的な基準からではない。『今っぽい』ことにうとく、性的な知識に無知なので、からかわれたり、周りで話されている事を額面通り受けとってしまったり。学校での人間関係や、性についての授業は自分と関係ない退屈なもの。彼らの成熟レベルが、まだそのクラスの仲間ほど社会的な成熟に到達していないのであれば、時期が来てからの性教育の授業はもう一度行われるといい。 もし、ロマンチックな関係に進んだならば、相手の言葉や仕草の『信号』をどう読むかを学習する事が重要。彼らは、相手に対して一方的に、強烈な方思いや、熱烈な愛情を発展させる。これはティーンエイジャーでは特に珍しいことではない。ASの人は特別な特徴がいくつかある。相手も自分に対して全く同じ気持ちであるだろうと勝手に解釈してしまい、片思いをである事を相手がとまわしに知らせても気がつかない。誰かがこのシグナルを教えなければならない。相手の意図がロマンチックでなかったり、友好的でなかったりしても気づかない。ASの男性女性がそれぞれレイプの被害者になった例を知ってる。しかし、加害者になった例はない。 親密な関係は、情緒的な思春期が長い事と、社会的スキルの獲得の遅れで、同年令の仲間達よりはるかに遅れる。10代の時には、特にそのような関係は考えられない。しかし、ASの人すべてが社会定に孤立していたり、生涯独身でいるわけではない。彼らのパートナーは似たような趣味や仕事を持っている事が多く、それらが、彼らの最初の出会いになってる。 彼らのパートナーは、愛情の強さや、信頼性や、正直さ、貞節さを評価する。関係が成立するまでは、お互い相当の愛情と理解、忍耐と寛容が必要。 18.どんな社会的資源を必要とするか ASの専門知識へのアクセスとともに、関係する領域の社会的資源やプログラムが確保される。 他の生徒と一緒に遊びや学習に参加するとき、社会的、かつ柔軟で協力的になるように励ます 個々の場面での『行動の決まり』を具体的に教える 感情と、友人関係について個別に教える 会話のスキルを高める 子供の特別な興味を生かすことによって、自信と意欲をもって課題に取り組ませ、才能や知識を促進する 粗大及び微細な運動スキルを改善させるプログラムの履行 他の人のものの見方や、考え方を理解する為の努力の積み重ね 子供が聴覚の刺激に耐えられるような援助 成人で症候群の症状の発言が強く見られるような人に対する資源について、ほとんど情報がなく、成人があげた問題点が。 自分のような人が他にいる事を知りたい 相談した専門家が、ASを認めなかったり、症状についてよく知らない事についての不安 孤独感 仕事を得る事や、維持する事の困難さ 働いている場合、仕事内容が能力に見合っていない事 職場でのいじめや、からかい 低資金 孤独感を和らげるには、地域の親や本人の会に参加、関連のHPや電子メールやインターネットのホーラム利用 19.学校や教師には何を求めるべきか ASの子供は、ほとんどが特殊学校ではなく、一般の学校に入学する。 では、どのような学校がいいか。 最も重要な要素は、担任の先生の人柄と能力であり、また先生が、彼らの支援体制や資源へのアクセスをもっていること。ASの子供を受け持つ事で、先生の力量が試されるようなことがよく起こる。 先生には落ち着きが必要で、児童生徒の感情の突起に洞察力があり、しじするカリキュラムを柔軟に捉え、子供の良い面を見る事が必要。こうした子供は、先生方を魅了する事もあれば、その直後に困惑させたりする事がある、ユーモアのセンスに長けていることは助けになる。 ASの特徴は、日々、状態が非常に異なる。状態が良い日には、集中でき、規則に従い、人と交わり、比較的良く遊ぶ。悪い日は、自分の世界に没入し、自信がなく、能力も落ちる。まるで、体内に周期があって、症状が波や満ち潮のように押し寄せてくるかのよう。そのような日には、普段から慣れてる、得意な活動を行い、潮が引いて、再び前進出来る日を忍耐をもってます事がベスト。 それが、問題化する場合には、親と先生が周期の記録表を作り、内的、外的に周期に影響を与えるよな要因について検討する事が必要な場合もある。 先生が以前に同様の子供を受け持った経験はさほど関係ない。Asは一人一人が個性的で、先生はそれぞれ、異なった対応策をとる事になる。お互いに理解し合い、通じ合う方法を見いだすまでには数ヶ月かかる。そのため、学年最初の数週間の子供の反応や学習のしかたを見ただけで、その後一年間の見通しをつけようとしてはダメ。さらに欠席した後や学期の休み明けには、学校の決まりや手順に再びなれるまでに時間がかかる。また、先生の年齢、学校の規模、学校が公立か私立かであるかは重要ではない。重要なのは、教室の規模。隣のクラスとの間仕切りのないオープンプランの教室や騒がしい教室は避けるべき。 静かで、規律のある学校、評判よりも誉める事が多い学校がいい。 子供が、ある先生によってよい成長をとげたかにも関わらず、次の学年になって先生が変わり、両者が全く悲劇的と言えるような経験する事に、親が気づく場合がある。先生の姿勢は、その子供に対する他の生徒の対応に影響する。もし先生が子供を受け入れ、よく援助するなら、他の子供達にもこのアプローチが広がる。もし先生が批判的で、子供をのけ者にしがちなら、他の子供達も同じ態度を取る。 子供が学校に上手く融け込めるようにする為のもう一つの重要な要素は、先生方が助手をつけてもらえる、この分野の専門家からのアドバイスを受けられるなど、具体的なサポートが得られること。また、先生が同僚や管理職から、精神的にも実践的な面でも支えられる事も重要になる。学校としての特別な配慮も必要。 例えば、子供が朝礼などの集会で、騒音や待つ事に耐えがたいのなら、教室で静かに待つ方が無難。不安や、抑鬱などの定期試験に影響しそうであるならば、それに見合った特別な対応をとるべき。 親が一旦、必要な資源を提供できる学校を見つけたならば、一貫して続ける事が重要。転校すれば友達が変わる。また新しい学校では、子供のもつ能力や、どのような対応が成功して、どのような対策が上手くいかなかったか、その経過を知らない。子供が中学校に進む時は、小学校の時から何年もその子供を知っているような生徒と一緒だったり、また、双方の学校の先生や助手が引き継ぎをし、どうすれば上手くいこう出来るのか話し合いを持つことが助けになる。スムーズに移行する為の要素はいくつかある。 事前に子供が新しい学校を数回訪問する、学校までの地理と学内の配置を覚えるなど。さらに、子供の新しい学校への適応を観察する担当の先生を一人決めてもらう事も勧められる。 中、高ヘの進学は、別な問題も発生させる。小学校では担任と生徒が1年間ほとんど一緒に過ごすので、お互い理解する時間がある。小学校では、学級の雰囲気が、サポートをより多くするような、あるいは母性的な性質をもっていて、先生も生徒もASの生徒を忍耐をもって受け入れるところがある。しかし、中高は、先生は一人の生徒に手をかける時間がなく、カリュキュラムもより柔軟性がなくなる。他の子供達も、テーンエイジャーともなれば、寛容さに欠けるようになる。 更に、この時期の徴候があまり現れないので、先生がこの種の障害について全く知らない場合もある。単に反抗的、または、横柄な態度をとっていると受け取られたり、あるいは、情緒障害であると見られ、月並みな規律が有効だと思われてしまう場合がある。対立や双方が感じる絶望を防ぐ為には、先生全員が、ASに関する説明をしっかり受ける必要がある。そこでは、子供を抱える問題点、彼らがフラストレーションや変化を乗り越えたり、批判に折り合う方法、特別な領域に示す特質などを知らせる。先生が、彼らを理解出来て、彼らのものの見方を説明されれば、彼らの学級での変わった行動を受け入れる事が出来る。 最後に親は、通常の学校がASの子供にどこまで対応してくれ、助けてくれるのかを心配し、専門の学校や学級に行く方が良いか悩む場合がある。最近、英国でASの子供もと青少年のための寄宿学校が開校した。学級は、6人に2人の先生の比率で、カリキュラムはASの生徒に合わせて構成してある。親達は、普通の学校で折り合うのがかなり困難な子供達に、このような選択肢を増やす為のキャンペーンを展開すべき。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.09.23 16:41:58
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