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テーマ:美術館・博物館(1487)
カテゴリ:芸術(映画・美術・音楽)
暑い中、催し物も無い為、昔の様に中に入れないスウェーデンとスペインの大使館前で記念撮影だけし、主目的のホテルオークラ「大倉集古館」へ向かいます。
受付で、新聞屋さんに貰った招待券を見せて中に入ります。 中は、地1階のポスター前以外は撮影禁止、パリやロンドン等との違いを感じます。 さて、今回の展示は、沖縄本土復帰50周年記念で、「芭蕉布」の展示です。 芭蕉布は沖縄本島の北部に位置する大宜味 (おおぎみ) 村の喜如嘉 (きじょか) を中心に作られる織物で、バナナ (実芭蕉) の仲間である糸芭蕉 (イトバショウ) の繊維を用いていて、栽培から生地の仕上げまで全てを地元で手作業で行う稀有な工芸品。 琉球王国の時代から、王族がその着物を身につけ、中国 (清王朝) や日本 (徳川家) への最上の貢ぎ物であり、また、庶民の着物として涼をはらんださわやかな着心地は、高温多湿な気候での暮らしを快適にし、普段着から晴れ着まで場所を選ばず着用されてきた民族衣装とのことです。 第二次世界大戦を経て一時衰退したものの復興し、芭蕉布は県の無形文化財に、また「喜如嘉の芭蕉布」の名で国の重要無形文化財、経済産業大臣指定伝統的工芸品に指定されています。 リズミカルに繰り返される模様の美しいデザイン、単純に見えるが、手の込んだ複雑さは、独特の味わいを感じます。 生地は麻の様に見えますが、繊細な美しさが有り沖縄の気候にぴったりの布だと思います。 地下で芭蕉布制作工程の映像を観ることができ、大きく育てた芭蕉から糸にするまでの大変な作業の数々、固く切れやすい糸を布にする苦労は並大抵ではないことが分かります。 また、作者の平良敏子さんが紹介されていて、緻密な計算と想像力、根気のいる丁寧な仕事だと分かります。 尚、着物で来館すると、200円(割引になることもあり、着物姿もチラホラ見えます。 特に、芭蕉布と思われる着物を着ている方もいて、驚かされました。 ・・・2012年3月、ここで鑑賞した「鼻煙壷(びえんこ)」に感動したのを思い出します。 内絵と呼ばれ、L字型に曲がった筆で壺内に描かれた作品に感動、表から見てバランスの取れた絵を、壺口から絵筆を入れて描くのは難しそうです。 中でも、ビル・クリントン氏までの歴代アメリカ大統領の肖像画が並んだのは面白かった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ <■〈特別展〉芭蕉布―人間国宝・平良敏子と喜如嘉の手仕事―>会期: 2022年6月7日(火)〜2022年7月31日(日) 芭蕉布とは亜熱帯を中心に分布する植物・芭蕉からとれる天然繊維を原料とした、沖縄を代表する織物です。第二次世界大戦後に消滅しかけた伝統技法を復興させ、現代へ繋いだ女性こそが平良敏子です。その功績により、2000年には重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。本展では沖縄本土復帰50周年に寄せ、平良敏子の情熱と、彼女が本島北部の小さな村・喜如嘉(キジョカ)に設けた工房で紡がれる手仕事を紹介します。民藝運動の主唱者・柳宗悦に「今時こんな美しい布はめったにないのです。いつ見てもこの布ばかりは本物です」と言わしめた手織物の数々を約70点にわたり公開します。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ <■芭蕉布(ばしょうふ)> バショウ科の多年草イトバショウ(Musa liukiuensis)から採取した繊維を使って織られた布(織物)。日本の別名は「蕉紗」と呼ぶ。沖縄県および奄美群島の特産品。薄くて軽く、張りのある感触から、汗をかきやすい高温多湿な南西諸島や日本本土の夏においても、肌にまとわりつきにくく、涼感を得られる。このため着物、蚊帳、座布団など多岐にわたって利用される。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ <■朝日新聞デジタル連載(はじまりを歩く)美術館 東京都 私財を投じた実業家の気骨>2022年6月11日 3時30分 高台の一角に、実業家の大倉喜八郎が本邸を構えていた。現在の東京都港区で、虎ノ門駅から向かうと、勾配のきつい江戸見坂を上ることになる。大倉の名を冠した真新しい高層のホテルを通り過ぎると中国風の建物、大倉集古館が見えてくる。… ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Wiki <■大倉集古館> 東京都港区虎ノ門二丁目にある日本初の私立美術館である。日本・東洋の古美術を中心に収蔵する。 明治から大正期にかけて大きな財を成し、大倉財閥を創始した大倉喜八郎が、長年に亘って収集した古美術・典籍類を収蔵・展示するため、邸宅の一角に1917年(大正6年)に財団法人大倉集古館として開館する。開館からまもない1923年(大正12年)、関東大震災によって当時の展示館と一部の展示品を失い、一時休館を余儀なくされたが、伊東忠太の設計と大成土木(現:大成建設)による施工で再建され、耐震耐火の中国風の展示館が1927年(昭和2年)完成し、翌年再開館した。喜八郎の死後は、その嫡男である大倉喜七郎が近代日本画など収蔵品の充実に努めた。太平洋戦争時の空襲も乗り越えるが、戦後、敷地内にホテルオークラ(ホテルオークラ東京)が建設されることを受け、一部の建物が整理解体された。1990年(平成2年)展示室は都の歴史的建造物に選定され、1998年(平成10年)には国の登録有形文化財(建造物)に登録された。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 【今日のLifeHack:登りたい山を決めることで、人生の半分が決まる(孫正義)】 <大倉集古館> <芭蕉布> <〈特別展〉芭蕉布―人間国宝・平良敏子と喜如嘉の手仕事―> <朝日新聞に掲載された「大倉集古館」> <2012年3月、ここで鑑賞した「鼻煙壷(びえんこ)」> <ビル・クリントンまでの歴代アメリカ大統領の肖像画> お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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