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2019.09.21
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テーマ:ニュース(99886)
カテゴリ:人生を学ぶ
プレジデントが標記の記事を掲載しておりましたのでご紹介いたします。
石井淳蔵さんは流通科学大学学長。
長い文章ですけど、為になります。
2回に分けております。2回目です。
下記(すべて引用)。

  「仕事とは何か、人は何のために働くのか 2

  PRESIDENT 2010年7月19日号

  著者 石井 淳蔵 流通科学大学学長

  (1からの続き)

   先の阿部先生の研究の話に戻ろう。

  つまり、「何が解ったら、解ったことになるのか」とは、いわば自身で研究の目的を定めることにほかならない。
 研究の目的は何か。それを自分に問う。阿部先生自身も、そのとき自問自答した。
 そして得た答えは、「ヨーロッパにおける被差別民の成立を解りたい」というものであった。
 少し専門的な話になるが、この筋道を理解するために話を続けよう。

  14世紀当時、次のような職業が蔑視されていた。
 死刑執行人、捕吏、墓掘り人、塔守、夜警、浴場主、外科医、理髪師、森番、木の根売り、亜麻布織工、粉挽き、娼婦、皮剥ぎ、犬皮鞣し工、家畜を去勢する人、道路清掃人、煙突掃除人、陶工、煉瓦工、乞食と乞食取り締まり、遍歴芸人、遍歴楽師、英雄叙事詩の歌手、収税吏、ジプシー、等々。驚くほど多様だ。

  ヨーロッパにおけるこうした被差別民は、この14世紀前に成立した。
 死刑執行人という職業は12世紀まではなく、高位聖職者や身分の高い人が執行していた。
 ところが、14世紀頃から、それが職業になり、身分の賤しい人が携わるようになる。
 この時期、社会における職業意識・評価における180度の転換があったのだ。
 この世紀、「人と人との関係のあり方」が根本的に変化した時代であることを窺わせる。

  氏は、この後、ドイツ騎士修道会の古文書を読み進めながら、この「13~14世紀における人と人の関係のあり方の変化」という〈大問題〉に迫ろうと考える。
 そして、その〈大問題〉についての理解を得たとき初めて、ヨーロッパ中世社会が解ったことになる。採るべき果実ははっきりし、仕事の枠組みも定まる。
 つまり、「ドイツ騎士修道会の古文書を調べる」ことを通じて(手段)、「13~14世紀における人と人との関係の変貌を明らかにする」という形に。

  「〈大問題〉を達成するために、仕事をする」という仕事の枠組みを定めないままに、仕事に取り組んでしまうことが私たちには往々にしてある。
 たとえば、古文書を読破する仕事にのめり込む。
 その一途さや愚直さを美しいと思う文化が日本にはある。
 日本という社会を成り立たせる大事な文化だと思うのだが、私は、そこにおける〈大問題〉の不在が気になる。
 「とにかくドイツの文書館で中世ヨーロッパの農民史を調べたい」というその志は貴重だが、それだけでは足りない。
 〈大問題〉が必要なのだ。あらためて整理して考えると、〈大問題〉を立てることに大事な二つの効能がある。


 ◆〈大問題〉を心に問うことの効能とは何か
  第一。〈大問題〉を明確に設定することにより、今一途に取り組むその仕事に対して、あらためて「なぜ、その仕事が重要で、必要な仕事なのか」という意味とやり甲斐を示してくれる。一途に仕事をしていると、ふとその仕事の意義が見えなくなるときがあるものだ。
 そのときに〈大問題〉が役に立つ。

  第二。取り組む仕事に対して、自身に距離感を与える。
〈大問題〉があるおかげで、取り組むその仕事を、相対的・客観的に見ることができる。仕事との距離感さえあれば、今やっている仕事を離れて、別の仕事に移る契機も与えられる。
 先の阿部氏の例で言うと、阿部氏自身が心の中に定めた自身の〈大問題〉(「13~14世紀における人と人との関係の変貌を明らかにする」こと)は、ドイツの文書館で古文書を読む以外の研究調査を要請するかもしれない。
 そんなとき、一途に古文書を読むだけでは気がつかない、その〈大問題〉に迫るもう一つの道が見いだされる。
 逆に言えば、「何が解ったら解ったことになるのか」を心の中に定めておかないと、阿部氏がそうした経験を積まれたように、どこかで行き詰まったり、空回りしたまま仕事が続いたり、あげくに幻想の〈美学〉をつくりあげてしまうことになりかねない。

  相対化することで、現場の仕事にのめり込んでしまう自分をコントロールでき、自分を見失わずにすむ。
 今の仕事の限界を知り、それを受け入れることもできる。
 そうした効能をあらためて示しておこう。

 〈大問題〉を、心に問う効能
   ・視野狭窄に陥らない。
   ・しなやかになる。不利な条件に陥っても絶望せず、次の展開を図ることができる。
   ・つねに冷静になってもう一つの選択肢・代替案を探ることができる。
   ・効率よく仕事ができる。仕事に無限定にのめり込むことがない。
   ・気持ちに余裕ができて、人の批判や助言を聞く耳を持つことができる。
   ・別の世界がありうるということを理解しつつ、今の仕事に一途に進むことができる。

  研究世界の話が中心だったが、政治やビジネスの世界にも通じそうだ。
 一途に仕事に取り組む。それはいい。
 しかし、「自分は何のために、この仕事をしているのか」と、〈大問題〉を心の中に保ちたい。
 そのために、「何が解ったら、解ったことになるのか」、
 つまり「私は自分の何を解決するために、この仕事に取り組んでいるのか」を自分に問いかけたい。
 〈大問題〉を心に問い、しっかり立てておくと、それと仕事の間の好循環を保つとともに、仕事の区切りを付けることができる。


  著者 石井 淳蔵 いしい・じゅんぞう 流通科学大学学長

  1947年、大阪府生まれ。神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。神戸大学大学院経営学研究科教授などを経て、2008年4月より、流通科学大学学長。専攻はマーケティング、流通システム論。著書に『ブランド』『マーケティングの神話』『営業が変わる』などがある。
                          」

 yahooニュースで見つけたので引用。
歴史学者の阿部謹也氏について書かれておりました。
以前、阿部の著作物を何冊も読んだことがあるのですが、違う方が違う言葉で書いているのを読むと内容を違って読めました。

月日が経ったのもあるのかも。

なかなかためになります。

2012/7/9記録。

あしま





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最終更新日  2019.09.21 06:42:07
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