十段戦挑戦者決定戦
第44期十段戦挑戦者決定戦は、159手までで黒番・山下敬吾九段の中押し勝ち。 正直な感想を言わせてもらうと、高尾どうしたのか? まあ本因坊を取る前だったら「ここで負けるとはさすが高尾」と2ちゃんねるで笑われていただろうけど。 山下の1,3,5で中国流ははじめてみた。(3,5,7で中国流は見たけど)気分一新のつもりなのだろうか。 8とか10とか低位にしっかり構えるのが高尾らしい。個人的には17と両ガカリされた時点で既に黒乗りなんだけどなあ・・・ ましかしそんでもって28,32とか強く行くのが高尾流なわけだ。40とコスんでみるとなるほど白なかなかに見えたところで41,43が強手。47,49と物凄く損な手を連発していよいよ切り取りを決行。68まではこんなもんか。しかし73までとなってみると中央の白石が薄く明らかに黒優勢。しかし88までと中央で収まられるとこれは白持ち直したのかな? と思ってみていたら89のツケ。左に引けばまあ平穏無事だろうがたぶんそれでは負けると見たのだろう、ハネて戦いを仕掛ける。しかしみすみす1子を取らせる95がうまい手で99となってはタダですまなくなった。あんなに手をかけた白地で大威張りで生きて、しかも右側の白にいたっては補強が必要な情勢。 後は山下が厚く押し切った。 まあ高尾の碁はしくじると非常に弱く見えるような碁である気はするんだけど。 治勲vs山下は確か山下がかなり勝ち越していると聞いている。 小林光一vs山下敬吾の碁聖戦に端を発した新旧世代交代対決は、「関ヶ原」依田紀基vs張栩14番勝負での張栩の勝利で趨勢が定まった。去年冬、小林覚が一発逆転を狙ったもののそれも封じられた。 だがこれまで小林光一、王立誠、趙治勲と言った旧世代軍団がしつこく守ってきたのが十段の砦である。王立誠が高尾紳路、張栩といった新世代の強敵連をことごとく撃退してきたのだ。 ここを落とされるならば、旧世代の反抗はいよいよ鎮圧の方向と言うことになりかねない。それはつまらんので治勲先生ガンバレー!! あと、国際戦記事へのリンク集も作っておきました。