県代表になれました(詳細版)
さて、県代表になった一日を振り返りましょう。この日、私はなんと座布団を忘れました(笑)。というか、出場3回中2回の1回戦負けが堪えて、どーせまた1回戦で負けるんだろうな、とか信じられないほど覇気のない状態で対局に臨んでしまったのです。本気で勝つ気なら、座布団よーし、位には確認しますからね。これがよかったのか・・・はわかりませんが。さて、1回戦はS根さんです。こちらに来て以降、出場したアマ大会3回のうち2回が1回戦負けなので、今日も白番中押し負けで帰るのかな、と思っていました。ああ、またしても白が当たりました。序盤はさほど悪くなかったと思うのですが、近接戦闘で石がよれだして散々なことに。コウを仕掛けてその振り代わりでさばいて黒石を攻めればいいはずだったのに、ほとんど攻めになっておらず、形勢がちっとも良くならない。最後は相手の時間が切れ、最後まで行っても残っているようでしたが、ああ今日はダメだな、と思ったものです。しかし白番中押し負けフラグだけでもへし折ったのが良かったのかな?S根さんは最後の決勝まで私の対局を見ていてくれました。決勝もいい碁だったと開口一番。お世辞でも嬉しいですはい。2回戦は、去年の世界アマでも当たった女流のT田さん。1回戦で元県アマ名人のI崎君を破り波に乗っています。彼女が大学に行ったら女学の優勝候補だろうと思うのですが・・・8局目にしてようやく黒が当たりましたが、先日打ったときは黒を持って負けました。小目から三々の布石は、なんと前に負けた時の布石。覚えているかどうかは知りませんが、ちょっと挑戦的な思考でその布石をあえて選びました。どうも深入りをしてしまったようで、逃げ出しには成功したものの白が良さそう。種石を手厚くとっておけば白優勢になる・・・はずだったのですが、何故か取ってこなかったのでともかく地を稼いで態勢を何とか立て直しました。それでもあちこち薄かったのですが、なぜか白は仕掛けてこず。仕掛けてこなければ稼ぎまくった地がものをいう展開で、最後は14目半と大差がついていました。3回戦は、これまた女流のK塚さん。K川くんが出場していないため、優勝候補筆頭のK村さんをまさかの撃沈。碁会所では何局か打って全部一応勝ってはいるのですが、男子3日合わざれば刮目してみなければなりません。え?女子?女子だってそうですよ。ちなみにこの時点で、生き残りは10代~20代が6人。若手の強い県だとは思いますが、それにしても凄まじい若返りっぷりで、私は完全なおっさんと化しています。珍しく外回りについてせめて行く碁になりました。やや不用意なツケにはねだして眼型をつぶしながら攻勢をつかみ、あとは無難にまとめて8目半勝ち。黒模様はほとんど消えましたが、その分周囲に地をつけましたし、その後もうまく寄り付くことができたと思います。ちなみに、後でK村さんと打った碁を見ましたが、破壊マシーンのような手を連発していました。あの勢いでやられたら中押し負けしていたと思います。4回戦=準決勝は、T柳くん。学生の強豪として名前は知っていました。なにせ、今やお茶の間のアイドルである下坂美織プロを撃沈しています(当時は学生ですが)からね。3回戦では、これまた有望な女流若手に苦戦するも半目コミにかけていました。さて、またしても黒番を当てました。序盤早々、辺に白石を押し付けてはまあ成功かな・・・と思ったのですが、不用意というより考えすぎた一着が飛び出し、特大の爆弾を抱えながらの進行に。・・・ところが、ここで白がぬるい手を連発してしまい、爆弾を実に自然な形で不発弾処理することに成功してしまいました。それでも形勢は微妙だったと思うのですが、ヨセで得したようで最後は4目半の差がつきました。序盤の失着はひどかったですが、それ以外はまずまず打てた碁だと思います。お隣の準決勝では県の有望若手の一人、K村くんと県代表経験者の一人で、生き残りでは唯一のベテラン勢F井さん(アマ名人戦で私はこの人と1回戦で当たって敗退)。実績的にはF井さんに分があると見られていたと思うのですが、K村くんが取りかけを成功させて勝利、相手はK村くんとなりました。新年に打ったときは勝ちましたが、打つ場所を間違えるというハプニングがあったりしたのであてにはならないでしょう。またしても黒番を引当てたのですが、序盤早々6線の消しに受けずに思いっきり石音高くぶっかけを試みるという奇策というか、打ちたい手を打っただけなのですが、なんか気分良かったのでとにかく石音高くバシーンと打ちました(局後もネタにされました)。ですが、いつの間にかうす味が自然補強される展開になってしまい、なんだか厚みが全く意味のない壁と化してきました。白地の方が多そうで盤面でも足りなそうな気配です。しかし、禁断の逆ヨセをぶっぱなし(局後相手は打ち損ねをずっと後悔していた)、強引に壁に地をつけると形勢は割と細かくはなってきました。いや、それでもまだ白が良かったはずなのですが、筋っぽく打った手に反発して目一杯黒地をまとめ、さらにはコウを利用してちょいちょいと得をし、ずっと悪い碁をやっとのことで追い抜きました。結果は白地40、黒地49の2目半勝ちで、初の県代表となりました。個人的に相性がいいのはなぜか世界アマ戦だったと思うのですが、アマ本因坊を取れたことはとても嬉しいです。学生棋戦での枠抜け、入賞もしました。囲碁年鑑に毎年名前が載りました。県代表にもなりました。詳細は守秘義務上秘匿するしかないのですが、囲碁が本業にもろに役立つという奇跡的現象にも遭遇しました。囲碁関係で引き受けたわけじゃないけれど、囲碁を知らない他の先生だったらどうだったんだろう、と思う件もあるのです。私個人として、囲碁界で個人的に叶えたい夢のほとんどは叶いました。あと心残りは、大学で選手になれなかったことくらいでしょうか?まあこれはもう無理ですね。今後私に待っているのは強くなる若手にサンドバッグにされるだけの囲碁人生だろうなぁとも思います。なにせ先日も5局中4局は年下と打っていましたからね。私はまだ20代なのに。私が大学生だった頃は(県は違うけれど)こんなに強い若手は県大会とかにはほとんど出てきていなかった訳で、その意味でも私のいる県の碁会の未来は輝かしいものだろうと思います。私の県の強い若手勢の活躍を祈っています。あ、全国大会もあるんでしたね。せいぜい楽しんで来ることにします。観戦記希望?つまり私はとっとと負けるということですねorz